みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
222.「レプリカント」とは、複製の「レプリカ」と、亡霊の「レブナント」を合わせた造語である。彼らは数年に設定された寿命から逃れ、「生きたい」と願う。レプリカントは、人間と区別されるために、感情移入テストを行い、ふるいにかけられる。レプリカントを追うブレードランナーは、本人は人間と信じている(または信じていたい)レイチェルと、恋に落ちる。レイチャルは自分がレプリカントだと知らされて、涙を流す。ロイは死ぬ間際に、「お前ら人間には信じられぬ物をみてきた、、、そういう思い出もやがい消える。涙のように。雨のように」と言って死んで行く。そう、彼らレプリカントは、なによりも「人間」なのだ。ただの複製が人間そっくりになって、生物と非生物がどこまでも暖味になった世界、人間とそうでないものの違いは何なのか?という問いに対する問題を提起している。この映画の原作者、フィリップ・K・ディックは言った。「あなたがどんな姿をしていようと、あなたがどこの星で生まれようと、そんなことは関係ない。問題はあなたがどれほど親切であるかだ。この親切という特質が、わたしにとっては、われわれを岩や木切れや金属から区別しているものであり、それはわれわれがどんな姿になろうとも、どこへ行こうとも、どんなものになろうとも、永久に変わらない」たとえ人間であっても、良心もなく、親切心もない人間は果たして人間だろうか?彼らアンドロイドの方が、よほど人間的ではないだろうか?感情移入テストで人と反応が違えば、彼らは物扱いされるのか?人間であるとは、良心が、親切心があるからこそ人間なのだと言える。感情に欠け、人間関係が希薄しているこの世の中だからこそ、特にそんな問題を訴えかけてくる。ビジュアルや、雰囲気や、世界観もさることながら、この映画はまず何よりもヒューマンドラマなんだ。 (追記・本作及び完全版は、都合により監督の思い通りの仕上がりにはなっておりません。初見の方はファイナル・カット版あるいはディレクターズ・カット版をご覧下さい。) 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2001-07-31 03:25:28)(良:1票) 221.《ネタバレ》 “Blade Runner”レプリカントを処分する職業の名称なんだけど、なんか『非合法な医療器具(メスとか)の運び屋』って意味の小説タイトルから拝借したそうな。医者(警官)じゃないけどガン細胞(レプリ)を見つけて切り取る(処分する)仕事。ってニュアンスだろうか? 初見はサイバーパンク目覚ましい'80年代後半。近未来リアルSFの金字塔として超有名な本作。ターミネーターみたいな派手なSFだと思っていたのが、思いのほか静かな映画で驚いた。近未来が舞台のハードボイルド映画なんて想像してたのとあまりに違った。 火を吹き上げる工場の煙突。薄暗いモヤモヤの空(光化学スモッグ?)。身体に悪そうな雨(酸性雨?)。空飛ぶパトカー。動く写真。奥行きのある写真。ウロコに書かれた製造番号。大画面で映される芸者風の女性。強力ワカモトがコカコーラと同等に映される。ゴルフ用品?怪しい日本語表記。中国っぽい自転車の行列。ネオンの「ジッジッ」って音。傘の柄にもネオン。箸で器用にうどんを食べるハリソン・フォード…これこそ私達の近未来。 和洋中ごちゃ混ぜな世界観。'70年代まで主流だった便利で明るい未来とは別な、退廃的な未来像。漠然とした不安を感じさせる世紀末以降の世界として、どこか説得力と力強さがあった。あの時代によくこんなワケ解んない世界を映像化したよ。凄いよリドリー・スコット。 そうそうレイチェルの凄い髪型。あれってきっと芸者の日本髪から着想したんだろうな。物凄い肩パットとともにレトロ感を感じさせるようになってしまった。もちろんあの凄い髪型から、どうやったか謎だけどウェービーな下ろし髪にした際の可愛さアップにホッとしてしまう。 舞台は2019年11月。いつの間にか現実が近未来を追い越してしまった。サイバーパンク世界の時代はついに来ること無く、ブレードランナーですら過去の物語になってしまっていたわ。 色々なバージョンが有るこの作品だけど、私が当時何回も繰り返し観ていたのは、レイチェルの寿命について説明のあるバージョン。ビデオには“完全版”って書いてあった気がしたけど、多分こっち。 いわゆる“完全版”も、どこかで観た気がするんだけどなぁ。 ~『ブレードランナー/ディレクターズカット<最終版> 』へ~ 【K&K】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2023-05-06 14:34:00) 220.美術と撮影は確かに素晴らしい、この世界に浸るだけでうっとりしてしまう…とそれだけでは2時間も付き合う映像作品としてはつらいと思います。この映画、原作のアンドロイドは電気羊の夢を見るか?と微妙にテーマが違うんですよね。原作は人間にとって模造品が何の意味を持つのかというテーマ。たとえ模造品でも人間が本物だと思えば本物になる、むしろ模造品であろうと本物のように扱えるのが人間らしさだというお話。一方映画は模造品自身が自分のアイデンティティーについて苦悩するお話。デッカードがレプリカントであるという説は原作を読んだだけでは出てこないと思います、ただ映画版だと作品のテーマとしてその方が自然だからなんです。人間にどう思われようが自分は自分だというお話なので、ただの人間のデッカードが主人公である意味があまりない。たぶんそこら辺がはっきりしていないのは原作の設定をそのまま持ってきちゃってるせいなんでしょうね、脚色が中途半端だと思います。映画だけだとフォークト=カンプフ検査が何なのかろくに説明がない、クライマックスでロイがフォークト=カンプフ検査を突破するシーンぐらい入れないとなんかカッコいい装置でどういう基準かわからん検査をしているだけという意味不明なシーンになってしまっている。どこが違うかよくわからないバージョン違いも結局構成と編集が失敗しているからではないかと。謎が多いんじゃなくて説明不足なだけだと思います。 【Сакурай Тосио】さん [インターネット(字幕)] 5点(2023-03-13 23:57:35) 219.もし主人公が超人的な活躍でカッコ良く振舞う映画が見たいなら、同じハリソンフォード主演のスピルバーグを見ればいいでしょう。 この映画、もう10回くらい見てます。毎回思うのは、人間が作ったレプリカントの方がはるかに能力が高く、彼らの前ではデッカードは殆ど無力に近い存在です。弱さは人間の象徴なのか? 特に好きなのは、まず街のシーン。そして、ロイの最期のシーン。アドリブだったあの台詞は本当に感動的です。更に、ラブシーン。弱々しいデッカードが女性(レプリカントですが)には強気です。「Say "I love you"」「Say "I want you"」と強い口調でレイチェルに言い、言われたとおりに口にした後、最後にput your hands on meと言います。この時のショーンヤングが最高に可愛くて大好きです。ただ、ショーンヤングはこのシーンの暴力的な感じがイヤだったそうです。 それらを含め、見終わる度に何か感慨深い思いに打たれますが、それもすべて消えていきます、雨の中の涙のように。 【amicky】さん [インターネット(字幕)] 9点(2022-09-18 18:51:14) 218.《ネタバレ》 1982年公開のSF映画。 TVの地上波放送の日本語吹き替え版で観た。 その録画テープを何度も観た記憶がある(なつかしい)。 レプリカントは、人間の身体能力を超える。 だがレプリカントは数年しか生きられない。 レプリカントの悲しみ。 レプリカントの怒り。 なぜ俺たちを作った!? 日本語吹き替え版では、最後までナレーションがある。 ラスト、二人はどこへ行ったのだろう。 あのシーンは、他の映像素材から持ってきたらしい。 が、あのシーンがある事で私の想像は広がったし、それは良かったと思う。 映画の舞台裏には、いろんな事情があるらしい。 続編が作られたようだが、まだ観ていない。 続編には「CGとVFX」がが多くて、迫力があるのだろう。 が、私にはこの「CGとVFX」がない方が心地良いようだ。 余談:1983年の「シネフェックス」特集号は持っているのに、まだ読んでいない。 【激辛カレーライス】さん [地上波(吹替)] 10点(2021-04-11 03:20:23) 217.《ネタバレ》 北野武の「ソナチネ」なんかは「わかる人しかわからない」と割り切れるんだが、 この作品の場合は全世界の全ての人たちがこの作品の良さをわかってくれるはず、 と思えるというかそう信じてしまう。 ので、ときどき見る「この作品つまらない」に衝撃を受ける。 内容は割愛するが、この作品のいくつものバリエーションは、 主人公がアンドロイドかどうかというところを強く意識させるかどうか、である。 監督の答えは「イエス」であり、ハリソン・フォードの答えは「ノー」だった。 続編が作られたということは当然ノーの世界線だったのだろう2049は。 あとラストの曲が名曲過ぎてYoutubeとかAmazon Musicとかでエンドレスリピートしてしまう。 80年代初頭の日本の台頭、アメリカという国家の足元の不安、 機械が人間化していくということ、あるいは男女の分かりえなさ、 そういった諸々をSFにしましたという感じはどうしたってあるわけで。 そういえばトリビアでありましたね、この作品の舞台は2020年だったが、 「トゥエンティトゥエンティ」と言ってしまうと視力が2.0/2.0の意味になっちゃうから 2019年というものにしたとかなんとか。 【にんじん】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2020-05-04 22:47:35) 216.《ネタバレ》 純然たるSFであり、世界観を語ることで勝負している映画である。なので、ハリソン・フォード主演の大作SFだからと単純明快で派手な(アクション)作品を期待すると肩透かしを食らうだろう。その上で、その勝負所な世界観にどうも使い古された感がある現在では(実は本作の方が「先」なのだろうが)やや既視感のある作品になってしまっている。 また、ほぼCGを使わない点も(良いことなのかも知れないが)現代に至るとイマイチ見慣れたSF感というものが無く、替りの特撮はこれも現代では非常にチャチで、全体としてもやはり、やや陳腐化してしまった映画と言えるかも知れない。ただ、混沌と荒廃を包含した悲観的近未来感と、ゆったりしたテンポから醸される文芸映画の如きハイソな趣は中々に面白い。レイチェルの無機質な美しさも作品に華を添えている。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 6点(2019-11-17 00:22:32) 215.《ネタバレ》 初めて観たのは何十年も前で子供だったので意味が分からなかったのですが 物心ついたころもう一度観て一気に好きになった。 暗鬱な未来像にもしびれたし、主人公側よりむしろ敵側の方が正しいとさえ思えるストーリー。 特にラストでロイが死に間際に語るセリフ。 カッコよすぎて心に深く刻み込まれました。 どうも死というものに対する考え方の一つを教わった気がします。 映画の個人的名ゼリフランキング1位ですね。 【Dry-man】さん [地上波(吹替)] 10点(2019-10-05 22:14:30) 214.《ネタバレ》 すげぇよ 30年前の映画なのに本当に古さを感じない。(実際はやっぱり古臭いが) 高度に文明が発達しても汚く狭く、言葉も文化も入り乱れる。 倫理観、ロボットの愛まで描く、その想像力がすごい。CGも無い中でよくここまで撮ったなーって思います。 人間よりも苦しみが多い分、人間らしいのかもしれない。SFの原点的作品。 【Keytus】さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-04-16 00:30:32) 213.《ネタバレ》 カルト オブ カルト。封切り時にガラガラの映画館で見た衝撃は忘れられない。映像が良い。雨のシーンが良い。レプリカントが良い。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 10点(2019-01-11 23:04:16) 212.《ネタバレ》 世界観が良い。 こだわって、がんばって作り出した世界観へのこだわりが、とても良く伝わってくる。 間違った日本語も、もしかしてわざとか?と思わせるほどプラスに働いている。 軽い女は嫌いなので若干マイナス。 【チェブ大王】さん [地上波(字幕)] 9点(2018-12-30 01:03:21) 211.《ネタバレ》 2度目の鑑賞。今回ナレーション付きを観てようやく理解できました。 レプリカントの寿命4年というのがリアルです。スマホもだいたいそれくらいだし・・ 学習機能があるから、あまり寿命を長くすると人間を超えてしまうから4年なのでしょうか? カズオ・イシグロの「私を離さないで」にも、共通する点があるように思いました。 あちらはクローンですが、人間に利用されるために生み出されたという点が。 人間が嫌がる危険な作業や汚い作業をロボットにさせることが現実味を帯びている昨今、35年も前にこのような映画が作られたことに驚きます。 この映画の監督は、もう80近いというのに今でも、こちらが驚くような映画を作れて本当にスゴイです。「悪の法則」も好きです。 【たぬき野郎】さん [地上波(吹替)] 10点(2017-12-03 16:14:15) 210.近未来をだいざいにした作品。何が面白いのか私には解りませんでした。映像がうつくしい。この手の作品は評価の個人差が大きいでしょうね。今更ながら初めてで楽しみにして観たのですが。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 2点(2017-05-05 10:30:41) 209.30年以上前とは思えない世界観で美術センスが高いのはわかるんだけどハリソンフォード演じる主人公に魅力を感じない。このひと強いの?やられてばっかりで。 ゲイシャの広告塔は好き。 【mighty guard】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-09-21 10:45:11) 208.ヒトの少ない大きな映画館のスクリーンで、ひとりぼっちで観たい映画。 冷房はキンキンで、3Dだとなお嬉しい。 確かにセンスで観る映画かも。 【プラネット】さん [DVD(字幕)] 10点(2015-06-20 23:50:40) 207.《ネタバレ》 「ブレードランナー」そのものについてのレビューは「ファイナル・カット」でさせてもらった。 今回は、「インターナショナル版」のクライマックスについてコチラで語らせていただきたい。 オリジナルやファイナル・カットのラストシーンは好きではある。 生死を賭けた戦いから戻り、大切な人と生きる喜びを分かち合う。 そして二人は生きるために家を去っていく。エレベーターの扉が「ガシャン」と閉まり、物語は不安を残したまま黒をバックにした背景のエンディングに突入して終わる! これはこれで好き。 ただ、二人の行く末を明るく照らす「インターナショナル版」。 これが何故か一番心に響く。 それはデッカードの心理描写があるからでは無い。 上記の不安な様相から一変して、美しい森を二人で走り去る場面。 今までの不安に満ちた生活から解き放たれたように明るい表情をしてるんだ。 こっちも解放されるよ。ロイが放った白い鳩のように。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-11-30 00:08:55) 206.当時、私はまだまだ幼かったけれど、その映像美にはびびった記憶がある。見直してみてもその映像美に衰えは無かった。けれど大人になった今の私にはストーリーにもうひとつパンチが欲しいかな(←生意気)。ただしこの時のルトガー・ハウアーはいつ観てもカッコいいのだ。 【movie海馬】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-11-22 18:57:15) 205.そんなに絶賛される映画とは思えない。 【aimihcimuim】さん [DVD(字幕)] 4点(2014-09-21 01:31:41) 204.全ての面でセンスが良さが漂う映画。 【cogito】さん [映画館(字幕)] 10点(2014-07-29 19:20:19) 203.《ネタバレ》 その昔、学生時代に友人から勧められて見た映画。 「これ系の世界感」に触れたはじめての体験でした。 この世界はメカメカな中で、雨がよく似合う。 今となっては、内容は詳しく覚えていないです。 あ!レイチェルが美人だったのが印象的。 【たかしろ】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-04-10 13:37:25)
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