みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
38.映画の中盤以降、主人公である大石先生はことある毎に泣いている。最後には、子供たちからも「泣きみそ先生」とあだ名される始末だ。でも、大石先生の流すその涙にこそ、昭和という歴史への、つまりは「戦争」というものへの“異議申し立て”があることを、この映画の作り手たちはまちがいなく自覚的である。それはただ悲しいからでも、つらいからでもない、「くやしい」からこそ流された涙だ。時代に翻弄され、押し流されながらなすすべもない時、人はそういう状況に追い込んだものたちに怒り、しかしそ気持ちの持って行き場がないから、泣く。そこには単なる「被害者意識」ではなく、もっと烈しい告発の意志がある。だからこそそれは、時代を超えて見る者の心を揺さぶり続けるのだと思う。 ・・・以上、ずっと以前に録画してあったビデオで、先日久しぶりに再見した感想。昔は単なる感傷と、いかにも日本人的な諦観にいろどられたもの、という印象を抱いていたのだけれど、今回見てコロリと考えがかわりました。やっぱり映画は、何回も見直すべきだなという反省と自戒をこめて、ここに記す次第です。木下恵介監督、ゴメンナサイ。 そして素晴らしい映画をありがとうございます。 【やましんの巻】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2009-02-04 18:44:31)(良:1票) 37.名作は単純に面白いものと、時代がそうさせたものがあると思うけど、これは完全に後者かなぁ…。詰め込まれている(もちろんそれは間も含めての話ですが)ではなく、間延びしてますね。 【デフォルトモード】さん [DVD(邦画)] 1点(2009-02-02 01:58:20)(良:1票) 36.物語としてはしっかりしていてつまらなくはないのですが、全体に共通する妙な「ほのぼの感」がどうにも受け付けられませんでした。学校唱歌の繰り返しも、最初は新鮮だったのですが、最後の方はしつこいと感じてしまいました。子供たちが泣きながら先生を訪ねていくシーンの単純な説得力に4点、笠智衆先生の堅実な存在感に1点。 【Olias】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-12-30 03:07:10) 35.《ネタバレ》 戦争を知らない自分としては、これほど時代を反映した作品を観られただけでも満足。離島の小豆島までじわじわ戦争の波が押し寄せてくる描写がとてもリアル。特に当時の教育はとても怖い。子供の命を惜しんだだけで赤と見なされるとは恐ろしい。さすがに子供たちの死ばかりを見るのは苦しかったが、観て良かったと思える映画だった。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-10-04 22:53:05) 34.笠智衆のおとこ先生が、夜中に奥さんと必死でオルガン練習してた「しーししーふ、みーみみー、いいいのいー」っていう唄がやけに耳に残ってます。(実は七つの子より好き)あれってなんていう曲なのかなあ・・・。唱歌の挿入が多すぎて、ちょっと感傷過多という些細な点以外文句のつけようがない素晴らしい映画。僕の中での美人の基準は、原節子でも吉永小百合でも、ましてや鈴木京香でもなく、三十年来この大石先生、高峰秀子さんって決まってます。 【放浪紳士チャーリー】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2008-09-14 10:42:32)(良:1票) 33.《ネタバレ》 12人の生徒相手の学園ドラマが何故2時間30分もの大作映画になるの?と思ってみてましたが、見終わって納得。20年の時代の流れを描いた素晴らしい大河ドラマでした。大石先生が教え子や、自分の子供達に「弱虫!」とか「臆病者」と非難されるシーンを見て、その時代が持つ思想、教育というものの恐ろしさを感じました。大石先生は弱弱しく「貴方たちに死んで欲しくないだけなのよ」とい言うだけですが、このような考えすらも「赤」と見なされてしまう時代だったんですね。時代や思想を超えた大石先生の愛情に10点献上します。 【仏向】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-09-13 15:19:17) 32.同時代の海外の名作とも肩を張れる、日本を代表する作品だと感じました。 特に教師は見ておいて損はないと思います。 【貧弱室伏】さん [レーザーディスク(字幕)] 10点(2008-07-28 21:25:56) 31.いい映画だというのはわかる。わかるんだが、無邪気な子供たちに数々の救いようもない現実が降りかかるのを二時間半も見るのはつらい。多くの童謡が頭の中でこだまします。高揚やエンターテイメントを排除した楽しめない正しい戦争映画。 ただ、ちとしんどいので僕はどちらかといえば自分のペースで小説を読むほうがいいな、と思いました。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-07-03 17:58:57) 30.日本人が戦争の記憶を殆ど忘れかけてきている事を考えると、この映画がこの先ずっと継承されていくことに若干の不安を感じる。公開当時のように、作中の出来事を実体験と重ね合わせる事はもはや不可能となってきている。私自身、あまりに期待して鑑賞したせいもあってか、本作は深く心に刻み込まれる作品とは成り得なかった。しかし、反戦の意図を根底に抱える作品でありながら、これほど穏やかさや愛情に満ちた一本が非常に稀少である事は確か。 【wood】さん [映画館(邦画)] 5点(2008-06-07 13:29:20) 29.こんな先生がいたら学校にいくのがたのしくなりそう。 【ホットチョコレート】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2008-05-14 23:24:18) 28.《ネタバレ》 物語最初に先生の呼び声に対して「ハイ!」と大きな返事をする12人の生徒たち。かれらの二十四の瞳こそが物語の最大のポイントであり、その瞳は今の時代の子供たちも持っている。うれしかった。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-04-27 17:13:59) 27.タイトルは超有名にもかかわらず,30代半ばで初めての鑑賞.単純に「教師もの」として評価すれば,熱中時代や教師ビンビンにはおよばないという感じ.ただこの作品には,「戦死」というキーワードが重ーくのしかかっていてそんな単純な尺度では比較できないんでしょうね.火薬の量やグロテスクな特撮で圧倒してくる戦争映画とは真逆に位置する感じですが,海の向こうで起こっている戦争の存在を非常に強く意識せざるを得ない作品でした.汚い白黒映像でごまかせれているのかも知れないのですが,主役の女優さんの20年後の姿があまりに自然で不思議でした.また,船の上で女の子が独唱するシーン,久しぶりに聞き入ってしまいました. 【マー君】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-04-19 15:52:01) 26.校内映画鑑賞大会で何度も無理矢理鑑賞させられて。カラー作品が観たいのにモノクロだなんて!と同級生達と暴言を吐いたけど、いま思えば何度も観ていて良かった。 【成田とうこ】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-04-06 10:56:29) 25.《ネタバレ》 何度この映画を観たか自分でも判らないんですが、休日にふと時間ができると観てしまいます。 出てくる人で強い人は誰もいない、校長先生も男先生も時勢の中で学校や生活を必死に守っている優しい正直な中年男性にすぎない。 完全な「負け組映画」と言えるかもしれない。 大石先生はいつも愚痴って泣いて子どもたちの運命を変えることはできない。 「一緒に泣いてあげる」ことしかできない。 子どもたちが運命に流され消えていく(売られていく・カフェに身を落とす・奉公に出される)、あるいは自分のチカラで歩いていく(師範学校に進む・軍人になる・産婆になる)のを見守ることしかできない。 小学校の卒業式の後、自宅に訪ねて来た竹一に中学の制帽を愛おしく大切にかぶせ、予定外に奉公に出ることになった磯吉に、同じように鳥打帽を愛おしく大切にかぶせ、旅立ちの仕度をした二人を見つめる大石先生。 バス停まで歩く3人、背景には満開の櫻と菜の花。 数年後、満開の櫻の下、菜の花を教え子の墓標に捧げる大石先生。 その間に大石先生も母と夫を亡くし、愛娘を亡くしている。 そのたびに「あぁ、いやね・・」と泣く、何かの運動をすることも抗議におしかけることもない。 遺された者を守り、逝った人を思って泣くだけだ。 振り返って、私たちの世代は愚痴らず、泣かず目標に向かって努力することを美徳として、突き進んできた世代だ。 「見守る」・「泣く」という受動的な生き方を否定して成長してきた。 きっと「就職する磯吉」と「進学する竹一」に優劣を一瞬でつける。 同級生との「社会的地位」を逆転する方策を練り、磯吉を叱咤するだろう。 しかし、強いようでいて、見守る者として、大石先生のような「その子をそのまま受け入れる・信じる」強さを失っているのではないかと思う。 木下監督の映画は「弱者」の映画だ。 「二十四の瞳」も「喜びも悲しみも幾年月」「日本の悲劇」も人が人を見守り、育っていき、旅立つのを、メソメソと愚痴り、泣きしながら受け入れていく映画だ。 どんな社会になっても、木下作品が色あせることがないのはこの「弱い者・残された者」の持つ本質的な、「旅立たせる者」のもつ「痛み」と「強さ」なのではないだろうか。 観る度に、自分を「旅立たせてくれた人」を思い、泣き、いつか自分が「誰かを旅立たせる日」を思い、泣くのだと思う。 【グレース】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-04-05 22:15:11)(良:3票) 24.《ネタバレ》 美しい小豆島の自然描写と学校唱歌の効果的な使い方だけではない、監督木下の描写あってこその映画。それは桜の木の下を電車ごっこで走るショットの幸福感や教え子達を戦地へ送る際のテープを持つ手のアップカット、または走る自転車をロングショットで捉えたところはどこまでも続いていく道の厳しさ・そして希望へつなぐ道行きを感じさせるのがやはり並の監督ではうまくはいかない所。そして戦争に巻き込まれる市井の憤りや無念さを静かな風景との対比でちゃんと描き出している点が「静かなプロテスト」木下の面目躍如たる部分。ラストに近づくにつれ泣いてばかりいる「大石先生」高峰秀子の演技は通常の役者が演じたら嘘くさいものになってしまう(リメイクはほとんどそう)が、失ったものへの想いや歳月の重さ、そしてそれでも生き続ける難しさと生きることへの希望が混在した名演技だからこそ観客は皆納得されるのだろう。と書いてますけどねぇ、この映画私にとって「パブロフの犬映画」、つまりラストはいっつも泣かされっぱなしなんですよ!国民必見の一本。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-04-05 19:44:47)(良:2票) 23.浜辺の歌をいい曲だと思った。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-03-29 15:21:16) 22.《ネタバレ》 空にゆったりと浮かぶ雲。陽光を反射してきらめく凪の海。遠くまで霞むように連なる瀬戸内の島々。桜の森の中を連なって遊ぶ楽しい日々。みんなで撮った思い出の写真。修学旅行の船上での楽しいひと時。そしてその船をそっと見送るまっちゃん。悲しい時も嬉しい時も大きな声で唄を歌い、励ましあって成長する。忘れてはいけない大切なものがいっぱいに詰まった心温まる珠玉の名作です。 【カリプソ】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-02-20 23:36:45)(良:1票) 21.《ネタバレ》 先日、偶然にも文庫本を読んだのがきっかけで映画の存在を知ったのだが、これが予想以上の高評価を得ていた。実際に観てみると、本の描写が思い出され、出席の点呼のシーンだけでグッときてしまった。 劇中泣いてばかりの大石先生は「なきみそ先生」という名誉ある名前をもらうことになる。こんなに泣いている描写が多い映画は記憶にないかも。まったく何回泣くんだよと思いつつ、ほぼ毎回もらい涙したりして。 ラストの写真シーンでは当然のごとく画面がぼやけた。ただ残念だったのはその後の「荒城の月」が違う歌になっていたこと。感傷的な雰囲気的には断然こっちがよかったなぁ… 【ホシ】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-01-13 02:22:13) 20.原作を既に読んで結果がわかっていたので、そんなに感動はしないかなと思っていたけど、やっぱり映像になると感動しますね。この映画は歌がとても効果的に使われているのでなおさらです。勇ましい戦争映画よりもこういう静かな反戦映画のほうが現代社会においては見るべき映画だと思う。 【こまごま】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-03-30 22:12:20)(良:1票) 19.《ネタバレ》 終盤の先生の歓迎会、皆が無言になり流れる”浜辺の歌”、そしてラスト、自転車と美しい風景をバックに流れる”仰げば尊し”、無言の中に感じ取ることのできた戦争の傷跡、悲しみ、すばらしかったです。 【maemae】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-12-04 21:16:19)
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