みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
136.何と穏やかな老夫婦だろう、癒されるな~。熱海で温泉を満喫したけど、夜は賑やかすぎてなかなか眠れない→翌朝、海を眺める二人「帰ろうか」 かわいいとさえ思えてきます。お気に入りはとみさんが孫に語りかける場面。孫の成長を見守りたいけど、虫の知らせがあったのだろうか、その哀愁たるや尋常ではない。「あんたがのう、お医者さんになるころ、お祖母ちゃんおるかのう・・・」 泣けます。この物語に悪役はいない、みんながとてもリアル。杉村春子さんが演じた「しげ」は嫌われる役かもしれないけど、決して悪人ではないし、酔った父親とその友人を布団に寝かせるなど、優しいところもあります。椅子に寝てるんだから放っておく人もいると思いますけどね・・・ 旦那(中村伸郎さん)は二階行き。「子供より孫がかわいい」は定説だけど、それを否定した周吉、とみ二人の会話も面白かった。小津さんは孫どころか結婚もしなかったのでそんな風に思えたのかもしれません。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-09-02 00:11:48)(良:1票) 135.若い頃に見て面白くなくても、歳を重ねると良さがわかってくる作品というものがある。 私の場合は本作がまさにそういう作品なのです。ごく普通の家族や親戚をごく自然にリアルに演技していて好感がもてますが、大坂志郎の大阪弁は少し違和感あり。 【きーとん】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-07-24 17:57:44) 134.《ネタバレ》 人のあたたかさとリアルな部分が詰まった映画でした。1953年でも親を殺す子供の話をしていたのが印象的。良くも悪くも時代が変わっても人は変わらないと感じました。 【osamurai】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-02-05 21:09:25) 133.いかに言を尽くしても語ることができない、そんなことってあるのか。始まったものは必ず終わる。命も(たぶん)、映画も。無常ってなによ、不条理な存在ってなによ。只々ことばを呑み、滂沱。愛が永遠だって誰が言ったんだ。みんな耐えられずに死んでしまったのかな。中也も太宰も。でもやっぱりずっと俗っぽく愛してますと、それが肉体、少なくともわたしは今は、まだ生きてます。 【ただすけ】さん [映画館(邦画)] 10点(2010-01-31 20:29:52) 132.《ネタバレ》 この映画は何回も観てきたけれど、そのたびにボロ泣きなので、今回も泣くかと思いきや、意外に泣かなかった。分析的に観てしまったせいがあるかもしれない。そのせいか、小津監督の映画作りのうまさを改めて感じたし、やはりこの作品が代表作とされるのはその様式美が遺憾なく発揮されているからだろうと思った。同じカットを映しながら、人や物の配置を替えたり、あえて配置しないことで、その違いを際立たせたり、同じ人物を近くから撮ったり、遠くから撮ったりすることでその心象風景を描き出したりと、この映画には彼のテクニックがてんこ盛りに詰め込まれている。 話の構成・展開も見事だ。老夫婦が東京に来てから少しずつ際立つ違和感、彼らの子供たちの生活に投げかける波紋が残酷なほどに丁寧に描かれる。子供たちとて歓迎したくないわけじゃない。ただ忙しいだけなんだ。だが、その「忙しい」という言い訳がどこまで通用するのか?彼らはそれにかまけて逃げているのではないか?小津さんの追及は厳しい。長女しげを演じる杉村春子の演技はあまりにも見事で身につまされるが、僕らの大半は彼女なのだ。悲しいことに。 しかし、彼らは背景に過ぎない。本作の女神は紀子だ。親不孝な僕たちにとっては美しくも怖ろしい。怖ろしいほどイノセントで神々しい彼女が最後に漏らす「私、ずるいんです。」という一言は見るものすべてに止めを刺す。それがずるいのなら、僕らはどれくらいずるいのだろうか。と僕たちは感じざるを得ない。キリストが人間だとしたら、尚更その神性が際立つようなものだ。 今の世界に小津さんがいたら、果たして彼は何を描いただろう。観終わってそんなことが気になった。しかし、ちょっと考えると、彼はまた同じ物語を作ったのではないか?とも思った。それほど時代を超えて(あるいは国を超えて?)普遍的な物語がここにある。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-10-25 00:49:56)(良:1票) 131.決して長男長女らのドライな対応を笑えない。若いころに見てもわからなかったんだろうなぁ。小津マジックにハマった気がする。 【わさび】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-09-06 03:28:01) 130.《ネタバレ》 大人な映画だな、と感じました。淡々とした日常を描いているだけなのに、随所に「醜さ」と「美しさ」が散りばめられていて印象に残ります。 田舎から出てきた両親に対する長男・長女の態度は、悪いという訳ではない。だって忙しいんだからしょうがないでしょう、と。でもその態度は醜い。一方、できる限りの事はしようとする紀子さんの態度は美しい。 母親の危篤の知らせを聞いて、喪服を持っていくかどうかを相談する長女。悪いという訳ではない。だって必要になるかもしれないから。でも、とてつもなく醜い。 そしてラストシーン。心に溜めていた自分のずるさを思わず告白してしまった紀子さんと、精一杯の感謝を伝える事で、何とか紀子さんに新しい道を進んでもらおうとしている周吉さん。本当に美しかったです。 【MANSON】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-04 02:28:25) 129.七人の侍と肩を並べる邦画の傑作と聞いて視聴したけど、本当に面白くなかった。 低位置でカメラを固定して撮る手法が持ち味なんだろうけど、はっきり言って工夫を放棄してるだけに見える。 「○○だねえ」「そうですねえ」「○○だねえ」「そうですねえ」と、こんな単調な会話(しかも棒読み)の連続でテンポが異常に悪い。登場人物はやたらウムウム相槌を打ちすぎ。 終盤の周平と紀子の謙遜合戦で眠気がピークに達した。 もしこの作品をネームバリュー皆無の無名監督が撮っていたとしたらここまで評価されていたのか、甚だ疑問です。 【理不尽みるく】さん [DVD(邦画)] 0点(2009-08-11 02:46:08)(良:2票) 128.《ネタバレ》 息子たちに、まるで邪魔者を押し付け合うような対応を受けるだけ受けておいて、後になって“昔はもっと優しい子だった”と語らい、それでも“まぁ幸せな方じゃのう”“幸せな方でさぁ”こう自らに言い聞かすように、寂しく、そして穏やかに語る老夫婦。この穏やかさが心に沁みる。たまらない。この映画には(人というものには、こういうところがある)という側面が次々と描かれている。その為、映画に没頭しながらも、いつの間にか自分に押し当て、心かき乱されてしまうのだ。一例として、母親の死に直面したしげ(杉村春子)が泣き崩れた場面と、葬式が終わった後のケロッとした態度は、配役の性格設定を超えた、人間というものの性質を映しているように感じる。、 大阪から遅れて馳せ参じた敬三の、どこか筋の取っていない立ち振る舞いや言動などもそうだろう・・・。人がそれぞれの境遇によって、その局面での取り繕う様子が生々しく描かれている。そしてどこか自分自身を見ているような気持になってくる。 【よし坊】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-11-06 06:17:05) 127.《ネタバレ》 何というか、「映画」を超越した唯一無二の作品に出会うことが出来たといったらちょっとオーバーかも知れませんが、とにかく観ていて心の奥底からいろいろな感情が静かに湧き上がってくるのを抑えることができませんでした。何なんでしょうか、この観ているものの心を捉え、自分自身を省みさせ、そして全てを受け入れてくれるようなこの感覚は・・・・。 この思いを上手く言葉にできないのがもどかしいですね。しかし、何というか葬儀後、兄や姉の行動に不満を述べる香川京子を諭す原節子の言葉と、その後のシーンでの笠智衆の「ええんじゃよ,それで。」は本当に心に沁みましたね。 これから、何回も観返したい作品です。 【TM】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-10-28 20:09:29) 126.《ネタバレ》 最初にこれを見た時は、正直に言いまして度肝ぬかれてしまいました。カメラは移動することなく固定され、話す人物をほぼ正面でとらえているのですが、こんなんで映画が成り立ってしまうのかと思っていましたら、成り立つどころか凄まじい出来栄えなのですから。例えば、バカみたいに細かい性格描写などしなくとも家族関係を明確に見せてしまったり、あるいは老夫婦が並んでウチワをあおいだりと度々シンクロするような姿を映し出す事によって、母親が亡くなってしまった瞬間から父親が一人になってしまったことが強調され、年老い、死に、孤独になってゆく寂寥感をより一層感じさせたりするのです。そして特筆すべきは原節子さんでしょう。杉村春子さん演じる長女などはキャラクターこそ強烈なれど、後々〝段々あんなふうになっていく〟と会話にあるようにあまり不自然には見えないのです。ところがどっこい原節子さんの演じる未亡人の義理の娘は優しい笑顔を常に浮かべているのですが、これがある種、亡霊のような怖さを感じさせるのです。しかしだからこそ最後の最後で〝ずるいんです〟と告白するシーンが圧巻なのであって、血の繋がりがない義理の親子が実に理想的な親子像だったりするあの場面に寂しくも温かい気持ちになるのです。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2008-10-17 18:25:39)(良:4票) 125.《ネタバレ》 小津安二郎が日本を代表する映画監督で「東京物語」がその代表作であることは知っていても、実は観たことがない人は結構多いのではないか。つまり、何故この監督が有名なのか解っていないのではないか。かく云う私も比較的最近までその一人でした。そして、この映画を観ていろんな疑問が一気に解消しました。それくらい視点や語り口が独特です。鑑賞直後はとても大切なものを見せられた気分でした。熱海に厄介払いされた後に、静かな佇まいで海を眺めていた笠智衆が印象に残っています。 【アンドレ・タカシ】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-09-29 03:34:04) 124.序盤で泣いてしまう自分はきっと変じゃない。 【オニール大佐】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-08-19 19:31:28) 123.胸が痛い 【なますて】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-07-17 23:09:36) 122.《ネタバレ》 導入部はかなり退屈だったのですが、自分たちが歓迎されざる存在なのを段々と察知していくあたりは優れた描写で、特に、熱海の海岸で「帰ろうか」と語り合うシーン、そこから追い出されるように出て行って行き場のなくなるシークエンスは秀逸でした。そのまま最後まで行ってくれればよかったのですが、その後はやっぱりステレオタイプな人物描写と説明台詞の応酬に戻ってしまいました。これだけの俳優陣と、鋭い着眼点の素材を揃えたのであれば、台詞が言葉通りの意味を表していない、裏の意味も別の意味もある、1人の人物がいろんな感情を持っている、そんなやりとりをもっと見たかったと思います。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-07-15 00:43:33) 121.上京してきた老夫婦が邪険にされる話・・・って普通の感覚だったら絶対映画にしないだろうな。目の付け所が違う。 まったりとモノ悲しい。当時の雰囲気や、日本人の間を堪能できますが、映画に娯楽をもとめる僕のようなタイプには厳しい、巨匠の一本。眠いけど損した気にはならない。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-06-18 18:53:59) 120.この作品は間違いなく小津監督の代表作である。そして、この映画が何故、名作であるかと言われたら、それは何よりも世界共通のテーマである家族の問題、普遍性を感じるからこそであると私は思う。この映画で描かれている家族の崩壊というそのテーマこそ正に現代に通じる大きな問題点であり、それを既にこの時から先を見据えて描き出す小津監督の持っている感性の鋭さ、幸福な過程に突如、訪れる不幸、誰もが一度は経験するであろう人が生きて行く上で欠かすことの出来ない普遍性に誰もが観た後、何かを考えさせられるはずです。そんなこの作品、やはり誰もが発する言葉の美しさ、現在の日本人に失われつつある言葉の美しさがこの作品の中には見える。その言葉の美しさがあるからこそこの映画は人々の心を打つ、感動させるものがあると言えるそんな作品が正しくこの映画!何を言ってるのか全く解らない今の人達こそこの映画を観て、言葉の美しさを学ぶべきだと声に出して言いたくなるほどの本当に全てにおいて美しい作品です。小津映画の特徴にある笑いは少ないかもしれないが、これほど言葉の大切さ、人の心の温かさを教えられる映画はなかなかありません。小津映画を見ないで日本映画を語る。日本映画なんて、面白くも何ともないなんて言うのは大きな間違いだ!この映画を観ると少なくとも今の日本映画にはない何かが見つかる。感じられるはずです。 【青観】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-05-17 18:51:21)(良:2票) 119.完璧な構図とローアングルで繊細に日常を描いた美的作品。 原節子のキラキラ感にはまいった。 原節子がモノクロ映画の中でピカピカに光っている。 ただ面白いだけじゃなく、「映像美」が最高なので、10点。 面白い映画は他にもあるけど、こんな「美」がある作品はそう無いと思う。 【ぺんぎんうさぎ】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-03-29 02:52:15) 118.よくいるよね。こんな夫婦。と当時の人は思ったんじゃないでしょうか。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-03-19 21:45:41) 117.尾道から東京までの長い旅路。容赦ない夏の暑さ。息の詰まるような東京の町。着物の重苦しさ。履物の不安定さ。気を使う息子たちの家。これでは気の休まる暇も無い。唯一、親身になってくれる紀子だけが救いである。遠くの親戚より近くの他人と言うが、本作は遠くの親戚より遠くの他人(他人ではないが)といったところか。たしかに世間では相続争いや兄弟喧嘩、果ては更に悲惨なことまで毎日のように起こっている。本作にも「それを思えばまだ幸せだ」というセリフがあるが、そうであったとしても老夫婦には心身ともにつらい旅となった。そういった老夫婦の寂しい話ではあるけれども作品としてはとてもよかった。朴訥としながらも品のある老人を演じた笠智衆を筆頭に美しいとは思わないが気品溢れる原節子の優しい眼差しにも心が洗われた。そして尾道の美しい風景や東京の復興目覚しい街並といった背景も印象的で、穏やかな情感ある音楽も作品の雰囲気に合っていたと思う。傑作であると素直に感じられた。本作が上映された1953年というと「雨月物語」といった後世に名を残す名作が封切られた稀有な年でもあり、更にこの50年代は両監督にとっても日本映画界にとっても黄金時代にあたるのだなと改めて感じた次第です。 【カリプソ】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-02-20 23:40:03)(良:1票)
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