みんなのシネマレビュー

山の音

1954年【日】 上映時間:95分
ドラマモノクロ映画小説の映画化
[ヤマノオト]
新規登録(2004-03-14)【まぶぜたろう】さん
タイトル情報更新(2022-12-12)【イニシャルK】さん
公開開始日(1954-01-15)


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監督成瀬巳喜男
助監督筧正典
梶田興治
キャスト原節子(女優)尾形菊子
山村聰(男優)尾形信吾
上原謙(男優)尾形修一
長岡輝子(女優)尾形保子
金子信雄(男優)相原
中北千枝子(女優)相原房子
杉葉子(女優)谷崎英子
木暮実千代(女優)信吾の友人
十朱久雄(男優)信吾の友人
角梨枝子(女優)絹子
北川町子(女優)
馬野都留子(女優)
原作川端康成「山の音」
脚本水木洋子(脚色)
音楽斎藤一郎
撮影玉井正夫
製作藤本真澄
馬場和夫(製作担当)
東宝
配給東宝
特撮東宝技術部(特殊技術)
美術中古智
編集大井英史
録音下永尚
照明石井長四郎
その他キヌタ・ラボラトリー(現像)
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6.《ネタバレ》 ↓えっ、上原謙って山村聡より年上なんですか。それはある意味凄いキャスティングだ。笠智衆が、よく年上を相手に父親役をやっていた話は聞いたことがあるが、これは山村聡が老けているというより、上原謙が若すぎるんでしょうね。2世代が同居する家を舞台にしたホームドラマ。この家は不協和音に満ちている。直接の原因は不貞の夫と出戻りの娘。その夫の寒々しい態度に耐え続ける不幸な嫁。それを精神的に支える舅。一見、そんなふうに見えるのだが、この不協和音の原因は実は舅にある。それに気付くと、物語がグッと奥深いものに変化した。舅は物分りが良く、有能(な社長さん?)で、鷹揚でいて細かい気遣いも出来るキャラクターなのだが、それが災いしている。これが違うタイプの映画なら嫁と舅に「間違い」が起こりそうな空気だった。たぶん、事あるごとに嫁が舅を頼り、夫はそれが面白くなくて心が離れて行ったのだと思う。出戻りの嫁が持っていたコンプレックスも、そもそもは出来すぎの父親から見透かされるような視線を受け続けたことが原因だろう。舅はそれを自覚していない。原作は未読だが、映画では夫が父に対して抱いているはずの嫉妬には一切触れないし、舅は最後まで家族の苦悩を背負った男として描写される。このあたりに川端文学らしい行間と落とし穴的なテーマが見える。エンディングで老夫婦は田舎に隠居すると言っていた。その判断がもう少し早ければ、中絶&離婚という結果にはならなかったと云うのが私の見立て。2世代同居の歪を描いており、過去に観た記憶がない類いの映画でした。 アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-04-10 17:07:23)(良:1票)

5.《ネタバレ》 この作品には、全体的にナニカ不健全且つ妖しげなもやもやした雰囲気が漂ってますね~。原節子の美しくもよく耐える嫁、上原謙の不肖の夫、いかにも頑健そうな山村聡の鷹揚な舅、この主要人物三人の立ち位置が、なんか観ていてぎこちないというか、不自然なんですよ。夫から邪険に扱われる辛抱役なのに、美しすぎる原節子が嘘っぽくてミスキャストなのか?夫よりも遥かに精力旺盛そうに見える魅力的な舅役、山村聡が笠智衆みたく枯れた味を出せなかったのがいけないのか?例によって何を演じても単なるデクノボーに見えてしまう上原謙がダメなのか?三者三様に不協和音を奏でているような気がしてなりません。同じ成瀬監督「乱れる」(8点)が「変○家族・兄貴の嫁さん」なら、これは「息子の嫁さん」。一歩間違えたら、ポルノ映画的展開になっても決しておかしくない内容。同じ成瀬監督作品の原節子なら、自分は「驟雨」(9点)のガラッパチな彼女が一番好きだなあ・・・。てか、そもそも息子役の上原謙って、父親役山村聡より実年齢年上じゃん!! 放浪紳士チャーリーさん [DVD(邦画)] 6点(2009-08-28 14:02:45)(良:1票)

4.《ネタバレ》 若いときに一度観ていて、チンプンカンプンだった。こちらもヨワイを重ね、そろそろ作品の滋味がしみじみ堪能できるようになったかも、と観てみたが、まだ駄目だった。ポイントは、舅と嫁の、思いやり以上・恋情未満の心の揺らぎなんだろうが、なんか作り手がそこに焦点を当てないように当てないようにしているみたい。それがデリケートな味わいを出すためというより、別のモチーフを隠すために撹乱しているような気もして、どうも素直に観られない。「つんけん」とか「鬱陶しさ」とか「不和」とか、成瀬のモチーフは遍在している。いつもならそれらが「納まるべきところに納まらない」我々の世界への微苦笑へと解消されていくんだけど、これは苦いだけ。成瀬作品では珍しく上流階級が舞台になっていることと関係があるんだろうか。男たちは東京に通勤していてもその世界は鎌倉と会社に閉じており、かえって出戻り娘や上原謙の愛人ら女たちが、外の世界の荒々しい風を作品に導いている。その現代の戦後女性群に対し、嫁の菊子だけが古風な戦前女性として設定されていて、その彼女が中絶するところに当時はもっと衝撃があったのかも知れない。山村聡が杉葉子と路地を歩くあたり(原作によると本郷)に成瀬の味が匂いたち、やっぱり鎌倉よりこっちのほうが似合う監督なんじゃないか。 なんのかんのさん [DVD(邦画)] 6点(2010-10-19 09:57:49)

3.《ネタバレ》 冒頭、山村聡と原節子の二人を映すシーン、鎌倉の駅のあの描写を見て、真っ先に小津監督の「晩春」を思い出してしまった。まるで小津映画でも見ているような錯覚に陥る。成瀬巳喜男監督作品に付きまとう重苦しい雰囲気が漂う。ある意味、それこそ成瀬巳喜男監督の映画の持ち味なのかもしれないと思う。しかし、ちょっと期待をしすきだか?私の好きな成瀬巳喜男監督作品とはどこか違う。相変わらず一つのシーンにおける何とも味わい深い描写、風景の画き方などは素晴らしい。主演の二人、山村聡と原節子が歩きながら会話している場面が何度も登場するのだが、あのラストの並木道を歩く二人の姿なんて、どことなく「第三の男」を思わせるシーンだし、そして、やっぱり全体的な雰囲気は小津監督の「晩春」を思わせるものの「晩春」のような感動を味わうことは出来なかった。けして、駄目な作品だとは思わないが個人的な好みとしてそれほど高い点数は付けられません。 青観さん [DVD(邦画)] 6点(2007-12-18 20:32:20)

2.《ネタバレ》 菊子がずっと当たり前のように家事を続けているから、観てる側もそれを当たり前だと思って観てしまって菊子の辛さを見過ごしてしまいそうなんだけど、あの出来事一つで菊子の抱いていた思いが強烈に突きつけられて、ぐっと心がしめつけられた。文句一つ言わず家事をこなして、自分の決心を伝えるための電話でさえ相手を気遣い明るく振舞う菊子の強さと健気さがすごく印象的だった。最後の場面は家族の中で唯一自分を理解しようとしてくれた舅ととの絆を感じる一方で、別れになるという寂しさが伝わるし、最後まで菊子を気遣う舅を見て離れていてもこの二人はお互いを思いやっていくんだなぁと思って、寂しさや暖かさが入り混じった複雑な気持ちになってしまった。 アンダルシアさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-02-20 22:18:41)

1.正直なところ、「原節子ってそんなに綺麗かなぁ?」と思ってたんですが(失礼)、この映画ではじめて「あ、綺麗」と思いました。いや「綺麗」って書くより「きれい」と書いたほうがいいか。 ゆうろうさん [映画館(字幕)] 6点(2005-08-22 09:26:37)

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【点数情報】

Review人数 21人
平均点数 6.62点
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