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黄色い大地(1984)

Yellow Earth
(黄土地)
1984年【中】 上映時間:94分
ドラマ戦争もの小説の映画化
[キイロイダイチ]
新規登録(2003-10-09)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2022-05-08)【イニシャルK】さん
公開開始日(1986-07-11)


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監督チェン・カイコー
キャストワン・シュエチー(男優)顧青(グウ・チン)
音楽チャオ・チーピン
撮影チャン・イーモウ
配給日本ヘラルド
アスミック・エース
あらすじ
1930年代後半、日本軍が中国に侵攻し、一方で中国共産党が中国大陸支配を固めてようとしていた頃、口伝えで伝承されている民謡を取材して文字に書き留めるために共産党員がある貧しい農村にやってきた。共産党員に協力して多くの民謡を披露した村の少女は親が決めた相手との結婚を控えていて、結婚によって少女の親は金を受け取り、その金は少女の弟が結婚する時に嫁の親に対して支払われることになっていた。少女は次第に共産党が今のみじめな境遇から自分を救ってくれるのではないかと希望をいだくようになる。

かわまり】さん(2004-01-25)
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【クチコミ・感想】

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18.《ネタバレ》 主人公である少女と役人の二人は役者として演技していることがわかるが、この二人以外が演技しているように見えない。
特に父親や息子は、その佇まいや物腰が、まるでドキュメンタリー映画のように自然で生々しい。ラストの雨乞いに出てくる大勢の村人についても、日焼けした顔とその顔に刻み込まれたシワ、味噌歯、前歯のない口など、限りなくリアルだ。
また、娘が嫁ぎ先から逃げてきた後の川(黄河?)の場面などは、まるで自然光だけで撮ったように暗く幻想的だ。悲しい結末と相まって、切なくやるせない気持ちにさせられた。 la_spagnaさん [DVD(字幕)] 8点(2017-05-10 21:27:31)

17.《ネタバレ》 黄色い大地、つまりは不毛の大地。
そこで暮らす極貧の人々。
その中でも、一番辛い思いをするのは幼い娘。

ここで描かれている悲劇は、つまるところ、農村部で慣行となっていた“嫁入り”という名の人身売買だ。
貧しい家は14歳という幼い娘を売りに出し、おっさんたちが食いつなぐ。
おっさんのために犠牲となる、幼い女の子。
このクソくだらん浅黒い野郎どもは死んでいいから、未来あるべき女の子を幸せにさせてほしい。
でも、もっとくだらんのは、その貧しい農村を視察にきた役人。
戦争に勝つため、軍人たちの士気を上げるため農村にやってくる。
そこで貧しい農村に伝わる歌を覚え書きし、戦争に役立てるというのだ。
何たるくだらん野郎だ。
救い難い。

貧しい農村に生まれた少女が、唯一希望として見出したものが戦争だった。
これが極めて残酷なオチ。
チェン・カイコーは本作でも、トラウマになるような悲劇を撮ってみせた。
これは凄い。
だけど後味が悪い。
だけどだけど、この後味の悪さがクセになるチェン・カイコー作品。

これからもチェン・カイコー作品は観ていくことになりそうだ。
何の為に?
悲劇を観るために?
悲劇を観てなんになる?
まさにこれこそ悲劇だ。 にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 5点(2013-06-15 01:25:38)

16.タイトルとは裏腹に、描かれているのは人そのものだ。あらゆる相反の狭間で足掻く人だ。劇中心に響くのはその土地で営みの中で生まれた歌だった。映画もまた同じことでしょう。 長谷川アーリオ・オーリオさん [DVD(字幕)] 8点(2012-03-08 22:39:24)

15.映画にはどうしても合う、合わないがあります。ただ事実を淡々と見せられるだけの映画は苦手です。そこに、ストーリー性やテンポの変調、もしくは演出の工夫など何かしらあればまだ見られるのですが。もちろん、内容はきっと勉強になるもので、知ってて損はないだろうとは思いますが、でもこの内容だったら普通に本や資料でも良いのではと思ってしまいました。所謂、見る人を選ぶ映画だと思います。僕は選ばれませんでした。最後よくわからんかったー。 たきたてさん [DVD(字幕)] 3点(2011-12-15 04:51:31)

14.冒頭、八路軍兵士が一人で小さく心細そうに現われてくるだけで、「あれ? これは今までの前向きの共産主義者とは違うぞ」と驚かされ、それと重なってくる荒々しい民俗音楽で、なにか新しい中国映画・というより国籍とは関係ない「映画」を観てるんだ、という気になった。過去の悲惨を扱って現在の矛盾から目をそらしてる、と言う批判も出来るかもしれないが、それよりも一本の映画としての完成度にまず驚くべきだろう。照明はスクリーンで観られるギリギリぐらいにまで落とし、ふいごの音や室外の家畜の声が際立つ。目を凝らし耳を澄まさないと捉えられないような世界を築いていく。この時間が粒だって清水のように流れていく感じは、最良の映画だけが持てる幸福な感覚だ。その自然界と結びついたような時間の中に不意に登場人物の民謡が飛び込んでくる刺激、ここに「大きな自然と小さな人間」という彼らの生活が直接に表現されている(特に弟が歌いだす瞬間)。政治的メッセージよりも、人間が生活していることへの新鮮な驚きとそれへの畏敬がベースになっている。突然中国映画の新展開を見せてくれた忘れ難いフィルム。 なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2011-07-24 10:17:41)(良:1票)

13.《ネタバレ》 「黄色い大地」って本当に黄色い土なんですね。それに川の水も…
女の子が卓球の福原愛ちゃんに似てたような気がしたけど…製作から25年も経っているから、演じた彼女も40近いのではないだろうか?
 民謡を問わず、人に影響を与える芸術というのは、やはり「不幸」からしか生まれないのだろうか? 見方を変えると不幸と引き換えに授かったものが、あの民謡なのだろうか?
 少女が抱いた、軍隊に入るという小さな希望、叶えてあげたかったな。
 14歳で結婚? 
 少女の赤いヴェールを捲る、あの黒い手と少女の潤んだ瞳は残酷すぎました。
 昨今、漫画やドラマの映画化ばかりが目立つ日本映画は、以前はこのような作品も頻繁に作られていた。
 それが今葬り去られようとしているのが、とても悲しい。
 テレビで流れる映画のCMで、映画を観終えた客が「チョー感動した。面白かった。イエ~イ」なんてVサインしているとムカついてくる。これって奴当たりですね、スミマセン。 クロエさん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-30 02:32:28)

12.圧倒的な迫力の黄色い大地とその土地に暮らす素朴な少女の対比が素晴らしいです。最後のいまいちよく分からないシーンも含め、少女の切ない気持ちなど心に訴えかけてくるものがありました。 Carrot Ropeさん [映画館(字幕)] 7点(2009-05-23 04:21:47)

11.《ネタバレ》 悲しい映画でした。 よしふみさん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-31 22:32:22)

10.黄色と赤色を使って描きあげたあまりにも美しい映像詩。動と静の対比がすばらしく、背景として登場する中国の風景もスケールが大きく圧倒されます。人々の澄み切った歌声が今も聞こえてくるようです。 きのう来た人さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-12 07:04:06)

9.視聴者に解釈を委ねるラストがいい。ただ中国共産党のプロパガンダ映画に終始していないところがいい。 こまごまさん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-26 09:53:30)

8.世界にその名を知らしめたチェン・カイコ-長編デビュー作は、とにかく広大な大地が映し出されるたびにため息が出てしまう。ただ大自然を映すのではなく、その圧倒的な画の中に登場人物たちが小さく小さく配置される。日中戦争だ、共産党だと叫んでもしょせんちっぽけな人間のすること、という中国の新しい世代らしい思想が覗える。と同時に大地と空と小さな人間が絶好の構図に収まっている(だからため息が出るのだ)。古い慣習に生きる貧しい村民と近代化の進む中央の人間が見せる大きな隔たりもまた当時の政策の無意味さを問うているように感じる。その大きな隔たりの中で人と人が人間的に通じ合う様を言葉ではなく父親の、娘の、弟の民謡を歌う様で表現する。その美しい声が圧倒的な画によってさらに心に響いてくる。今や巨匠と呼ばれるチェン・カイコ-とチャン・イーモウのコラボレートという意味でも貴重。 R&Aさん [DVD(字幕)] 7点(2006-04-07 16:26:28)(良:2票)


7.映像のスケールの大きさは凄い。民謡が耳障りやった。 PADさん 4点(2004-10-13 14:44:12)

6.ストーリーにはあまり興味を抱かなかったが、絵が黄色い大地または赤い大地で、この映画の主役は広大で荒涼とした大地なんだと思わされる。スゴイ絵を撮ると思ったら撮影チャンイーモウ、彼を見直しました。あと民謡も大地に負けない迫力ですごいね。 亜流派 十五郎さん 5点(2004-06-19 17:55:23)

5.全体的に淡々と進んでいきますが、黄河の水位がいつの間にか上がっているかのように、登場人物の心理がだんだんと噴出していき、最後にはそれらが強力な迫力をもって描出されます。見終わった後には意外に心に残ります。 Oliasさん 5点(2004-05-09 01:43:18)

4.冒頭から、画面を圧する大地の迫力に引きこまれた。そこをぽつねんと歩く人の姿のなんと小さいことか。「悲しくもないのに歌なんか・・・」というお父さんのセリフが心に残った。 あささん 9点(2004-02-26 14:11:48)(良:1票)

3.中華人民共和国建国直後から文革期に至るまで、中国では共産党を讃えるミュージカルやオペラが数多く作られました。そのほとんどは同じストーリーの焼き直しで何十年か先には忘れられる運命にあります。でもわりと最近に作られたこの映画は、その系列にありながら生き残る数少ない作品の一つになるでしょう。伴奏なしのソロで個人の感情を切々と歌い上げている民謡の一つ一つが歌っている人物と切っても切り離せない正に作品の中心と言えます。この時代、中国の農村にはテレビはもちろんラジオもなく、地方の人々がインターネットを利用して情報の発信まで行う現在とは異なり、農村の人々は共産主義を多角的に評価するどころか読み書きさえもできなかったのです。ですからこの作品を鑑賞する上で、私たちは共産党に関する固定観念や現在の私たちが持っている知識等を排除した上で、「どん底の生活をしていても人間には美しい音楽を作り出す能力があるんだな・・・。」とか「暗い生活をしているから、一筋の光が見えた時に必死になってそちらに手をさし伸べるんだな・・・。」といったピュアな見方でもってこの作品を鑑賞するべきでしょう。自分の運命を自分で切り開く決意をした時の主人公の少女が最高に美しかったです。作品の暗さのせいで点数はちょっと辛めです。 かわまりさん 8点(2004-01-25 08:47:55)

2. 虎尾さん 6点(2003-10-19 18:01:06)

1.初めて観せていただいた邦画以外のアジア作品です。悠々と画面を占める中国の大地の迫力と、そこに住まう人々の営みが、この作品の持つ雰囲気にとてもよく合ってると思いました。時代背景を絡めて表された命題に対し、個人の心情(信条)に焦点を当て続けて描かれる作風は、大上段に振りかざされたお看板や思想性などよりも、的確に鋭くその時代が抱え込んでしまった問題を浮き彫りにしているように思えます。とっても良い作品。 ロバちゃんさん 9点(2003-10-14 10:45:54)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 18人
平均点数 6.94点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
315.56% line
415.56% line
5316.67% line
615.56% line
7316.67% line
8527.78% line
9422.22% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.66点 Review3人
2 ストーリー評価 5.33点 Review3人
3 鑑賞後の後味 5.66点 Review3人
4 音楽評価 7.33点 Review3人
5 感泣評価 9.00点 Review1人

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