みんなのシネマレビュー

地下水道

KANAL
1957年【ポーランド】 上映時間:95分
ドラマ戦争ものモノクロ映画
[チカスイドウ]
新規登録(2003-11-10)【たましろ】さん
タイトル情報更新(2019-11-04)【イニシャルK】さん


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監督アンジェイ・ワイダ
木原正二郎(日本語吹き替え版【NHK】)
長山藍子(日本語吹き替え版【NHK】)
山本學(日本語吹き替え版【NHK】)
あらすじ
ナチス占領下のワルシャワ。蜂起したレジスタンスたちであったが、次第にドイツ軍に包囲され、退却を余儀なくされる。地下水道を通り、泥や汚水に塗れながら、逃れようとするが…。

ヒゲ太】さん(2010-04-19)
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【クチコミ・感想】

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17.《ネタバレ》 とにかく、件の地下水道のシーンに尽きる映画ですね。このパートの果てしない絶望感・狂っていく登場人物の悲惨さというモノは、中々他に類を見ないというレベルに思います。終盤の畳みかける様なネガティブ展開の嵐も実に見事でした。この部分だけにでも十二分にユニークな鑑賞価値というものが確実に存在する映画だと思います。

この後半に比して、前半は正直あまり出来が好くはないですかね。戦闘シーンは地味にそこそこ頑張っていますが、肝心の登場人物の描写はちょっと浅くて、あまり悲壮感や状況の切羽詰まった感じが汲み取れません。むしろもう少しだけ戦闘シーンの質・量を向上させられるだけの予算的なモノがあれば、ダラっとした人間ドラマで場繋ぎすることなく後半までスピーディかつ劇的に話を運んでゆけた、というコトかもと感じました。

もう一点少しだけ気になるのが、いくら実話ベースとは言えレジスタンスをここまで徹底的に悲惨に描く必要があったのか、というコトですかね。個人的にはそこに少しだけ、この事件におけるレジスタンスの行動自体に対する批判的な感情も感じられたのですね(コレは私の穿ち過ぎでしょうか)。まあ、赤軍を信用するなどという愚かな判断の末に彼らが退くに退けなくなった挙句、文字通りワルシャワは灰燼に帰したワケですから、この顛末というのはお世辞にも褒められたモノではなさそう、というのも理解できます。戦場においてはあくまで生き残る為に頭を冷たく研ぎ澄ますべきなのであって、命を賭してでも国の為に戦うという熱いモチベーションに捉われたレジスタンスというのは、ちょっと「熱すぎた」というコトなのかも知れない、と思います(どこぞの島国の嘗てのナンという軍隊にも、少し通じるトコロがある様な気もします)。 Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 7点(2021-04-13 22:37:15)

16.《ネタバレ》 オープニングクレジットの背後で何気なく行われている建物の爆破シーンから早くもインパクト絶大で(というか、終盤のクライマックスで使えそうなくらいの迫力ある映像を冒頭から使うって、何とも贅沢!)、更に、そのすぐ後に出てくる長回しの移動撮影を見ても、力の入った作品だという事は容易に見てとれると思います。
タイトル通り、後半の地下水道のシーンが見どころで、薄暗い陰湿な雰囲気の中、疲弊し泥にまみれながら彷徨う人々、特に何かに憑りつかれたようにオカリナを吹きながら歩く音楽家が出てくるシーンでは戦慄を覚えました。
また音の表現が特徴的で、壁に文字が書いてあると思いきやただの落書きだったというシーンでの笑い声や、銃をカチャッとやる音、オカリナの音色などは遠くまで鳴り響かせている一方で、普通の会話の音などは響かせずに撮る手の込みようは唸らせるものがあります。
終盤の頃になると出口を見つけ出す者がいるのですが、ここで見えてくる光がダイレクトに希望の象徴として描かれるところに映画ならではの面白さが出ていると思います。
この映画の前半は地下水道に潜る前の話が展開されており、周囲の状況や人物描写などが描かれているのですが、どの人物も若干描き方が不十分であるため(特に、隊長はラストシーンで見せ場が用意されているだけにもう少し深く掘り下げてほしかった)、せっかくの後半の3つのグループの同時並列的なストーリー展開が上手く機能していないように感じてしまいました。
最後、隊長が再び地下に潜るシーンは、自分が今まで観てきた映画では感じられなかったような衝撃的でかつ余韻を残す締め方で、凄く印象に残るラストでした。 もっつぁれらさん [映画館(字幕)] 8点(2015-11-17 23:37:44)

15.地べたを這いずり回る以上に過酷な下水道を這いずり回る姿。実話ベースなので自由を渇望する3つのグループに一縷の望みも見いだせず、それぞれの結末も救いの無いものでした。ソ連赤軍のした事を知るにつけ二度と観れない作品です。 The Grey Heronさん [映画館(字幕)] 8点(2012-12-20 00:14:32)

14.《ネタバレ》 アンジェイ・ワイダ監督の抵抗三部作の中で恐らく最も有名な一作。地下水道に潜ることを余儀無くされるレジスタンス達。ガスが迫って来る地下水道での閉塞感、焦燥感。暗闇の中でサインを探し求めやっと見つけるも只の落書きだった時の落胆振り。一人一人狂っていく恐怖。そして最後に地上に上がった時の絶望感。決して観て楽しい映画では無いが実話に基いた作品として観る価値のある作品だったと感じる。 民朗さん [DVD(字幕)] 8点(2012-08-05 09:47:09)

13.怖い怖い恐ろしい。地下水道・・歩道のある立派なものを想像していたら、はるかに原始的なドブトンネルなのに引いた。だめだ私には耐えられない。こんなとこに入ったら間違いなく自律神経が誤作動おこして周りの人間に散々迷惑かけたあげくに発狂するだろう。全国の高校でこの気の滅入る映画の上映を義務付けると反戦教育にぴったりだと思う。 tottokoさん [地上波(吹替)] 8点(2012-01-14 15:06:11)

12.《ネタバレ》 考えうるあらゆる絶望が地下水道にあった。戦後10数年後にもがれきの山を再現し、地下水道の汚さ、ねっとりとしたヘドロまでとらえている映像でワルシャワ当時の重い空気を見せてくれている、想像をはるかに超えた映画だった。 HRM36さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-03-16 20:37:04)

11.地下に潜るまでが予想よりも長くて少しだれたのですが、地下に降りてからは、カメラは延々と暗く狭い地下道のみを追い続け、見る側に息苦しさと圧迫感を与えてきます。そして、地上あるいは出口に戻ったシーンでは、作中の登場人物同様、見る側も光の眩しさに目がくらみそうになります。しかもその後で、どのパターンについても、だらだら続けずにあっさり終わらせているのが良い。コラブとデイジーのパートなどは、余計なことを一切していない分、かえってこちらも足がすくむほどのインパクトがあります。 Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-03-02 02:05:15)

10.《ネタバレ》 “『地下水道』のほうが引きつけて離さないパワーを感じた”と『灰とダイヤモンド』のレビューで書いたのが約2年前。ということはそれ以上前に見た映画ということになるが、やはり今もって鮮烈に覚えているシーンが『灰とダイヤモンド』以上にある。まずは冒頭の長回しの移動撮影。何も語らずに戦闘の日常化が映され、彼らの壊滅的状況が描かれる。地下水道に入るまでに精一杯の人物描写をする。地下に潜ってからはひたすらに暗い。真っ暗。わずかな光で誰が誰なのかを判断する。見てるこちらは集中せざるを得ない。集中するに足るスリルはじゅうぶんにある。この集中させる展開と前半のしっかりとした人物描写がここで活きてくる。それでもこの暗さは、この閉塞感はやはりこたえる。だからこそ彼らと共に光を求めて、その光の先にあるものに驚愕するのだ。戦争映画であるまえに優れたサスペンス映画である。 R&Aさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-14 17:16:10)


9.地下「水道」なんて言えば聞こえがいいですが、実際のところはヘドロと汚物にまみれながら彷徨い歩く出口のない迷路。この汚らしさが異常なまでにリアルで、この「汚さ」だけでもこの映画は一見の価値とさえ思えるぐらいです(これに比べたら『第三の男』の地下水道はキレイ過ぎる!)。『世代』『灰とダイヤモンド』と同様、抵抗運動に関わる人々の悲哀という面においても勿論素晴らしい作品ですが、閉ざされた空間の中で徐々に追い詰められ狂っていく人間を描いたサイコホラーとしても十分堪能できました。 とかげ12号さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-09-25 14:24:42)

8.暗い。いい映画であることは間違いないが、もう二度と見たくない。 トナカイさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-25 23:08:12)

7.《ネタバレ》 非常に暗く絶望的な作品です。元々白黒フィルムなのに加え、地下水道のシーンが多いため映像も全体的に暗くなっています。
淡々と地下水道の中でストーリーは進み、絶望的な状況の中汚水にまみれて出口を求めて進む登場人物の姿は非常に切なく、出口の見えない緊迫感が画面を通じて伝わってきます。 TMさん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-04-16 22:27:47)

6.《ネタバレ》 この今にも押し潰されそうな閉塞感が、もう比類がないくらいに苦しい。無謀な作戦によって隊が全滅すると聞いて八甲田山の雪中行軍を連想したのだが、個人的にはこっちの方が嫌だ。日の光も届かない場所で汚物にまみれ、ネズミと一緒に死んでいくなんて。しかもやっと辿り着いた出口が塞がれてるって……観ていて叫びだしたくなった。あまりにもヘビーな展開ゆえに、ほんとうにもう、気が狂いそうな思いだった(少なくとも閉所恐怖症もしくは暗所恐怖症の人は絶対に耐えられないだろう)。前半の人間描写の浅さに「おいおい」と思ってしまったので点数が押さえ目になったが、とくにクライマックスは一見の価値ありと思う。 no oneさん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-02-09 02:26:31)

5.地下水道を拠点にしたレジスタンス暗躍の話だと思って観たら、全く私の思い違いだった。どういう経緯でレジスタンスに加わったのか語られてはいないが、笛を吹きながら彷徨う音楽家の狂気の果ての姿には、観ている方までも汚水にどっぷり浸けられた気分になった。一刻も早く地上に出たいばかりに嘘をついていた部下を、いとも簡単に射殺したザトラ隊長。やっと目にした明るい陽の光の下での同胞による処刑は、見るに耐えなかった。とうに志気も軍紀も失せて瓦解した「私の部隊」を追ってマンホールに戻っていく彼の姿は、正義を貫いているかのような錯覚を与えるが、とても正気の沙汰とは思えず、寒気がした。そもそも地下に潜る際、熟知したデイジーを案内にたたせず、簡単な道だと高をくくった判断ミスを犯していたのは、隊長本人ではなかったか。戦争の悲劇と凄惨さは、殺戮場面やそれを取巻く戦場風景にだけあるのではなく、内部崩壊の末、自滅していく個々の方がより強烈であると実感した。 トバモリーさん 7点(2004-04-04 15:13:12)(良:1票)

4.第2次大戦下のワルシャワ、地下水道を彷徨うレジスタンスの姿を、執拗に描きます。際限なく続く、暗闇の地下水道。当時の明日なき戦況、出口の見えないポーランドの姿をそのまま象徴しているような、異様なまでの重苦しさです(川口浩探検隊の洞窟探検ですらここまでの圧迫感は無かったゾ。ってオイ何と比べとんねん)。ま、型破りな映画であって、バランス良い映画とは言い難いかもしれませんが、まさにその仮借なき描写によって、本作は確かに異彩を放っております。ところでワイダ監督は1926年生まれ、この映画で描かれる時代は彼のまさに多感な時期のはず。それから約十年、30歳そこそこで、これほどまでに感傷を排し冷徹な視線で映像作品化するこのセンス、驚くべきものがあります。 鱗歌さん 8点(2003-12-28 21:18:09)(良:1票)

3.最後中尉かなんかが再びマンホールに入っていく姿が印象的です。主人公の男の名前を地下水道に書いた女が男になんて書いてあるか聞かれて本当のことを言わないとこなんか地下水道に漂う絶望感を表していて、自由の尊さと戦争の無利益さがヒシヒシと伝わってきて全く安っぽくない。いい作品です。 たましろさん 9点(2003-12-18 22:04:17)(良:1票)

2.地下水道、とても象徴的な空間です。解放を、自由を求め彷徨う世界。暗く閉ざされ交錯し苦しみが襲う世界で必死に光を目指すけれど・・・。終戦から12年後にポーランドという土壌から生まれた映画として十分に納得できるのですが、それ以上にこの映画は時代を越えて抑圧と自由を重く訴えてきます。息苦しさ満点な映画なので、ちょっとシンドいんですけどね。 あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 7点(2003-12-10 23:19:10)

1.《ネタバレ》 1945年のワルシャワ蜂起を描いた作品です。東からソ連軍が侵攻し、ナチスドイツ軍が長年に渡るポーランド支配を失おうとしている状況で、いよいよ、ソ連軍によって開放されると思ったワルシャワ市民がナチスドイツ軍に対して反乱を起こします。ところが、市内に突入すると思われたソ連軍はそのまま停止し、ワルシャワ市民を見殺しにすることになります。落ちぶれたとはいえ、まだドイツ軍は重装備の正規軍です。頼みの綱のソ連軍に見放されたレジスタンスのメンバーはひとりまたひとりとドイツ軍に駆逐され、生き残ったメンバーは地下水道を逃げ回ります。やがて鉄格子越しに彼らが観たものは・・・。日本では余り知られていない、第二次世界大戦末期の悲劇を描いた名作です。 オオカミさん 8点(2003-11-19 20:53:05)

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【点数情報】

Review人数 17人
平均点数 7.47点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
300.00% line
400.00% line
500.00% line
6317.65% line
7529.41% line
8741.18% line
9211.76% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review1人
4 音楽評価 8.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人

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