みんなのシネマレビュー

ブロークバック・マウンテン

Brokeback Mountain
2005年【米】 上映時間:134分
ドラマロマンス同性愛もの小説の映画化
[ブロークバックマウンテン]
新規登録(2005-10-12)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2018-03-20)【TOSHI】さん
公開開始日(2006-03-18)


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監督アン・リー
助監督マイケル・ハウスマン〔製作〕第一助監督
キャストヒース・レジャー(男優)イニス・デル・マー
ジェイク・ギレンホール(男優)ジャック・ツイスト
ミシェル・ウィリアムズ(女優)アルマ
アン・ハサウェイ(女優)ラリーン・ニューサム
ランディ・クエイド(男優)ジョー・アギーレ
ジョン・テンチ(男優)あらくれ者
リンダ・カーデリニ(女優)キャシー
アンナ・ファリス(女優)ラショーン・マローン
ケイト・マーラ(女優)アルマ.・Jr.
ピーター・マクロビー(男優)
森川智之イニス・デル・マー(日本語吹き替え版)
東地宏樹ジャック・ツイスト(日本語吹き替え版)
甲斐田裕子ラリーン・ニューサム(日本語吹き替え版)
石田太郎ジョー・アギーレ(日本語吹き替え版)
小林さやか〔声優・1970年生〕アルマ(日本語吹き替え版)
恒松あゆみアルマ.・Jr.(19歳)(日本語吹き替え版)
加藤英美里アルマ.・Jr.(日本語吹き替え版)
安藤麻吹キャシー(日本語吹き替え版)
原作E・アニー・プルー「ブロークバック・マウンテン」(集英社文庫)
脚本ラリー・マクマートリー
ダイアナ・オサナ
音楽グスターボ・サンタオラヤ
撮影ロドリゴ・プリエト
製作ジェームズ・シェイマス
ダイアナ・オサナ
パラマウント・ピクチャーズ(共同製作)
製作総指揮マイケル・ハウスマン〔製作〕
ラリー・マクマートリー
配給ワイズポリシー
特撮ルイス・モリン視覚効果スーパーバイザー
バズ・イメージ・グループ視覚効果
衣装マリット・アレン
編集ディラン・ティチェナー
ジェラルディン・ペローニ
録音フィリップ・ストックトン
ユージーン・ギーティ
その他アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(special thanks)
グスターボ・サンタオラヤ(special thanks)
ジェラルディン・ペローニ(in loving memory of)
あらすじ
1963年、ワイオミング州ブロークバック・マウンテン。羊の放牧に季節労働者として雇われたイニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)。対照的な性格の二人だが、大自然での過酷な労働の中、いつしか精神的にも肉体的にも強い絆で結ばれていく。セクシャリティを超えた二十年間に及ぶ愛憎を繊細かつ大胆に描いたアン・リー監督の問題作。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞、アカデミー賞監督賞他三部門受賞。ハリウッド若手有望株主演二人の競演も話題に。惜しくも夭折したヒース・レジャーの代表作。

放浪紳士チャーリー】さん(2005-11-30)
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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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25.《ネタバレ》 離婚の顛末の省略、娘の成長を導入した構成、時にさり気なく視点を変化させる演出など、人生の断片を的確に捉え、その人生の多くを語る、その語り口が素晴らしく、年代記もの面白さを大いに堪能した。■しかし、あまりに甘すぎはしないか。室内シーンの素晴らしさに比べて、絵ハガキのように通俗的、凡庸な風景へのアプローチ。やりまくってる様を見せろ、とは言わないが(しかしそれもまた選択可能なアプローチであったと思う。なぜなら少なくとも一方の男はセクシャルな意味において「愛」していたのだから。男の味が忘れられなくなったのだから)、川辺に立つ二人はアウトドアライフを楽しんでいるとしかみえない。■また「ブロークバックマウンテン」(壊れるまでケツを掘れ山)は「ウィスキーの川が流れている」理想郷であると同時に、二人の男の人生を狂わせた場所ではなかったか。「負け犬」であると自覚せざるを得ない哀れな男が、唯一の拠り所としている「ブロークバックマウンテン」(割愛)、それはノスタルジーの対象としか描かれてはいない。美しい理想郷であると同時に、過酷で絶望的な風景と捉える客観的な視点がこの映画にはほしかった。■ラスト、実の娘におざなりな言葉しかかけ得ない「負け犬」は、娘の帰りを見届け、ふと窓を開く。しかし「負け犬」は外界へと出ることを拒絶し窓を閉じ、貧しいトレーラーの汚いクローゼットを開く。そこには「ブロークバックマウンテン」(割愛)の写真がある。哀れな男を暖かいまなざしで見つめ、その人生を美しく飾ること。しかし、そんなノスタルジーを拒絶するクールな視点、絶望感をこそ私は観たいのだ。■かんけーないが、「草原の輝き」を思い出しました。あるいは「さすらいのカウボーイ」のゲイバージョン? まぶぜたろうさん [映画館(字幕)] 5点(2006-04-13 23:19:49)(良:1票)

24.《ネタバレ》 だいすきなヒースがでてるけど、ただのゲイの映画ってゆうイメージだったのであんまりみるきなかったけどみちゃいました。いやぁぁあ切ないです!主演ふたりはほんとすばらしい演技だけど気まず
くてオフでは顔あわせなそうだな~とか思った。ところで、なんでふたりはここ
まで愛し合うようになったのかなあ?はじめはやっぱりカラダからなの?ちょっ
と納得いかないです。ゲイってゆうテーマだからこそもっとプラトニックラブが
よかった。あ、でも1年に数回しかあわないっていうのがそれなのかな?でもやっっぱりそこにはからだかんけいあるわけで。とゆうか、なんでそこまですきになったのかをおしえて欲しかったなぁ。カラダかん
けいになるまでがはやいし。ちょっといいかたわるいけど、女に飽きたから男を
…みたいなふうに思えちゃった。
でも二人の苦しみが本当に伝わる映画だった。ヒースが娘に「彼はおまえをあい
してるのか?」ってきいたのは、娘にもとづまみたいな思いを絶対にさせたくな
いからなんだろうなぁ。あとこの映画の男同士のラブシーンがみてて最初はほんといや
でした。だめだ…とおもったけど最後までみれたのは二人のすばらしい演技だなぁ。男同士でも純愛は純愛ですよね。ほんとにそうおもえました。だけど
最後のずっと一緒だよみたいなのは若干引く(笑)でも名作にはちがいないです、アカデミー作品賞とれなかったのはなんとなく分かるけど、ノミネートは当然かな? なんだかんだいいつつ余韻のある映画です。 ギニュー隊長★さん [映画館(字幕)] 7点(2006-04-11 21:50:58)

23.「同性愛は究極の純愛」が持論(?)の私にとって、かなり心に染みる映画だった。投げ縄でイニスの足を引っ掛けて別れがたい気持ちを表現するジャック。愛する妻を抱く時に後ろを向かせてしまうイニス(あんなに柔らかそうな胸なのに......!)。琴線に触れるシーンはいくつもあったけれど、ラスト近く、立ち寝するジャックをイニスが後ろから抱きしめてあげるシーンで、完全にノックアウトされたしまった。2人にとってブロークバックでの時間は、人生で初めての安らぎのときだったんじゃないだろうか。とはいえ、そんな2人だけの世界は、思い出だからこそ美しいのだということを実はみんな解っているんだよね、きっと。「逢わずにはいられない。逢うともっと辛くなる」そんな台詞がかつての映画にあったような・・・・。 胸を焦がすような想い、どうにもならない気持ちはどこへ持っていけばいいんだろう? showrioさん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-10 22:51:57)

22.脚本に何のひねりもなくてもいい映画は撮れる、ってことですね。映画は差別と暴力にあふれ、多くの人びとが貧しい一昔前のアメリカ南部で出会ったゲイのカップルを淡々と描写するだけ。もしもこれが不倫の男女カップルだったら、映画になりようもないどこにでもある話。だけど、その一種キワモノ的なテーマで普遍的な「一組の出会い」を淡々と描くことで「人を愛するとはどういうことなのか」と考えずにいられない。言ってしまえば、最初に禁じ手というか反則を使っているようなもの。それが映画の価値を落とすものではないと思うけど、大衆芸術たる映画の手法としては万人受けするものではなくなる結果を招いたのでは…。アメリカではヒットしたそうですけど、ここ、日本ではアカデミー取ったのに客席はがらがら。テレビ放映も難しそうな気がするなあ…。そんな風に考える自分も偏見にとらわれているのだろうか。 しまうまさん [映画館(字幕)] 8点(2006-04-09 22:46:37)

21.《ネタバレ》 映画を見終わった後、「純愛」という言葉について辞書で調べてみた。【純愛】その人のためなら一身を犠牲にすることをもいとわない、ひたむきな愛情。なるほど、純愛とはそういう意味か。ということは、本作でのイニスとジャックの間に芽生えた感情は、紛れも無く「純愛」と形容できるのかもしれない、例えそれが同性愛でも。イニスとジャックの二人はお互いを愛し合っていた。しかしそれは決して健全な愛ではなかったし、二人は出来ることなら関係を断ち切ることも望んでいた。しかし、二人はお互いを思い続けることを誓った。そしてそんな二人に神が代償として払わせたのが、未来への希望と平和だった。苦悩と心の傷は止まらなかった。音をたてて崩れていく平穏な生活、少しずつ壊れていく愛、ボロボロになっていく心。しかし、それでも二人はやはり、お互いを愛することをやめなかった。暖かい生活と安定した将来を永遠に奪われ、心を引き裂かれてもなお、お互いを愛し続けることを誓ったのである。何故そこまで出来たのか。それは紛れも無く、二人の間に”純愛”が生まれていたからに他ならない。相手のためなら、平和な生活と心の崩壊という「犠牲」をもいとわない、ひたむきな愛情。二人の間にはそれが確かに根付いていた。そして純愛というのは決して男女間だけで語られるものとは限らず、相手に対する思いがあるならばたとえ同姓でもそれは純愛と形容されるのだ・・・・・・。今の世の中の恋愛価値観って、カラダ目当てだったり、すぐに二股したり、結婚してもすぐ離婚したり、それはそれは下らないカスみたいな”恋愛もどき”が多いし、それがかなり浸透してると思う。だけどそんな世の中だからこそ、こういうひたむきな純愛が見られるのは、たとえ映画の中でも、そしてたとえ男同士の恋愛でも、やはり幸せです。ヒース・レジャーやジェイク・ギレンホールの名演は言うまでもないし、ミシェル・ウィリアムズやアン・ハサウェイといった脇役の存在感も素晴しかった。何よりアン・リー監督による映像美が何より印象的だった名作でした。 ポール婆宝勉(わいけー)さん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-08 23:57:11)


20.前評判を知った上で見たので見た時はこんなもんなの?と思ってしまいましたが、後からじわじわと切なさが押し寄せてくる映画です。時代背景、20年、美しい景色、淡々とした映像、何ともいえない気持ちになります。 Carrot Ropeさん [映画館(字幕)] 6点(2006-04-08 13:03:20)

19.《ネタバレ》 期待が大きすぎたから…それだけが理由ではないと思う。つまらない映画ではないけれど、文句なく良かったとも言えない。淡々とした流れの中でイニスとジャックがどれほど強く想い合っていたかは悟りにくく、お互いの結婚生活の強烈な現実臭ばかりが匂ってくる。結局二人の紡いだ愛情の物語というよりは、しがらみの少ない、若くて未来もあり振り向けば恋人のいる「ブロークバック・マウンテン」での美しい時間への思慕が描かれているように感じる。仮に環境が違い、二人が結ばれたとしても幸せな時間が訪れたかはまるで不明なのだ。二人して閉じこめられたキラキラした時間を追っていたように思えてならない。私が終盤の彼らに近い年齢で、且つ女だからこんな感想なのかな。だけど愛を描くというのは難しい。どんな人でも永遠に答えは出せないし、特にこの映画は言葉少ないイニスを中心にしているから、自分の五感を駆使して色々考えるタイプの作りになっていて難しい。しかし現実を置いて過去に想いを馳せる人たちを撮った映画が大ヒット…アメリカ人も疲れているらしい。 のはらさん [映画館(字幕)] 7点(2006-04-06 01:31:29)

18.《ネタバレ》 舞台が中西部でありアメリカの男らしさの象徴であるカウボーイ同志の性欲を絡めた恋愛であるからこそ、傑作足りえるのだと思う。これが美容師や画家、あるいはNYやLAのごく普通のサラリーマンだったりすると現代ではさほどタブー視されないだろうし、なおかつ性欲を伴わなければ少し濃いめの「友情」という言葉でくくってしまえたかもしれない。二人を隔てる障壁が高ければ高いほど、昇華されない二人の思いがせつなく胸に迫ってくる。また、極端に寡黙なイニスをはじめ、少ない台詞で二人がおかれる状況も、感情も表現しきった脚本・演出。アン・リーらしさ全開の俯瞰して見せる透徹な視線、そして息をのむほど美しい大自然。俳優たちの演技。パーツパーツも素晴らしい。生きてゆくうえでのままならなさがリアリティをもって描かれているので、男でもなくカウボーイでもなくアメリカ人でもない私が見ても共感できる作品になったのではないだろうか。ゲイというだけで生理的嫌悪を感じる人には勧めないが、切ない恋愛映画を観たい方はぜひ観て下さい。 HIDUKIさん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-04 14:37:22)

17.《ネタバレ》 久々に映画館に行って見た映画がこれでした。世界の殆どの賞を総なめにしていたから、是非見てみたかったのです。
この映画を見たみなさんの立派なレヴューを見てまた改めてなるほどなって思うこともありました。
見終わった後はというと、正直それほどでも・・・という感想でした。
話そのものが淡々としていて、それでいて映像が綺麗だったので、物語りそのものが伝わってこなかったのです・・・思い出すのは壮大な自然の映像でした。羊さんが沢山いるなぁとかw
何で???と思う箇所もいくつかあったし、見てる時はピンと来ない部分もあった。
何より2人が愛し合ってるように感じなかったのは私が鈍感だからでしょうか?・・・。
ただ、映画を見終えてから数日がたち、じわじわと今来てます。そしてとても切なくなります。
無口で無骨なイニスだからこそ、ラストのシーンにぐっとくるんでしょうね。
だけど・・・ゲイの映画ってどうしてこうもラストがアンハッピーエンドになるのが多いんだろうか・・・。又、主要人物の「死」→ラストという展開は私的にはちょっと嫌なので・・・残念でした。

だんぼ32cmさん [映画館(字幕)] 6点(2006-04-03 14:28:17)

16.《ネタバレ》 観終えての第一感想は、「期待したほどではなかった」でした。アカデミー賞を独占するのではとまで下馬評は高まっていましたが、そうはならなかったのは、テーマがどうとかより、単純に作品としてそれほどでもなかったという1点に尽きるのでは、と思います。
  同性愛が描かれた作品ですが、私には同性愛はテーマというより、テーマをより浮き立たせるためのお膳立てぐらいにしか感じられませんでした。テーマ(らしきもの)は、「理想と現実」みたいなところではないかと。どなたかが書いておられますが、私も見ている最中、『青い珊瑚礁』を思い出していました。
  2人だけのシャングリラを追い求めたいのに、現実はそれを許してくれない。その相克をどう生きるのか――そんな構図が終始提示されていたように思います。そうした悩みは、誰しも大なり小なり抱えていることでしょう。趣味で生きたいが趣味では食っていけない、ほんとうに愛する人がいるけれど家庭があるからままならない、などなど。にもかかわらず、さほど心を揺さぶられなかったのは、脚本の弱さに起因する気がします。
  “初夜”を迎えるシーンは、お互い“初めて”なのに、“うまく”運びすぎて不自然とか(笑)、理想と現実の相克が描かれてはいるのだけれど、イマイチ身を切られるような思いまでは伝わってこないとか。そして私が脚本的にもっとも抵抗を覚えたのは、ジャックを殺した点。これは、禁じ手ではないでしょうか。ストーリーの紡ぎように困窮して、やってしまったという印象さえありました。ということで、話題になったわりには平凡な作品だったというのが率直な感想で、6点也です。 delft-Qさん [映画館(字幕)] 6点(2006-04-02 20:42:54)

15.シャツをギュッと抱きしめる所が泣けます。 たまさん [映画館(字幕)] 8点(2006-04-02 16:11:21)(良:1票)

14.テーマ云々以前に、万人受けする映画じゃない。アン・リーの叙情性は、ブロークバック山の風景やラスト・カット等で存分に発揮されてたと思いますけど、私には少し淡々とし過ぎ。また、時間経過も子供の成長によって自動的に判る仕組みとなってましたが、そこから20年という時の重みを感じることはありませんでした。むしろ監督よりも俳優陣が素晴らしい。主演の二人はもちろんのこと、アイドル女優だと思ってたアン・ハサウェイが意外にも良かった(当然オッパイも含めて)。ところで、私は二人の友情に共感し、且つ同情しました。ゲイじゃなくたって、なだめたりすかしたりしなきゃならない彼女や奥さんといるよりも、気の合う野郎と酒を酌み交わした方が癒されることも多いのが、仕事に疲れた男ってもんですヨ、6点献上。 sayzinさん [映画館(字幕)] 6点(2006-04-02 00:05:20)

13.《ネタバレ》 ひじょーにシンプルであめりかんな匂いのする映画でした。細かいことにこだわって躊躇してると想いってのは果たせられないんですよね。最後に、今度カールと結婚するの、と言ったアルマジュニアに対してイニスが「カールはお前を愛しているか?」とだけ尋ねたことがすべてを物語ってて、大切なことはそれだけなんだよ、と言っているようでした。なんだか色んなことにこだわり過ぎていて数年前から何も変わっていない自分にとってはずっしりとくる映画でした。それにしてもばったり現場を見てしまったアルマはホントかわいそうやね。何にも悪いことしてない良妻なのに・・・ とむさん [映画館(字幕)] 7点(2006-04-01 21:03:25)

12.本作がオスカーで作品賞を獲れなかったことに対し、多くの批判の声があがっているらしい。世間が同性愛に寛容になってきた今、この作品に獲らせないでどうする!ということらしい。……ちょっと待て!君たちは、「普段はイジメを黙って見過ごしているくせに、学級会のときにだけ『イジメはやめよう!』って声を出す子供」と変わらないぞ!僕も賞レースは面白いので結構楽しみながら観ているが、テーマだけで作品の質を決められるわけがないんだな。どちらの作品が獲るべきなんてことは言わない(もっと言うと、「べき」なんてない。)が、ちゃんと一つの作品を「映画」として取り扱ってほしい。……と、まぁ、賞レースの話は置いておきましょう。「ゲイ映画」と騒がれた本作、確かに「同性愛」をテーマにしつつも、根っこは単純に一つの恋愛物語であった。しかも、そこにいやらしさはなく、大自然に対して優しいタッチで描かれている。際どいテーマの本作を、ここまで美しく仕上げたアン・リーの手腕は評価に値する。キザで不器用なイニスと、積極的で自分の気持ちを言葉にして伝えることができるジャックという、二人の主人公を対比させて追っていくという物語展開には脱帽。二人の最初の別れのとき、イニスがジャックを見送った後で感情をあらわにするシーンなんか、お見事としか言いようがない。そして、何といっても本作は主演二人の演技が素晴らしい。特にヒース・レジャー。言葉は少ないが、彼の表情を見るだけで、感情がひしひしと伝わってくる。本作が演技部門でオスカーを獲れなかったのは少し残念かな。イニスとジャックは、「ゲイ」とは何なのか、というよりは、「愛」とは何なのか、さり気なく教えてくれた。誰の心にも響くであろう、とても切ない作品。 こばやんさん [映画館(字幕)] 7点(2006-03-31 18:43:46)

11.《ネタバレ》 これを、ゲイの真実の愛の物語とされると、ちょっと困惑する。ぶっちゃけて言ってしまえば、性欲の延長線上に真実の愛があるのか、あるいは、現実と乖離した世界で愛を語るのか。桃源郷で暮らす仙人ならいざしらず、社会生活を営むのなら、それでは困るし、だからこそ、本作の二人は成就し得ない。本作は、ゲイ映画というよりは、現実という社会での相克を描いた作品で、今流行の純愛を期待して見ると、ちょっと辛いだろう。実際、客観的に見れば、イニスはジャックと出会わなければ、普通に暮らしていた人だろう。思い過ごしも恋のうち、というが、二人だけの世界から現実に立ち返れば、しがらみは山ほどあるのは、何もゲイを引き合いに出す必要もない。では、真実の愛とは、「青い珊瑚礁」のように、桃源郷でしがらみのない二人だけの世界を守ることだろうか? 一見曖昧で、ジャックの情熱に引き摺られながらも、優柔不断に見えるイニスは、だが、そのしがらみも引き受けていた。だからこそイニスは社会に生き残り、ジャックには死という結末で閉じるしかなかったのだろう。とはいえ、片方を死なせ、桃源郷(ブロークバック・マウンテン)の残り火を永遠というのでは、それまでの相克劇の終幕としては、あまりにも安易す過ぎるような気がする。 由布さん [映画館(字幕)] 6点(2006-03-31 00:07:29)(良:1票)

10.《ネタバレ》 イニスとジャックでお互いを思っていることは同じだが、その思い方は違い、切なかった。ただ映画の中では時間は割りと淡々と過ぎて行くなかで、ブロークバックマウンテンで一緒に働いて以来4年間お互いを思い続けているというのが理解できないところであった。原作の小説も読んでみたくなった。 HKさん [映画館(字幕)] 8点(2006-03-30 11:09:39)

9.傑作だと思う。愛の強さゆえに苦しむ主人公の二人がとても切ない。そして悲しい。僕は別に同性愛者ではなく、この世界のマジョリティであるヘテロセクシャルだけど、主人公に感情移入し、一人で行った映画館で一人で男泣きしてしまった。「グリーンディステニー」「ハルク」は全然好きじゃなかったけど、この映画の繊細なタッチはかなり気に入った。音楽も好きだ。良質な小説を読んでいる気分にさせてくれる。主演の二人の演技も頑張ってたと思う。ただ、テーマがテーマだけに見る人によっては見るに耐えかねるだろうし、娯楽性も薄いので退屈に感じるかもしれない。でもこれは傑作だと確信しました。9点! ジャザガダ~ンさん [映画館(字幕)] 9点(2006-03-30 02:11:42)

8.《ネタバレ》 編集や撮影がちょっと単調すぎかなぁ。大自然の雄大さ、荘厳さがちょっと足りなかったような気がする。まー、それを補って余りあるほどの主演二人の演技がすばらしかった。ドニー・ダーコやジャーヘッドを観て、ジェイク・ギレンホール目当てで観に行ったんだが、ヒース・レジャーもよかったなぁ。おいらにはそのケはないけど、シャツをギュッと抱きしめるシーンで少しホロリときてしまった。妻のある身としては、その関係を知ってしまったカミさんの心境が異様に身につまされ、苦笑することしきり。男を愛しながら、娘を愛する。矛盾しているけど、そこは理解できる気がするなぁ。。。 ダブルエイチさん [映画館(字幕)] 6点(2006-03-29 15:05:00)

7.《ネタバレ》 空、山、羊の群れなど印象に残るシーンが多く、殆どが美しい映像だと思えました。しかし、主人公2人をはじめ、登場人物それぞれの複雑な思いがきちんと描かれているなと思ったにも関わらず、「単なる男と男の愛情の映画ではない。」とか「これは人間愛だ。」等と謳われているような所までは、私の中では昇華されていないかな。  受け入れ難いとまでは行かなくとも、男同士のラブシーンはやはり不自然で、しかもそうなるまでが早急だった感が拭えず、その点をもう少し丁寧に描いて欲しかった・・・そうは言っても、トータルで言えば好きな部類に入ります。 イニスの娘に対する愛情だけは常に一定で揺るがず、娘もパパが大好き。そういう点があったからこそ、イニスの複雑なキャラクターも理解出来た気がするし、全体を通してただのホモ映画に貶めなかった気がします。 プリシラ3103号さん [映画館(字幕)] 7点(2006-03-28 00:41:39)

6.う~ん、う~ん(汗)。決して悪くなかったのに・・・シメがぁっ。最後の最後に・・・うわあぁぁ、なんってことををを・・・って、NGワードまで踏んずけちゃったんで。ジャックの愛は感じるんだけど、イニスのジャックに対する気持ちは伝わって来ない。苦悩はわかるんだけど、その出どころはジャックへの愛(自分で言っててぶっ・笑)とは別物。だから最後にそんなセリフ言っちゃいけません! って思うのよ。イニスはイニスであり続けなきゃ都合よすぎてイヤ。 ジマイマさん [映画館(字幕)] 6点(2006-03-23 00:38:52)

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【点数情報】

Review人数 145人
平均点数 6.89点
000.00% line
110.69% line
221.38% line
300.00% line
485.52% line
51711.72% line
62920.00% line
73524.14% line
82718.62% line
91812.41% line
1085.52% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.70点 Review10人
2 ストーリー評価 7.29点 Review24人
3 鑑賞後の後味 7.20点 Review24人
4 音楽評価 7.65点 Review26人
5 感泣評価 6.17点 Review17人

【アカデミー賞 情報】

2005年 78回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞ヒース・レジャー候補(ノミネート) 
助演男優賞ジェイク・ギレンホール候補(ノミネート) 
助演女優賞ミシェル・ウィリアムズ候補(ノミネート) 
監督賞アン・リー受賞 
撮影賞ロドリゴ・プリエト候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)グスターボ・サンタオラヤ受賞 
脚色賞ラリー・マクマートリー受賞 
脚色賞ダイアナ・オサナ受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2005年 63回
作品賞(ドラマ部門) 受賞 
主演男優賞(ドラマ部門)ヒース・レジャー候補(ノミネート) 
助演女優賞ミシェル・ウィリアムズ候補(ノミネート) 
監督賞アン・リー受賞 
脚本賞ラリー・マクマートリー受賞 
脚本賞ダイアナ・オサナ受賞 
作曲賞グスターボ・サンタオラヤ候補(ノミネート) 
主題歌賞グスターボ・サンタオラヤ受賞 

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