みんなのシネマレビュー

CUT(2011)

CUT
2011年【日】 上映時間:120分
ドラマヤクザ・マフィアバイオレンス
[カット]
新規登録(2012-01-05)【ジャスミン】さん
タイトル情報更新(2023-12-26)【にじばぶ】さん


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監督アミール・ナデリ
キャスト西島秀俊(男優)秀二
笹野高史(男優)ヒロシ
菅田俊(男優)正木
でんでん(男優)高垣
鈴木卓爾(男優)ナカミチ
常盤貴子(女優)陽子
芹澤興人(男優)
脚本アミール・ナデリ
青山真治(共同脚本)
制作ビターズ・エンド(制作協力)
配給ビターズ・エンド
特殊メイク梅沢壮一
美術磯見俊裕
編集アミール・ナデリ
録音小川武
照明石田健司
その他黒沢清(スペシャル・アドバイザー)
市山尚三(スペシャル・アドバイザー)
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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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10.《ネタバレ》 西島秀俊演じる秀二にとって、映画とは自分そのものということか。彼は古き良き映画の亡霊というよりかは、もはや彼自身が映画なのだと思う。そんな彼は決してキレることなく地団駄を踏み、必死にサンドバッグの如く耐える。あれほど忌み嫌ったお金の為に、耐える。奇声を上げて、存在を強烈にアピールする。守り抜き、後世に伝えたいと切に願う映画の消費世界真っ只中の姿のようである。忘れ去られてしまった、かつての耐え忍ぶ日本人の在り方かもしれない。映画好き、ともかく、血の通う人間ならば、ボロボロになりながらも、それでも、思い描く未来を見据え、生に執着する姿に心が微塵も動かないということはないはずだ。そして、彼は死ぬことなく、逞しく生き残るのだ。
とりあえず、巷のクソ映画とは違うのだと謳うだけの真の映画らしき皮を被ったファッション映画とは一線を画す出来であることは間違いないと思う。それこそが断罪すべき真の消費映画そのものだと思う。
ただ、金は受け取るより、拾う方が絵的に良かった感じもするのだけどな。あと、フィルムの沐浴みたいなのは狙い過ぎで、白けたかな。 うーさん [DVD(邦画)] 7点(2015-10-16 19:30:39)

9.文学には純文学と大衆文学というジャンル分けがあって、文学賞も各々わかれています。映画に、純映画と大衆映画の違いがあるのかどうかわかりませんし、賞としてはわかれてはいませんが、内心そういうわけ方をしている人もいるでしょう。どちらが好みかは人それぞれでしょうけど、何もかも相対化してしまう事の危険性もあります。資本主義の世界ですから、売れればOKなのは確かでしょうけど、その事により劣化するもの・失うものがあるのも確かでしょう。ただし表現の自由は制限できないわけで、そこは批評によって対峙していくしかないのでしょう。製作者の訴えたい事はシンプルです。ただし、主人公にあのような事をさせる事が批評になっているとは思えないし、表現としてもかなり疑問は感じます。 東京50km圏道路地図さん [地上波(邦画)] 3点(2015-04-20 10:41:46)

8.《ネタバレ》 監督は主人公が叫んでいた「今の映画はゴミ。本当の映画は芸術」なんてことを訴えたかったに違いない。主人公は借金返済を殴られ屋として返済するのだが、殴られた鬱憤を映画をつぶやくことで解消しようとしている。だが、全く理解できない。数万円払って無抵抗な男を殴る連中の神経。たとえヤンキーだろうがチンピラだろうが、そんなに払うやつはいないと思う。殴られる主人公も顔に痣が出来る程度で2週間ちゃんと生き続ける。最後の映画100本のタイトルも北野武やジョージ・リンチまで出て名作と語っている始末。こうやって「映画は芸術!」と脳みそばかり先行している監督ほど駄作ばかり作っていることが悲しい。 クロエさん [CS・衛星(邦画)] 3点(2014-08-23 05:22:54)

7.《ネタバレ》 狂気にとりつかれた男の話かと思ったら、クライマックスで監督の考えた映画ランキング100が始まってびっくりした。 カニばさみさん [映画館(邦画)] 2点(2013-08-25 19:44:09)

6.《ネタバレ》 途中まではかなり面白く思えたし、単に視覚上のことでも主人公が夕暮れの屋上をグルグル走るシーンの色調とかとてもいい感じに思えたりしてました。けれど、主人公が熱く訴える思いの中あれほどの借金をしてまでどんなフィルムを手がけていたのか、そこは全く描かれていかない。結局、主人公は借金を返すために殴られるだけの人物像に成り下がって行く。ヤクザの事務所だかなんだかも、あれほどスペースをとってしまうボクシングのリングが常設してあって、常設するからには普段ヤミの賭けボクシングだの一応プロの選手育てているだの何か利用されているはずだけど、その描写はちっともないお飾り。あんなリング設備がありながら、まともなサンドバッグの打ち方する人間一人登場しない。主人公の殴られ屋は、たとえ腹だけだとしても素手で何発も受けてたら、回復が追いつかないから連日営業は絶対無理! アバラだって絶対ヒビはいるはず。それを顔面まで素手パンチを無数に受けるとか、死んじゃうだろうし、そうならなくても失明するはず。この映画を作った人たちは現実の痛みもよく知らないバーチャルどっぷり世代なんでしょうか? このバカバカしい描写がずっと続く中で「本当の映画というものは…」みたいなことを言われても「あんたらこそ、分かってないんじゃね?」という気分になっていく。 最近の映画に言いたいことの気持ちはとても共感できるけど、それ言う君がこんな程度の作品かい…て話です。 だみおさん [DVD(邦画)] 3点(2012-12-12 15:28:16)

5.《ネタバレ》 始まって10分でこれは普通の映画じゃない、とわかる。
普通の映画が観たかった人にはゴミです。ずっ~と殴られてるだけ。
普通じゃない映画が観たかった人にはどんなふうに観えるのだろう。 虎王さん [DVD(邦画)] 2点(2012-11-28 10:41:38)

4.《ネタバレ》 ここまで平均点9.00点ですか・・・うう~ん、メッセージは痛いほど分かるのだが、映画の商業化批判、本当の映画への回帰という文脈と、ひたすら殴られる部分とがメタファーレベルでしかつながっていないのは、物語としてどうかと思う。確かに最近の映画にはない味はあるけど、なんかこのベクトルは間違えている気が。

■基本的には殴られているシーンばかりで構成されていて、心理や人間を描く云々という余地はあまりない。映画全体がメタファーであり、メッセージのために構成されている作品であるように思う。しかしそれだけのために2時間をかけるのはちょっとあれ。

■「簡単に分かるのはダメだ。語らない分からなさこそが真の映画だ」という通の雰囲気のある主張なのかもしれないが、それに対しては、意図的に曖昧にした「分からなさ」によって内容の判断を留保させたままにして、そこから高尚性だけを出して煙に巻くのは、さまざまな領域において用いられている手法ではあるけど、それは本質的にはペテンに過ぎないと私は思っている。

■映画の投影されている床の上に主人公が寝ているシーン、あれはうまい構図だなと率直に思った。ありそうでなかった手法。 θさん [DVD(邦画)] 3点(2012-10-25 00:11:38)

3.観てよかった・・・。私は商業映画を真っ向から否定する立場にはありません。単に娯楽を求めて商業映画を観ることだって当然あります。でもテレビの2時間枠で十分なものを映画館で垂れ流すような今のシネコンに対する不満もあります。そういう映画を観ることに慣れているお客は、映画がなんであれ、映画の最中でもおかまになしに携帯電話を操作し、エンドロールなど観ずに席を立つ。本気で映画が好き!という観客にとってはたまらないわけです。秀二のように叫び、痛みを受け止め、そうまでしても映画のために生きるような意地のある人が作った映画を観たいんです。例のシーン、『ニューシネマパラダイス』のあのシーンとだぶってしまいました。西島秀俊、最高! longsleeper21さん [映画館(邦画)] 9点(2012-05-31 21:51:01)

2.《ネタバレ》 この映画から感じたもの、それは只々"狂気"です。映画ファンを自覚する殆どの方は、シネコンがテレビ局主導の邦画しか上映せず、メディアもヌルい客層しか呼ばない様な映画しか話題にせず、少しでも難しい内容の映画は世間からスルーされるこの映画界の現状に少しは憤りを感じたことがあると思います(勝手な想像で失礼ですが)。そのような映画界への怒りを只管にエスカレートさせたのが本作の主人公であり、私は彼の主張には非常に共感してしまったのですが、街中で怒りを叫ぶ彼から感じるのは狂気でした。その映画への愛が暴走してしまった人間の姿を、徹底的に無様に、且つ映画を愛する者にとっては非常に愛おしい存在として描いている点が素晴らしい。
借金の返済のために連日殴られ続ける主人公。彼の口からは常に彼が愛して止まない映画タイトルが零れ落ちる。そしてラストの主人公の存在そのものと言っていい映画100本ノック、このシーンは程度は違うであれ同じ映画を愛する者として感動せずにはいられなかった。インタビューによるとあの100本の映画は主人公のオールタイムベストであると同時に、アミール・ナデリ監督のオールタイムべストであるらしい。あの100本のリストを見ただけで監督が如何に映画を愛しているかが分かる。死ぬ程映画を観尽くしていないと絶対に作れないリストだ。ハッキリ言ってこの映画は「俺はこんなに映画が好きなんだ!どうだ!」というシネフィルのナルシシズムに満ちている。シナリオには実に自分勝手でご都合主義な展開が頻出する。普通の人が観て「なんだ、気持ちわりぃ」とか「どんなに映画が好きでも巨匠の名作には及ばないね」と思うのも納得の出来である。しかしどれだけその姿が滑稽で、狂っていて、傲慢なものであったとしても、只管に映画を愛する主人公と監督に涙せずにはいられない。 民朗さん [映画館(邦画)] 10点(2012-01-21 20:56:14)(良:1票)


1.強烈な映画「愛」に基づく、映画産業への「憎しみ」。
そう、怒りを通り越しちゃって「憎しみ」、そして「焦り」。
それらの巨大な感情を一つもこぼさず、ぎゅ~っとフィルムに詰め込んで、
それがスクリーン上で爆発した感じ。

秀二(=西島秀俊)の狂気もさることながら、
その狂気のカケラを追う陽子(=常盤貴子)の眼がとても良い。

過去の偉大な監督たちへの畏敬の念と、
その素晴らしい作品群に対する、あふれんばかりの愛情の表現は泣けるほど。

この映画で訴えている事を救えるのは、私たち(つまり、ここ『みんなのシネマレビュー』
を訪れるような)観る側の人間だけなのかな。
政治家が世論を気にするように、作り手は観客の動向を気にする。
だってそれが資本主義。でも悪くは無い。表現の自由がある。
ジャスミンさん [映画館(邦画)] 8点(2012-01-08 20:13:14)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 10人
平均点数 5.00点
000.00% line
100.00% line
2220.00% line
3440.00% line
400.00% line
500.00% line
600.00% line
7110.00% line
8110.00% line
9110.00% line
10110.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 0.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 5.00点 Review1人
4 音楽評価 3.00点 Review1人
5 感泣評価 0.00点 Review1人

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