みんなのシネマレビュー

太陽(2005)

The Sun
(Solntse)
2005年【露・伊・仏・スイス】 上映時間:110分
ドラマ戦争もの歴史もの
[タイヨウ]
新規登録(2005-02-24)【リーム555】さん
タイトル情報更新(2024-02-27)【イニシャルK】さん
公開開始日(2006-08-05)


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監督アレクサンドル・ソクーロフ
キャストイッセー尾形(男優)昭和天皇
佐野史郎(男優)侍従長
桃井かおり(女優)皇后
六平直政(男優)阿南惟幾陸軍大臣
品川徹(男優)迫水久常書記官長
西沢利明(男優)米内光政海軍大臣
灰地順(男優)安倍源基内務大臣
田村泰二郎(男優)研究所長
配給スローラーナー
あらすじ
昭和20年8月。地下シェルターと焼け残った研究所を行き来し、息の詰まるような日々を送る昭和天皇。既に後がない戦況の中で、彼は本土決戦よりも国民の平和を選び、自らの判断において占領軍司令官マッカーサーと向き合い、そして国民に対し自分は現人神ではなく一人の人間であると宣言する。終戦前後の絶望的状況の中で、孤独と苦悩に耐え忍ぶ昭和天皇をアレクサンドル・ソクーロフ監督が独特の映像美をもって描く。

タコ太(ぺいぺい)】さん(2006-10-15)
全てのをあらすじ参照する

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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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34.《ネタバレ》 銀座シネパトス特有の地下鉄の走行音&微振動と、ソクーロフ映画特有のサウンドとの合成によって、気持ち良さのあまり序盤思わずウトウトしてしまったが、終わってみれば相変わらずのソクーロフ節というか、むしろ昭和天皇を演じるイッセー尾形という俳優を得たことで、ソクーロフの諸作品と比べると親しみやすい映画であったように思う。イッセー尾形の道化ぶり、佐野史朗の狼狽、桃井かおりのぎこちなさ等は普通に見ていて面白く、それらをあの独特の暗色画面の中でやってしまうソクーロフの大胆さも面白い。「昭和天皇は断じてこのような人物ではない」という意見もあるだろうが、それは確かにそうだろうと思う。ただ、そんなことは実はどうでも良く、むしろイッセー尾形が演じるヒロヒトが演じていた/演じざるを得なかった現人神(=太陽?)としての昭和天皇の姿を、人物そのものの造形ではなくて「関係(侍従との関係、マッカーサーとの関係、皇后との関係等・・・)」として捉えただけでなく、退避壕を中心としたほとんどが室内で構成された場面、あるいは妄想や窓越しからしか見る事の出来ない焼け跡の東京までもが昭和天皇の中に包含されるような世界として構成するそのやり方が見事であり、ラスト、佐野史朗の一言を聞き沈黙するヒロヒトを、桃井かおりが手を引っ張って部屋から出て行くシーンによって唐突に映画を終わらせることで、閉じられた世界にわずかな裂け目が作られた(それがエンドロールのあの白い鳥なのか?)。これは必見です。「あっそ。」と言われたらそれまでですが・・・(笑) Qfwfqさん [映画館(字幕)] 9点(2006-08-20 19:33:21)(良:2票)

33.《ネタバレ》 終戦間近の昭和天皇の周りなんてまさに激動。首相との会談、御前会議、玉音放送などなどドラマチックになる要素をほぼ完全に排除したことに作り手のナルシシズムが感じられる。それによって天皇の人柄をより興味深く描けているならいいんですが、グダグダすぎる。場面場面は長い割にぶつ切りだし、どうでもいい会話やひとりごと、動きのない画面は退屈の極致。天皇をテーマにしたぜ、凄いだろー。イッセー尾形ハマってるだろー。っていうだけで、見てもらおうっていう努力が全く感じられませんでした。 すべからさん [DVD(字幕)] 2点(2009-09-05 01:29:22)(良:1票)

32.《ネタバレ》 イッセーさんてなんて勇気のある人なんだろう。ただただ感嘆するばかりです。まさかロシア人監督が描く昭和天皇の映画で、まさにその昭和天皇の役を演じるなんて!しかもその描写と行ったら、もう。僕の見方は間違っているのかもしれません。でも僕にはそうとしか見えなかった。この映画で描かれているのは多分、その器もないのに神と等しい位置にまで祭り上げられてしまった一人の哀れな男の姿です。そしてこの、本来もの静かで知性も備えた、現人神でいるにはあまりにも我の強くない男はその重荷に耐えきれずに半ば精神に変調をきたしかけています。僕は観てて本当に戦慄が走りました。”これじゃイッセーさん右翼に殺されちゃう!”て本気で思いました。特にマッカーサー登場までは。この内容を徹頭徹尾リアルな映画として撮ってしまったとしたらほんとに政治問題や国際問題になりかねないな、って思いました。ところがこの映画はそんな愚をおかすことは決してしないで、美しくもグロテスクなイメージを重ねつつ、あくまでファンタジィの側で踏みとどまります。これは現実の皇居で起きた現実のことではない。どこか観ている僕らにはその確信がある。その上でこそあのイッセーさんのすばらしいお芝居が輝きます。その緻密さ。連合軍のジープに乗せられて去ってゆく現人神の庭には丹頂鶴が憩うている!しびれます。太陽と崇められた男の心はしかし崩壊の手前で踏みとどまります。そして月光の下で一人の小さな人間としての悲しい再出発を決意する。この先の人生が苦い苦いものになるであろう予感を含んで。やがて太陽は昇る。今日もゆっくりと。 amさん [DVD(字幕)] 8点(2007-05-30 03:56:16)(良:1票)

31.《ネタバレ》 日本でもアメリカでも作れなかった映画。ロシアだからこそこんな映画が作られたのでしょう。おそろしく淡々とした展開なのにくわえ、終戦や人間宣言の具体的な場面を描かないので、劇中の昭和天皇の発言並みにこの映画の真意が判りにくいのですが、最後のシーンで、神格化されたほんとは普通のおじさんだったかもしれない男性の苦悩とを描くことが目的であった事が鮮明となります。人間であることを宣言して得た救いと、その人間宣言がもたらした代償。世界の人々に昭和天皇についての理解を深めてもらうには良いきっかけになるかもしれません。が、日本人にとって、この映画の評価はとても難しいのではないでしょうか。おまけに、イッセー緒方の演技は昭和天皇を良く再現しているのですが、どこか笑いものにしているのではないかとも思え、見る人の立場・考え方でかなり点数は変化しそうです。それほど面白いというわけではないものの、一度は見ておいて悪くはないかなということで6点です。 はやぶささん [映画館(字幕)] 6点(2006-12-16 23:01:12)(良:1票)

30.《ネタバレ》 ほとんど抑揚の無い間延びしたシーンが延々と続く。ラジオの音や虫の羽音は耳につくし、イッセー尾形の口の動きは生理的な嫌悪感を受ける。(何か意図があってそうしているのかも知れないが)肝心の人間宣言はエンドロールの音楽にかぶさって聞こえない。私は日本人であり日本が好きであるが、本作の映画としての評価は低くならざるを得ない。現人神ではない人間の昭和天皇を見ることが出来たという点だけが収穫だったように思う。 alianさん [映画館(字幕)] 3点(2006-10-01 01:16:03)(良:1票)

29.テンポがひたすら平坦かつ遅く、
台詞の無いシーンの「間」がムダに多く長い。
物語の起伏や変化がほぼないため、
終始とにかく冗長で退屈、眠気を誘う。
物語そのものの内容も薄く、浅い。
途中までは天皇のユーモアと取れるシーンも、
最後のほうではもはやただのコントかコメディ。
その割には、尻切れトンボのような唐突な終幕。
肝心の神ではなく人間として苦悩する姿も、
取って付けたような中途半端ぶりでイマイチ表現不足。
題材の割にメッセージ性が曖昧で、結局何を見せたかったのかわからない。
ロシア映画は詳しくないけど、重厚な雰囲気だけを楽しむ映画なんだろうか…?
わざわざ映画館まで足を運んで損をした、金返せと言いたい気分。 愛野弾丸さん [映画館(字幕)] 2点(2006-08-17 19:15:11)(良:1票)

28.幻想的で寒々しい映像美が邦画にはない違和感を醸しており、昭和天皇の浮世離れっぷりを際立たせていた。しかし、デリケートな題材にずかずか踏み込んでいる割には、欧州の監督らしい、従来の昭和天皇像から抜け出せていなかったと思う。意図的に抒情性を排したせいもあるのか、単調で途中でウトウトしたのは言うまでもない。これでは"映画"ではなく、"演劇"である。自分には合わなかった。 Cinecdockeさん [DVD(字幕)] 3点(2015-09-11 18:50:08)

27.《ネタバレ》 この映画が日本からでてこなかったことこそが日本の最大の魅力なんだと思う。 aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 9点(2014-08-05 00:21:40)

26.これは、まず日本じゃ撮れない。日本は主観で天皇像をやたら特別視しすぎるきらいがある。天皇もせっかく「私も人間だ」といったのだから、日本人はもっと砕いて描いても良い筈だ。
その点、ソクーロフは客観的で、あくまで一人の人間として天皇を描いた。
口ももごもごし、まるで子供のように植物の研究に明け暮れ、「人間て良いな~」と謳歌していそうな、何処にでもいそうな感じに。これほどユーモアと気品を両方感じさせる天皇、中々いない。 すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-04-30 19:12:36)

25.《ネタバレ》 天皇陛下の苦悩が滲み出て、いい作品だと思った。
人間だと思いたい反面、天皇を神と崇めて死んでいった国民のために、神として生きる葛藤があったんだろうなぁ。
この映画を見て、もっと歴史を知りたいと思ったし、知らないといけないと思った。
ただ、最後の息子(皇太子)に会いたくて必死な姿は、まさに人間を感じた。
kontikiさん [DVD(字幕)] 7点(2013-07-11 00:40:38)

24.戦争で引き裂かれた愛はたくさんあるだろう。でも、本当の愛は、そんな劇的なものではなく、むしろ何の変哲も抑揚もない毎日に耐えるところで静かに紡がれるものではないだろうか。この映画の統治者の姿は、いつも通りの日常に身をおくという、人間にとって実は最も困難な生き方を表現しているように思われた。統治者だけが、戦時下の日本において、一人だけ「変わり映えのしない日常」を生きていた。だから、彼だけが、敗れゆく日本の姿を、唯一の仕方で感じ取っていたはずなのだ。それゆえに、ソクーロフ監督の映像の中の日本は、日本人にとって誰も見たことのない雰囲気と色彩に満ちている。この映画はドキュメンタリーではないのだから、歴史的な考証が正しいとか正しくないとか、昭和天皇は本当にこの映画に描かれるキャラクターみたいな人だったのかとか、なるべくそういう考え方から離れて観てみるとより楽しく見れる。 wunderlichさん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-07-25 23:25:55)

23.《ネタバレ》 ロシア人監督が大戦終結前後の天皇(日本)とマッカーサー(米国)をどういう描き方をするかに興味があった。意識的にか、戦争が終わったことが扱われていないので、あれっというかんじ。マッカーサー役の俳優は全然似てないし、少し軽いのではないか。 ジブラルタの星さん [DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2008-03-23 14:36:50)

22.前半部分は、特に敗戦の御前会議と思われる会議が「?」です。・・・阿南陸将はどうして軍服を着ていないのだろう。天皇が「四方の海」と明治天皇の歌を詠むのは、開戦の時の御前会議で、敗戦の時の会議ではなかったはず。・・・・外国の映画だから、仕方がないといえばそれまでだけど、日本的環境では確認されている事実が、ないがしろにされてしまうと、事実は事実として扱ってね、と思ってしまう。・・・・・・とはいえ、特にマッカーサーとの対面や、会食のあたりが興味深い。昭和天皇とはこういう人だ、と決めつけるのでなく、子供じみた部分、科学者的側面、責任感、プライド、外交的能力などなど、昭和天皇の多面的な部分を、イッセー尾形が実に良く表現している。そして実際の人間や出来事というのは、そのように多面的なものなのだから、イッセー尾形を見ていると、一つに決まらないもどかしさがある一方で、現実性、リアリティを感じることができるのだ。そして占領期の日本について考えるきっかけを与えてくれる点でも貴重な作品といえる。・・・・・・とはいえ、天皇制の宗教性など、文化的な事柄を考えるには、全く掘り下げられていないと感じました。 王の七つの森さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-04 23:31:04)

21.《ネタバレ》 友人と観にいったら私たち2人を含め5人しか客がいなかったのでホームシアター気分でした。昭和と平成の境目に生まれたもので昭和のことも昭和天皇ご自身のことも良く知らないのですが、印象に残ったのは空襲シーンです。上空からの視点で、燃えている町の映像はぼんやりしている。これはおそらく火の下を逃げた事のないであろう天皇の空襲のイメージなのだろうか、と思いました。 HOPUKOさん [映画館(字幕)] 8点(2007-12-06 00:04:25)

20.《ネタバレ》  非常に興味深いテーマではありますが、何となく禁忌を冒す罪悪感を感じてしまいながらの観賞となりました。まあ、日本では作れない映画ですね、上映できたことが驚きです(「昭和も遠くなりにけり」ということなんでしょうかね?)。
 イッセー尾形は、いろいろな意味で難しい役を見事にこなしていると思います。下手すれば命を狙われかねない訳ですから・・・・・。
 まあ、感想を述べるのが非常に難しい映画ですね。他の国の国王やら皇帝の話であれば簡単に述べられるんですけど・・・・。ただ、映像の美しさ等格式の高い芸術作品であったことは良かったなと思います。
TMさん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-11 23:40:03)

19.イッセー尾形って、特定の人物の物まねをやるのではなく、あるタイプについて人々が抱いている典型を、ひたすら外面の模倣だけで内面をも感じさせるまでに持っていく人。今回はヒロヒトという特定の人物が課題、外面の模倣はさすがだが、はてそれで内面はどうなったか。興味深かったのはそのヒロヒト自身が、映画の中でチャーリー・チャップリンに似てると言われたことだ。マッカーサーの部屋で一人きりになると、チャーリーのようにふらふらと室内を踊りだしてしまう。人と対面することが仕事の天皇がふと誰の視線もない場所に立った時、似ていると言われた他人を模倣することで内面を埋めようとしているような、そうすることで映画の中のヒロヒトがイッセー尾形を模倣し、内面の空虚をお互いに埋めあっているような、奇妙な倒錯が一瞬感じられた。 なんのかんのさん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-07 10:37:51)

18.僕の知っている昭和天皇は温和なおじいちゃんという感じで、尊敬すべき人格者です。
それは天皇という地位が齎すものではなくて、人として内面から滲み出る風格でした。
この作品では、また違った一面を見ることができて面白かったし、本質的な威厳も損なわれていないように感じましたね。
物語としては、そんなに面白いものじゃないけど、人間観察という意味で非常に面白い作品でした。 もとやさん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-06 21:10:52)

17.「朕の不徳なる・・・」と云う文芸春秋に掲載された文を読んで、昭和天皇に対する畏敬の念が大きくなっていました。この「太陽」を映画館で観れなかったのでDVDで初めてみました。天皇があんなに堂々とマッカーサーとやり合っていたとは知りませんでした。また、多数国語が喋れたということにも吃驚しました。さらに畏敬の念を強くしました。 亜酒藍さん [DVD(邦画)] 7点(2007-08-03 09:21:37)

16.天皇が神ではなくなったのだが、血の通った人間のように見えるわけでもなく、むしろ人形が心を持つようになりました、というような印象だった。昭和天皇があの当時から口を震わせながら話していたのかどうか知らないが、見ていていらいらしてくるし、会話も成り立っているのかどうかよくわからないところが疲れた。 HKさん [DVD(字幕)] 5点(2007-05-20 22:41:56)

15.《ネタバレ》 面白い。ストーリーも面白いんだが昭和天皇そのものの人物像が面白い。シュールすぎて。口がもごもごしてるシーンは笑いをこらえるので必死だったけど所々会話シーンで途中話が中断し昭和天皇がボソッと日本語で「あっそう」。なんてシュールなんだ TRUST NO ONEさん [DVD(字幕)] 9点(2007-05-06 06:38:35)

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【点数情報】

Review人数 34人
平均点数 6.74点
000.00% line
100.00% line
225.88% line
325.88% line
425.88% line
512.94% line
6411.76% line
7926.47% line
8720.59% line
9720.59% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review4人
2 ストーリー評価 7.50点 Review4人
3 鑑賞後の後味 8.25点 Review4人
4 音楽評価 5.25点 Review4人
5 感泣評価 5.66点 Review3人

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