みんなのシネマレビュー

センチュリアン

The New Centurions
1972年【米】 上映時間:103分
アクションドラマ犯罪もの刑事もの小説の映画化
[センチュリアン]
新規登録(2004-07-17)【ドラえもん】さん
タイトル情報更新(2023-07-05)【S&S】さん
公開開始日(1973-01-20)


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監督リチャード・フライシャー
キャストジョージ・C・スコット(男優)アンディ・キルビンスキー
ステイシー・キーチ(男優)ロイ・フェーラー
ジェーン・アレクサンダー(女優)ドロシー・フェーラー
スコット・ウィルソン(男優)ガス
ウィリアム・アザートン(男優)ジョンソン
クリフトン・ジェームス(男優)ホワイティ
ジェームズ・シッキング(男優)アンダース
エド・ローター(男優)ギャロウェイ
イザベル・サンフォード(女優)ウィルマ
脚本ロバート・タウン(ノンクレジット)
スターリング・シリファント
音楽クインシー・ジョーンズ
撮影ラルフ・ウールジー
製作アーウィン・ウィンクラー
ロバート・チャートフ
配給コロムビア・ピクチャーズ
美術ボリス・レヴェン(プロダクション・デザイン)
編集ロバート・C・ジョーンズ
字幕翻訳野中重雄
その他リン・スタルマスター(キャスティング)
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【クチコミ・感想】

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5.《ネタバレ》 この映画の監督は、「トラ! トラ! トラ!」「マンディンゴ」等のハリウッドの職人監督リチャード・フライシャー。
原作は、ロスアンゼルス警察の部長刑事ジョセフ・ウォンボー。
したがって、アメリカの警察活動を内部から的確に描き出している点でも、とても興味深い作品だ。

警察もの、刑事ものは、その活動の対象が、庶民的な犯罪、特に社会の底辺から生まれる、喧嘩、売春、麻薬、窃盗、不法入国といった、浜の真砂のような諸悪であり、それが貧困と人種問題とを温床としていることから、この映画のように社会性の強いドラマとなる。

この点、「ゴッドファーザー」は、犯罪閥と言えるマフィアの巨大悪の、優雅な豊かさを描いていて対照的と言える。
そして一方、これに立ち向かう警官自体も庶民であり、仕事一途であればあるほど、次第に家庭から遊離し、孤独化し、どうにもならない社会の壁の前に荒んでいく。

書かれた法律と生きた法との矛盾、そこに警官は、自らの法を打ち立てようとする。
この映画での老警官キルビンスキー(ジョージ・C・スコット)がそうであり、「ダーティ・ハリー」のハリー・キャラハン刑事がそうであった。
そして、西部劇に見る、保安官と同じ姿がそこに見られるのだ。

しかし、自らの正義感に生きたキルビンスキーも、退職後は、楽しみにしていた、フロリダの娘夫婦の家庭にも受け入れられず、虚脱の中に自殺する。

この映画が、西部の大都会を舞台にしていることは、非常に示唆的だ。
無法地帯で、法を執行しようとした、かつての西部の英雄の姿は、今日では、大都会のジャングルの中に消え去る、小さな悲劇としてしか描きようがないのだ。

貧民街での夫婦喧嘩をやめさせようとして、精神病の夫に、犬のように撃たれ、「こんな馬鹿な------」と呟やきながら死んでゆく警官ロイ(ステイシー・キーチ)。
その彼は、妻に去られて、黒人との新しい愛に希望を見出したばかりであった。

その彼を抱いて、階段の上から見下ろすヤジ馬に、「毛布ぐらい投げてくれよ!」と叫ぶ同僚のガス(スコット・ウィルソン)の姿から、アメリカ社会の底辺に挫折する警官の、もっていきようのない、空しい訴えが響いてくるようなラストだ。

尚、この映画の原題は、ローマ時代に治安を守った、百人衆からとったものだが、映画の中で、キルビンスキーがロイに、「ローマの最後の日までだよ」と、皮肉を込めて百人衆に言及するところに、本来の寓意があると思われますね。 dreamerさん [DVD(字幕)] 7点(2023-08-24 09:52:36)

4.《ネタバレ》 ニューシネマ全盛時代に撮られたいかにもニューシネマらしさに満ちた警察ストーリーです。こういう警察の日常を淡々と描くドラマは、タイトルは忘れたがTVシリーズになって日本でも放映されていましたが、70年代中期のアメリカではこういう風味が好まれていたみたいで、同時期の日本では『太陽にほえろ』や『西部警察』のような単純かつド派手な警察ドラマが流行っていたのとは対照的ですね。 “何も起こらない”というわけではなく、ジョージ・C・スコットの自殺やラストでのステイシー・キーチの殉職など、いかにもニューシネマ的な悲劇はきっちりと盛り込まれています。毎回癖のあるキャラを演じてきたスコットですけど、私が観てきた中ではもっとも人間味があふれる善良なキャラでした。彼が独自の行動指針としている“キルビンスキー法”からすると理想主義者の様でもありますが、実際に警官として社会に接するにあたっては柔軟かつ人情味を持っていて、こんな善人を説得力を持って演じれるのも名優の力量でしょう。妻子に逃げられて酒に溺れてぐれてゆくステイシー・キーチの姿には心が痛みますけど、「他人は守れても家庭が守れない」なんて彼を責める女房には1ミリも感情移入できなかったです。監督はリチャード・フライシャーで、この人のフィルモグラフィを見ると『トラ・トラ・トラ』『ミクロの決死圏』などの大作から『マンディンゴ』のような問題作まで幅広く撮っていたから、このような小品は余裕でこなしてしまえる職人芸の持ち主だったと思います。 S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-07-04 23:05:23)

3.《ネタバレ》 地味で渋い作品であるが、当時のロス警察はこんな感じだったんだろうなと思わせるリアリティを感じさせられる。倫理や道徳などすでにない社会の中で、誇りを抱きつつ勤務に励むも報われない警官たちの哀愁が身に染みる。独自の哲学と矜持を持ちつつも定年後は生きがいをなくし自殺するスコット、家庭崩壊の果てにようやく救いを見つけたところで唐突に殉職してしまうキーチ、救いのないストーリーもこの時代ならでは。 クリプトポネさん [DVD(字幕)] 6点(2020-05-17 18:36:07)

2.以前見たロバート・アルドリッチ『クワイヤボーイズ』(1975年)と似ている部分が多いなと思ったら原作者が同じでした。「センチュリアン」は原作者(ジョセフ・ウォンボー)がロス市警在職中に書いたものらしく、前半の「警察24時」ばりの他愛のない事件も含めた日々のパトロール風景は実に生々しく描かれており、映画がどこまで原作に沿っているかは知りませんが原作にあるだろうリアルな風景はじゅうぶんに再現されているように思いました。それでいて本作の真に素晴らしいところは登場する警官たちの人となりをその日々のパトロール風景のみで描ききっているところ。ステイシー・キーチ演じる主人公のドラマの行く末はいたってありがちなんだけど、ストーリーを構成する人物、出来事のこれ以上ない合理的な配置には唸らされる。一瞬で緊張のボルテージを上げる一発の銃声といい、凄まじいカーアクションといい、魅せどころもしっかりと用意されている。 R&Aさん [映画館(字幕)] 7点(2010-04-19 17:39:35)

1.ストーリー、役者相当渋いです。渋すぎて一般受けしませんが、当時の本物の警官の生活ってこんなものだったんじゃないでしょうか。拳銃を始め小道具もそれらしい雰囲気を出しておりこの手のマニア(いるか分かりませんが)にはたまらない魅力をある意味持っていると思います。 Dr.Hさん 7点(2004-09-24 22:43:34)

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【点数情報】

Review人数 5人
平均点数 6.80点
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