みんなのシネマレビュー

子供たちの王様

King Of The Children
(孩子王/Hai zi wang)
1987年【中】 上映時間:106分
ドラマ小説の映画化
[コドモタチノオウサマ]
新規登録(2003-10-08)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2007-12-19)【+】さん


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監督チェン・カイコー
キャストシェ・ユアン(男優)
原作アー・チョン
脚本チェン・カイコー
音楽チュイ・シャオソン
撮影クー・チャンウェイ
配給日本ヘラルド
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【クチコミ・感想】

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9.やはりあの教育方針に疑問を持つ教師がいるとおもうと安心する。自分で考える能力をそいでいる教育は恐ろしいものだ。今の日本にも同じことがいえるのではないだろうか。他人ごとではない。映像美や音声、人物の演出が落ち着いた映画になってるとおもう。 ホットチョコレートさん [地上波(字幕)] 7点(2012-07-15 07:48:09)


8.《ネタバレ》 字を覚えて表現するという一点に特化した描写は、それだけにかえってインパクトを生み出しているが、生徒とのやりとりも特定の1人に集中していってしまったのが惜しい。あと、この邦題は何とかならなかったのか。 Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-07-09 02:07:19)

7.固定カメラを通して時間を置いた風景の変化をしばしば描く。堂々とした感覚。遠景は自然描写というより地形描写。ときに墨絵のような美しさもある。近い光景では、窓や戸の四角い枠を据えて、そこに外側にいる主人公のタバコの煙や、下から起こる煙を捉える。遠景の霧と近景の煙。あるいはラストの牛の気配の高まり。牛は夜の戸外に不意に現われたりし、授業を受けられない牛飼いの子どもへの負い目へとつながっていたか。牛のイメージが近景と遠景をつないでいたようでもある。あの牛飼いの子どもと、字引を写すワン・フー君とが対比されて感じられた。貧しい環境下で自分なりの字引を作っていくワン君は、普通の物語の中でなら間違いなく「立派な少年」なのだが、この作品ではその外にさらに文字を学ぶ機会すら与えられていない少年を置き、さらに一段遠くから状況を眺めているよう。より多くの文字を覚え、手製の字引を厚くすることが学習だろうか、という疑問の提示? これは文革下の雰囲気を知ることができるいい映画だが、同時にその中にいた者たちの隠語に彩られていて、なかなかストレートには通じにくくなっている。仲間でハヤす「お寺の和尚がどんな話をした?」なんてのは、部外者には分からない。牛に小便を飲ませる話とどうも関係があるらしいのだが、先生が記した牛の下に水の字の意味は? 同じ体験をした者にとっては、深く沁み入ってくるのだろうが、あまりあからさまにはまだ語れない・語りたくない、といったためらいも感じられるのだ。その「もってまわった」ところに文革の傷の深さがある気がした。「上学(学校へ行く)」の作文のシーンがいい。教科書や字引を写すより、まず知ってる言葉で語っている伸びやかさ。けっきょく青年の敗北が描かれたのか、それとも彼の熱意がこれから野焼きの火のように広がっていくと言っているのか。言いたいことよりも、描かれた映像に圧倒される作品だ。『黄色い大地』と『大閲兵』は、まず中国映画差の一編として公開されたが、この作品からちゃんとロードショーされたと記憶している。 なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-06 10:05:25)

6.大好きなチェン・カイコーの映画がBSで放送されるとのことで期待したのですが、私にはピンときませんでした。
ゴメンナサイ。 クロエさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-06-28 19:40:17)

5.《ネタバレ》 子供たちには教科書も与えられず辛うじて雨風がしのげる程度の粗末な校舎。教師が黒板に教科書の内容を書き写し子供たちは意味も分らない黒板の字をノートに書き写すことが唯一の教育。これでは子供は学ぶことに意欲なんて持てる訳がない。そんな山の学校に現れた青年教師が子供たちが今わかる字で自分の考えを作文にして発表する、全ての子供が参加できる授業を始める。全ての子供が一方的に与えられるだけではなく自由に発想し自分の考えを表現しながら学ぶ機会がちゃんと与えられるべき。この教師が最後に残した王福への教えからも、この作品の教育や中国という国に対する思いが感じられるようです。音楽もほとんど使われず金もかかっておらず正直地味な映画ですがキャストの素朴で自然な表情や演技が印象に残る、世界中から絶賛された「覇王別姫」以降は低迷気味の様ですが、「覇王別姫」より前に作られたチェン・カイコー監督の確かな手腕を感じる作品です。 とらやさん [DVD(字幕)] 7点(2009-10-14 23:33:06)

4.文化大革命期は「共産主義」と「毛沢東主義」の称揚だけが「教育」だったといってもいい時代だった。そんな中で主人公の先生は子供達に従来の「教育」に縛られない多様な価値観を許容する教育をしていく。文革期を描いた中国の小説を以前読んだが、いかに文革が当時の子供たちを洗脳し騙してきたか、子供の心に与えた傷の深さがいかほどのものかが理解できた。この映画もそうした時代を描いたもの、そしてそうした時代を否定的に描いたものとして貴重だと思う。 こまごまさん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-31 10:29:01)

3.こういう作品を観ると教育について真剣に考えてしまいます。ただでさえ教育というものは正解なんてないから難しいのに未整備だと猶の事です。確かに最低限の知識を詰め込む事は大事かもしれませんが、教科書や辞書をそのまま書き写すのは教育とは違うと思います。しかし、ではあの環境下で何を教えれば良いのかと問われると答えに窮してしまいます。ですから主人公の最後のメッセージが胸に響きます。 実際の当時中国の実状や学校の授業風景は知らないけれど、この映画を観る限りでは酷いですね。生徒に教科書もなく唯一ある先生のもボロボロ、何度書いては消したか分らない黒板はかなり汚い。しかし、そんな世界でも子供たちの元気な姿や教室の隅々までされた落書き、主人公の笑顔や仲間たちの笑顔、王福の父親の笑顔などを見ていると人間のたくましさや温かさ素晴らしさが伝わってきます。
ミスター・グレイさん [DVD(字幕)] 7点(2006-05-19 17:31:30)

2.国が違い、国の教育方針は違っていても教育とは何かを考えさせられます。押し付けられた教科書や辞書を、ただひたすら覚えることなど意味もない。自分で考え、自分で文を書く、そんな創作力、想像力を持つ人間を育てるべきなんでしょうね。この監督独特の大きく大地を取り入れる構図が見られ、中国は大地なんだと感心、映像もかなり惹かれます。 亜流派 十五郎さん 8点(2004-11-30 18:58:06)

1.《ネタバレ》 個人的にチェン・カイコー監督作の中で最も好きな作品。黄色い大地とは趣が少し異なる寓話性の強いムードがツボ。子供達と主人公の間に横たわる戸惑いと好奇心、それが少しずつ自分や周囲を見つめ直すきっかけなって、押しつけ感の無いゆるやかな交流となる流れは、ほんと好きです。全編通して幽かに漂うような違和感は、最後のシーンで手品を観るように結びつき、それまでのシーンには強く描かれていないある種の空虚さと切なさを新たに提示してくれると思います。当時の国の背景と教育を軸にした様々な問題や矛盾・不安を、観念的ながらしっかりと表していると思いました。大好き。 ロバちゃんさん 10点(2003-10-14 10:29:00)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 9人
平均点数 7.11点
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