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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 159
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 メインストリームでは無いが映像プランナー/ディレクターを生業としています。
映画を観たのは小・中学時代がテレビの吹替えで。高校・大学時代は映画館で年間300本ほど…好きな作品はリピート鑑賞。ニューシネマより王道の娯楽作品を好みます。
吹替えの演技で好きになった映画も多数。広川太一郎、羽佐間道夫、大塚周夫、中村正、若山弦蔵、石丸博也は個人的に人間国宝に認定したい。

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  ジュラシック・パーク 《ネタバレ》 既にレビューが出し尽くされた傑作なので、個人的な考察を1つだけ。 パークの創設者ジョン・ハモンドを演じるリチャード・アッテンボローは、1967年の映画『ドリトル先生不思議な旅』でサーカスの団長を演じている。ノミのサーカスじゃないが(笑)   動物と会話できるドリトル先生が連れてきた(架空の動物)双頭の珍獣 “ブッシュプル” をサーカスにスカウトした団長は、“こんなの見たことないぞ!”と歌って踊って喜び、サーカスは押すな押すなの大盛況になる。 私には、その嬉々とした姿がハモンドと重なって見えて、『ドリトル先生』のアッテンボロー知った上でのオマージュ配役じゃないかと思った。   皮肉なことに、サーカスが大成功する映画『ドリトル先生』は興行的に失敗している。その逆に、恐竜パークが崩壊し失敗に終わる『ジュラッシク・パーク』は世界的な大ヒット映画となった。 アッテンボローにとっては『ドリトル先生』の失敗を26年後の『ジュラシック・パーク』でリベンジした訳だ。 完成した映画を観て思ったでしょうね“こんなの見たことないそ!”と。[映画館(字幕)] 9点(2023-04-13 11:20:01)《改行有》

2.  NOPE/ノープ 《ネタバレ》 完全【ネタバレ】です、あしからず。   ホラーかと思ったら、モンスター映画だった。 しかも、モンスター退治じゃなく、モンスターで村おこし的な展開がユニークでモニーク。 中国系アメリカ人のリッキーは、空飛ぶモンスターをテーマパークの目玉イベントにして、スターになろうとし 黒人牧場主OJと彼の妹は、モンスターの映像を撮って一攫千金を狙おうとする。   だが、相手は宇宙から来た?人畜有害な未確認生物なので、思うようにいく筈かない。 リッキーは子役時代に経験した血の惨劇を、テーマパークで拡大再生産したあげく、自分もモンスターの餌食となってしまう。 OJは、高名なドキュメンタリー監督を雇い、ボランティア参加の電気技師と自由過ぎる妹の4人でスクープを狙うが・・・   そんなお話。不気味で謎に満ちたSFホラーミステリーかと思ったら、ド直球のモンスターパニック。ジョーダン・ピール的な裏テーマの有無は別として、考察が必要な映画かと言えば、必要はない。単純明快なストーリー。 ただ一箇所だけ、意味不明な演出がある。 テーマパークのオーナー、リッキーの回想シーン(ソープオペラ撮影中に起きたチンパンジーの暴走事件)そこで発生した超常現象。これは説明がないが観客の目を引くように強調されている。 具体的には、物理的な衝撃が無いのに割れる風船。スタジオ照明の異常な明滅。そして重力に反して直立している靴。 これには必ず理由があるはず。推理してみよう・・・ その場にいたのは凶暴化したチンパンジー、テーブルの下に隠れていたリッキー少年、襲われてピクリとも動かずに倒れている被害者たち。この映画がSFという形式をとっている以上、謎の考察は科学的ロジックで納得できるように解くべきである。 考えられるのは、リッキーに発現した《ESP能力》による超常現象。   ESPとは、Extrasensory Perception の略。 超心理学用語で、精神感応(テレパシー)・予知・透視などの総称。超感覚的知覚とも言う。その多くは少年期に発現し、触らずに物を動かすなど、ポルターガイストの原因としても多数の報告がされている。 撮影の重圧に加え、周囲の大人たちからのプレッシャー(年齢差と東洋人差別的な圧力)による過度のストレスを受けていたリッキー少年にESP能力が発現し、無自覚に風船を破裂させ、電気器具を狂わせ、靴を有り得ない直立状態にした。そして少年の深層心理に影響されたチンパンジーがストレスの原因である大人たちを襲ったとすれば辻褄が合う。 (OJの妹が唐突に見せるバイクでの『AKIRA』オマージュにも意味がでてくる) この時、人間以外の生き物と心が繋がる(自分の代わりに望みを叶えてくれた)という体験が、UFOモンスターとのコミュニケーションに繋がっているのは明らかで、リッキーが牧場での事件の元凶になったと推測できる。 (モンスターがテーマパークと牧場周辺をテリトリーにした理由) OJも劇中で「ジュープ(リッキー)は以前から《奴》と取引してたんだろう」と推測を語っている。牧場で事件が起きる前からリッキーとUFOモンスターの間にコミュニケーションが成立していたなら、まさに今回の事件とテレビスタジオの事件は同じことの繰り返しとなる。   これはつまり、上下関係、《使う者と使われる者の間に起きるストレス》の話。それは、リッキーとモンスター、リッキーとOJ、OJと妹、OJと電気屋、電気屋と監督、OJと馬、すべてに存在する問題で、その変化に注目して映画を観ると、パニック映画とは別の面白さがある。   完売で買えなかったが、パンフレットには映画に散りばめた裏テーマなどが監督のコメントや解説として掲載されているらしい。(私は読めていない、残念) 多くのレビューがそれに影響されて裏テーマの考察ばかりしているようだが、正直ここまでエンターテイメントに徹した作品だと(靴のシーン以外は)特に不条理には感じない訳で、そこにテーマを薄く表現したのなら、テーマの伝え方として今回のジョーダン・ピールは完全に失敗したと言える。 もっとストレートにテーマを表現するべきだったと思う。[映画館(字幕)] 6点(2022-09-06 10:10:18)(良:3票) 《改行有》

3.  ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 《ネタバレ》 映画の終わり「イアン・マルコムは帰ってくる。」のテロップ 驚いて椅子から転げ落ちた・・・そんな自分を妄想。   フェイクのネタバレはさて置き、予告編も一切見ずに本編を鑑賞。 『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』初見のざっくりネタバレなし感想です。   セリフを正確に理解するため吹替版で。 今回は、これまでのシリーズと印象がちょっと違った。 極端に言うなら、ジュラシックパーク60%、それに30%の007とインディジョーンズを少し足した感じ。 好きな映画のミックス状態で、私は凄く楽しめました。 後半に集合写真みたいなカットが多いのはファイナル故のご愛嬌ですね。 事態が複雑になって、恐竜の存在感が薄くなるのも、長いシリーズの難しさかな・・・などと 理屈っぽく考えてしまう、映画ドランカーの自分を反省。 アトラクション映画は楽しんだ者勝ち、早々に童心モードにチェンジ! 理論シールドを解除、映画の流れに上手く乗るとマイナス要素なんてどーでもよく、料金以上にドキドキわくわく。 あ〜、この楽しさも今回でラスト。いよいよ最後!皆様さようなら!さようなら!🗼🦖 これまで魚を、いや恐竜をありがとう🐬🐬🐬   いやいや、イアン・マルコムは帰ってくるぞ!きっと(笑)[映画館(吹替)] 9点(2022-08-02 10:33:41)《改行有》

4.  最後の決闘裁判 配信で『最後の決闘裁判』を鑑賞。原題は“The Last Duel” リドリー・スコット作品で決闘と言えば、 監督デビュー作『デュエリスト 決闘者』(1977)がある。 今作は史実に基づき、騎士道精神における最後の決闘とされた事件を描いている。   現在のリドリー・スコットは、監督としての自分の原点を見直し 過去の作品を語り直すフェーズに入ってるように思える。 本作は、美化されて語られる「騎士道」の実態を、改めて問い直しているようだ。 そのベースに『デュエリスト 決闘者』があるのは間違いないだろう。[インターネット(字幕)] 7点(2022-06-27 19:44:23)《改行有》

5.  THE BATMAN-ザ・バットマン- 《ネタバレ》 『ザ・バットマン』いきものクイズ!   鳥は、高い所から俯瞰し、弱い獣を喰イモノにする。 利口な獣は鳥を監視し、密かに鳥を襲う。 それは、生きるため? 優劣の逆転を狙って? それとも、ただの戯れ?   コウモリは鳥? それとも獣?   答えは、映画館で。   【レビュー】   不穏な空気が漂う大都市ゴッサムは、現代とも1950-60年代とも感じられる。 スマホを使う場面があるのに雰囲気は完璧なノワール映画。あははっもうたまらん! 若き資産家ながら、心に秘めた憎しみを黒いマスクで覆い 犯罪への「復讐者」バットマンとして夜な夜な徘徊する青年ブルース・ウェイン。 一方、権力者たちの「嘘」を憎み、猟奇殺人を犯す謎の男リドラー。 追う側も追われる側も闇を背負っている。 マトモデナイ世界・・・   乱歩マニアな私には、短くかんじる176分だった。   この映画は、バットマンが挑むサイコミステリー仕立て。 デビッド・フィンチャー『セブン』を彷彿させる半端ない緊迫感がある。 同時に、若きブルース・ウェインの苦悩と運命の物語。   ただし、最終盤はいかにもヒーロー映画らしくバットマンが派手に活躍する。 そこだけが、この映画の個性に反しているようで(私には)蛇足に思えた。 ここは好き嫌いある所かも知れない。 (何度目かの)バットマン映画のリブートだが、過去のどれとも違っていて楽しめ 1本の映画作品としても優れている。 どのキャラクターにも、それぞれの「生き様」を感じる。 生まれた環境や普遍的な社会の矛盾。そこから何とか脱して懸命に生き続けようとする一人一人の姿 それは、私たちのリアルな人生そのものである。   混沌を力ある者がルールで縛って秩序を築く。 縛られる側にとって秩序は窮屈なものだ。 縛る側の悦楽、縛られる側の窮屈さを指摘し、自由と正義を求めて闇に隠れて闘う革命者が2人。 2人のサイコパスによってルールの檻は、遂に破壊される。   では、その先に待っているのは何か・・・? 自由の楽園か? 無秩序を愛するサイコパス達が踊り狂う、狂乱のパーティーか? そこで笑うのは誰か?   ジョークだよジョーク!フヒヒヒヒヒヒヒヒッ!![映画館(吹替)] 8点(2022-03-18 14:38:17)《改行有》

6.  ナイル殺人事件(2020) 《ネタバレ》 原作は未読。ユスティノフ版も記憶の彼方なので初見に近い状態だったのですが、第一の殺人で犯人・動機・トリックは推測がつきました。まあ古典なので当然だと思います。逆にロジック的に納得できるので、原作通りならそれは良かったと思います。 最も良かったのは、ポワロ自身にもスポットを当てた話になっていたことです。ポワロに固定イメージを持っていないので受け入れ易い展開でした。ただ、今回で完結?みたいな終わり方なのが・・・ブラナーでのポワロ続編はもう無いかも知れませんね。 そして他の方も書かれている通り、CGとわかる風景が多用されていてエジプトの歴史や雄大なナイルの雰囲気が感じられなかった点。それがこの評価点になった理由です。 原作の時代をロケで再現できないほど観光地として現代化されていたのか、予算やスケジュールの都合かは分かりませんがミステリー作品にとって背景が作りだすムードはとても重要だと思います、特にこの作品においては。[映画館(吹替)] 6点(2022-03-04 19:07:36)(良:1票) 《改行有》

7.  キングスマン: ファースト・エージェント 気づけば上映劇場も僅か。 映画館泣かせ、スエード表紙のパンフレットを買って、いざ鑑賞。 ■007シリーズ俺にも撮らせろ!と言ったけどバーバラに断られたので、俺の007作ってみた。 そんなマシュー・ボーンの英国秘密エージェント映画、第3弾。 今回は第一次世界大戦の時代。 国家を操る闇の組織とキングスマンの原点が描かれる。   毎度の通り、どこかで見た名シーンの《俺流リブート》オンパレードが楽しかった。 特に「ユア・アイズ・オンリー」メテオラの冷や汗アクションのバージョンアップは、マスクの中で息を呑んだ。 レイフ・ファインズは御歳59歳。ユア・アイズ・オンリー当時のロジャー・ムーアは54歳。ファインズもなかなかやるね~(人間にしては。byビショップ) マシュー・ボーンの出世作「キック・アス」でタイトルロールを演じた、アローン・テイラー=ジョンソンの出演も嬉しい。   今回、日本配給をウォルト・ディズニー・ジャパンが担当。(旧作もディズニープラスで配信されている) その影響か、印象としてエログロ要素が後退し、エモーショナルな演出を強化したように思う。DSNの検閲対応? 前作、前々作の配信にピーとかモザイクとか入ってない?(笑)   ■評価   1作目のアナーキーさが薄れたのは少々寂しいが、アクション&アドベンチャー作品として安定感が感じられ、シリーズ継続もあるだろうと思う。 ディレクターズ・カット(アンレイテッド版)Blu-rayとか出ないかなぁ~[映画館(字幕)] 7点(2022-02-01 22:50:17)《改行有》

8.  エターナルズ 《ネタバレ》 原作の知識はありませんので、映画オンリーの感想です。   仕事終わりに時間があったので、初日に観ることができました。 既存のMCU人気キャラに頼らず、新キャラだけでここまで濃い内容を見せられると感服します。 さらに、最終的に勝った者が正義というMCUのパターンから、一皮むけた感じも非常に良かった。   以下【ネタバレ】を含む。   わたしが個人的にエターナルズに感じたことを書くと、「これって『サイボーグ009』だよね」です。 戦うために造られた、多人種の超人たち。テレキネシス、飛行、超高速移動、変身、怪力など個々別々の能力を持ち人類を脅威から守るチーム。 だが、戦う機械であるが故に、普通の人間との差に苦しみ、兵器を進化させ殺し合いを繰り返す人類そのものにも思い悩む。しかしそれでも戦い続ける・・・誰がために。 そして、石ノ森章太郎の死で未完に終わった009の最終章。創造主と対峙する《神々との闘い》編。 断片しか語られなかったその世界とエターナルズの世界が、私の中でピッタリ重なって、サイボーグ戦士と神々の闘いの続きが、形を変えてマーベルによって語られている。そんな気がしたのです。 もちろんそれは妄想ですが、エターナルズの10人が遠くを見ているポスターまで 石ノ森っぽいな~と思って映画館を出ました。   終わりに。 009(1979のTVアニメ)のサウンドトラックを担当した、すぎやまこういち先生のご冥福を祈ります・・・ん?エターナルズどこいった(笑)[映画館(吹替)] 8点(2021-11-18 00:23:02)(良:2票) 《改行有》

9.  DUNE デューン/砂の惑星(2021) 《ネタバレ》 遅ればせながら鑑賞。 だいたい思ったことはレビューされてますので、短かめに感想を。   新生デューン、SF映画として観て最高でした。 架空の世界をどれだけリアルに描けるか・・・ その点において、複数の惑星の環境、民族性、政治、文化が見事に具現化されて、その情景は名画のように美しい。 映画芸術の極みとも思えるほどでした。ただ・・・   描き出される世界は、緻密で壮大で深遠。しかし、その芸術性と引き換えに登場人物の演技をはじめ、総てに衝撃が無い。 あえて、感動を押しつけないヴィルヌーヴ監督の演出は「ブレードランナー2049」で評価されたけれど、ブレードランナーという傑作SF映画のビジュアルインパクトが前にあって、それとの対比で評価された側面もある筈。 果たして「デューン」という砂の惑星に、大衆を引きつける引力がどれほどあるだろうか・・・ 特にMCU(マーベル映画)の密度・スピード・過剰サービスで育った若い層が、どうヴィルヌーヴ演出を見るか?そこが運命の分かれ道かも知れない。 当然、続編も同じクオリティで、よりスケールアップした形で観たい!だからコケて欲しくはない。 そこで、我は声(ボイス)で命じる!“若者ヨ、投票シロ!”もとい“デューンヲ、見ロ!” おおっ!早速パート2の製作が決まったようだ・・・まぁ、若者にウケたかは知らんけどね(笑)[映画館(吹替)] 7点(2021-10-31 19:14:55)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

10.  007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 本日初日、観てきました。 まだ何も書けない(すべてネタバレになる😆) ダニエル・クレイグは、この5作で独自のボンド世界を見事に完結させました。 この終焉に、ただただ拍手!そして、さらば・・・   JAMES BOND WILL RETURN[映画館(字幕)] 8点(2021-10-02 08:34:48)(良:1票) 《改行有》

11.  ミスト 《ネタバレ》 観終わって、どう解釈していいのやら? でしたが(笑)   結局。救われたのはエゴの無い者だけなのかと。 主人公の行動は英雄的に見えても、冷静に見れば無謀な賭けでしかなく、それも一種のエゴイズム。 彼の最後の判断ミスはそれを象徴してるんでしょう。   エンタメ映画の単純な夢《現実には無いヒロイズム》を現実的な悲劇に導き、観客を夢から悪夢に引きずり込んだ。 タラボンのニヤニヤ笑いが目に浮かぶ。そんな映画でした。[DVD(字幕)] 6点(2021-07-19 18:19:31)《改行有》

12.  ランゴ(2011) 2011年公開って、10年前の作品ですか。 観よう観ようと思いなから・・・やっと観ました(笑) これは、なかなか曲者なCGアニメですね。   カメレオンが主人公ながら、けっこう本気のマカロニ・ウエスタン・パロディ。もちろん、ランゴ (Rango)は『続・荒野の用心棒』の主人公 ジャンゴ (Django)のパロディ。マカロニ・ウエスタンって何が面白いの?って人には、たぶんウケない。 時の流れを描きつつも笑いの癖が強くて、シュールと言うか、モンティ・パイソン的な《知性と馬鹿のスープ》のような色があり、唐突なおふざけ、演出のしつこさ、薄汚いキャラデザイン、さらに、精神世界描写、メタ視点を含んだセリフ等々、それを笑えるか否かで評価が分かれるかと。 わたしは「大傑作だ!」と思いました(笑) アニメーション制作は、なんとILM!それっぽい○○戦シーンまであってサービス満点。   脚本のジョン・ローガンは、アカデミー賞に3度ノミネートされた人(グラディエーター、アビエイター、ヒューゴの不思議な発明) 音楽は、ご存知 ハンス・ジマー メイン・キャラの声の出演は ランゴ:ジョニー・デップ(日本語吹替:平田広明) 牧場主ビーンズ:アイラ・フィッシャー(マメータ:東條加那子) 少女プリシラ:アビゲイル・ブレスリン(宇山玲加) 町長:ネッド・ビーティ(玄田哲章) ロードキル(ビー・キルド?):アルフレッド・モリーナ(山路和弘) 死神ジェイク:ビル・ナイ(多田野曜平) 西部の精霊:ティモシー・オリファント(多田野曜平)  ↑ ここツボですね。   これはやはり、ストーリーよりもノスタルジー映画と見るべきでしょう。 マカロニに限らず色んな映画のオマージュだらけなので、映画通ならきっと楽しんで観れるはず。 あと、大した事じゃないけど、米アカデミー長編アニメ賞受賞作品でしたね。[DVD(吹替)] 8点(2021-05-12 23:34:00)《改行有》

13.  エクスカリバー(1981) 《ネタバレ》 非常にシンプルかつ、誠実に作られたイングランドのアーサー王伝説の映画化。 公開は1981年。おそらく1977年の「スター・ウォーズ」の大ヒットの影響で、この有名な《剣と魔法の壮大な物語》の企画が通ったものと考えられます。 しかし、渋い歴史ファンタジーに仕上がったこの映画は、娯楽ファンタジーを期待した多くの観客の失望をかったでしょうね。でも、目の肥えた評論家や映画ファンには高く評価されて、本作に影響を受けたクリエイターは少なからず存在している。ザック・スナイダーの「バットマンvsスーパーマン」、スピルバーグの「レディ・プレイヤー1」では本作をリスペクトした描写がある。 この物語で描かれている《女性の裏切り》や《親の因果が息子の運命を狂わせる》悲劇性は、同時期に製作された「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」と重なっていて(ある意味で必然か?)興味深い。 出演者では、ブレイク前のリーアム・ニーソン、パトリック・スチュワート、ガブリエル・バーンなどが話題になるが、個人的にはマーリンを演じたニコル・ウィリアムソンの硬軟自在な演技が素晴らしいと思う。(「シャーロック・ホームスの素敵な挑戦」のホームズ役もユニークだった) VFXは今見ると決してレベルが高いとは言えない。反面、光り輝く甲冑など独特の衣装、戦場となる実物大の城などは映画のスケールアップに貢献いていると思う。 映画全体としてはオペラに近い大人向けの演出で、観客を選ぶ作品だと思う。私は大学生になって再見して以来、好きな映画の上位に入れました。 いま一番、4Kリマスター化して欲しい映画です。[DVD(字幕)] 8点(2021-04-17 16:10:29)(良:1票) 《改行有》

14.  ゴジラvsコング まず驚いたのは、基本ストーリーが1962年の「キングコング対ゴジラ」だけじゃなく「キングコングの逆襲」とのミックスだったこと。 円谷英二の東宝特撮作品をリスペクトする私は、もうそれだけで興奮が止まらなかった。    ゴジラ・シリーズへのオマージュは他にも随所に見られ、(たぶん)エヴァをイメージしたシーンまで。 ある意味で単純=シンプルな、子供でも理解できるスートーリーも“昭和ゴジラ的” 着ぐるみ特撮では不可能なド派手なバトル=怪獣プロレス(←死語復活!)スケールの大きい世界観、大人も子供も楽しめる娯楽映画の決定版!(←これも死語復活) レジェンダリーの《モンスターバース》第1フェーズ最終作!堪能させていただきました。 具体的に語りたいのは山々ですが、公開前なのでここまで。   昭和ゴジラのファンなら、このシーンは○○のオマージュ、この設定は○○と、ニヤニヤしながら楽しめるはず。 是非リングサイドで・・・いや大スクリーンで!3Dや4DXで観るもよし!親子で観ればより楽しい!エンターテイメントです。[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2021-04-14 15:28:03)《改行有》

15.  ブラック・クランズマン 《ネタバレ》 米・コロラド州コロラドスプリングスで、初の黒人市警察巡査となった人物の自伝を映画化した作品。 未だに各国が脱却できない《他民族への偏見と攻撃性=ここでは黒人差別》を描いた社会派のポリスサスペンス映画。 監督は、もうこれ以上の適任者はないというスパイク・リー(「マルコムX」など)。  ☆ 白人至上主義団体 “KKK” に潜入捜査を試みる黒人刑事を『TENET』で主人公(“名もなき男”)を演じたジョン・デヴィッド・ワシントン。 彼が、白人・黒人のどちらにも傾倒しない刑事を時にユーモラスに演じていて、実話でありながら『ビバリーヒルズ・コップ』のエディ・マーフィー的スーパー刑事にも見えたりする(←個人的にだが)人物をうまく表現している。 彼と《二人で一人の囮捜査》を行う相棒刑事をアダム・ドライバー。いつもながらの大味で飄々とした演技が、ここでは活きていて、ひと味ちがう異色のバディ物として見ても面白い出来。 もちろん、ブラックムービーらしい演出もされている。  ☆ 物語の展開はエンタメとしても出来が良く、一見フィクションかと思えるほど。それで薄まった黒人差別テーマを本編後の挿入映像で担保したように感じた。 尚、カンヌ映画祭では10分間ものスタンディングオベーションを受け、審査員特別グランプリに輝いている。 同テーマの作品に『スリー・ビルボード』があるが、それほど重くない映画で、自滅するKKKメンバー以外の「死」は描かれない。 それはこの映画のスタンスで、『革命』は「受けた非道に対する報復では無い」というメッセージだろう。暴力(力)による報復の連鎖(マウントの取り合い)こそが『差別の根源』に他ならないと。  ☆ 観てよかったと思える映画だった。[DVD(吹替)] 7点(2021-03-12 00:02:05)《改行有》

16.  ディック・ロングはなぜ死んだのか? これは、落語の滑稽話(こっけいばなし)みたいな映画でしたね。   滑稽話とは、他人の馬鹿馬鹿しい行いや、失敗の顛末を笑い話にする演目のこと。 落語と違うのは「落ちが無い」ことで、映画で言えば、感動のハッピーエンドでも、恐怖のバッドエンドでもない。 ましてや、どんでん返しなど有る訳もない「なるようになる」物語です。   じゃあ、何が笑えるのか? それは語られる出来事が、地上の英知を気取る我々人間の馬鹿っぽさ=霊長類の“馬鹿あるある”だからです。 劇中の出来事は「有りそうにないけれど、無いとは言い切れない話」であればあるほど妙に笑える訳です。 例えば、やらかして謹慎くらう芸能人とか、うっかり発言でSNS大炎上とか、盗撮趣味で逮捕される教師などなど・・・ 馬鹿な本人には悲劇だけれど、客観的に見れば喜劇。   「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」で起きる失敗も「有りそうにないけれど、無いとは言い切れない話」。 ポイントは、滑稽話はあくまで、笑う為の「お話」と知って聴くから笑えるという点で、これを真剣に受け取ったら笑えない。 (コメディでは無いので、出来事はリアルに描写され笑わせる為の露骨な演出はされていない)   英語圏の人なら、原題“The Death of Dick Long”で、笑い話だと察しがつくはず。 スラングに疎(うと)い人でも、劇中で説明されて気がつき、わかってしまえば、アメリカ版ポスターなんて爆笑ものです。 日本人には、映画の事件がピンと来ないかも知れませんね。 でも、映画ファンなら「羊」の例を知ってるはず。映画のタイトルはあえて、沈黙(笑)   人間だから、馬鹿やって大失敗することもあるし、それを誤魔化したくなる弱さもある。 厳しく責める人もいるし、発覚の恐怖や、辛さから逃げたくもなる。 その結果、失うものも沢山ある・・・でも わかってくれる友だちもいて、自分がわかってやることも出来る。 自分なりに、自分らしく生きていく道もきっとある・・・   正しく完璧に生きることを強要され、些細なミスで吊るし上げられ脱落してしまう。 そんな社会で生きてると こういう映画を観て、何故か、ほっとするのだ。   評価は6点だけど、好きな映画でした。[映画館(字幕)] 6点(2020-09-02 23:06:59)(良:2票) 《改行有》

17.  フライボーイズ 1916年。第一次世界大戦中のフランス航空機隊を描いた映画です。 パイロットは皆、事情を抱えフランス軍に所属するアメリカ人というのがポイント。 実在した《ラファイエット戦闘機中隊》の実話がベースで、登場人物やエピソードも生き残った兵士の記録が元になっているそうです。 そう聞くと「1917 命をかけた伝令」を連想しますが、同じ戦場映画でありながら、こちらは、戦争中でありながらも輝いて生きたパイロット達のドラマといった感じ。要は「戦争を描いた映画」ではなく、「青春を描いた映画」です。   だからでしょうか、どことなく宮崎アニメ「紅の豚」や「風立ちぬ」と同じ、大らかさを感じました。 カタルシスを得られる作品ではありませんが、飛行機に青春をかけた こんな若者達がいたんだな・・・と思える映画で私は好きです。   ライト兄弟によって飛行機が発明されて、たった13年後の話というのにも驚かされました。[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-30 16:40:02)《改行有》

18.  プーと大人になった僕 《ネタバレ》 プーさんのキャラクターを生かして、上手く人間性回復ファンタジーに仕上げている。 ただ、前半の「不思議の国のアリス」的な雰囲気から、後半の「マペットムービー」的な展開への移行がちょっと強引な気がした。 普通に観れるのでダメではないけれど、後半の《ファンタジーが現実に侵入した世界》で行われた問題解決は、見方によっては 主人公クリストファーの脳内ハッピーエンドとも取れる訳で、現実は・・・いやいや、そういう意地悪な解釈はやめときましょう(笑) 最初から、ロジャー・ラビットのような生命を持った人工物がいる世界。または、心の住人たちが実体化可能な世界。ということで ファイナルアンサー!!(←古い)[DVD(吹替)] 7点(2020-03-21 19:47:49)《改行有》

19.  ミッドサマー 《ネタバレ》 原点は古いが、代々その時に更新されてきた聖典なるものに準じて生きる不思議な村(コミュニティ?)を訪れたアメリカ人大学生の運命を描いた映画。 だんだん怪しくなっていく《村の儀式》が主役とも言えるが、私見だがこれ、現代人を揶揄してるとも捉えられる。 二面性、高齢化批判、薬物常用、居心地よいコミュニティへの依存、人工授精、隠れエログロ、同属殺し、人体解体(猟奇)マニア etc... 極めつけは “くま○ン” 動物の毛皮(死体)を着る残忍性。 アリ・アスター監督の創作欲求の根源が正直わからなかったが、コレだろうと。 現代社会の“気持ち悪さ”に対する告発「この異常な集団がお前(オレ)たち人間だ!」じゃないかと。違う? まあ、それが観客に伝わるかと言えば、伝わらない。ほとんどはポカーンか、映画テクニックへの称賛なんだろうな。 【レビュー更新】 初見のレビューも書いたけれど、少々考え直したのでレビューを更新。 ただし公式サイトの完全解説や、他のレビューを見ずに書いています。 (正解探しではなく「私にはこう観た」という考察です) このコミュニティ(村?)には色々と矛盾がありますね。 村人は外界と行き来があり、それなりに文化的生活をおくっている。にも関わらず、住人たちには自我が感じられない。 表面上は幸せそうだが、裏で強烈なルールに縛られ生活を制限されている。そこまでして、この環境に村人たちが依存する理由は何か? 古(いにしえ)からの経典を守って?近親相姦で生まれる奇形の王の存在?いずれもそこまでの強制力は無いように見える。 これが、文明社会と隔絶された未開の地の食人族ならそれもわかるが。 この村のレベルであれば、脱走や反抗、支配権を狙う革命が続発して、数年も保たずに体制が崩壊するでしょう。 そもそも過去にも同様の拉致殺害を行っているなら、外界の手で捜査され証拠がワンサカ見つかって、早々に強制解体という運命のはず(笑) どう考えても《現実には成立し得ない》コミュニティです。 そう考えると、この出来事自体が「家族の不幸で心を病んだダニーが作り出した妄想」じゃないかと思えます。 村に踏み込んでドラッグを使った時点からの幻覚じゃないかと。 関係ないが、この村に来る道中の描写は「シャイニング」的ですね。主人公の名はダニーだし(笑) それから、多くの映画は体制(多数派の強制)から脱しようと闘う個人の話ですよね。自由主義世界の映画ですから当然「自由=正義」な訳で。 しかし、ミッドサマーは真逆。「自由=悪」の世界。だから居心地が悪く、理解不能でとっても怖い。 多様性がなく均一的で思考の停止した世界。無感情に生きたい者が逃げ込む「精神的秘境」とも呼べる楽園。 それはダニーの精神世界であり、アリ・アスター監督の趣味の箱庭だと思います。 私は、その箱庭を「アリ・地獄」と命名します!(笑) 余談ですが、私が観た劇場では“オーバー72ダイブ”のシーンで、御婦人が2人 途中退場されました。お気の毒です。 映画の中にも外にも、それと知らずに「天国のような地獄」に踏み込んでしまった犠牲者がいる訳です。 ディレクターズ・カット版も近く上映されるとのこと。(R15+→R18+で 外道さグレードアップ?) 《 2020.3.5にfacebookの映画グループに投稿したレビューを転載しました。》[映画館(字幕)] 6点(2020-03-02 14:28:41)(良:3票) 《改行有》

20.  スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 良い点も、納得いかない点も沢山あったが、今はネタバレ無しの率直な感想だけ。 スター・ウォーズ(主に、エピソードIV~VIII)を総決算し最終決着をつけようとした作品。それ自体が大それた挑戦である。 そして、それは見事に成立していた。ただし、あくまで「成立」であって「成功」とは思えないが。 その理由は、エピソードVII~IXの(レイ、カイロ・レン以外の)新キャラたち。 彼、彼女らが十分に描き込まれないまま「アベンジャース/エンド・ゲーム」のような大集合映画をやってしまったことに尽きる。 だから、一見すると感動的なシーンも、見てる側はそこまで感情移入できなかったりする。 中途半端なキャラクターが多すぎるのはいただけない。 とは言え、何だかんだ文句を言ってもしょうがない気もする《スター・ウォーズ総決算》映画。 第一印象としては、8点を献上します。 《2019.12.26 更新レビュー》 正直、「スカイウォーカー夜明け」を含む新三部作は評価し辛い。 ルーカス自身が作った続編ならば、賛美なり批判なり出来るのですが 新三部作は、あまりにもルーカスの方法論と違う考えで作られた映画です。 ルーカスは『映画という夢を創造する魔法の杖=技術をアップデートすること』 それを最優先に考えていたように思います。 夢のようなSFアクション&アドベンチャー「スター・ウォーズ」シリーズは その技術更新を映画界に広めるのに最適な作品だったのでしょう。 ですから、オリジナル三部作とプリクエル三部作とは、トーンがまったく違う。 どちらも、その時の新技術のデモンストレーション作品で 物語に好き嫌いはあっても、映像に関しては刺激的で驚きに満ちていた。 実際、公開後の映画製作の技術的スタンダードを変えている。 一方、ディズニーのスター・ウォーズは、物語の更新にしか目が向いていない。 映像的には最も古いオリジナル三部作を模倣し その世界に合った新キャラクターを作り、それらしい展開をさせているが それは4K時代にDVDを復刻したようなもの。 そして、その難題を与えられた2人の監督が最新技術で苦労して作ったアンティーク作品 それが、新三部作だと思う。 そんな二次創作のような映画を、どう評価していいのやら(笑) せめて、タイトルだけを継承して内容は完全オリジナルにしていれば ハン・ソロも、ルークも、レイアも死なずに済んだ・・・ディズニーも酷な事をしたものです。[映画館(字幕)] 7点(2019-12-20 04:46:37)(良:1票) 《改行有》

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