|
1. 別れる決心
《ネタバレ》 これでまた、韓国エンタメに差をつけられてしまったぁ!
何でこのテーマで、日本映画ができなかったか!?
「ファムファタール」もの。
日本の女優は、芯が通ってる女優が多いし、
またこの何十年不景気で社会問題が頻発していたため、このようなテーマで
映画を撮るのは、いかがなものかという雰囲気もあったかもしれない。
そこを韓国に持ってかれてしまった。
アジアの交流が盛んになる昨今、まさにドンピシャな題材と演出で、この映画は群を抜いている。
取り調べをした刑事に恋をしたから、犯行を繰り返す女!?もう前代未聞な女を
他国の女性に設定して、見事な映画ができました。
日本映画じゃないのが残念だけど、それにしても見事です。
いや、国には国の個性があるとか言ってしまえばそれまでだけど、
邦画も(例えばマルグリッドデュラスとか・・あくまでも一例です)西欧の恋愛を摸して、創っていかないと、
韓国がどんどんいろんなドラマのあり方を自分のモノにして行っているのを、
黙って見ていることになるんじゃないかなぁ・・[DVD(邦画)] 9点(2024-01-07 23:02:02)《改行有》
2. ワンドゥギ
《ネタバレ》 型破りな先生は、実は愛いっぱいのしたたかなおじさんだった。教会の伝道師だったというのは面白いね。下手にキックボクシングの試合場面を持ってこなかったのが良かった。韓国映画は次の展開が、日本のようにお約束事ではないのが、観てて楽しいね。[DVD(字幕)] 6点(2016-06-18 23:15:53)(良:1票)
3. 私の少女
《ネタバレ》 イチャンドンの映画はいつも唸らされる(今回は製作者ですが)。透徹とした眼差し、情に流されない確かな人間を観る眼。これは私見なのだが、「ペパーミントキャンディ」で既に世界を見る眼を持ってしまった、稀代の天才映画監督イチャンドン。彼は、人の心をうつ作品を新たな視点からどんどん産み出していく。まるで何で皆、こんな作品を創らないかと言わんばかりに、周りが職業として映画監督になっていく中で、彼は静かにメッセージを放っていく。そこには覚悟のようなものも感じられる。まるで、彼は芸術としての作品を創り続けていけば、いつか自分の身にも破たんが来ることを分かっていつつ、静かに作品を紡いでいってるように感じられるからだ。彼の遺言のような作品を、僕はいつまで観続けることができるのだろうか、と不安に駆られつつも、新しい作品を楽しみにしている自分の、観客でいられる狡さという罪悪感を感じつつ、待ち続けている。僕は表現に「詩」というものを救いに思っていた。最後はどんな作家も「詩」のような結晶になって、幕を閉じていただけたら、と。そういえば彼は「詩」をも前作「ポエトリー」で対象にしてしまった。あれは美しいものを美しいと言わなきゃ、世界が壊れるという詩だった。今回の、本作品は、実は自分の心を誰か溶かしてくれと言ってるのではないか?とすら思える。もう世界が彼を認めてるはずだ。どうか幸せになってほしいと心から、この良心の作家に敬意を表します。[DVD(字幕)] 10点(2016-02-21 00:27:36)
|