みんなのシネマレビュー
JFさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 238
性別 男性
自己紹介 のんきなレビュアーです。よろしくです。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : 韓国 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12

1.  新しき世界 《ネタバレ》  絶対観なきゃ!と強くオススメでございますm(_ _)m  マフィア潜入モノ。この一言であらすじは全てカットしたい。韓国…、やるなあ!レベルが高い!最後の最後で、テーマは男の友情とみた。が、途中に描かれる苦悩や葛藤、組織の非情さなどは完全な形でリアルに観ている者に浮かび上がること必至。  そんな私の印象は…、恋愛要素と種明かし要素を排除したイースタンプロミスにプラス2点ぐらいの素晴らしさ!渋く軽快に韓国の中で生きる華僑のヤクザ男たちのドラマが展開します。 書きたいことがありすぎるが、なんといってもチョン・チョン!チョン・チョン!チョン・チョン!この最悪すぎる兄貴分はイースタンプロミスでいうところのヴァンサンカッセルに位置するキャラ。が、完全に主役を食いちぎる魅力を爆発させる。あー、こんなに主役を食うキャラ久しぶりだ。最初と最後でこんなに魅力を増すのは、ユージュアルサスペクツのヴァーバル・キント(あのときのアカデミー賞、ケヴィン・スペイシーは助演男優賞ですもんね、主演に見えますがσ(^_^;))以来ではないのか? 恥ずかしげもなく大絶賛![DVD(字幕)] 9点(2015-08-07 21:18:27)(良:2票) 《改行有》

2.  母なる証明 《ネタバレ》  こんなに心を鷲づかみにされたオープニングは初めてだ。「母」としか紹介されないキム・ヘジャが○○○場面。観てほしい。そこから美しいタイトル画面。このオープニングはこの後映画の二つの場面につながる。母としか紹介されないひたすらに息子を愛し慈しむ母の魂の叫びがこの場面になっている。母性だけではなく、女性として、一人の生きる人間としての精一杯の躍動をこんな形で映像にする監督の才能は恐ろしいほどである。ここにかかるシャンソンのようなクラシックギターの調べ。あまりの美しさに何度も何度も観かえしてしまった。  知的障害のある息子の冤罪を晴らすべく必死に事件の新たなる証拠を探す母。結果は皮肉という言葉ではあらわすことができないほどのものに。母なる証明。久しぶりに納得の邦題。母、とか母親、という題名ではあらわしきれないものがこの映画にはある。母なる証明とは「母によって何かが証明される」ではなく、「この母にしてこの息子あり。間違いなくこの息子の母はあなただと証明された」といった感じ。  ハリウッドリメイクは不可能な韓国の韓国ならではのスペシャルな映画。  自分で自分のツボを刺す映画。[DVD(吹替)] 9点(2015-06-25 16:12:27)(良:1票) 《改行有》

3.  メビウス(2013/韓国) 《ネタバレ》 映画史上最強最悪の家族愛憎劇と思ったが、もっと純粋に性にまつわる苦悩を凝縮した映画であるように感じた。 母親演ずるイ・ウヌの錯乱ぶりに圧倒される開始10数分だったが、ドラマはギドク監督作常連の父役チョ・ジェヒョンと若干15歳の息子役ソ・ヨンジュの迫真の演技で進む。 やはり家族愛憎劇と呼ぶにはラストがキツイ。息子の拝む場面はギドクの祈りであって、本編に関係が無いように感じる。本編はやはり息子が自分の息子に〇〇〇〇をつきつけて、の場面で終了していると。 それにしても秀逸なのは、最初にあれだけインパクトのある場面を用意したにもかかわらず、その後に核のあるドラマがしっかりと用意されていたことである。感心した。 ただ、今回はギドク監督ちょっと無理していないかい?特有のこだわり芸術映像もあまり入らず。仏を拝んだり、仏の中からナイフ…、それぐらいかな。なんだかおりこうさんの作る映像のように感じて。 破天荒なドラマを作るために、破天荒な自分の個性を消したのかな?それなら残念。私はあのギドクワールドが好きなのだよ。[DVD(字幕)] 8点(2015-10-28 11:47:01)《改行有》

4.  レッド・ファミリー 《ネタバレ》 キムギドク脚本。 素晴らしい。愛に満ちている。家族とは何なのか。非常に重たい背景を、家族を思う愛が打ち破っている。 国を超え、愛しい家族への思いを胸に偽装家族として暮らす北朝鮮工作員の4人。その4人が肩を寄せ合い、喧嘩ばかり繰り返す隣の韓国家族を軽蔑し、次第に惹かれていく。 韓国が悪いのか?北朝鮮がそんなに厳しいのか?そんな南北朝鮮問題を吹っ飛ばすくらいのミニマムな世界で、4人は愛について正しい判断を探す。ツツジ班と呼ばれる4人…。 ラスト。船の上。素晴らしい演技だった。本当に素晴らしい。1人、また1人と、あんな、隣人のくだらない日常を、自分たちの憧憬として、泣きながら、笑いながら、演じる、完璧に。素晴らしい。それは家族のごとく。 キムギドクの才能の素晴らしさについて今更語っても。ただ、こんな完全フィクションという形にわざと作品を作ることによって、浮かび上がる愛があるなんて。リアルを追求することでしか何も表すことができない人たちを嘲笑うようだ。 ラストのラストは、すべての観客を救うには十分すぎる。 ああ、エンターテイメント^ ^[DVD(字幕)] 8点(2015-09-13 23:20:57)《改行有》

5.  ユア・マイ・サンシャイン 《ネタバレ》 純愛映画。心からの純愛映画。それに娼婦的なことやHIV的なこと、HIVが元になる差別的なことが絡んだとしても。 観てよかった。韓国特有の反則的な事故とか病気とかがドラマチックすぎる形ででてくるメロドラマじゃない。もっともっとレベルの高い愛の映画。 面会のシーンは感涙(>_<)。 好きになった相手は譲れない純情な男と、世界を憎みきれない傷ついた女の実話ストーリー。こんな恋愛が実話ベースとは…´д` ; 個人的に。ファン・ジョンミン大好き^ ^作中であんなに体重落として大丈夫なのかな?チョン・チョンだ!「新しき世界」の。[DVD(字幕)] 8点(2015-08-28 22:06:59)《改行有》

6.  JSA 《ネタバレ》 南北朝鮮を分断する38度線にある監視小屋。ある日南の兵士が地雷を踏み動けなくなる。それを助けた北の兵士。以来南の歩哨と北の歩哨の奇妙な友情が芽生える。そして起きる事件… シュリで圧倒された私が当時その次に観た韓国映画。これまた韓国では観客動員数記録を突破する大ヒット映画になったとのこと。今をときめくT−1000もまだ若いですね(≧∇≦)なんとも言えないキュートな演技を見せてくれています、イ・ビョンホン!REDリターンでの役柄もとても好きです^ ^ そして、そして、ソン・ガンホ(≧∇≦) 渋くて切ない、ありえないけど納得させられた映画でした。好きです^ ^[DVD(吹替)] 8点(2015-08-28 22:05:47)《改行有》

7.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 サイエンティストの流してしまった毒薬で突然変異してしまった怪獣が、韓国漢江中心に暴れまくる。娘を怪獣にさらわれたさえない父親中心に家族が結束して怪獣に立ち向かう。 ソンガンホ、愛してます。ペデュナ、最高。オダルス、声だけ(≧∇≦) 日本では興行的に失敗とのことですが本国韓国ではウルトラヒットの怪獣モノ。観る価値アリ!怪獣モノで、実際に怪獣が出てきて面白い映画は私の中ではエイリアンと遊星からの物体Xと本作ぐらいしか思い出せません(ゴジラとウルトラマンはちょっと別でσ(^_^;))。 久しぶりの鑑賞、かなり良い映画ですm(_ _)m[DVD(吹替)] 8点(2015-08-28 21:56:53)《改行有》

8.  うつせみ 《ネタバレ》  人が消える。消えて消えて育む愛。あの決定的なキスシーンに皆さん、本作を観ながらたどり着いてほしい。ありえない、でも本作ではありえた奇跡の場面。心をつかまれた。 空き家を探す少年と呼ぶには少し大人な感じの主人公。家々に貼り紙をし、破れていない家は人がいないと確認し、迷わずピッキングする。侵入し、料理し、風呂に入り、ベッドでくつろぐ。家の壊れたものを修理する。そんな家の一つにいた女。顔があざだらけの女。夫のDVに耐えていた自己主張のできない女は侵入してきた主人公と行動を共にする。家や死人をも癒す主人公に惹かれる女。愛も。  3番アイアンは見落とせない。  シームレスにやってくる異次元の愛は、私としてはまるで村上春樹の小説のよう。暴力も性描写もあるがここは異次元。全く見たことのない愛の形、また見つけることができた。2人の愛は言葉がいらないようだ。  キムギドク。ここまできたか。[DVD(字幕)] 8点(2015-07-29 22:47:47)《改行有》

9.  息もできない 《ネタバレ》 サンフン。愛されてるじゃん。たくさんの人に愛されてるじゃん。お前の愛はわかりにくくて伝わりにくいんだよ。お前が破滅的な人間なのならもっと早く破滅しないと。多くの人間の心に通うようなマネをしないで。逆に…、家族や仲間との愛に生きることを選んだのなら最後まで愛さないと。息もできなくしてるのはお前自身だけでよかったのに。ヨニの弟への責任も果たせず、暴力が暴力を生み出す構図の頂点にお前がいるよ。 サンフン。孤独な男。雇われヤクザ。今日も暴力ですべてを片付ける。ヨニ。孤独な女子高生。サンフンとの出会いは最低だが、サンフンとヨニは互いの境遇が似ているためか、交流が始まる。そんなサンフンにも姉や甥に対する彼なりの愛情が。刑務所から戻った父を憎みきれず。葛藤する暴力破滅男。原題曰く「糞蝿」。 サンフンのヤクザ事務所に新入りが。ヨニの弟。物語の展開はここから激動する。 主人公のサンフン演じるヤン・イクチョンが監督・脚本・制作・編集。各国で絶賛を受けた本作は本当に殴るし叫ぶし泣く。うるさい。好きな人にはたまらない韓国の傑作。あくまで好きな人にだけたまらない大傑作。[DVD(字幕)] 8点(2015-07-29 22:42:59)《改行有》

10.  悪い女(1998)  残念ながら18禁なものの、多くの人に観てもらいたい。今私が追っている監督、韓国の鬼才キムギドク監督の第3作目。 地方の民宿にて、売春する女。たぶんにして売り飛ばされた感じがあるが、女はその運命を受け入れている感がある。 その旅館を経営する夫婦と娘と息子。娘は女と同じ年の大学生。女を毛嫌いし、ことあるごとにキツくあたる。この民宿は女を買う男たちが来ることによって成り立っている。 私はこの民宿の娘が主役だとしか思えない。娘は丁寧にドラマの過程を踏んで変容する。 相変わらずキムギドク監督の描く人間ってのは最下層の人間なんだなと思いつつ、またしてもその心理描写の的確かつ大胆な描写にやられてしまう。そしてその人間たちは世間一般でいう幸せをつかむのではないが、魂を昇華させていく。鰐も、本作も、嘆きのピエタもそうだった。これから他の作品も観るが、キムギドク監督の映画作品全体がまるで一つの世界の中での群像劇に感じる。これはスティーブンキングのそれとは違う。テーマや人間を描く哲学としてのキムギドクを痛烈に感じるといったところか。  つまり、私は魅了されている。[DVD(字幕)] 8点(2015-07-26 23:45:46)《改行有》

11.  鰐~ワニ~ 天才がこの世に誕生した映画。キムギドク監督処女作。観た人なら絶対に忘れないラストシーン。監督のこだわりの愛の形の原点を思い切り見せつけられた。 鰐と呼ばれる男。汚い川の水の中を自在に泳ぐ。橋から飛び降りた自殺者の財布などを頂戴するホームレス。ともに暮らす少年にガムを街頭売りさせ売り上げをはねる。金はギャンブルと酒に。じいさんも一緒に暮らす。機械に強く、まっとうな感覚を持つじいさん。3人の元に身投げした一人の女が。鰐は女を犯すが、女は少年やじいさんの人となりに感じるものがあったのかともに生活を。 そしてドラマは始まる。 絵・水・亀・手鎖。 キムギドク監督は、今後の作品でも続く「暴力と性愛」表現をこれでもかと詰め込み、究極のラブストーリーを紡ぎ出す。芸術的な映像をはさみながら、物語は平坦に進む。しかし、けっして画面から目を離すことはできなかった。荒削り、それもまたとんでもないまでの魅力に。映画を観る喜びを私に与えてくれた。 鰐は謝ることを覚えた。女は本当の意味での愛と決別を。 少年はこの後いったいどうなるのか。[DVD(字幕)] 8点(2015-07-26 23:43:53)《改行有》

12.  カエル少年失踪殺人事件 《ネタバレ》  まず二つ。  一つ目に、この映画はとても誠実に作られた見応えのある韓国サスペンスドラマである。  二つ目に、実際にあった未解決事件を元に非常によく料理してある映画である。  1991年3月。5人の少年が、カエルをとりにいくと言い残し自宅近くの山で失踪する。のべ30万人もの警察官が動員されたにもかかわらず少年たちの行方は不明。  ここに絡む男が3人。一人は捏造をいとも思わぬ野心家のTVディレクター。一人は地位も信頼もある大学教授。一人は粗野ながらも筋の通していく警察官。  そして絡まれるのは。被害少年の家族たちと、追うべき追いこむべき謎の犯人像。  未解決事件を扱った映画にはディスアドバンテージがある。犯人逮捕という手品でいうところの種明かしができないという点だ。これらの映画はそれぞれに工夫して映画として成立させるためのオチや見どころを作る。たとえばゾディアックや殺人の追憶など。  本映画もドラマ性やサスペンス性にあふれ、登場人物の心情を描き切る。ドキドキすらする。  韓国未解決事件三大映画の一つ。他の作品に劣らないパンチのきいた快作。[DVD(字幕)] 8点(2015-06-01 09:20:34)《改行有》

13.  ハン・ゴンジュ 17歳の涙 《ネタバレ》 誰も最後まで彼女に寄り添えないのか。家を提供したり、友達になったり、多少優しく接したとしても、彼女の本質を理解する人は誰も出てこない。彼女のほのかな望みは「プールの縦幅を泳げるようになる(25メートル)」ことだけ。 韓国で実際にあった、密陽女子中学生集団性暴行事件の映画化。43人。43人から(>_<) 元の担任の先生が、強引に先生の実家にハンゴンジュという名の女の子を預ける。体と心に大きく傷つけられた女の子。先生の母親が預かり、少女の悲惨な事件を誰も知らない学校に転校することに。 そして…。セカンド的なものがやってきます。 でも、もし私がハンゴンジュだったら、彼女と同じように抵抗もできず、ただただ受け入れるしかないかも(>_<)。韓国社会の裁判がらんだ大勢の自分本位の大きな塊が私を圧倒してしまって…。 ラストは…、完全にプラスの方向で観ました。誰もがマイナスの方向で読むような気もしますが、あれは彼女の彼女なりの覚醒なんだと信じたいです。 本当に綺麗な映像で、本当に上手な回想シーンの入れ方で、本当にえげつないこと描くなぁと(>_<)[DVD(字幕)] 7点(2015-09-13 23:23:42)《改行有》

14.  プンサンケ 《ネタバレ》 南北朝鮮をその肉体をフルに使って行き来する男の吸うタバコは北朝鮮モノの「プンサンケ」。男も次第にそう呼ばれる。男はウルとピョンヤンを3時間で行き来する運び屋。ときに脱北者のビデオレターを、ときに遺品を、そしてときに人間を。 キムギドク総指揮による、ギドクエンターテイメントの始まり。今までのギドク作品とは一線を画した、まるでスパイ映画のような始まり。 しかし、やはり、そりゃそうだ!途中からギドク旋風吹き荒れる!いやー、本当に悪い意味で期待を裏切らないなー(≧∇≦)さすが。 ヒロインのしに方なんてけちょんけちょんσ(^_^;)参った。参りましたm(_ _)m また、ヒロインがしんでからが長い^ ^いつの間にか北の工作員と南の諜報員が一つ屋根の下に(≧∇≦)レザボアドッグス狙ってるのかと。フルメタルジャケットの壁が崩れるシーン狙ってるのかと^ ^いや、ギドクは何も狙ってない。 例によって喋らない主人公。すごい体の主人公。ラストは観てくださいm(_ _)m続編は無いなと。[DVD(字幕)] 7点(2015-09-13 23:15:33)《改行有》

15.  シュリ 《ネタバレ》 私にとってはこの映画が韓国映画の第1作だと思います。 内容的には、南北朝鮮の武力統一を企てる北特殊部隊と戦う南情報局といったところ。ここに悲恋の物語が絡みます。そしてお魚さん。 目をみはる銃撃戦と、情念溢れる人間模様。素晴らしい脚本と演者によって当時の韓国での社会現象を巻き起こすまでの大ヒットを飛ばした映画です。 何度観てもまた観たくなる^ ^ えーっ、ファン・ジョンミンででたのー![DVD(吹替)] 7点(2015-08-28 22:01:42)《改行有》

16.  嘆きのピエタ 《ネタバレ》  非情なサラ金取り立ての男ガンド。取り立て対象に手や足を切断させ、障がい者の保険で金を返させる。不意に現れる女、ガンドの母親を名乗る。30年間孤独に愛情を知らずに生きてきたガンドは女に冷たく当たる。しかし次第に気持ちは動いていく。  第69回ヴェネツィア国際映画祭では金獅子賞を受賞したこの作品。鬼才キム・ギドクの低予算作品とのことだが見ごたえは半端ない。  復讐・母性・贖罪、そして愛。ラストのガンドの選択は予測するものの中でも強烈なものだった。暗闇をトラックがいく。暗闇をトラックがいく。そしてエンド直前の女の歌声。  一番目につく唐突な展開はガンドの心変わりだ。そこは観ている側の感性で補うしかないと思った。そこに見えないいくつものエピソードを想像した。母親は最初から謎まみれ。ある意味一貫していたが、ガンドの変容には驚かされた。  他、つっこみ所はある。でも作品を全体で俯瞰すると気にならない。一つのテクストがしっかりと浮かび上がっている。  さて復讐の対象者が悪なのかという点にだけ。金をとりたてる奴がわるいのか。金を借りて返せない奴の責任は?[DVD(字幕)] 7点(2015-07-23 17:42:52)《改行有》

17.  マラソン(2005) 《ネタバレ》  自閉症の主人公が努力を重ね初マラソンでサブスリー(3時間切り…市民ランナーとしてはかなりすごい)を達成したという実話ベースのお話。途中とても重要なのは障がいを持つ子を育てる母親や家族の苦悩が描かれること。  あー、韓国映画好きだ^^。骨子がしっかりしているもん。だから途中あざといまでの演技も「いや、本当にこんなんだったんだろうなあ」と納得させられてしまう。展開はスッキリとしているが伏線も適度に配置され、軽快に回収される。絶望と理想にはさまれる母親だけでなく、弟や離婚した父親の心理描写もいい。アクセントのコーチという存在もいい。  そして主人公は強い。溺れた母親を助けることもできないが、母親の教えを時間をかけて飲み込んでいく。持続する。達成する。反抗するのはマラソン大会に出場するときだけ。  私もランナーなんです、鈍足の(笑)。フルマラソンも何度も完走しました。  私も主人公のように、大草原を走るシマウマと一緒に走るイメージで走りたい。  私は拷問のような思いで走る。  私も主人公のように、大草原を走るシマウマと一緒に走るイメージで走りたい。[DVD(字幕)] 7点(2015-07-21 13:36:17)《改行有》

18.  トガニ 幼き瞳の告発 《ネタバレ》  田舎の聾唖学校での、入所児童に対する性的虐待。告発する者される者。  大雑把なんだけど、伝えたいことは十分にわかる。…、書き方が悪かった。ある程度大雑把に観ている人に推測させるようにしないと、演技すらできないほどタブーに直接触れるように題材にしているから仕方がない。特に子役たちは素晴らしい演技をみせた。あ、悪役たちも素晴らしい演技だ。よくこんな題材でこんなに迫力あるタフな演技をさせて、しっかりとエンターテイメントにできるもんだ。感心。  人として大切なことはなんなのかを貫く人から順番に、モノの見事になんでも失っていく。耳が聞こえないために命を失う登場人物も。  映画のラストは全く報われないが…。  実話ベースのこの映画。この映画をもってして韓国国内の本事件の関心が高まり「トガニ法」なるものが制定されることになったそうだ。障がい者女性への虐待の罰則強化や公訴時効の撤廃など、映画の中ではできなかったことが法に。  報われる(笑)[DVD(字幕)] 7点(2015-07-17 13:30:09)《改行有》

19.  ソウォン/願い 《ネタバレ》  もうめちゃくちゃだ。映画のスタートが激しすぎる。こんなことまで人間は受け入れて生きていかなきゃならないの?でも同じような目に合った人はたくさんいるのかもしれないな。ソウォンの周りにはいないが。で、一度は止めかけたDVDを、結局…観てよかった!  瀕死の暴行を受けた八歳の少女とその父と母の再生の物語。性犯罪の立件の難しさや韓国メディアの強烈さなども的確に描写する。  その中で私の心が動いたのは、事件は家族の周囲の人間の心をも傷つけていたという部分だ。細かいニュアンスがよく伝わってきた。  俺が頭を下げれば俺から金を借りてくれるのかと父親に電話する工場長の男気。  工場長の奥さん(被害者の母親のママ友)と被害者の母親の心の交流。勘違いからの暴言をめぐり言い合いながらも心通わせる母親二人。  そして、被害者ソウォンと同級生の工場長の息子の涙。「自分があの日ちゃんとソウォンと一緒に学校に行けばこんなことにはならなかったのに」と被害者の父親に泣きながら告白する。お前、どこも悪くないじゃん(涙)。  実話ベースかぁ。ひどすぎる。でも父さんも母さんもソウォンも、周りの人もよく頑張った。人工肛門って大変なんでしょう?いつまでたっても被害の傷跡は隠せないかもしれないけど、みんなよく頑張った。復讐に走らないで、よく耐えた。  いい映画だった。[DVD(字幕)] 7点(2015-07-17 12:34:22)《改行有》

20.  オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》  クラリネットなのかな。素敵なワルツとともに双方向の復讐劇が始まります。  15年、訳も分からずに監禁された男。そして15年、なぜか解放された男。すぐに監禁の張本人は現れます。そして選択を迫ります。殺すのか。真相を知るのか。  そして謎の女ミド。  4、5回目の鑑賞。原作はハイパーな日本漫画。ピンポンと同じく、やはり比べてはいけないと。ただどうしても触れたいのはラストの違い。原作と本映画はラストが全く違います。が、どちらもとても叙情的で魅力的な展開に。ハードな内容にセンチメンタルが見事にはまります。私は原作からはいったので、本映画のラストには唖然としましたが、これもまたよくできているなと。ミストも原作とラストが全然違うが、原作者のキングも、あのラストを思いついていたらこうしたと認めた、という話を思い出します。本映画のラストまでの超サスペンスな展開をかんがみるとこのラストも秀逸なのかもしれません。[DVD(吹替)] 7点(2015-06-30 17:20:37)《改行有》

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS