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1. シベリアの理髪師
《ネタバレ》 素晴らしい作品!
ロシアの粗野な熊のような連中の国からチェーホフが生まれたのも
納得できる、そんなロシアの巨匠ミハルコフの作品。
話は、タイトルのシベリアの理髪師といわれるような、あの地の木々をどんどん
伐採していく機械の開発資金を調達すべく、アメリカの女性がロシアの将軍に近づこうと
したことが発端である。
その列車の中、ロシアの士官と音楽を通じた交流をしてしまう、その女性。
そこで、青年士官は、すっかり恋の虜になる。
しかし将軍との三角関係で、嫉妬のあまり、青年は皇帝の列席する芝居で
大失態をしてしまい、シベリア極寒の地に送られてしまう。
その女性は、罪の意識と、純粋な青年に愛を感じ、その青年を追いかける。
しかし、もう青年は結婚しており、愛にやぶれる、その女性は、ある秘密を胸に生きる、という話である。
その秘密とは、
音楽(芸術)は、国境を超えるということである。
あの列車での思い出を胸に彼女は生きるのである。
政治姿勢の厳しいロシアの国で、ミハルコフのギリギリの発言だろう。
(あのマスクの兵士が彼との息子であったという考えもできる)
映画の演出モンタージュの生まれた国らしく、
核心のラストの部分は、この演出がすさまじくキレル。
文句なく10点![ビデオ(字幕)] 10点(2021-01-11 20:43:44)《改行有》
2. 12人の怒れる男(2007)
《ネタバレ》 「ギルティ、オアノットギルティ」と歯切れのよい英語の響きがしたルメット版のに比べ、こちらの演出はそんなに歯切れは良くないです。でも自分的には良かった。最後、無実で釈放されても殺されてしまうのでは?と判決が無罪でも悲劇の起こりうる可能性がある事をまとめ役の人が言ったとき、みんな尻込みする。ちょっと忙しくて・・・と皆、言い出す。テレビ用に創られた「12人の怒れる男」もそうだが、アメリカのは、「俺たちは正義を行った」と誇らしく、分かれるときに清々しい顔で帰路につく。観ているほうも清々しくなる。でも「正義」とは「責任」もついてくるのでは?自分にはそうミハルコフが言っているように感じた。ルメットもミハルコフも両方尊敬しているので、どちらが良いとは言いたくないが、時代が変わって、社会が映画に求めるものが違うようになったからではないか?社会派映画でも十分娯楽映画として通用するルメットのに比べ、ミハルコフは言いたいことがあるから、この映画を創った。作家性の強い映画だったように思う。[DVD(字幕)] 7点(2009-01-27 21:15:54)
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