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プロフィール
コメント数 159
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 メインストリームでは無いが映像プランナー/ディレクターを生業としています。
映画を観たのは小・中学時代がテレビの吹替えで。高校・大学時代は映画館で年間300本ほど…好きな作品はリピート鑑賞。ニューシネマより王道の娯楽作品を好みます。
吹替えの演技で好きになった映画も多数。広川太一郎、羽佐間道夫、大塚周夫、中村正、若山弦蔵、石丸博也は個人的に人間国宝に認定したい。

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  劇場版 マジンガーZ/INFINITY 《ネタバレ》 ちょっと出遅れたけれど鑑賞した 劇場版マジンガーZ。 冒頭から強いぞ!無敵だ!マジンガー!世界系的な話は余計だと思ったが、東映まんがまつり世代の冷や水なので自重。 Zが好きなら大スクリーンでZ祭りを観るチャンス。知らない世代はどうだろう・・・個人的には あしゅら&ブロッケンの漫才とボロットの活躍?がツボだった。 入場者プレゼントもクリアファイルで豪華だゼット!ww[映画館(邦画)] 6点(2018-01-29 02:05:04)(良:1票) 《改行有》

22.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 久々に鑑賞。やはりこの映画は『平成ガメラ』と『未知との遭遇』Remixに見える。 原発事故の裏にある謎を追うあまり孤立し疎外されるジョー・ブロディのキャラは、もろUFOの謎にとり憑かれて孤立する『未知との遭遇』のロイ・ニアリーで、そう思って見ると同じ描写だらけだと気付く。立入り禁止区域に侵入し汚染がないとマスクを脱ぐ。政府機関に尋問され自説を否定されるが一人の学者(渡辺謙=フランソワ・トリフォー)だけが理解者となる。 主人公フォードの息子撮り方もバリー少年のそれと同じでクライマックスの後に母と再会するシーンもまんま。砂漠に船=ジャングルに潜水艦。等々きりがない。 怪獣関連は、ほとんど『平成ガメラ』。コジラの設定からして地球の守護者のようで、ラストでゴジラを見る人類のまなざしは完全にレギオン襲来やイリス覚醒と同じ。ムートーの設定も空飛ぶ脅威ギャオス、電波系レギオン、光る魔物イリスの特徴をミックスしたもの。 ゴールデンゲートブリッジのスクールバスはドナー版『スーパーマン』のオマージュだろうが、子供達を(偶然だが)守ったようにも見えるという絶妙な演出は樋口真嗣監督が『イリス覚醒』の渋谷シーンで少年を守ったように見える演出のトレースだろう。他にも船上から海中の巨大怪獣を見るカットなど ビジュアルの引用はまだまだ沢山。 だからと言ってギャレス・エドワーズ監督を批判する訳ではない。 よく日本の優れた怪獣映画に学び、それを実践して全体を手堅くまとめ上げ、レジェンダリー版ゴジラを怪獣映画の王道として確立させたと評価している。次作、次々作が楽しみで仕方がない![ブルーレイ(吹替)] 7点(2018-01-24 03:29:05)(良:1票) 《改行有》

23.  ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 《ネタバレ》 世界的に評価を得ている漫画『ジョジョの奇妙な冒険』その実写映画化第一弾は、サイキック・サスペンスホラーとして普通に楽しめる作品だった。だが・・・To Be Continued! 漫画の実写化に期待するものは、その漫画らしさ「原作と同じフィーリングを実写で体験したい!」それに尽きる。 原作のジョジョをジョジョたらしめているもの、それは〝唯一無二のアート感〟だ。荒木飛呂彦漫画の魅力は、極端な構図、独自の擬音、コマ割りによる不規則な時間表現、そして個性の強い絵と奇抜なストーリー。それが渾然一体となって構築される〝トンデモな美学〟に他ならない。 一方、実写版の軸はあくまでホラー映画であり、忠実に再現された衣装やメイク、海外ロケーションによる無国籍感あふれる杜王町もみな 単に映画の装飾に収まってしまい全体として綺麗にまとまり過ぎて、ジョジョたらしめる〝あらゆる要素のトンデモな自己主張〟が欠落していて どうにも食い足りない。 ハードルが高いと思えた仗助、承太郎のキャスティングは、意外にも結構ハマっていたと思う。それだけに、映像でドッギューン!とかドドドドド!!!! とかゴゴゴゴゴ・・・という感じが表現できていれば何倍もダイナミックになったろうにと惜しまれる。別に画面に文字など出さなくてもいい、撮影の工夫と編集で何とでも出来ただろう。 音楽のチョイスも疑問で、宗教的で神秘的な曲が却(かえ)って退屈な間を作ってしまった。おそらくは主要キャストが着ている学生服をキリスト教の黒衣とイメージ的にクロスオーバーさせての演出なのだろう。クライマックスでも教会のようなステンドグラスを印象的に使っている。が、それは明らかに原作のイメージを持て余した結果、別の普遍的イメージに頼った結果だとわかる。海外市場を意識した策かも知れないが。 原作者が好んで引用しているロック調の曲であれば、テンポもノリもイメージも相当原作寄りになっていただろうに・・・残念だ。 しかし、続いてもらわないと話にならない訳なので、監督以下 製作陣の皆様には第2章以降も頑張ってより荒木テイストの娯楽作品を目指して頂きたい。[映画館(邦画)] 5点(2017-08-18 17:36:01)《改行有》

24.  銀魂 銀魂ファンの 銀魂ファンによる 銀魂ファンのための映画 いや 映画ではなく、イベントや祭りとしてのファンムービーと言った方が正しいかも知れない そういう面では、77.7点を付けたい出来だと思う。 邦画の予算の壁(中途半端なVFXで陳腐化すること)を「笑い」を武器に一応克服している この原作とこの監督だから出来た事だと関心してしまった。 とは言え、現在も続く長大な原作の物語を紅桜篇だけで語ることは到底 不可能で この映画だけを見て銀時の(シリアスな背景)キャラクターを理解することは出来ない。 だから、主な楽しみは 役者たちのナリキリ演技と原作に匹敵するボケとパロディの部分となり 逆に、それで低予算のチープささえも笑いの一部として消化され、欠点ではなくなっている。 ナリキリ演技に関しては、ほぼ全員が清々しいほど全力でキャラを再現し ふざけ倒している。 福田組に関しては 盤石の安定感で笑わせてくれる。 ただ、終始シリアスな高杉が 映画から浮いて見えたのは残念だった。 一見さんお断りな映画なのは確かなので、レビューの点は辛くなってしまうが… お気楽に観れるバカで楽しい映画でした。[映画館(邦画)] 5点(2017-07-23 00:39:48)《改行有》

25.  天空の城ラピュタ 日本映画最高の冒険活劇 まっすぐな少年と可憐で献身的な少女の大冒険を ハラハラ、ドキドキのアクション満載で描く。 地下から遥か天空まで、ファンタスティックでスケールの大きな舞台 善も悪も、個性的で人間味あふれる登場人物たち 夢と希望、勇気、そしてハッピーエンド・・・ まさに、まんが映画の最高峰!文句なし!![映画館(邦画)] 10点(2017-04-11 14:31:26)《改行有》

26.  LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標 《ネタバレ》 ディテールの積み上げで男の美学を描いた、ハードなルパン三世。 2012年の「峰不二子という女」に続く ルパン三世のアダルトなリブートシリーズ「LUPIN the Third」の第2弾は 早撃ちのガンマン 次元大介が主役。舞台はヨーロッパの東ドロア。 そこで次元は、ヤエル奥崎という謎のガンマンに早撃ちで敗れ、さらに・・・ 「峰不二子という女」で、キャラクターデザイン・作画監督だった小池健が本作で監督に抜擢され、演出・キャラクターデザイン・作画監督も兼任。 前作にあった幻覚のような非現実的要素は一切排され、純度の高い男と男の〝技能とプライドと頭脳の闘い〟を濃厚にハードに描く作品となっている。 また本作は、テレビ放映と同じ30分の前編・後編に分かれ、それぞれにOPとEDが流れる。 合計で60分以下なので劇場アニメとしては短い尺だが、まったく物足りなくは無い。 依頼人を目の前で殺された次元の、闘いと苦悩、まだ仲間でないルパンとの関係・・・非常に贅沢な映像とハードボイルドな描写。 小池監督のモダンで渇いたキャラクターと、渋いセリフ、メカ描写もカッコ良く、SEXYなモンキーパンチ風味も効いている。 TVシリーズ初期の殺るか殺られるか!騙すか騙されるか!の緊張感にあふれた、オトナの鑑賞に耐えうるルパン三世に仕上がっている。 皮肉や自虐的ジョークを除いて、お笑い要素は皆無に等しく、赤い血が流れる決闘はバイオレンス度も高い。 ジェームズ・ボンドがハード路線でリフレッシュしたように、本気の次元とルパンを目指したスタッフに拍手を送りたい! 既に、五ェ門を主役にした『血煙の石川五ェ門』の公開が2017年2月に決まってる。それも期待大だ。[ブルーレイ(邦画)] 8点(2017-02-06 04:36:44)《改行有》

27.  LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門 《ネタバレ》 生ハム食えんな〜 笑 2012年の「峰不二子という女」2014年の「次元大介の墓標」に続く ルパン三世のアダルトなリブートシリーズ「LUPIN the Third」の第3弾は、 剣豪 石川五ェ門が主役で、日本が舞台。 正確には「峰不二子」と「次元大介」の間で、多少スタッフが変わっている。 キャラクターデザイン・作画監督だった小池健が監督に抜擢され 演出・キャラクターデザイン・作画監督まで兼任し純度の高い小池健作品となった。 本作も「次元大介の墓標」に続いて、異常に緊迫感があるハードなルパン映画である! 

 前作通り、30分づつ前編・後編に分かれた構成で、間にタイトルが流れる。 劇場アニメとしては短くテレビシリーズ2話ぶんを意識したフォーマットらしいが そうとわかって観れば、決して物足りなくは無い。 若き五ェ門の、闘いと苦悩、そして開眼が…非常に濃厚に描かれている。 最初期のTVシリーズ(大隅ルパン)の雰囲気を基本としたシリアスなキャラ設定。 物語、演出はよりハードでバイオレント。 レイトはPG-12だが…実質R-15だと思った方がいい。 
 その意味で一般受けを捨て、前作以上のハード路線に舵を切った覚悟には敬服するし 作品レベルも突き抜けている。 
 ただ、闘いが少々生臭くなり過ぎたのも否めず、集客的には苦戦するかも知れない。 
 この五ェ門がヒットして次があるなら…主役は銭形だろうか?それも是非観てみたい! Blu-rayは売れそうだから可能性は十分ありそうな気がする。 唯一苦言を呈すなら、物語の骨格が・・・ 用心棒仕事の失敗→背景組織の闇→強烈なライバルの出現→主人公の苦悩と開眼→肉を斬らせて骨を断つ勝利→ルパンとの絆の成立。 これは『次元大介の墓標』と全く同じドラマ展開で、もう少し違いが欲しかった。 

レビュータイトルの「生ハム食えんな〜」は、 
肉を斬らせて骨を断つの部分で・・・ 映画を観たら解ります。笑[映画館(邦画)] 8点(2017-02-05 14:36:23)《改行有》

28.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》 心の中の〝美しい風景〟で綴られたジュブナイルファンタジー 現実よりも鮮やかに光り輝く〝焼きついた一瞬の美しい光景〟 それだけで構成されたようなアニメーション映画だった。 某艦長の言葉を借りれば、なにもかも・・・みな美しい。 その魅力は、新海誠という感性と技術をあわせ持った監督の存在につきるのだが、 ここまでの超ヒットになった要因は、それだけでなく 彼をサポートした老練なアニメーションスタッフの功績も大きいと感じた。 あらゆる年代が受け入れ易いキャラクターをデザインした 田中将賀 アニメーション本来の動きの魅力を作品に付加した安藤雅司。 安藤と共に、青春の躍動感たっぷりにキャラを生き生きと動かした 黄瀬和哉。 物語の構成や演出で的確な助言をしたであろう 岩井俊二。 目だけでなく耳から感情の波紋を広げていった RADWIMPSの音楽。 その全てが見事にかみ合って、強力な魅力を持つアニメーションに結実したのだと思う。 これは間違いなく、宮崎駿が引退して以降で最も〝良く出来た青春ファンタジー映画〟だ。 そして、この作品のもう1つの価値は、マニアックな個人レベルの創作から脱却し 新海監督がアニメーションの表現のレベルを押し上げ、絶大な結果を出したことにある。 「君の名は。」には、2Dアニメが海外で成功するためのヒントが数多く内包されている。 今後それが共有され、洗練されて、日本のアニメーション産業の健全な発展に寄与する事を願うばかりだ。 【追記】 〝今年1番の映画〟は?と聞かれて・・・「シン・ゴジラ」で決まり!と思ったら「君の名は。」が登場。 アニメビジネスの未来を変えるほどの結果を出し続け、快進撃が止まらず、 「君の名は。」で決まった!と思ったら、今度はまったく別次元の「この世界の片隅に」が出現した。 どの作品も革新的で、才能の固まりで、素晴らしい… できれば、三作品とも1位表彰台に立って欲しい。いや本当にそう思いますよ、ありがとうだよ! 【追々記】 『君の名は。』が見ていて気持ちいいのは、映画を観始めた中学生の頃に好きだったライトな 〝ユルSFラブストーリー〟の感じだからだと思う。批判を怖れずに言えば『君の名は。』は 不思議な運命で結ばれた男女の…とてもスリリングで、素敵でハッピーなユル〜いSF映画。 似ている作品は『タイム・アフター・タイム』や、あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。 ポイントは、気楽に見れる。深いテーマはない。ご都合主義的ハッピーエンドなんだけど そこがイイんだなコレ !![映画館(邦画)] 8点(2016-12-12 17:08:28)《改行有》

29.  マイマイ新子と千年の魔法 《ネタバレ》 『この世界の片隅に』の片渕須直作品と知ってDVDでの鑑賞。 同じ片渕須直監督が戦中~終戦までの日本を描いた『この世界の片隅に』と同様に、終戦から10年ほど経った地方の町(村)の空気感を非常にリアルに描いている映画です。 牛車が進む奈良時代的な過去と新子たちの現実が交錯する世界観は 一見すると時間ファンタジーだが、そうではないと感じた。 現代と違って、与えられる娯楽が無い子供たちが、自分の空想力で遊んでいた時代だから、想像と現実をレイヤーのように重ね、幻景と実景を綯い交ぜ(ないまぜ)にした世界で遊ぶ姿を描いている【ごっこ遊び】想像力豊かな少女の物語で、『君の名は。』的な過去とのシンクロファンタジーではない。 子供の想像だから、矛盾だらけで断片的だし、ジブリ作品のような派手で爽快なクライマックスが展開するわけがない。 つまり、これはフィクションとは正反対の現実的な〝妄想で現実をより楽しむ少女たち〟の・・・〝自由で豊かで純粋な心〟を描いた映画なのだ。 終盤、戦後のリアルな大人世界〝現実〟を新子は垣間(かいま)見る。〝子供の想像世界〟を〝現実〟が否応(いやおう)無く侵食してくるのだ。 しかし、どんな時代であっても、空想の翼を広げて夢を追って駆け回る子供たちの輝きが衰えることはない。そうこの映画は言っている。そして、優しく映画の幕は下りる。 できれば、この作品の前に『この世界の片隅に』を見ておくことを薦めしたい。その方が、片渕監督の描く世界を感じとり易いと思うし、【すずさんの生きた世界の、その後の世界】を垣間見ることが出来るからです。[DVD(邦画)] 9点(2016-12-09 04:09:35)《改行有》

30.  GANTZ:PERFECT ANSWER 《ネタバレ》 前編が非常に良くできていただけに、このPERFECT ANSWERは残念でした。 原作のGANTZは、暴力を肯定してでも〝守るべき者の為に俺たちが戦う〟という日本の漫画らしからぬ〝力で未来を切り拓く〟点がこの作品のアイデンティティです。その「(戦いに)行こう。」と、主人公が宣言するまでの流れを前編のGANTZは非常にうまく描いていました。 原作が未完の段階での製作とは言え、なぜ、PERFECT ANSWERは原作と真逆の〝緩い平和主義のお涙ちょうだい劇〟にしてしまったのか・・・破壊描写をファンタジーとして緩和する適度なユーモアも失われてGANTZではい凡庸で中途半端なものになってしまい・・・残念でなりません。 しかし、この結果を反省し、原作の魅力を最大限に生かすことで『アイ・アム・ア・ヒーロー』が成功したと思えば、本当の尊い犠牲になったのかも知れませんね。笑[映画館(邦画)] 3点(2016-12-06 12:09:34)《改行有》

31.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 ほんの2、3世代前…こんな時代こんな日常があったという真実。 試写の評判をTwitterで知り、初日の午後 映画館へ。 テアトル梅田のロビーには人がいっぱい。上映中は立ち見の人までいて驚き。 舞台は戦時中。明るくふんわりと生きる主人公すずと一緒に、 私は、その時代の暮らしを体験した。 広島から軍港の呉へと嫁ぎ、新しい土地で新しい家族との生活が始まる。 物が無く食べる物にも苦労するが、失敗したり笑ったり。 それは今の私たちとさして違わない普通の暮らし。 私たちは、すずと一緒にくすくす笑い、家族とのふれ合いにホッコリし、時に涙する。 2時間の映画が、すずの生きる数年間にも感じられ…そして。 映画が終わった時、色々な感情があふれ、しばし言葉を失った。 片渕須直監督が現地で綿密に調査し再現した風景や暮らしは、全て当時の本当の姿だという。 祖父母から断片的に話を聴いたり、日本史の一部として知っていたその時代。 しかしこれは、どんな歴史書やドキュメンタリーよりもリアルな、VRのような時代体験だった。 すずさんの思いは、当時を生きた多くの普通の人たちの思いに相違ない。 ある意味、隠し、忘れてしまいたい過去。その良いところ悪いところ両方を 原作者の こうの史代さんも、片渕監督も知って欲しかったんだろうと思う。 これは、よく取材して丁寧に作られた、厳しくも優しい〝幸せのあり方〟を描いた最高の映画です。[映画館(邦画)] 10点(2016-11-16 01:57:53)(良:1票) 《改行有》

32.  GODZILLA ゴジラ(1998) 《ネタバレ》 エメリッヒ版 GODZILLA(〝ゴッ、ドジラ〟と呼称) 明らかに、R.ハリーハウゼンが特撮を担当した1953年の「原子怪獣現る」が創作のベースとなっている。ただ、日本の1954年のゴジラ第1作も同作に触発されて製作されたと言われていているので、エメリッヒ&デブリンのコンビは日本のゴジラの原点が「原子怪獣現る」であると考えた上での深いリスペクトだった…とも考えられる。だがしかし、そんな映画マニアックな背景に誰が気づくの?そもそもそ誰が喜ぶの? それに水爆が爆発するイントロはシリアスな展開を予感させるのに、反して以後の展開は実に能天気というチグハグ感。さらには、モロ巨大トカゲで米軍から逃げ回るという、怪獣王らしからぬ体たらくで〝こんなのゴジラじゃねー!〟と(笑)日本中から反感を喰らい、興行収入は31億でも〝総スカン〟に終わった。そりゃ、しかたないのである。 しかしですね、単品の映画として見れば決してクオリティは低くないしイベント性が高くて楽しく、世界的に見れば興行的にも成功している。これがゴジラを名乗る映画で無ければ良かったのにねぇ…である。 余談だが、雄叫びとともに博物館の天井を踏み抜いて、T-rexの骨格標本を踏みつぶすという90秒の「劇場予告編」は、検索してでも見るべき秀逸の出来である。なので+1点とさせて頂きます。[映画館(字幕)] 7点(2016-08-20 10:12:05)(良:1票) 《改行有》

33.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 【初見の感想】「爽快」 1954年の第一作を原型に庵野秀明監督得意の様々なカッコイイオマージュカットの連続。(エヴァ的と批評されるのは、氏に厳選された過去の特撮作品のカッコイイ場面の再構築こそが映像面での庵野スタイルであって氏の各作品の表現がルックス的に酷似するのは当然なのです。特に今回は本家東宝作品だけに、より堂々といつもの10倍増しの大サービスとなっています!) 私にとって衝撃だったのは・・・シン・ゴジラが見ためはゴジラだけれど、ヘドラ的だということ。第一形態は巨大オタマジャクシ(という設定があったらしい)。怨念を持った破壊神を〝進化する化学物質〟のように設定している点もそう。 映画自体の後味が爽快なのは〝如何にも日本人らしい日本人たち〟が不器用だろうが何だろうが最善の方法を考え、寝食さえ忘れて黙々と実行し、闘いに泥臭く勝利する映画だったから。 そして・・・、ギレルモ・デルトロの「PACIFIC RIM」やギャレス・エドワーズの「GODZILLA」が世界的に大ヒットし、あぁ怪獣もゴジラも海外の大資本映画の独壇場になってしまった・・・と伝統の終わりを感じていたのを、庵野監督と特撮の職人達が最後に生み出した、魂の咆哮『シン・ゴジラ』の熱線が見事に焼き払ってくれたからです。 【最終的感想】「映画監督」 ※以下の感想は【それを言ったらオシマイ】的な話です。ネタバレとは違いますが『シン・ゴジラ』について「内容の考察」で盛り上がりたい人に水をさす可能性があります。ご注意ください。 私は、庵野監督のことを「特撮好きのアニメ職人ビジュアリスト」だと解釈しています。 しかも常人と違って、視覚・聴覚的に経験した「傑出した事象」を完璧に記憶し、純度を高めて新たな表現として構成する「再現力」が突出していて、同時にその脳内映像を1/30秒単位で描きだす(=絵にできる)技能を有した、超・映像職人だと。 おそらくですが、氏が創作の喜びを感じるのは「映像を表現すること」それ自体であって、大衆へ向けて「社会的メッセージや思想を伝えることでは無い」と考えます。 只ただ「自分の好きな映像を徹底的に創りたい人」だと思うのです。 さて、シン・ゴジラの膨大な台詞や表現、意匠、ゴジラの造形に「何かの意図やメッセージ性を感じる」のは何故でしょうか? 観客に何かを伝えたいのであれば、劇中で明確に主張するべきではないでしょうか? 普通の映画ならそうします。過去のゴジラ映画もそうでした。その点、シン・ゴジラには何かの意図を感じさせる演出=「不完全に書き込まれた情報」が多すぎます。 これは、明らかに意図した「不完全な情報の提供」です。 私たちは、SNSなどに流れている大量の情報に対して、怒り悲しみ、考え、共有し、自己主張することが日常化しています。国民総批評家のような時代に生きています。 シン・ゴジラの膨大な台詞や意匠、ゴジラの造形の中に、社会的な課題、学術的&オタク的知識、重層的意味を持つ台詞や音楽、過剰な文字情報などなどを「大量の断片情報」として監督は散布しています。 だから映画の鑑賞後・・・まるで試験問題を前にした学生のように、その意図を模索せずにいられなくなるのです。 庵野監督は「持てる限りの手法を駆使した映像」で、観客が映画館で楽しめる作品を創りました。同時に、「埋設した断片情報によるパズルゲーム=思考による考察と議論」で、観客が映画館から現実に帰った後も永く楽しめる作品にしたのです。 しかし、知識量の多い現在の観客が相手ですから、現実的かつ、容易に解決できない問題を準備する必要があり、その為に大変な努力を費やしたに違いありません。そんな過剰サービスを普通の監督はしません。監督業を越えた信念か、オタク魂の成せる技です。(ハリウッドの大資本が作る映像と競うには『知恵と努力と根性で奇跡を起こすしか手が無い』のです) 創ることに全力投球。ですから「正解」まで用意したとは思えません。 そもそも、哲学者でも科学者でも評論家でもない、一(いち)映画監督が大衆に向けて専門外のメッセージなど発信できません。「監督はただ、考えるに足る物語を見せるだけ」なのです。 それは、宮崎駿然り。スタンリー・キューブリック然り。議論される自作について監督たちが多くを語らないのはその為です。「問題を考える材料は映画として語った。後は皆さんが各自で自分なりの結論を模索して欲しい。」それがメッセージです。 これは・・・映画の冒頭で、牧悟郎が残したメッセージ「 私は好きにした。君らも好きにしろ。」と同じことです。[映画館(邦画)] 9点(2016-08-07 11:26:12)(良:3票) 《改行有》

34.  風の谷のナウシカ 《ネタバレ》 手描きの魅力にあふれた宮崎アニメの傑作(最高傑作か) 最初に観た時から段々と評価が上がって8点になりました。(笑) 今さら《ネタばれ》もないでしょうが、腐海による地上世界の済世物語と言ってしまうには、構造がもう少し深い。 火の七日間を起こしたにも関わらず、またもや巨神兵を復活させてしまう人類の懲りない地上支配欲(というか本能)。生態系の自然治癒力としての腐海(菌類)と虫そして人。一見は対立構造。でも、飽くなき欲求で破壊をもたらす行為も地球の進化の“あるべきもの”の一つとして語られているように思う。そこのところが平板な自然に還れメッセージとは違う。 その辺は、原作漫画により明確に感じることができるので、ナウシカについて考える機会があれば、漫画の方も読んでみることをお薦めします。[映画館(邦画)] 8点(2014-04-19 16:15:21)《改行有》

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