|
1. ウンベルトD
《ネタバレ》 「自転車泥棒」デ・シーカ監督のネオリアリズム映画。
公務員勤め上げた老人の年金額の不足による、もの哀しい映画。
家賃滞納のなか、年金日までどうやって暮らすかという切なさが来る。
老人とペットといえば、アメリカの「ハリーとトント」を思い出す。
あちらは、元気にやっていたが、こちらは戦争前のイタリア。
ただでさえ、戦争に敗けたイタリアのモノぐるしい空気が手厳しい。
自分に身を置き換えて観てしまう。
現代に置き換えるなら、ケンローチの「ダニエル・ブレイク」だろうなぁ。
寒い。うぅ・・[DVD(字幕)] 8点(2023-11-07 22:03:14)《改行有》
2. ウエスタン
こんな作品があると、マカロニウエスタンの方が面白いのでは?なんて思っちゃう。ヘンリーフォンダも「荒野の決闘」より、こちらの役の方がはまってる。オープニングの緊張感から、もうこれは期待できると確信した。本場の西部劇は開拓の苦労もあるので、どうしても無からつくりだす苦労や移動する時の苦労、実際てこずったであろう先住民たちとの闘いがメインになるのかもしれない。「男」の生き様をメインに描こうと思ったら、設定だけ借りて、ヨーロッパなどのよその地域の方がかえって創りやすいのかもしれない。この映画のような「間」は、日本の時代劇の武士にもみられる一瞬の勝負にすべてをかける緊張感から生まれるのだろう。探してみると、日本の時代劇の設定だけ借りて、他の国が創っているってこともあったかもしれないですね。[DVD(字幕)] 8点(2010-12-02 13:55:38)
3. 海を飛ぶ夢
《ネタバレ》 僕はこの映画、あまり感心できなかった。ラストの方で「なぜ皆と同じように過ごせないか」と夜中になくシーンがありましたが、そこから映画を始めるべきだろう、と思いました。28年間の自分では何もできず、排泄の処理などやはり精神的につらいこともあったと思います。でも周囲は生きてくれることを望んでた。そして、詩を書いてた。自分を表現する事ができたのですよ。僕はこの詩集から主人公に生きようと思わせる何かが始まって欲しかった。カメラに向かって自殺のコメントを述べるシーンがありましたが、あれは彼に残された最後のプライドのあらわれだったのかも。まあ、「ジョニ-は戦場へ行った」という映画もありましたけど、ヨーロッパの方がこういう映画はうまいですね。この監督、次作に期待します。[DVD(字幕)] 6点(2007-12-17 19:23:04)
|