みんなのシネマレビュー |
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281. アバウト・タイム 愛おしい時間について 《ネタバレ》 優しさと可笑しさに包まれた映画。ただ優しすぎて、タイムトラベル設定がなければ、何も見所がないかもしれません。 当初の予想とは違い、思っていたより長い年月の作品。エピソードが多くて、ちょっと散漫になっちゃったかな。個人的にはラブコメ1本で見せてくれたほうが気分が乗れます。もちろん、この映画が面白い作品であることは間違いありません。 やたらとひねった設定にされがちなタイムトラベルもの。オチも悲恋だったり切ないものが多い気がします。そんななか、ある意味革命的なこの作品。ひねりなし。深い考証もなし。 ルール①『タイムトラベルは過去に戻れるだけ。未来には行けない。』 ルール②『過去に戻って過去を改変したのち、過去に戻る前の現在の時間のところには帰ってこれる。』 ルール③『子供が生まれてから過去に戻っちゃうと子供が別人になってしまう。』 ルール④『手をつなぐと自分以外の人を過去に連れて行くこともできる。』 わかりやすい。そしてこの超便利な能力でやることが、父親は読書で、息子は彼女ゲット、なんとも平和なお話。 ただねえ、その彼女がレイチェル・マクアダムスだからたまらないですね。この女優さん大好きです。 失敗したらタイムトラベル。小さな修正繰り返し、ちょっとだけ良い未来にしていって、最後はメアリーを見事ゲット。メアリー、あなた騙されてますよー、って教えてあげたい。でもこの恋愛パートは凄く面白くて見入っちゃいました。 後半は、もしかすると今までの幸せが全部なくなっちゃうような嫌などんでん返しにびびりながら鑑賞。妹のくだりや父親のガンは特にドキドキしましたが、主人公が家族のために自己犠牲も厭わないような高尚な人物ではなく、奥さんと子供を優先する凡人で本当に良かった。 ルール③で子供をとるか父親をとるかの2拓を迫られるシーンで、最後に父親に会いに行くシーンは感動。 ただ、過去に戻って父親と会った後、その父親と一緒に更に過去に戻るシーンはちょっとやりすぎな気も・・・。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-12 13:17:59)(良:1票) 《改行有》 282. アドレナリン(2006) 《ネタバレ》 「ずっと怒っていないと死んじゃう」という予備知識だけあって、以前から気になっていた作品。思いの外自分の中で期待値が上がっていたのか、見た感想は『なんか普通。』。怒っちゃいるんだけど、思っていたほどには怒っていない。むしろ相手のほうがすんげー怒っています。だから、せっかくの設定、アイデアがそれほどうまく機能していない気がします。 また、アドレナリンを出す方法は、『怒り』以外にもいくつかあるようで、それもちょっとルールがあいまい。ルールが曖昧すぎるせいで、いまいち映画の世界に入り込めません。それに、つなぎとつなぎが雑なので、雰囲気で無理矢理状況を理解しなければならないシーンもあります。ちょっと作りが粗い。 冒頭からノンストップでいきなり本題に入り、スピード感あふれるノリとアクションにも関わらず、後半のエレベーターのシーンではあくびが出ちゃう始末。やっぱりあくびが出ちゃうようじゃアクション映画としてどうなん、ってことになります。バカになりきれないバカ映画は凡作。凡作ながらも味があってちょいちょい面白くて、悪くはないんですけどね。[DVD(字幕)] 6点(2018-01-10 13:43:03)(良:1票) 《改行有》 283. セイフ ヘイヴン 《ネタバレ》 そんなに期待はしていなかったのです。実際中盤あたりはケイティとアレックスの恋愛がちょっと退屈に感じていたくらいです。で、いつの間にかラストの手紙で号泣。良い映画じゃないですか。 ケイティが何か犯罪を犯して逃げ出すオープニング。すでにここからミスリード。何も考えずに見ていたので、二段構えのサプライズに驚嘆。ケイティは暴力夫を殺して逃げてきたもんだとばかり思っていたので、予想もしなかった真相が判明して、俄然面白くなってきます。 で、2つめのサプライズ。これも驚きはしましたが、個人的には無いほうが良かった。せっかく手紙の感動に浸っていたのに、水を差された気分です。ただ、それくらい『手紙の伏線』と『手紙のシーン』が完璧だったわけです。このサプライズはちょっと演出過剰と言いますか、サービスが過ぎた気がしますね。 ただそういった気になる点をふまえても、この映画は良い映画です。 ミステリーに好奇心を刺激され、ふれあいドラマで人の優しさを感じ、サスペンスでハラハラする。最後には大きな感動と幸せな余韻。大変良質なサスペンスドラマに仕上がっています。 [DVD(字幕)] 8点(2020-04-25 14:33:20)(良:1票) 《改行有》 284. クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 手ぶれカメラ、主観映像好き派です。RECシリーズとか。でもこの作品はちょっと度が過ぎるな。パニックムービーとして十分楽しめる内容となっているので、主観映像プラス落ち着いた映像も入れてバランスとってほしかったです。 見ていて疲れちゃった分、臨場感はもう抜群。その場に自分がいるかのように錯覚できます。これはアトラクションに近いかも。 プロット的にはRECのゾンビをモンスターに変えただけなので、新しさは感じませんが、好きなジャンルなので楽しいです。 ストーリーや展開が無理矢理すぎるので、そこだけもう少しなんとかならんかったもんかな。 例えばロブがベスを救いに行く説得力って明らかに弱い。二人は直前でモメてたわけだし。しかも正式に恋人になったかどうかもわからんのに。『愛する婚約者がアパートに忘れ物を取りに行ったときに怪物が襲ってきて街がパニック状態に』とか、ストレートにそんなストーリーにすれば、もっとハラハラしながら素直な気持ちでロブたちを応援できたのに。 で、主人公グループの怪物に遭遇する異常な確率の高さ。小さいクリーチャーはいっぱい出てきていたので百歩譲って遭遇するのは仕方ないとしても、でかい奴に襲われすぎでしょ。いくらなんでも。後半は本当にそーゆー体感型アトラクションみたいで、ちょっと詰めの甘いアイデア先行の作品でした。 まあそーゆー不満もひっくるめて、結局面白かったんですけどね。酔いやすい人にはとても勧められないですけど。 マリーナがクリーチャーに咬まれたことでいったい何に感染してどーなったのか、そこだけとても気になりました。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-01-13 13:45:54)(良:1票) 《改行有》 285. ザ・ハリケーン(1999) 《ネタバレ》 最初の90分くらいが理不尽すぎて、ひきつけられながらも、フラストレーションが溜まります。後半までに尺を使いすぎたためか、ラストはかなりあっさり終わっちゃうのですね。実際の裁判なんてそんなものかもしれませんが、これは実話をもとにしていても『映画作品』。16年ですよ、16年。その重みをラストでもう一度感じるエピソードが欲しいものです。 なぜリサ・サム・テリー、そしてレズラ達は、今までの支援者達と違う結果を出すことができたのか。もしかすると、16年という歳月が、アメリカという社会が成長するために必要だったのかもしれませんね。そこに偶然居合わせたのが、その4人であった可能性はあると思います。 まあなんにせよ、ここまで理不尽な目に合わされ続けてきた人にとっては、希望を抱かさせることさえ残酷なことだと知りました。今回のケースは冤罪を晴らすことができたからまだ良かったが、もし連邦政府に提出した新証拠が認められなかったらと思うとゾッとします。 彼が希望を捨てるシーン。それは、妻に離婚を告げるシーンであり、レズラ達に面会・手紙の拒否を告げるシーン。それぞれに目頭が熱くなりました。 この事件を利用して出世した方々。デラ・ペスカ刑事だったり、当時の検事だったり、判事だったり。そもそも最初の裁判で陪審員が全員白人ってのも作為的なものを感じます。無実やアリバイを証明できる人たちは、劇中で明言こそされていませんが殺されている可能性すらあります。そういった病巣に対する社会的な責任の言及、罰が無い限り、本当の意味でのカタルシスを本作から得ることは難しいかもしれないです。[DVD(字幕)] 8点(2015-03-23 01:32:48)(良:1票) 《改行有》 286. ピクニックの準備 《ネタバレ》 どのエピソードも悪くはないんですが、『こーゆーのが見たかった!』と思ったのは、貴子と美和子のエピソードくらいかな。『さくらのエピソード』も、学校を感じられる部分が結構好きです。 杏奈のエピソードはあってもなくてもいい感じ。本編でもっと加藤ローサ見たかったですね。 高見のエピソードはもはやミュージッククリップ。 亮子のエピソードはマンガチックすぎ。亮子にしろ野球部の彼にしろ、こんな高校生いるわけないし。多少のキャラ設定はともかく、この二人はやりすぎ。あまりにも現実離れしすぎです。 千昭のエピソードはショートフィルムとしては結構好きです。ストーリーもちゃんとありますし、キャラも良い。ただ今回、スピンオフ作品としてはどうかなって思っただけです。だって不良神主は超強烈なキャラしているものの、本編では全然出てこないわけですから、そこにスポットを当てられてもね。 やはり貴子のエピソードが本編と深く関わっていて、とても良いですね。 美和子のエピソードは本編の大事な部分に触れているだけでなく、全エピソード中、最も『学校』を感じられる雰囲気が好きです。学校のシーンじゃないのに、学校を感じられる、作り手のセンスが光る作品です。 それにしても、歩行祭の前日にいつも通り野球部の練習やったり、犬の散歩行ったり、プレゼント買いにショップをはしごしたり、バイトする人までいたりして、みんな凄いね。[DVD(邦画)] 5点(2018-05-06 05:29:57)(良:1票) 《改行有》 287. NEXT-ネクスト- 《ネタバレ》 2分先が見える特殊能力を上手く利用したクライムサスペンス。ライトな仕上がりながら、緊張感もちゃんとあって安定感のある作品。 ニコラスケイジ演じるクリス・ジョンソンは能力を使いこなして、なかなかの無敵ぶり。『カジノ脱出』『ナンパ』『弾丸よけ』などその才能を遺憾なく発揮。ヒーローや主人公がガンガン活躍するのが好きな自分にとっては、この無双モードは結構楽しい。 ストーリーやディテールは荒削り。犯人グループが核爆弾やクリスを狙う明確な理由が明かされない。営利目的なのか、それとも大義名分を掲げたテロリストなのか。それすらも明かされません。 リズが何者なのかも結局わからずじまい。『俺は2分先の未来しか見えないのに、なぜ彼女のことが見えるのか、その理由が知りたい。』と、序盤でクリス自身が高らかに宣言。にも関わらず、それに対するアンサーはないんですね。面白いし、ロマンティックな設定だったので楽しみにしていたのですが。ただ単純に『運命の女性だから』ってだけだとしたら、なんともつまらない。例えば、『リズも能力者』とかゆう因果関係があれば、説得力も生まれたし、ナンパシーンでの『もう止めて』の謎も解けたと思います。 最後の夢オチのような締めくくりは、必要のないサプライズでしょう。そんなものなくても十分面白かったのに。ちょっとやりすぎです。リズを救い、核弾頭を回収して終わり。あとはFBIの特別捜査官にスカウトされるくらいのベタなおまけつきくらいでちょうど良いと思います。『オーソドックス=駄作』という風潮は個人的に歓迎できないです。[DVD(字幕)] 7点(2019-08-14 19:13:17)(良:1票) 《改行有》 288. ブルークラッシュ 《ネタバレ》 『なるほど。母親のこと、けがをしたときのことがトラウマになっているわけですね。きっとこれを克服していくんだな。そして仲間達と一緒にトレーニングを積んで、最後は優勝しちゃうのかな?』と、またまた先入観たっぷりに鑑賞。 結果。克服しない。練習しない。優勝しない。もうびっくりです。 もっとばりばりのスポ根とサクセスを期待していたので、思っていたのと違うテイストで残念。 妹のことでフラフラ。男のことでフラフラ。友人とけんかしてフラフラ。何に対しても優柔不断。信念なし。主張なし。プライドなし。こんなに情けない主人公いますかね。 この主人公にぴったりのストーリーもつまらない。サクセスストーリーとしては、棚ぼた感が強すぎて充足感が得られない。恋愛ドラマとしてはあほすぎて見ていられない。スポーツドラマとしては論外。 結局練習らしい練習はほとんどしないまま大会へ。で、当然のことながら予選敗退。それは当たり前の結果ではありますが、そんなん見て何が面白いのよ。 挙句の果てに、ラストは対戦相手に誘導してもらう始末。なんて情けない主人公。 せめて主人公が人格者であればもう少し違った見方もできるのですが。 妹とのことは何も解決しないままうやむやに。心配する友達には逆ギレ。 『ケイト・ボスワース』『ミシェル・ロドリゲス』『ミカ・ブーレム』と魅力的な女優さんをそろえて、こんなにも魅力の無い作品ができるものでしょうかね。 ただ波の映像は素晴らしいです。いったいどうやって撮ったんだというくらいの迫力の映像。これを見るとサーファーという人種はほんとクレイジーだと思います。それくらい凄い映像が盛り沢山。映像技術だけでいうなら文句なしの満点です。 これでストーリーと主人公にもっと魅力があれば、見ているほうもまさに〝波に乗れた〟のに。 ・・・お後がよろしいようで。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-10-02 16:15:21)(良:1票) 《改行有》 289. モテキ 《ネタバレ》 ブルーレイで鑑賞したのですが、台詞の声は小さいのに、心の声と急に始まる音楽の音量がでかすぎて調整がむずい。仕方が無いので家の人に迷惑がかからんようにヘッドホンで視聴。 突然始まる歌とダンスは別に良いけど、長いのはダメ。特にPerfumeのとこが長すぎ。しらける。 でもまあ映画自体は面白いです。みゆきさんと仲良くなっていく過程。留未子さんと仲良くなっていく過程。どちらも楽しんで見られます。 それにしても・・・。一昔前は一途。現在ではストーカー。一昔前は純愛。現在では『重い』。時代によって価値観や物差しが変われば、同じ行動でも随分と評価が変わるものです。もちろん人を傷つけちゃうような危険な物理攻撃はアウト。でも人を想う気持ちや慕う気持ちが『痛い』と簡単に表現されてしまうのは辛いです。留未子のエピソードを見て思いましたね。私はそもそもこの『痛い』という表現がすごく嫌いです。相手の気持ちに応えられないときは、せめて『ごめん』という気持ちを持ってほしいのに、この『痛い』という表現は相手を振るうえに、その原因は相手にあるという、死者に鞭打つ言葉だと思うのです。傷つける側にとってあまりに都合の良すぎる言葉。誰が言い始めたんでしょうね。 私自身は一般的に『重い』とされている人は全然平気。それは言い換えれば『情が深い』とも言えるからです。そーゆー人は思いやりがあって一途な人が多いことも経験上知っています。だから別に留未子と結ばれたっていーじゃんっていう気持ちで見ていました。 仲里依紗演じる愛の存在はとってつけたようでしたね。『モテキ』というタイトルに整合性を持たせるためだけに用意されたキャラとしか思えません。そんなことのためだけに胸をもまれる仲里依紗。そーいや長澤まさみの胸ももんでたな。森山未來、けしからん。 ちなみに酷評されている終わり方ですが、ハッピーエンド好きとしてはアリです。 ついでに不倫野郎が『二兎追うもの一兎も得ず』で家庭も愛人も失うであろうラストにスカッとしました。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2022-04-25 11:00:16)(良:1票) 《改行有》 290. ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀 《ネタバレ》 ラジー賞受賞作品と知って驚きです。 どうしよう。どうしよう。普通に面白かった。笑えた。 良い映画だと思ってしまった。ぼ、僕が間違っているのか?? もしかすると、原作がとても素晴らしくて、期待して観に行ったら「全然違うじゃん!」的な・・・?いや、知らないですけど。 ハワードはかわいいし、セリフも良いし、テンポもノリも良い。 ストーリーもキャラ設定も嫌いじゃないです。 人間に襲われて、暗黒魔王に「助けてー」って最高なんですけど。 暗黒魔王も「その鳥をはなせ」って、助けるんかい! 最初のほうで警官たちが、「凶悪犯だ、撃ち殺せ。」 刑事も「生死は問わない」 警官のほうがよっぽど凶悪・・・。 ファミレスでもハワードは調理されようとして、ビバリーが「あんたたちのほうがアニマルよ!」って言っていたし。 え?ああああ!!ま、まさかこれってコメディの裏側に高尚なメッセージが隠されている素晴らしい映画なのでは!何てこったい。 [DVD(字幕)] 7点(2012-06-04 02:45:13)(笑:1票) 《改行有》 291. 推定無罪 《ネタバレ》 原作未読です。 落ち着いた雰囲気の中にも、異常に感情的な一面を出すことがあるハリソンフォードの演技は個人的にはかなり好きです。仕事では冷静かつやり手でも、プライベートになると情けないキャラが非常によく描けていたと思います。特に、キャロラインがラスティを誘惑するまでと、ラスティに出世欲がないとわかってから、キャロラインとラスティの主導権が逆転していく様子は凄くわかりやすかった。微妙な心理の変化を、誰が見てもわかるように伝えようとする映画にはとても好感が持てます。 「誰が真犯人なのか?」というミステリーを内包しながら進んでいく裁判もなかなか良かったと思います。証拠となる物証が多すぎるうえに、通話記録を隠すようにうっかり頼んでしまうというミスを犯していて、ラスティにとって圧倒的に不利な裁判であったにもかかわらず、凄腕弁護士とだめだめ検事のパワーバランスを利用して裁判を好転させていく様子はなかなか見ごたえがありました。特に、Bファイルを裁判で何度も持ち出し、Bファイルに関する賄賂の汚職があったラレン判事に密かに圧力をかけていく反則技は見事でした。今までの伏線がまさかそんな形で活きてくるとは・・・! 動揺した様子を見せようとしないまま、早々に裁判を切り上げようとするラスティ判事もリアリティがあってナイスです。 ラストには賛否両論あるようですが、僕も血の着いたハンマーを見つけた時点、もしくは洗っているところでエンドロール、としていれば、この映画の評価はまた違ったものになったと思います。余韻は大事。説明しすぎは蛇足です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-02 17:15:26)(良:1票) 《改行有》 292. アラサー女子の恋愛事情 《ネタバレ》 キーラ・ナイトレイもクロエ・グレース・モレッツも好きなので、二人がメインでストーリーが進んでいくだけである程度の満足感はあります。 映画としてはどーかな。まず主人公のメーガンが好きじゃないな。彼氏が良い人なだけに、ラストのあまりに身勝手な結論には怒りさえ覚えます。 おそらくテーマは少女から大人へと成長していくなかでの変化なのでしょう。 周りが大人になり、社会の一員となっていくなか、大人になれない自分との価値観のズレ。これはまさに今私が経験していること。ただ私の場合は逆で、友人が大学の頃からまったく精神的に成長していないのです。そーゆー人間は『自分』ではなく『周り』に問題があるとほざくわけです。まさにこの作品のメーガンと同じ。まあ、メーガンはまだましなほうで、私の友人は最悪なのですが・・・。 ラブストーリーとしてもいまいち。だってメーガン、ただの浮気じゃん。今の彼氏と結婚したら、昔のしがらみと永遠に離れられないから違う男に走っただけじゃんか。メーガンがフリーの身であれば、まだ素直に応援も共感もできただろうと思います。 ストーリーは起伏が少なく、笑いどころもなく、恋愛ドラマ特有のドキドキ感や多幸感もありません。かと言って深みがある音なのドラマってわけでもない。もう役者の魅力のみで成り立っています。 最語に、邦題からバリバリのコメディ連想しちゃって、このタイトルは最悪だと思いました。[DVD(字幕)] 6点(2020-09-04 01:47:26)(良:1票) 《改行有》 293. しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス 《ネタバレ》 なんだか伝記っぽい時間の流れかたとストーリー構成だと思ったら、実話だったのか。どーりで。 モード・ルイスという芸術家の存在はこの映画を見るまで知りませんでした。どうやらとっても有名な御方のようで。 で、映画なのですが、お恥ずかしながら何の予備知識もなしに見たものですから、冒頭30分がなかなかきつかったです。登場人物の誰にも共感できないし、なんかみんな辛そうだし。 で、そこから少しずつ、本当に少しずつですが状況が良くなっていく。最初はとても幸せとは言えない人たち。それはモードもそうだしエベレットもそう。でも少しずつ『幸せ』が感じられるようになってくる。そしてそれがとても自然な感じで心地良い。 モードとエベレットの関係も最初は険悪そのもの。でもゆっくりと、少しずつお互いを必要とし始める。これがなんだか凄く良い。 エベレットはものすごいツンデレ。すごく口が悪いしケンカ腰だし、ぶっきらぼうだけど、なんだかんだ言ってモードの望みはいつもかなえてあげる。こーゆー押しつけがましくない優しさっていいですね。 モードの絵が少しずつ売れ始めるのも好き。ただ尺の関係か、いったん売れ始めるとあれよあれよという間に有名になって、テレビ、新聞とメディアの露出も増え副大統領までモードの絵を買っちゃう。この辺はもう少し丁寧に描いてほしかったところです。 前半は見るのがしんどいし、中盤から後半にかけてはやたら駆け足。全体のバランスは正直あまり良いとは言えない気がします。 ただモード・ルイスという人物と、この人の人生に触れられる機会を得られたのは良かったと思います。 『まず俺、そして犬、チキン、そして最後がおまえだ』と言っていたのに、死期を悟ったモードが『また犬を飼ったら良いじゃない。あなた犬が好きだから。』に対し、『犬はいらない。お前がいれば良い。』と答えるシーンで、ずっと我慢していたんですけど遂に泣いちゃいました。[DVD(字幕)] 7点(2022-04-03 18:53:56)(良:1票) 《改行有》 294. ハウス・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 かなりゲームを意識しているので、アクション要素が凄く強いです。要所要所では、ホラー映画なりの緊張感もあって、個人的にはかなり面白いです。 ゾンビは大分人間っぽい。だめではないけど、期待していたゾンビじゃないです。 ただのパーティーピーポーだった若者達が、武器を持った瞬間ランボー化する。この悪ノリは嫌いじゃありません。むしろ、ガンシューティングの映画化であればこその、ぶっとんだ内容に満足です。 一人一人、見せ場(死に場)が用意されているのはgood。テンポは良いし、緩急もあるし、バランスも悪くない。 それになにより、この作品を作った人達が、本当にこの元ネタのゲームが好きなんだと伝わってきて、なんだか嬉しくなっちゃいますね。[DVD(字幕)] 7点(2017-07-20 14:13:03)(良:1票) 《改行有》 295. キック・アス 《ネタバレ》 スタートダッシュの雰囲気はスパイダーマンに似ていて、ちょっとワクワク。何者でもない日陰者だった人間が、正義の味方になろうと試行錯誤するプロセスは好き。頭の中で自分がヒーローになった姿を想像する時期ってのは誰しも経験があると思います。所謂厨二病ってやつですね。この辺りの思春期特有の感覚に国境はないみたいで、嬉しくなります。 で、それを実際にやってみようとする人間がいると、映画やマンガになっちゃうわけです。なぜなら夢があるから。等身大の夢です。そこで真剣に努力してくれようもんなら、共感できるし、応援できます。 ですから、序盤から中盤にかけては大変楽しい。主人公刺され、事故る。全身に金属を入れられる。痛みを感じない特別な肉体ゲット。チンピラをチンピラから守る。迷い猫だって探してあげる。 いいんです、最初はこれで。ここから少しずつ成長してくれれば。 ところがキック・アスの成長はここでストップ。なぜならここでヒット・ガール、ビッグ・ダディという本物のヒーローが参戦するから。なんかこれワンパンマンのC級ヒーローが地道な努力をしているところに、S級ヒーローがやってきて実力の違いを見せつける感覚に近いかもです。 そこからは私が期待していたのとはちょっと違う展開に。どーしてもヒット・ガール親子が目立ちすぎて、キック・アスは添えもの扱いになっていきます。だってC級ヒーローだもの。 アクションはスピード感があり、バラエティに富んでいて面白い。凄惨なアクションとポップな音楽のミスマッチ感がシュールでクセになる。 キック・アスは強くはなりませんが、ずっと良心的な人物で良い。彼女ともどんどん仲良くなっちゃうリア充展開なので更に良い。一緒に幸せな気分になれます。 そしてなんといってもヒット・ガールのかっこかわいさ。ヒット・ガールにクロエ・グレース・モレッツをキャスティングした時点でこの映画の成功は決まったようなものかもしれません。それぐらい魅力的なキャラクター。 ですので、主人公にもう少し頑張ってほしかった、ということを除けば、エンターテイメントとして良く出来た作品だと思います。 『すごく良い武器があるの。でもちょっと高くて、30万ドル・・・』『無駄遣いは良くな・・・おお、これは・・カゴに入れといて。』と、父が言い、嬉しそうにカゴに入れる娘。一番好きなシーンです。時代だなー。[DVD(字幕)] 7点(2021-04-14 13:31:03)(良:1票) 《改行有》 296. 28週後... 《ネタバレ》 ゾンビ映画として、これ以上ないくらいのクオリティ。ストーリー展開が抜群に良い。 最初のつかみがまずパーフェクト。暗い家の中で息を潜めての生活。前作からの続編なだけに、これだけで置かれている状況が瞬時にわかる。こーゆー『画』でみせる映画は好き。この終末感ばりばりの雰囲気こそゾンビ映画の醍醐味です。 逃げてきた子供。子供を追っかけてきたゾンビたち。つい、板を一枚はずして外の様子を見ちゃう女。そんなささいなことで、平穏な生活が一瞬にして崩れ去る恐怖。こんな薄氷を歩くような生活をずっとしてきたという世界を見せるプロローグが素晴らしすぎます。 2ndステージは28週後。ここからが本編。ゾンビは餓死。ちょっと斬新ですね。ありそうでなかった設定。復興が進んでいて、活気付く都市。願わくば、もう少し復興の様子、人々が再び幸せな生活を営む様子を見せてくれれば、その対比による後半の悲劇が際立ったのではないかと。復興が完璧であればあるほど、それがもろくも崩れ去るときの滅びの美しさを堪能できるってものです。その辺はロメロさんが上手でしたね。 感染が食い止められないと判断されたとき、市民を守るはずだった軍の銃口はその市民へと向けられる。無差別の殺戮がパニックに拍車をかけます。 パニックが始まってから、ストーリーを脱出1本に明瞭化したのも凄く良かったです。パニックムービーとしてもサバイバルムービーとしても文句なしの1本になったのではないでしょうか。 ラストでウイルスに免疫を持つ弟が、感染状態で国外へと脱出。更なる惨劇を予感させる余韻の残し方が嫌いではないです。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2020-02-21 14:58:36)(良:1票) 《改行有》 297. ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 《ネタバレ》 自分から見たわけではなく、妻から誘われてアマゾンプレミアムで一緒に鑑賞。 とゆーことで予備知識なし、期待なし。 ところが、映画が始まってしばらくし、キノコ王国にやってきたあたりからいろんな思い出がフラッシュバック。 特に効果音が最高です。ゲームの効果音が、BGMが、随所にちりばめられている本作。めっちゃマリオしたくなります。 更にはドンキーコングやマリオカートも登場。れ、レインボーロードだ~。これは世代にはたまらないですね~。 ファミコン、スーファミ世代にはぐっとくるものがあります。 ピーチ姫のキャラだけ、ゲームやってたときのイメージとだいぶ違っちゃってましたが。 ファミコンやってたときは、ただただ助けてもらうだけだったお姫様。映画ではマリオ以上に戦うお姫様。これも時代ですかね~。 なんか昨今のDisneyプリンセスと同じ現象がここでも~。 マリオがキノコ王国にやってきたとき、『タイルどうやって宙に浮いているの~』『これどーゆー構造なの~』とか、いちいち突っ込むところ面白い。クッパの弾き語りも最高。爆笑というより、クスクス笑いがたくさんある感じ。 ファイアフラワーやアイスフラワー、たぬきマリオなんかが活躍してくれたのも嬉しい。 猫マリオはやったことないからちょっとわかんなかったけど・・・。 マリオカートではバナナしかけたり、甲羅投げたりと、お約束的みどころがたくさん。 ストーリーが面白いとか、そーゆータイプの映画ではありませんが、ここまでゲームの世界を再現してくれたら満足です。 トゲゾーやメット、ハンマーマリオやじゅげむも見たいものです。 次作ではいろんなマリオが見られるかなぁ。今から楽しみです。[インターネット(吹替)] 7点(2024-05-03 22:43:02)(良:1票) 《改行有》 298. 殺しのドレス 《ネタバレ》 最初にケイト・ミラー(アンジーディキソン)とからんだ謎のグラサンは最後まで謎のままでした。前半あんなに時間とったのに。大胆すぎる思わせぶり。思いつくままに映画を作ったら、ああなったのでしょうか。よくわかりませんが。 地下鉄の黒人ズも、てっきり助けてくれるのかと思いきや、新しいピンチを演出する役割とは思いもよりませんでした。なんかわけもなく怒ってましたけど・・・。 それから、お父さん。奥さん殺されたのだから、もっと出ましょう。怒るわけでもなく、悲しむわけでもなく、まさか出番すらないとは予想外でした。 最後の夢オチは、「あぁ、なんか昔のホラー映画って、こういうシメ多かったなぁ。」と、なんだか懐かしく感じました。と、いうわけで、普通に楽しみました。[DVD(字幕)] 5点(2011-07-19 04:19:50)(笑:1票) 《改行有》 299. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明 クンフーを楽しむのだ。クンフーを。 え?話がとびとびになっている? んなこたぁない。なんとなく雰囲気でわかるはずだ。 そんなことはどうでも良いから、クンフーを楽しむのだ、クンフーを。 えぇ?登場人物たちが何したいのかよくわからない? わかる必要なんてない!クンフーを楽しめ。クンフーを。 突然出てきた道場破りは誰だって? んなこたぁ知らん。あいつはクンフーが出来るから良いんだよ。 クンフーを楽しめ、クンフーを。 えぇ?フーってWHO? ええい、くだらん。 いいか、クンフーを楽しめ、クンフーを。[DVD(字幕)] 7点(2012-05-23 04:19:52)(笑:1票) 《改行有》 300. トイ・ストーリー2 《ネタバレ》 前作の良さを引き継ぎながら、本作ならではの面白さが追加された上質のエンターテイメント作品。楽しさ、面白さの中に、やはり胸を打つシーンが用意されているのも前作同様。言わずもがなそれはジェシーの回想シーンです。前作ではバズが自分がおもちゃだと気づいちゃうシーンで切なくなったものですが、よもやあの気持ちを上回るエピソードを用意してくるとは思いませんでした。まじで切ないです。 人間にとっても不老不死ってのは永遠のテーマであるような気がします。それがおもちゃにとっての博物館。ですが今作ではその博物館へ行くことが本当に究極の幸せの形なのかという問題提起を、ストーリーの中に自然に浮上させている点が素晴らしいと思います。そしてその選択に葛藤するウッディは、まさに不老不死を夢見る人間を鏡写しにした姿かもしれません。死とは誰にとっても恐ろしいものなんでしょう。かと言って『いつか来る死にびくびくしながら人生を台無しにしちゃっていいの?』っていう問いかけが劇中バズから投げかけられます。その問いかけに対するひとつの答えをウッディは悩みながらも答えます。でもそれが、このポップで暖かいアニメだからすんなり心に入ってくるのが 嬉しいです。 そういえば前作ではほとんど活躍の場がなかったポテトヘッド、スリンキー、レックス、ハムがメインのストーリーに進出してくれたのはかなり盛り上がりました。特にスリンキーはお気に入りです。レックスは邪魔しすぎ。全員で、せーので自動ドアを開けるシーンが最高に好きです。 ラストのNG集の遊び心には感動すら覚えます。いや、本当に凄いです。このディズニーの『サービス』にかける情熱は右にでるものはいないんじゃないかとすら思います。その根底にあるのは、ただただ見る人に楽しんで欲しいという真心なんでしょうか。心が洗われるようです。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-06-30 17:30:32)(良:1票) 《改行有》 |
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