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プロフィール
コメント数 3874
性別 男性
年齢 53歳

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341.  グロリア(1999) さて、ジーナ・ローランズの役をシャロン・ストーンがやるとは、まさに使用前・使用後。いやあ、やるもんだ。元映画では鬼ババアとクソガキという素晴らしい黄金コンビだったが、本作はそういう味わいも無く・・・いやいや、こちらも捨てがたい、そう、この関係はまさに「メーテル&鉄郎」ではないか!ちょっと懐かしいゾ。でも鉄郎があまりにイケ好かないのでメーテルもぶち切れ寸前。そうそう、車掌さんがいないのも物足りないな(どうでもいいっての)。ま、80年の『グロリア』があまりにも独自の世界を築き上げているので、リメイクにあたってかなりアレンジして来たのは、当然のことでしょう。それで盛り上がればいいが、バカに徹するなり何なりの割り切りも無く、よって何だか中途半端(しかしバカに徹したら、80年版のファンはさらに激怒しただろうけど)。イマ風に無難に映画をまとめつつ、それなりに元映画と付かず離れずの展開(公共交通機関を使うのがポイント)、そしてしだいに打ち解ける二人。ベッドを共にし、う~む、少年はきっと筆下ろししてもらったにちがいない(失言ですスンマセン)。ラスト、こりゃくどすぎ。感動するより笑ってしまったよ。ところで、いまだに(99年当時で)なんでフロッピーディスクなんだろう。リメイク作品が時流に乗り遅れてるのは悲しい。4点(2004-06-12 02:45:16)(笑:1票)

342.  マッドマックス サンダードーム 私はこの映画には大変お世話になりました。学生の頃、試験勉強中についゴロリと横になってしまうと、なかなか起きられないものです。そういう時、「よし10数えたら起きよう」と決めて、1から数え始めると、「7」くらいでパッと起き上がるようにしていました。実に気持ち良く起きることができます(10まで数えきってしまうと、大抵起きられず、「もうあと10・・・」となりがち)。これは、この映画の、“3数えたらドアを開ける”シーンを参考にしたものです、本当にありがとう。それはともかく、前の第2作があまりにもブッ飛び、バイオレンスの限界に到達していたため、この第3作目はちょっと路線変更、という感じ(賢明と言えば賢明。同じ路線で2作目を超えるのは不可能)。亡き盟友バイロン・ケネディに捧げられた本作は、ハチャメチャ感が薄れ、その分ファンタジー色が強くなってますね。主人公マックスの描かれ方も、寡黙でながらも何だかオリコーサンな、いいヒト。映画音楽も、これまでのハードコア路線から、モーリス・ジャールのお上品なものに(電子楽器オンド・マルトノの柔らかな響き)。それでも何でも、極上のアクション、極上のバイオレンスはやっぱり健在、「最後は必ず正面衝突」という“マッドマックスの法則”を堪能できます。そういえば前作ではタンクローリーが車を引きずるシーンで『西部開拓史』の列車のシーンを思い出させたけど、本作でもスタントマンを機関車にぶら下げて、やはり思い出させてくれる(この映画にコダワリが?)。それ以外にも、走る車を次々に乗り移るシーンがいかにも西部劇っぽい(駅馬車か?)。かと思えば、ドロドロの中から顔がニョッキリ出てくるシーンでは、『地獄の黙示録』すら思い出してしまう(←こういうのは、コジツケでもいいのです。映画を観て、他の映画を思い出す、そのこと自体が楽しいのです)。というわけでこの第3作もまた大事な映画、忘れることはできません。では次回カキコミは第1作の予定、また後日。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-01-23 07:41:29)(良:1票)

343.  犬死にせしもの このカントクがまたワルい人で(そんなこと皆知ってるって?)、テレビ番組出演時にこんなコトを仰ってました。いわく、映画でオシッコするシーンは普通、チューブを取り付けてそこから水を出して撮影するもんだけど、本作ではそんなもんいらんわい、と、今井美樹にホンマにやらせた。まあ、後で泣いてましたけどね。だとか。 アレ、木曜洋画劇場で放送されてた時(いつの話だよ)にそんなシーンあったっけ?と思ったのだけど、テレビだからカットされてたのか、単に私が気付かなかったのか。だって、このシーン、そんなにオシッコ感、ないもんね。 →こういうコトを今さら嬉しそうに書く私も、相当のワルかもしれません。いずれにしても、一番ワルいのは、そんな邪魔な所に立ってる佐藤浩市じゃなかろうか。 ってな訳で、そんなカントクの映画にはワルい点でも付けて成敗しなきゃいけないところですが、それが出来ないんです、困ったことに。この作品のエネルギッシュさには、タジタジとなってしまいます。元気どころの俳優集めて、小船で海を駆けめぐらせ、なんか生命力なカタマリのような作品になってます。 昔どこかで「叫ぶシーンなどが多く、セリフが聴き取りづらい」という批判を読んだ気がします。確かにその通りだと思う。もう少し気を使って欲しかった。でも、そういう部分にも、枠にはまらない豪快さ、ってものが感じられるのも事実ではあるんですよね。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-10 09:27:52)(良:1票) 《改行有》

344.  U・ボート 連合軍を震え上がらせた神出鬼没のUボートも、その内部では、若者達が、潜航時には艦内を駆け回ったり、駆逐艦をやり過ごすために息を潜めて怯えてたりしてた、という話。航行不能で海底に沈んだ絶望的な艦内で、酸素の消費を減らすために眠るんですが、人間、眠ってる間だけは幸せなんですね。で、目が覚めたらやっぱり非常灯の下に沈鬱な艦長の横顔。何も状況が改善していない元の現実に引き戻される絶望感。誰しも似た経験ある生々しいシーンじゃないでしょうか。その他、印象的なシーンやセリフの数々が、どうにも忘れ難い映画です。10点(2003-08-17 14:08:57)(良:1票)

345.  ボーン・アルティメイタム カッコいい映画、ではあるんでしょう。駅の雑踏の中で携帯電話をつかったコンタクトや、街中で突然展開されるカーチェイス。ただ、正直、ストーリーはもうネタ切れじゃないですか、これは。世界各地を舞台にイロイロやってるけど、オハナシはあまり先へ先へとは繋がっていかず、どうも何を描きたいのかよくわからない。主人公のアクションもそりゃカッコいいけど、建物や自動車のガラスをこうも何度も突き破ってみせられると、他にやることないのかよ、と。 で、どうもこの映画は、ただの追いかけっこ映画であって、これといってストーリーと言えるものがないんじゃないか、と思えてくる。そう思えてきつつも、「自分が誰なのか」というこのシリーズの結末を、最後にはちゃんとつけてくれるんだろう、と思っていたら。 なーんか、とってつけたような結末なのでした、とほほ。[CS・衛星(吹替)] 5点(2016-11-19 16:03:11)(良:1票) 《改行有》

346.  キャリー(2013) という訳で、2013年版のクライマックスは、少々物足りなかったデ・パルマ版よりも派手に、『超能力学園Z』よりもナンボか派手になっております。が、残念ながら、バタバタするばかりで見せ方があまり上手くないもんで、何をどう見せたいのかイマイチよくわからん、ってのが正直なところ。「画面分割」という違和感が、本作では無くなって、それはそれで結構なんですけれども、しかし見せ方がちと雑なのでは・・・。 それにしてもキャリー役は、やっぱりシシー・スペイセクにはどうやったって敵いませんわなあ。何というか、あの、内側から滲み出てくるような、筋金入りの不器用さとブサイクさ。役作りなのかホントにこんなヒトなのか、もはや判別不能。それに比べると本作におけるクロレッツちゃんは(←そんな略し方があるのか?)、どうしても「今、頑張ってオドオドした演技をしてますよ」という風に見えてしまう、これは本人のせいなのか監督の演出のせいなのか、判別不能。 と、いろいろ反省点もあるので、これを踏まえてあともう一回くらい、リメイクできそうですね!![CS・衛星(字幕)] 4点(2019-05-05 11:57:19)(笑:1票) 《改行有》

347.  男はつらいよ 柴又慕情 《ネタバレ》 帝釈天の門にあるツバメの巣は、今年も空っぽのまま。「片付けようか」と言う御前様に対し、さくらは「もし来年ツバメが帰ってきて巣が無かったら可哀想」。このやりとりが直後の展開を暗示。とらやには「貸間あり」の掛札、絶妙のバッドタイミングで帰って来ちゃった寅さんがこれを目にして一騒動。こういう流れが、たまらなく可笑しいところでもあり、またホロリとくるところです。2代目おいちゃん・松村達雄も、ちょっと高めの声でまくし立て、喧嘩っ早くて涙脆そうな下町人情オヤジでなかなかの好演。そういえばとらやにナゼか突然ペプシの自販機が登場・・・これはペプシの売り込み戦略か(これは目立ちすぎてやや不自然かも)。さて、またフラリと旅に出た寅さん、旅先で女性3人組と出会うが、そのうちのひとりが吉永小百合ってんだからタマラナイ。しかも、こういう3人組って、一番の美人が、一番婚期が遅かったりするのよね。で、寅さん、御前様の持ちネタ「バタ~」なども駆使しながら彼女たちと打ち解けるうち、水が高きより低きに流れるごとく、吉永小百合演じる歌子さんにメロメロになっていっちゃう。こりゃもうしょうがないよね。でも、この後失恋するとなると、この落差はでかいぞ~。というわけで、なかなかに残酷なシチュエーションの本作ですが、ラスト、結婚後の歌子さんが近況を語る場面で、一瞬写る歌子さんの旦那が、これが実にブ男(←失礼)。ああ、これだったら、タイミングさえよければ寅さんにもチャンスはあったのだなあ、とホッとするやら、ねたましいやら。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-13 17:45:20)(良:1票)

348.  007は二度死ぬ 本作の後、ショーン・コネリーはボンド役をいったん降りているので、「あーやっぱり、この珍品、主演として相当ツラかったのかなあ」と以前は気になってたのですが、最近は、「きっとボンド役を極めたからこその降板だったんだろう」という風に無理やり解釈させていただいております。 それにしても夢のある作品。これだけのバカバカしい内容を、いかにも豪華そうに描いて見せる。エキストラを大量に動員したと思しき大相撲シーン。自動車を電磁石で釣り上げたヘリが飛ぶ、その背景には東京タワー(こんなシーン、もう撮れないでしょう)。オートジャイロとヘリ軍団のドッグファイト。無駄に大規模な敵の基地へ突入する忍者軍団。 あ、脚本、ロアルド・ダールだったのか。東洋の謎の国ニッポンは、夢のチョコレート工場みたいなもんですかね。 という訳で、世界で忘れられることがあっても、日本人は語り継いでいくべき作品でしょう。それが、こんな映画のロケを許可してしまった日本人としての責務かと(笑)。そういや昔、探偵ナイトスクープで、ロケ地を探しにいくってのがありましたが。[CS・衛星(吹替)] 8点(2016-08-21 11:16:53)(良:1票) 《改行有》

349.  告発のとき トミー・リー・ジョーンズの武骨な顔に、抑えた表情。これがいいのです。感情をぶちまけることなく抑えているからこそ、さらに抑制された「無表情な言葉」で語られる真相が、ショッキングなものとなります。真相そのものは、ミステリとして捉えるならば実にストレート、ある意味平凡なものかも知れませんが、同時にこの上もなく残酷なものでもあります。そして、映画で繰り返される、息子との電話での会話、断片的な動画、そして道端の何かを捉えた写真、といったものが、最後に明らかになった真相とともに、強烈な意味をもって迫ってくる、その衝撃。悲惨な戦場と猥雑なアメリカとをつなぐのは、「息子」たちの無意味な死であった、ということ。やはり「息子」の母親である女性刑事を配置するなど、人物設定も上手く、見事な作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-03 23:36:58)(良:1票)

350.  恐竜グワンジ 《ネタバレ》 どうせグワンジ君は映画中盤くらいまで登場しないんだろう、と思ってたら、まあ、その通りなんですけれども、いざ登場したらもう、圧巻です。これでもか、と細かい動きを見せてくれます。 ストーリーはつまるところ、『キング・コング』と大差なく、とっ捕まったグアンジ君が見世物として連れてこられた都会で逃げ出し大暴れ、というもの。しかしやっぱり都会で暴れてナンボですから、これでいいんです。原子怪獣リドサウルスしかり、金星怪獣イーマしかり。などと言ってると、炎に包まれた最期とか、ゾウとの死闘とか、『キング・コング』以外にも色々と焼き直しが入っているような・・・。 しかしコレ、特殊効果の技術はスバラシイです。まさにダイナメーション技術の到達点。人間と恐竜とが直接触れ合うのはさすがに無理だとしても、投げ縄で両者を繋いで見せるなど、俳優とコマ撮り人形とが同一画面上で一緒になってアクションを繰り広げます。スティラコサウルスの腹に槍を突きさすシーンなど、あまりに自然な描写となっていて、ドキリとさせられる程。 グアンジ君はちょっと青みがかった色をしていて、何故かそういう点にも妙に納得してしまう。恐竜ってのは爬虫類、トカゲの親分。え、羽毛恐竜だって? そんなの知りません。グアンジ君は腕の指が三本、だったらきっとアロサウルスだね。アロサウルスは青色、ティラノサウルスは茶色。という私の間違った思い込みを補強してくれる、これは実にいい映画です。 西部劇と恐竜、という相性もバツグンで、それでいて終盤はパニック映画にもなっていて、別に過去の作品の焼き直しだっていいじゃないの、見どころは一通り押さえていて、特殊効果も手抜き無し。何より、これぞ恐竜、という描写がうれしくって。いやあ、いい仕事してます。[インターネット(字幕)] 7点(2021-08-12 17:50:09)(良:1票) 《改行有》

351.  インナースペース 無数の(?)“スピルバーグ印”映画が溢れ返っていた頃の一本、ですけれども、久しぶりに観て、アレ、こんなに面白かったっけ、と(笑)。製作から20年も経って、最早あんまし話題にも上らなくなった今こそ、素直に楽しめてしまう。単に私のセンスが20年遅れなだけかも知れないけど。『ミクロの決死圏』なる作品がある以上、「小さくなって人体に入る」なんてことは珍しくもない。だから、そのプロセスは何の説明も無く、アッサリ描かれ、あとはとにかくドタバタを徹底。ミクロ化した主人公なんぞ、ほとんどそっちのけのドタバタ、このケーハクさが、20年経った今、何とも心に沁み入りますなァ。この映画の教訓(?)と言いますと、もし、知り合いで最近言動のおかしいヒトがいたら、ああ、あのヒトの中にはミクロ化したオッサンが入ってて、内部でイタズラされてるんだろうなあ、と疑ってみる必要があるという事ですね。え?オマエが一番あやしい、ですと?[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-14 15:26:47)(笑:1票)

352.  永遠の0 《ネタバレ》 これはもう、原作の悪い所がそのまんま出ちゃったなあ、と。 原作自体、正直、これを小説として読むことはできず、情報の少なさをフィクションと著者の感想とで水増ししたルポルタージュ、として受け止めてしまったんですけれども、映画化にあたっても、原作の基本構成は変えられず、結局、特攻というものに対する感想を述べ続ける映画になってしまいました。いや、映画らしい味付けも確かになされているんですけどね。染谷将太復帰の場面を視点を変えて繰り返し描く場面なんかもちょっとした面白さがあるし、井上真央が染谷将太をいったん拒絶する場面なんかも原作の弱さを補っているとは思います。 ただやっぱり、いちいち挿入される現代パートが、ひたすら胡散臭さにしか繋がっていなくって、こればかりはもう、どうしようもありません。 CGによる描写は、意外によくできていたなあ、と感じる部分もあるのですが、ただ残念ながら、あの戦闘機なり軍艦なりに、肝心の「生身の人間」が乗っているようにはどうしても見えない、ってのは、やはりイタいです。[ブルーレイ(邦画)] 5点(2021-01-04 17:56:57)(笑:1票) 《改行有》

353.  怪獣島の決戦 ゴジラの息子 《ネタバレ》 試しにウチの娘に見せてみたら、意外に喜んでた! わが子ながら、見る目がある(いや、無いのかな。笑)。ここは南の島、ゾルゲル島(←島の名前くらい、ちゃんと考えろよなあ。豆乳はゾル、豆腐はゲル。ってか)。そこでは日本の研究チームが、食糧問題を解決すべく、「シャーベット計画」が進められていた(何がしたいのかも、何故こんな辺鄙な場所でやっているのかも、問わないことにする)。しかし実験は失敗、もともと、島には巨大カマキリが生息していたのだが、実験の影響でさらに巨大化、怪獣カマキラスとなってしまう(島中のカマキリが巨大化したら大変なことになりそうだけど、意外に数が少ない)。巨大カマキリどもは、何を思ったか、突然地面を掘り返し始め、すると地中から現れたのは何と巨大なタマゴ。いったい中から何が出てくるのか。ウチの子もワクワクしながら見ていると、何と、中から出てきたのは、ガチャピンを気色悪くしたような顔の、ゴジラの幼虫でしたとさ。このショボさ。うちの子もさすがに呆れるかと思いきや、このあたりから映画にのめりこんでいく。それでいいのか。でも確かに、面白いっちゃあ、面白い。ミニラをカマキラスどもが理不尽にもいじめていると、親ゴジラが来てカマキラスを一喝。その後、親ゴジラの熱血指導により、熱線の吐き方をマスターしたミニラは、カマキラスに仕返しをしようとするのだけど、返り討ちに。とまあ、とにかく人間的で、ほほえましいことこの上ない。さらには、ゾルゲル等に住む巨大クモ:クモンガまでもが目を覚まし、怪獣たちが決戦を繰り広げる展開。このあたり、「宇宙人の侵略」みたいなオソロシゲなものではなく、あくまで地球の怪獣同士のノンビリした対決、安心感もありますし、またカマキラスやクモンガの動きもなかなか見事なもので、伝説のカルト芸人“テント”のネタ「クモの対決」を思い起こさせるものがあります。ウェッウェッ。そしてラストの、雪の中で抱き合うゴジラとミニラの、哀愁漂う姿。巨大なもの同士であるがゆえに、その身を寄せ合う姿は印象的、これは名シーンですね。うん、いい映画じゃないですか。[DVD(邦画)] 7点(2010-02-24 22:47:13)(笑:1票)

354.  男はつらいよ 寅次郎夢枕 ナントモまとまりのない作品なんですけども、その分、ドタバタの効いたファースな作品になっております。セリフが冗長でクドイと思えてしまう部分もあるものの、ギャグも充実してて、一長一短。個人的には、冒頭の渋柿のくだりでバカ笑いしちゃったもんで、この時点で笑いの導火線に火がついちゃった、ははは。途中、旅先のシーンでヴィヴァルディの『四季』をかなり長々と引用して、ちょっと真面目な雰囲気も出すけど(なんだか『四季』がまるでイイ曲みたいに聴こえてしまったぞ)、あとは、寅さんの恋と、ナゾの東大助教授とが、噛み合うようで噛み合わず、支離滅裂なストーリーのまま強引に終わっちゃうスゴイ展開、暴走気味の作品でした。どうでもいいけど大学でのロケ、ありゃ東大じゃあないよな。もしやニセ助教授だったのか?  (ところで、最後にせっかくイイ感じになったのに引いてしまっていまくいかない寅さん、ウチの妻が観てて業を煮やし、「こんなの男じゃない!」と。「じゃああの助教授の方は?」「あれは人間じゃない!」・・・だそうです)[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-04-15 19:40:08)(笑:1票)

355.  ぼくのエリ/200歳の少女 《ネタバレ》 いや~、何と言っても、少年の白パン一丁姿。これほどまでに「無防備」を感じさせるものはありません。 で、その少年が、ある少女と知り合う。この少女とは、色んな意味で決して結ばれることはないんだけど、だからこその、この愛。痛々しいんです。実際、少女は少年の前で血まみれになってみせる。 題材的にも「血」というものが何度も画面に登場するのですが、必ずしもホラー作品としての残酷描写をそこにのみ求めていないのが、いいですね。猫が襲ってくる、あるいは突然体が炎上するショックシーンの、うまさ。 少女は身寄りを失い、一方の少年はイジメに立ち向かう。だけどクライマックスでは、水着姿の少年はやっぱり無防備で、やっぱり少女に救われる。救われるけれどもちろん「ああよかった」というシーンではなくって、これこそが運命の残酷さ、というべきもの。 切ない映画でした。[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-06-15 10:22:59)(良:1票) 《改行有》

356.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 遠藤周作の小説の映画化ですから、やっぱり竹中直人に出演して欲しかったなあ、と。何の役かというと勿論、「カメオ出演する原作者」の役で(そんな役、無いけど)。 「イエスの生涯」で遠藤周作はイエスを、ただひたすら愛を説いて十字架上に死んでいった無力な青年、人々の苦しみを分かち合う「永年の同伴者」として描いており、そしてこの「沈黙」における「あの人」もまた、弾圧される信者たちや主人公を直接的に救うことはなく、しかし彼らの苦しみに寄り添う存在として描かれています。 しかしその一方で、この「沈黙」には、異端の者として挫折していく主人公の哀しみ、みたいなものが同時に描かれていて、遠藤作品では「留学」などが同様の視点を感じさせますけれども、これにはもしかしたら、極東の地に生まれてキリスト教の世界では傍流を歩まざるを得ない作者自身が、投影されているのかも知れません。 という点から見ると、やはりこれは、あくまで欧米人の視点で描いた映画なんだな、という気がしてきます。あくまで主人公と神との関係(あるいは、信者と神との板挟み、とでもいうか)に主眼が置かれていて、そして信仰心そのものに主眼が描かれていて、異端の哀しみみたいなものは、あまり感じられない。これはこれで、なるほど、と思わせるものは、あります。 舞台となっている長崎、五島列島の風景は、どことも得体の知れぬ、何やら地の果てのような雰囲気であって、我々日本人の目にすらも「見知らぬ異国」として映る、謎めいた世界のように描かれています(日本でロケしてないから、と言っちゃあ、それまでだけど)。原作同様のセリフが登場しても、どこか雰囲気が異なっているのは、そこに、自国としての日本、という感覚が一切含まれていないからでしょうか。作者が日本人であり続けねばならなかったように、主人公も日本人として後半生を送らねばならかった、そのことへの諦念よりも、「形はどうあれ、やっぱり信仰心、だよね」というノリで押し切ってしまうのが、やはり欧米の視点、なんですかね。 と言う訳で、次は是非「おバカさん」の映画化をヨロシク![CS・衛星(字幕)] 8点(2020-12-07 21:34:29)(良:1票) 《改行有》

357.  カイジ 人生逆転ゲーム 《ネタバレ》 SLAVEカードを何番目に出そうと、要するに、自分がSLAVEを出す時、相手がCITIZENカードを出したら、SLAVE側の負け(※)。 なので、SLAVE側が負ける確率は4/5 3回やって、3回とも負ける確率は、4/5 × 4/5 × 4/5 = 64/125。 引き分けは無いのだから、3回やってSLAVE側が1回は勝てる確率は、1 - 64/125 = 61/125。 なので、61:64でSLAVEがわずかにEMPERORより不利とは言え、まあ、トントンと言っていいでしょう。 これでレート10倍、だそうですから、期待値としてはSLAVE側が圧倒的に有利。むしろ美味しすぎるのでは? という説。 ⇒興味のある方は、「サンクトペテルブルクのパラドックス」ってのも、調べてみてください。 それにしても石田のおっさん、どうしてあんな土壇場の平均台の上で、長々と身の上話を始めてしまうのか。これじゃ、(本人は「足が震える」などと自己申告してるけど)余裕があるんだか無いんだか、よくわからない。身の上話って、映画の中のもっと早い段階(明らかに余裕のある段階)でしておくべきでしょう。そうすれば、「身の上話をした段階から平均台の上まで」が、我々にとって、「このヒトには死んでほしくない」と思える時間になる訳で、その時間をたっぷり取ることができたはずなのですが(意地の悪い人は、「死亡フラグ」と呼ぶのでしょうが)。 もしかしたら、作り手もそんなことは百も承知で、でも映画の中にそんなマッタリした時間帯を作る訳にはいかぬ、テンポよく物語を進めねばならぬ、ということなんでしょうか。でもそのせいで、おっさんは、何の余韻も残さず映画から消え去り、何の印象も残さず我々の意識から消えていく。 それにこのシーン、風が吹いて危機一髪、ってんなら、旗か何か、強風を表現するものを画面に配置するような工夫があってもよいと思うのですが。 (※)自分がSLAVEを出す前に相手がEMPERORを出して終了しちゃうケースも、ここに含みます。もしも終了せずにゲームを続行すれば、「自分がSLAVEを出した時に相手がCITIZENを出す」ケースに該当することになるので。[地上波(邦画)] 4点(2020-05-04 15:12:28)(良:1票) 《改行有》

358.  カメラを止めるな! 映画の撮影の裏側を描く作品って、楽屋ネタみたいなのばっかりだったらヤだな、と思うのですが、その点、本作は、「映画って、こうやってみんなで力を合わせて作るもんなんだよ」という、シンプルで、感動的で、「映画」という枠を超えた一般性のあるメッセージへと、自然に繋げていってるのがいいですね。 単なるアイデア勝負みたいな面もあるんですけれども、多少強引な演出が、よりその可笑しさを際立たせているし、「まさかそこが笑わせるポイントだったとは」という意外性が、二重の笑いを生む仕掛けになってます。[地上波(邦画)] 7点(2019-06-30 17:11:13)(良:1票) 《改行有》

359.  X-ミッション もう邦題を考えるの諦めちゃいましたね。X-ミッションだって。ヤケクソですね。 それにしても、予告編が何ともカッチョよかった作品ですが、本編もその拡大バージョンというか、単なるスタントシーンのカタログですね、これは。 いや、冒頭ですでにイヤな予感はしたんです、コレ、アクションをつなぎ合わせただけのコラージュ作品じゃなかろうか、と。 正解でした。 実際、これだけよくやったもんだ、大したもんだ、とは思います、頭が下がります。でも、それだけじゃあ、ねえ。 それに、これがホンモノのアクションだといわんばかりの、スタントが売りの作品で、CGを多用してしまうのは、逆効果でしょう。[DVD(吹替)] 5点(2016-08-11 20:18:58)(良:1票) 《改行有》

360.  TRICK トリック 劇場版 タイトルが『トリック』だから観るのである。なのに。この映画(映画と呼びたくもないが)のどこにトリックがあるんだよっ。大体、なーにが「トイレツマル」だよ。一体どれ程使い古されたネタを出してくるのか。その辺の子供向けの推理クイズの本に乗ってるネタである。恥ずかしくないのかね。他のネタも同レベル。「新しいトリックをひねり出してアッと言わせてやろう」などという意気込みは皆無、その辺に転がってる小ネタを拾って来て取り繕っただけ、ストーリーの骨格に至っては目も当てられないクダラナさ。ではせめて映画作品としての楽しさがあるのかというと、さらにお寒い限り。映像は凝ってるつもりかも知れんが、「凝った映像」とは、カメラワークのお遊びではナイ。ひとつの映画世界を「作る」という作業である。カメラアングルに収められた映画世界、その全てが人工的である必要は無いが、その全てに対し責任を負わねばならない。本作のどこに「創造」というものが感じられるだろうか。こんなお手軽な「思い付き」と「間に合わせ」によって作られたシロモノは、所詮、化学調味料で自慢げに味つけした闇鍋といったところだろう。というわけで、ミステリーの楽しさも映画の楽しさも無く、間違ってもコレが後世に残ることは無い。普通なら0点である。しかし。設定は確かに面白い、いや、「頑張れば面白くできる要素を持っている」、というべきか。テレビ版のファンは私の周りにも何人かいるし、期待を込めてギリギリの1点である。エラそうに言って本当に申し訳ないが、偽らざる気持ちである。1点(2004-03-14 17:19:53)(良:1票)


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