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プロフィール
コメント数 270
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 歳をとるごとに趣味と呼べるものがだんだん少なくなり、今では多忙ななか映画を鑑賞することがひとときの楽しみとなっています。
無数の作品の中から良作を探し出すツールとして、本サイトのお世話になっています。

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21.  ヒックとドラゴン 《ネタバレ》 1回目に観た時はストーリーを追って終わってしまったが、たまたま2回目に観た時に、この作品のすごさを実感した。特にその映像クォリティーの高さには驚愕の一言だ。一日の時間帯による陰影の違いや、各キャラクターの表情、ドラゴンの創造性など、アニメーションはもはや役者による演技を超えたかと思わせるレベルに達している。吹き替えの声優もぴったりだったことも申し添えたい。ドラゴンを調教するところなどはアバターに既視感があるが、これも映画館で3Dで観なかったことを後悔させるレベルだった。また、ヒックとトゥースが少しづつ信頼を築くところを時間をかけて丁寧に描いたところも好感がもてる。「となりのトトロ」のように、観客も一緒になって未知の怪物と友達になっていく「子ども心」に同化させてしまう。何より、ドラゴンを最初は「害虫」と紹介していたのに最後は「ペット」として共生してしまうストーリーは、ご都合主義とはいえ、相手を知らないがゆえに恐れ、排除しがちな人間心理に対する一つのアンチテーゼを示しており、メッセージ性も非常に高い。本作といい「トイ・ストーリー3」といい、かつて「冒険活劇」として観客を楽しませた「映画」が再び蘇ったかのようで、素直にうれしかった。本作は2回以上鑑賞することをお勧めしたい。[DVD(吹替)] 9点(2011-01-01 15:11:53)(良:2票)

22.  ブラッド・ダイヤモンド 社会派の話題作とは聞いていたが、予想以上に社会問題とエンターテイメント性を高次元でバランスさせた佳作だった。本来はマスコミがもっと取り上げるべきテーマを、あえて高いコストをかけて映画にするというリスクを選択した製作者に敬意を表したい。前の方が言っていたようにレオのような人気俳優が主演でなければ、観客動員は期待できなかったかもしれない。そのレオの演技も光っている。展開が早く、冒頭から作品世界に一気に引き込まれる。そして何よりもこのエンターテイメント性に埋もれることなく、(たとえ作品がフィクションであっても)この作品が訴えようとしている「真実」はしっかりと伝わってくる。象牙であれ、金であれ、ダイヤモンドであれ、我々が目にするそれには目には見えない血がベットリと着いている(かもしれない)という真実。耳を澄ませばそこから罪なき家族の悲鳴が聞こえてくるという真実。いつの頃からか人間が命以上のものを欲しがるようになって以来この悲劇が繰り返されてきたという真実。私は妻に贈って以来ほとんどフタを開けたこともない(これからも恐らくほとんど開けることのない)いわゆる給料の3ケ月分の婚約指輪がわが家にあることを、こんなに恥ずかしく思ったことはない。私たちは現代社会に生きるものの努めとして(過去の無数の血と悲鳴の歴史の果てに生きるものの努めとして)この映画が訴えようとしていることは知らなければならないと思った。[映画館(字幕)] 8点(2007-05-01 18:29:37)(良:2票)

23.  ミスト 《ネタバレ》 若干の予備知識ありで鑑賞したにも関わらず、スーパーに立てこもる人々に迫り来る脅威にドキドキしながら引き込まれた。 「霧」という舞台装置を上手に使い、見えざる脅威を少しづつ明らかにしていく展開は秀逸と評価できる。 この手のシチュエーションホラーではよくある展開だが、本作でもはやり非常事態における「人間同士の諍い」をメインテーマに据えている。 特にある狂信的な女性が、危機が深まるにつれ群衆の共感を得ていく様子は、私たち日本人には異様に映る。 自然現象のほとんどを科学的な理解の内にいれている(と思い込んでいる)人ほど、人智を超える現象を目の当たりにしたとき、一種宗教的な感情に引き込まれやすいことを本作では上手く表現している。 また人々が不安と恐怖に陥る状況下で、その場にリーダシップをとれる人物がいるかどうか、またその人物が冷静な判断ができるかが実際には重要な鍵を握るわけだが、本作ではそれが決して簡単ではないこともよく表現できている。 本作の主人公は一見そのリーダータイプと思わせながら物語は進行していくわけだが、本作ではそうした予定調和に納めないところに独特のユニークさがある。 話題になっている救いのないラストの展開だが、妻も犠牲になっており、頭上を闊歩する巨大な異生物を見てしまった主人公の絶望の後では、十分にありえる行動だと納得できた。 そうした意味で、本作はどのジャンルにおいても類似性を見ない、特異なサスペンスホラーとして一定のクォリティーをもっており、佳作といえる。 ※蛇足だが、ダラボン監督ということもあり、後の「ウオーキング・デッド」のキャストが数多く出演していることは意外な発見だった。[インターネット(字幕)] 7点(2018-02-21 11:21:59)(良:2票) 《改行有》

24.  バイオハザードIV アフターライフ 初期のゲームのファンであり、1作目から全て観ているが、だんだん面白くなくなってきているのが悲しい。監督が「バイオ」を今はやりの3Dでやってみたかった、みたいな観客本位というより製作者本位の姿勢を強く感じる。まるでミラ・ジョヴォビッチのPVのようだ。地球がこんなに退廃しても地下で野望を企み続けるアンブレラ社の目的もなんだかもう必然性を感じないし、別な方も書いているとおり、かつては人間だったアンデットという存在がもつ「悲しみ」はとうに消え去り、単なるモンスター軍団と戦う美女のスタイリッシュな映像集になっている。ジエンナ・ギロリーの登場にはハッとさせられたが、次回を観させようという終わり方も、もうい加減にしてほしい。[DVD(字幕)] 4点(2011-01-01 14:39:16)(良:2票)

25.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 ストーリー自体は予告編から推測できる範囲を決して超えてはいないが、よくあるパニックアクションというよりも、最近はやりのサイエンスヒューマンドラマといったテイスト。宇宙飛行士の訓練というのは、想定されるあらゆるアクシデントに備える目的が大半と聞いたことがあるが、本作の主人公は出来過ぎなほどポジティブでどんな時もユーモアを忘れない、ある意味で苦難に挑戦する人間として理想の人物像であるところが本作の魅力のひとつだろう。また、主人公が植物学者というご都合主義はご愛敬としても、火星で生き延びるための科学的知見に基づくアイデアの数々(水の生成やプルトニウムを利用した暖房、16進法を活用した通信など)は、観る者の科学的好奇心を刺激せずにはおかない。そして、それらにも増して本作が最も魅力的なのは、火星に取り残された「たった1人」のために、予算やリスクを顧みず、あらゆる手立てを尽くそうとするNASAを始めとした人間達の奮闘である。こういった作品には珍しく主人公の家族は登場せず、地球で彼を待ちわびる群衆の表現も最小限であるにもかかわらず、鑑賞後に爽やかな印象が残るのは、終始流れる明るいオールディーズによるものだけではなく、1人の救出のために多くの人が力を合わせる「地球という素晴らしい星に私たちも住んでいる」という希望と一体感をわずかでも感じられるからかもしれない。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-06-13 17:55:29)(良:1票)

26.  マン・オブ・スティール 《ネタバレ》 製作がクリストファー・ノーランということで、バッドマンの時と同じように、無敵の力をもったヒーローに人類はどう向き合うのか、それでも守る価値があるのか、という哲学的テーマをもった作品で「スーパーマン・ビギンズ」にした方がしっくりくる内容。映像は「第9地区」や「世界侵略・ロサンゼルス決戦」のようで、ヒーローものというより、エイリアン同士の戦いのような映画だった。基本設定やプロットは1978年のリチャード・ドナー版を踏襲しているため、どうしても比較してしまうが、35年の進化を感じさせたのはVFXくらいで、ピンチに陥った人々を助けあのさわやかなスマイルを残して飛び去るというシーンは皆無であり、眉間に皺を寄せて自身の存在に悩みまくるヒーローが描かれている。あの鮮やかなブルーのコスチュームが暗色になったのは良いが、笑える場面もなく、地球での両親との絆やロイス・レインとの恋もどこかぎくしゃくした印象が否めない。ただ、格闘シーン等のVFXは素晴らしいので3Dでの視聴をオススメする。おそらくは、この製作陣でまた3部作くらい作るのだろうから、次回作に期待したい。[映画館(字幕)] 6点(2013-08-31 10:02:12)(良:1票)

27.  クリード チャンプを継ぐ男 《ネタバレ》 本作の魅力のひとつは、もう見られないと思っていたロッキーの「その後」が見られることだ。地元でレストランを営み、街の人からも「チャンプ」と愛され、エイドリアンやポーリーの墓前で独りごちる姿は、想定の範囲内とはいえ映像で見られるとうれしい。そして、もう一度ロッキーが戦うストーリーを作りたいという制作陣の欲求と、老ロッキーが、あのミッキーのように若手を育てる姿を見たい、という観客の欲望が形になった作品といえるだろう。したがって、主役の位置づけである「クリード」すら食ってしまうロッキーの存在感は、いたしかたがないだろう。また、そのために「アポロに実は息子がいた」という設定を無理矢理つくっているので、あとのストーリーはどうしてもこじつけになってしまっているのは否定できない。とはいえ終盤にようやくあのビル・コンティの名スコアが流れてくれば、もう全て許せてしまう。ちなみに本作のもう一つの魅力であるファイトシーンはプロが参加していることもあり、撮影技術も相まってハイレベルに仕上がっている。周囲をぐるぐる回るカメラワークは今までにない臨場感があったし、控室からリングに上がるまでの長回しなども、リングに向かう緊張感がよく伝わってきた。若き監督が意欲的に挑んだロッキー続編として評価したい。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-05-07 11:36:34)(良:1票)

28.  ハンターキラー 潜航せよ 《ネタバレ》 本作が劇場公開されていたことも知らなかったくらいマイナーな印象だったが、なかなかどうして最後まで飽きることなく見せ場が続く良作だった。 ロシア国防長官によるクーデターを察知した米海軍が、命がけでロシア大統領を救出するというプロットがまず面白い。 いささか荒唐無稽ではあるが、過去にゴルバチョフを失脚させた彼の国ならばありえなくもないという、ギリギリのリアル感はあるからだ。 途中でロシア潜水艦の艦長を救出したり、敵アジトでロシア大統領のSPを味方につけるという、ストーリー展開欠かせないご都合主義はあるものの、ジェラルド・バトラー演じる艦長とロシア艦長の友情を徐々に成立させていく過程は丁寧に描いており好印象。 また特殊部隊デルタ・フォースの陸戦と潜水艦との連携作戦という展開も新鮮で見応えがあった。 加えて(他の方も言われているように)、潜航時に艦が傾斜する(したがって乗組員も傾斜する)という、考えてみればあたりまえのシーンが恐らく本作で初めて挿入されているところもリアルで新鮮だった。 いずれにしても、潜水艦版「ミッション・インポッシブル」といえるような良質なサスペンス・ミリタリーアクションに仕上がっている本作は予想を超える面白さだった。オススメ。[インターネット(字幕)] 8点(2019-11-07 10:46:39)(良:1票) 《改行有》

29.  ウルヴァリン:X-MEN ZERO 《ネタバレ》 X-MENは第1作のみ鑑賞。そんなに思い入れのあるシリーズではなかったが、それなりに楽しめたのは、やはりミュータント達の特異能力を見せ場としたCGアクションにあったと思う。この作品は科学的根拠を考えると途端に興ざめしそうなので、細かい詮索はしないほうが良いかもしれない。それよりウルヴァリンを演じるヒュー・ジャックマンの常に憂いを帯びた表情と、一方安息の日々を手に入れた表情の対比が上手く演じられており、自然に感情移入させられた。ケイラのくだりは鈍感な自分には全く予想できなかったため、物語に意外性も感じられ、退屈することなく最後まで見ることができた。ただ、やはり前3作とも見てからの方がより楽しめたかな。[映画館(字幕)] 6点(2009-09-30 11:04:25)(良:1票)

30.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 アクション重視のジェットコースタームービーとしては大変面白かったが、不朽の名作ダイ・ハードの名を冠されるとやはり「?」がついてしまう。シュワちゃんが主役でも良かったのではと思うほど不死身のヒーローと化したブルース・ウィリスおじさんでしたが、目の前にある状況を瞬時に攻撃に利用するといったマクレーンらしい場面もいくつかあり、シリーズ最新作としてはギリギリ及第点か。はやりダイ・ハードは「限られた空間」での攻防戦に魅力があることを再認識。それにしても最後の戦闘機はやりすぎの感強し!次は是非ホワイトハウスなんぞで事件に巻き込まれるマクレーン刑事が見たいですな。[映画館(字幕)] 7点(2007-07-19 12:39:32)(良:1票)

31.  リアル・スティール 《ネタバレ》 いわゆる「父子ボクシングもの」であり、ラストのカタルシスへの持って行き方も最初からある程度予想できるわけだが、「近未来」「ロボット格闘技」そして「ATOMのシャドー機能」という設定により、予想以上に面白い作品になっている。特筆すべきは「トランス・フォーマー」「アイアン・マン」を経てモーション・キャプチャ技術が進歩したこととCG技術が相まって、ロボットの描写がほぼ実写と区別がつかないレベルまで達していること。日本なら「鉄腕アトム」や「ドラえもん」ひいては数あるロボットアニメなんかも、ハイクォリティで実写化できる時代になったということか。いずれにしてもSF映画の可能性がぐんと広がっていることを実感させる映像だった。さらに印象的なのはマックスを演じるダコタ・ゴヨの名演技だ。マックスはロボット好きがきっかけで最初は父の「興行」に同行するわけだが、かつての父の栄光と挫折を知ってからは、ロボット格闘を通して父が立ち直ることを望むようになる。ラストファイトで闘志を蘇らせた父を見て涙を流すシーンは、マックスの視点がいつのまにかロボットから父に変わっていたことを自然に表現した良いシーンだ。最後、この親子がどうなったかを見たい気もしたが、そのあたりを小気味よく切り落としたことも返って良かったと思う。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-06-18 12:20:01)(良:1票) 《改行有》

32.  IAM A HERO アイアムアヒーロー 原作未読。いわゆる和製ゾンビものだが、ありがちな海外ゾンビの劣化版ではなく、ジャパニーズホラー要素をうまく取り入れ、独自性を生み出すことに成功している。冴えない漫画家志望の主人公が、たまたま銃(と免許)を所持していたがゆえに「ヒーロー」として覚醒していく話だが、このへんの日本的な設定も含め、海外の映画祭で好評を博したことも理解できる。ZQN(ゾキュン)という意味不明な呼び名や、発症しても個人的な記憶は残っており、ぶつぶつ独り言を言う設定なども面白い。 スプラッタ表現も手抜きはなく、画面はショックとエグさの波状攻撃なので、万人にお勧めできる映画ではないが、その中でも大泉洋のとぼけキャラや、有村架澄・長澤まさみといった綺麗どころが画面をマイルドに中和させてくれるおかげで、終始不快なレベルではなかったことはキャスティングの妙か。 いずれにせよ、ユニークな原作設定をモチーフに、意欲的なジャパニーズゾンビパニックとして一定のレベルに仕上がっていることは間違いない。[映画館(邦画)] 7点(2016-05-06 13:38:15)(良:1票) 《改行有》

33.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 万感の思いの中で2度鑑賞。私にとって先々行、先行上映と2回続けて劇場に足を運ばせる作品はこのシリーズ以外にない。27年前、「遠い昔 銀河系の遙か彼方」に連れて行ってもらい、普通の人生では決して見ることのできない世界を見せてくれたジョージ・ルーカスにとにかく感謝である。全世界が待ち望んだ(でもない人も多いか・・)サーガの完結だけに、物語への評価は様々だ。個人的には、全体がダークなトーンだけに、C-3POとR2-D2のユーモラスな掛け合いがもっと欲しかったし、とにかく全体の尺が足りなすぎる!この際興行としての成功を無視して4時間位の作品にしても良かったぞルーカス!それとも小説を読ませる戦略か?しかし、もし何らかの事情でEP3が製作されなかったり、あるいはルーカス以外の誰かが製作した場合を想像したら、それこそデモが起きかねない位置にある作品である。ルーカスが語りたい物語を語った、それでいいではないか。スターウォーズが映画界の視覚効果の可能性を押し広げてきたことは誰人も否定しようがないし、今回もその最新のテクノロジーがふんだんに投入されている。主要登場人物の対決も多く、みどころ満載である。皆「ライトセーバー」を操るため、チャンバラシーンが多い。ホントに時代劇好きなのねルーカス。[映画館(字幕)] 10点(2005-07-03 21:57:37)(良:1票)

34.  サロゲート 《ネタバレ》 結構な出来だ。何がかというと、サロゲート(ロボット)の表現が自然で、いかにもありそうな画のつくりは、このようなSF映画にとって生命線である。私はこのような近未来SFの場合、本当にありえるか、というリアリティよりも、もし○○だったら…という仮説を映像化して娯楽として提供する点を評価したいと思う。したがって、本作の画としてのリアリティは俳優の演技も含め及第点だ。それにしても、街を歩く女サロゲートが皆ボインなところとか、皺がないところなど、現代女性の欲求を端的に示していてまんざらSFでもないなと笑ってしまった。[DVD(字幕)] 7点(2010-08-02 09:37:04)(良:1票)

35.  探偵はBARにいる3 《ネタバレ》 今回も札幌・ススキノを舞台に、大泉洋が八面六臂の大活躍で、監督が代わってもシリーズがもつテイストはしっかりと継承されている。 ススキノという大歓楽街に行き交う人々が抱えるどうしようもない哀しさ、せつなさが本シリーズのベースになっているわけだが、その中にあって大泉と松田龍平のトボけたキャラクターが独特の可笑しさを醸し出し、暗いストーリーに笑いが丁度よくブレンドされているのが独特の味になっている。 今回のマドンナ役北川景子も美しく、振れ幅の大きい役柄を魅力的に演じている。 背景となる事件や犯罪が若干現実離れしているところや、昭和の刑事ドラマばりの泥臭い殴り合いは、あえて割り切った志向と思われるが、その辺りが時代遅れと感じる向きもあるかもしれない。 それをわかったうえで、伏線となるエピソードや謎解きのミステリー要素を素直に観れば、きちんと楽しめる仕上がりとなっている。 お馴染み「喫茶モンデ」の安藤玉恵や、大泉がひどい目に遭わされるシーン等はもはや定番の面白さであり、松重豊や田口トモロヲなどバイプレーヤーの演技も光っている。 ロケ地も、道庁赤レンガやノルベサ、札幌ファクトリーなど観光地を取り入れており、札幌観光誘致作品としても一役買っていた。 (毎回市長が出演するのはいかがなものかとも思うが) 何より前作以上に笑えるシーンが多く、文字通り「最後まで」楽しませてもらった。 いろいろ書いたがいつもの札幌在住の身びいきで及第点はつけさせていただく。[インターネット(邦画)] 7点(2018-07-15 19:03:38)(良:1票) 《改行有》

36.  猿の惑星:新世紀(ライジング) 《ネタバレ》 「猿」という遺伝子的に人間に極めて近い種が支配する惑星という設定は、常に「人間とは何か」「猿が知性をもった時、人間と猿の違いはどこにあるのか」という命題を突きつけてくる。本リブートシリーズの根底に流れるテーマもまさにそれだろう。今作では「信頼」と「疑い」というキーワードを通し、図らずも猿たちが人類と同じ歴史を辿ろうとする軌跡が描かれている。だからこそ、シーザーの「猿も人間も同じだった」との嘆きが悲しく胸に迫る。まさしく本作はシーザー達を中心に展開しつつも、問われているのは人間存在のあり方であるところに秀逸さがある。本作はそれに加え、CGとモーションキャプチャの高度な融合により、猿たちを自然に描写する視覚効果のレベルが凄まじく、オリジナルの時代を考えると隔世の感があり、大変見応えがあった。[DVD(字幕)] 8点(2015-03-13 10:40:18)(良:1票)

37.  激動の昭和史 沖縄決戦 《ネタバレ》 昭和の沖縄返還を前にして製作されただけあって、制作陣やキャスト等、相当な力を入れて制作された感がある。 あの沖縄戦とは何だったのか、そこでどんなことが起こっていたのかを、残存する資料をもとに真実に迫ろうとする制作陣の意欲が見て取れる。 大本営と第32軍司令部との思惑のずれや、参謀たちの葛藤、軍人と民間人の関係性、絶望的な戦況を前に迷走する戦争末期の沖縄を迫真の演技で再現しているところは秀逸。 その一方で、50年近く経った今となれば、(やむを得ないことではあるが)やはり撮影技術の限界がどうしても目についてしまう。 火薬を多用した戦場描写は迫力はあるものの、当時の特撮ヒーローものでもよく見られたレベルだし、特に爆発音や銃声は当時の円谷特撮(怪獣映画)のそれと同様で、どうしても子供だましに聞こえてしまう。 その他、唐突なシーン切り替え(※)や前時代的な音楽も相まって、現在の映画を見慣れた目には稚拙な印象が最後まで拭えなかった。 (※編集作業の中で相当なシーンをカットしたことが見て取れる) 近年、アメリカ側の視点で沖縄戦を描いた作品として「ハクソー・リッジ」があるが、戦争描写のレベルは天地雲泥の違いがある。 とは言え、戦後20年ほどしか経っていない当時だからこそ描ける空気感というものはある。沖縄で犠牲になった人々の様々な思いは十分伝わってきた。 特に民間人の集団自決の際、死に損なった者同士でとどめを差し合うシーン等は、他の戦争映画の追従を許さない衝撃があり、胸が痛んだ。 二度とこのような愚行を繰り返さないためにも、そして今なお、国土の僅か1%に満たない土地に、在日米軍基地の7割をかかえるという不条理に苦しむ沖縄を考える上でも、本作のような作品は観ておく必要があると感じた。[インターネット(邦画)] 7点(2020-02-12 10:34:10)(良:1票) 《改行有》

38.  プロメテウス 《ネタバレ》 あの「エイリアン」の監督作として観れば、惑星や異星人の造形、謎が謎を呼び次が読めない緊張感のある場面展開は楽しめた。特に医療ポッドでの帝王切開シーンはなかなかの緊張感で本作の見所といえる。しかしながら会社やアンドロイドが裏の目的をもっていたり、身勝手なクルーが早い段階で被害に遭う展開はお決まりとはいえ、クルーのあまり統率のなさや、危機管理の甘さは目を覆うばかりで、キャラクターの味付けも薄く、誰にも感情移入しにくい。この辺が気になる人は評価が下がるだろう。謎が謎を呼んだのはいいが、自分としては最後まで謎のまま終わってしまい、消化不良となってしまった。[DVD(字幕)] 5点(2014-05-30 11:57:57)(良:1票)

39.  バンド・オブ・ブラザース<TVM> 《ネタバレ》 テレビ用とは思えない(むしろ映画ではできない10話構成と)圧倒的なクオリティーで、第2次世界大戦の欧州戦線の実像にせまるドラマとして新しいアプローチがなされており、それはおおむね成功したといえるのではないか。特に一中隊が訓練から終戦まで転戦していく様を時系列で見せていくストーリーは新鮮だ。ドラマである以上、一兵士の視点(従ってこの作品にあっては米国側の視点)で戦争が描かれるのはむしろ当然であろう。想像するに当時は、今の時代のように大所高所にたって世界を俯瞰し、「戦争は良くない」と簡単に言えた時代ではなかったのではないだろうか。いやがおうにもどこかの国に属し、善悪を超えて、自分と愛する人を守るために戦うことを余儀なくされた時代ではなかったか。自分自身がもしあの時代に生きていたら、そして戦争の最前線に立ったとしたら、という想像力に、この作品は大きな示唆を与えてくれる。そして、だからこそ「戦争は(たとえいかなる理由があろうとも)二度を起こしてはならない」という確信を与えてくれるのだ。その意味でこの作品は秀逸である。併せて各巻の冒頭に納められている実際の空挺部隊員たちの語りは、雄弁にして余りある。この作品は細部まで手を抜かず作り上げた戦争ドラマの傑作と言えよう。余談だが、DVDを5.1CHのサラウンド環境で鑑賞すると、銃弾が回りを飛び交う音がリアルに再現され、本当に戦場にいるような臨場感(というか恐怖感)を実感できる。[DVD(字幕)] 9点(2006-05-06 13:50:34)(良:1票)

40.  南極料理人 《ネタバレ》 ほんわかした映画ながら、結構大事なテーマを持っている作品。若干語弊はあるが、この映画を見ると、「人に美味いものを食わせる」人が、一番偉い人!と思えてしまう。南極基地というシチュエーションは、それを表現するにはうってつけな舞台だろう。「私の体はラーメンで出来ているんだ!」は、名言!本作を映画館で鑑賞した人々の大半は、鑑賞後、何か美味しいものを食べに行っただろうことは想像に難くない。[DVD(邦画)] 7点(2010-07-20 14:37:48)(良:1票)


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