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21.  星の王子ニューヨークへ行く 《ネタバレ》 (本来のレビュー主旨から外れるかも知れませんが、何らかの形で内海賢二さんの偉業を称えたく、本当に数多くの作品の中からもう何回テレビで観たか判らない位の本作を選ばせて貰いました) エディ・マーフィがノリにノッていた頃の作品。 少々悪ノリが過ぎる感じもあるが、絢爛豪華な生活を過ごしてきた主人公が、ニューヨークの特段裕福では無いものの毎日を一生懸命明るく生きている人々と触れ合う姿は見ていて清々しかった。 もう何回本作を観ているか判らない位なのだが、実は字幕版を観たのは1回位で他は全て様々なTV局から放送されていた吹き替え版。 下条アトムの声は意外な位にエディ・マーフィの声と合っていて、脇を固めてくれたのは声優の帝王:内海賢二。 その声は金満主義丸出しの国王の雰囲気にぴったりだった。 それにしても内海賢二さん、あなたは本当に色々な作品で色々な役を演じてくれました。 正直「またかよ!」と思った事も度々有りましたが、癖の有る独特な声はいつも作品を締めてくれていました。本当にご苦労様でした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。[地上波(吹替)] 7点(2013-06-14 13:16:51)(良:2票) 《改行有》

22.  ヒストリー・オブ・バイオレンス 《ネタバレ》 観ていて辛い映画だ。 少なくとも3連休最終日に観る映画では無かった。 皆、物語の展開上ヴィゴ・モーテンセン演じる主人公を悲劇のヒーロー的に思いがちだが勘違いしてはいけない。 彼は過去の所業をいっさい清算する事無く、一方的に抜けだしてきた「酷い奴」なのだ。 悪事一家には一家なりのルールが有る筈で、それを無視して行方をくらました奴に制裁を加えようとするのは有る意味当然だ。 過去を一切隠されて、良い人と思い結婚した奥さんも気の毒でしかない。 家族を取り巻く人々も事の顛末を知らされたら皆騙されたと思うだろう。 それが極普通の対応だと思う。 本作で唯一カタルシスを感じた息子のいじめっ子撃退シーンも、観終えてから冷静に思い返すと暴力の連鎖・血は争えない事を如実に物語っているだけ。 因果応報なのだが「高校生が暴力で病院送りにされる」のは、普通に考えて只事では無い。 ここで観客にカタルシスを感じさせ、後でどうにも嫌な思いをさせる語り口はとてもクローネンバーグらしいと思った。 さて、この家族のその後はどうなるのだろう。  父と息子、母と娘の組み合わせで別居するのが自然な展開の様な気がする。 そして、フィラデルフィアを牛耳っていた悪党を全滅させた主人公に平穏な日々が訪れる筈が無く、 程なくして離れて暮らす母と娘が危機に巻き込まれ、父と息子が勇躍救出に向かうのでは無いか・・・ って私は何を勝手に続編を期待しているのだろうか。この展開じゃ72時間と大して変わらないし(爆)[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-07-17 13:09:05)(良:2票) 《改行有》

23.  アイルトン・セナ ~音速の彼方へ 《ネタバレ》 まずはじめにお断りしておきたい。私は70年代後半からF1に興味を持ち始め、87年から始まり日本のバブル景気と共に最大の盛り上がりを見せた「F-1ブーム」の真っ只中を過ごした人間である。 当然、「アイルトン・セナ」という不世出且つ希代の名ドライバーに対する思い入れ度は自分で書くのもなんだが並々ならぬ物が有り、94年にセナが天に召されてから世に出てきた刊行物・映像はほぼ制覇している。 因って、意識せずともレビュー内容がかなり偏った内容になってしまうかも知れない。まずこの点をご容赦頂きたい。 【本文】本作は非常に良く出来たドキュメンタリー映画と言えるだろう。 まだ無名のカート時代からF-1の頂点に昇り詰める迄を淡々と追う構成ながら、セナという人物だけでなく、常に危険と隣りあわせのモータースポーツそのものへの憧憬や儚さをも感じさせる作風となっている点を高く評価したい。 また、日本では余り見る機会の無いブラジルのTV番組出演時の模様等を見る事が出来るのも貴重と言える。 個人的には90年日本GP、スタート直後にアラン・プロストという狡猾なライバルの車両とクラッシュする形で年間王者を決めた際のセナ本人の表情に改めて胸が締め付けられた。 それは30代前半とはとても思えない程に疲れ・憔悴しきった顔であり、F-1という巨額の富と欲望が蠢く自分とは本来無縁の世界に結果として図らずも魂を売ってしまった自分自身に戸惑っているかの様に思えた。 運命の94年サンマリノGP、スタート直前のセナの表情はとても数回の年間王者を獲得した希代のドライバーのものとは思えぬ程の苦渋に満ちており、没後16年を経た今でも涙無しでは見られない。 世界の頂点を複数回極めた後で最良のレースとして思い返すのが、何の政略も私利私欲も無く、ただ純粋に自らの走りの限界を追い求めていた無名時代のカートレースで有る事の皮肉。誰よりもセナ本人に取ってこんな悲しい事が有るだろうか。 少なからずF-1やセナという人物に少しでも興味が有るならば、是非鑑賞の機会を作って頂きたいと自信をもってお薦めしたい。 最後に、本作作成~公開に携わられた皆様にこの場をお借りして感謝申し上げる。 [映画館(字幕)] 10点(2010-10-27 13:17:06)(良:2票) 《改行有》

24.  エクスカリバー(1981) 《ネタバレ》 あくまでも私見だが、本作を正当に評価するには1981年という製作年の時代背景を把握しておく必要が有るだろう。 1981年といえば様々な社会派作品もまだ多く公開されており、「レイダース 失われた聖柩」が公開された年でもある。又、1977年の「スターウォーズ」公開を機に映画製作の流れがSF超大作を偏重する方向に傾いていた事は想像に難くない。 この様な時代背景の中で、アーサー王伝説という古典に真正面から取り組み、一つの作品として完成させるのは恐らくかなり大変な仕事だったのでは無いだろうか。 実際の製作の舞台裏・各種事情を私は知らないが、これらの想像だけでも本作は5点の価値が有ると思う。緩急が余り無い展開なので他レビュアー諸氏記載の通り確かに眠くなる作品では有るが、重厚な作風は一度は鑑賞しておくべきと思う。 何気に今や大スターとなったベテラン俳優陣達の若かりし頃が観られるのも楽しい。[DVD(字幕)] 7点(2011-06-07 14:57:45)(良:2票)

25.  スーパーマン(1978) 《ネタバレ》 「真っ直ぐ」「真面目」な作風の中で時折見られるユーモアが楽しい、鑑賞していてとても気持ちの良い作品。 何せ39年前の作品である。CGテンコ盛りの現在の作品に比べ特撮部分が劣るのは仕方が無いし、そこを比較して云々言うのは野暮以外の何者でもない。 私の場合、初鑑賞はまさしく39年前。 当時10歳で夏休み中の私は母親に弁当を持たされ、それこそ朝から晩まで丸一日、映画館で本作を観ていた記憶がある。 (現在と異なり、指定席を除いて入れ替え制の劇場は少数だった) その後、TV放映やCS/BSの普及等で本作を何度と無く観返しているが、年代が変わっても共通している事は「人助けをしてこそ、真のスーパーヒーロー」と言う事。 昨今の悩んでばかりで街を破壊しまくるスーパーヒーローの描写も興味深い物は有るが、やはりスーパーヒーローの基本は人助けではなかろうか。 作品は変わるが私はスパイダーマン(サム・ライミ版)、中でも「2」が大好きで何回も観ているのだが、地下鉄のシーンは何回見ても胸が熱くなる。 感動のポイントは変わらないのだなと実感している次第。 本作の場合、主演のクリストファー・リーブの後世を思うと余計に胸に来るものがある。 今更ながらのレビュー掲載だが、様々な思いを込めて感謝の10点献上としたい。[CS・衛星(字幕)] 10点(2017-05-10 11:43:11)(良:2票) 《改行有》

26.  戦場のメリークリスマス 《ネタバレ》 まだ16歳だった私は本作初見時に意味などまるで理解出来ず、狐につままれた様な思いで映画館を後にした。 30年の年月を経て自分もそれなりに人生経験を重ね、ようやく本作の訴えたい事が少しは理解出来る様になったのかな?と思い始めている。 異なる文化・思想を持つ人達が戦争という特殊な環境の中で邂逅し、ぶつかり合う様はどこか滑稽で、悲しい。 それにしても、本作に出演した坂本龍一、ビートたけしは今や「世界のサカモト」「世界のキタノ」と呼ばれるまでの存在になった。各種文献によると二人が世界を目指すきっかけになったのが本作への出演だったそうだ。 そう思うと、また違った視点で本作を観直す事が出来る。 また、ローレンス役のトム・コンティは本作以降はほとんどお目に掛かる事がなかったが、何と「ダークナイト ライジング」で洞窟牢でクリスチャン・ベールを介抱する役を演じていた事を知り、思わず同作をブルーレイで観直してしまった。 年は召されていたものの、どこか寂しげな表情はそのままだった。 最後に、大島渚監督のご冥福をお祈り申し上げます。合掌。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-01-23 15:04:41)(良:2票) 《改行有》

27.  スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 《ネタバレ》 10点満点は大甘のご祝儀として。 シリーズ史上最悪のつまらなさだった前作から、力技多発ながらよくぞここまで纏めきったと思う。 JJご苦労様。 私がレビューしたかった事は他の皆様が殆どUPされているので、重複感満載なれど以下にてレビューします。 1.ハックス将軍、憐れ也。 前作まではファースト・オーダーの二大巨頭をカイロ・レンと張っていた筈ながら、数多の失敗が影響したのか本作では中間管理職の様な扱いに。 言いたい事も言えずスパイまでしていたのに最期はあっけなく射殺って・・・ 新3部作で最も存在がコントの様な方でした。 2.まさかのウェッジ・アンティリーズ登場 銀河一の戦闘機乗り、コレリアンの生ける伝説。久々にお会いできました。 3.A-Wingファイター、大活躍 個人的にSTAR WARSの世界で最もカッコいい戦闘機だと思ってます。 4.反則のラストシーン ジェダイとシスにバランスをもたらしたのがパルパティーンの孫で有っても私は構いません。 エピソード4初見時、そう私は小学校5年生でした。 「スカイウォーカー」の意味を辞書で引き、「なんていい名前なんだ!」と感動しました。 この名前がこれからも受け継いでいかれるなら私には文句はありません。 ここはエピソード3「シスの復讐」観賞時に当サイトに記載したレビューをそのまま抜粋して引用すべきでしょう。 『ラストの二つの太陽。あのシーンで全てが昇華する。私は初めてスターウォーズを鑑賞した11歳に戻り、 映画という素晴らしい世界を初めて体験した感動の原点を思い出す。これぞ映画の醍醐味。』 約40年に渡る本作への思いがこのシーンに凝縮されています。 そう、これで良かったんでしょう。[映画館(字幕)] 10点(2019-12-23 11:53:39)(良:2票) 《改行有》

28.  ヴィデオドローム 《ネタバレ》 【今回も長すぎる前書き】 映画評論家:町山智浩氏の著作を読んだ事がきっかけとなり、久々に鑑賞した。 初見は大学2年生、今から何と30年も前の事になる。  時の流れの速さには驚くばかりだが、それ以上に本作が未だに公開当時の謎めいた雰囲気を維持している事に驚愕した。 事の起こりは高校生の時。 「STARLOG」「FANGOLIA」等の洋物映画情報誌の日本版が発売されていた幸せな時代。 おどろおどろしい写真と共に紹介されていたVideodromeの紹介記事に私は釘付けとなった。 海賊盤(死語)が出回っているとの噂も聞いたが、世はまだレンタルビデオが流行し始めた黎明期。 どこで手に入るかも判らぬ謎の本作は、例え様も無い魅力的な作品として私の心の片隅にずっとこびりついていた。 時は流れて(確か)1988年、東京国際映画祭に於けるファンタスティック映画祭の成功が影響し日本で開催された「SFXアカデミー」、 本作の特殊メイクを担当したリック・ベイカーが来日し講演すると聞き、チケットを探し回ったが時既に遅く全席売り切れ。 落胆していた私に、当時日芸映画学科に在席していた姉がどこで仕入れたのか判らないがチケットを準備してくれた! 姉には本当に感謝あるのみ。 講演の内容は今でも鮮明に覚えている。 ベイカー氏本人が自ら"Do you like this film?"とVideodromeに関して質問、 それに対して大勢の聴衆が一斉に挙手!(今みたいに”Yes”とは誰も言わなかった様な)それを見たベイカー氏は 悪戯っぽい顔でニヤリと笑いながら”Sick People...(みんなビョーキだね笑)"と返す。 幸せな時間でした。 【やっと本文】 本作ほど、観る度に謎が謎を呼ぶ作品は無いだろう。 後の多チャンネル化、暴力コンテンツの隆盛と衰退を予見したかの様な世界観。 製作年度が旧いが故の、画面の微妙な粗さが本作のいかがわしさにブーストを掛ける。 皆がメディアに取り付かれ・メディア無しでは生きていけず、メディア内の出来事に一喜一憂し、 時には自らの命をも絶ってしまう・・・ 拳銃と有機的に絡みあい、妄想と現実の中でのたうち回るマックスの姿は、紛う事無くスマホに心身ともに蹂躪され、 それを自覚していながら抜け出す事が出来ない現在の私たちそのものだと思う。 マックスは自らの命を絶つことで新しい次元=精神の開放を果たした。 それは果たして本当に幸せな結末だったのだろうか。 翻って私たちはどうすれば良いのか? 初鑑賞時は特殊メイクを目で追う事に終始し、ストーリーは二の次だった。 社会人になってからは本作の内面に秘められた作者のメッセージを何とか読み取ろうともがいた。 齢50を超え、ようやく本作の意図が客観的に俯瞰出来る様になったのかと思う。 鑑賞する年齢で作品への印象が劇的に変わる、「映画の魅力」をまたもや再認識させられた。 (注)本作は冗談抜きで万人向きの映画では決してありません。 鑑賞する際は十分にご注意の程。[ビデオ(字幕)] 8点(2017-11-28 17:34:28)(良:2票) 《改行有》

29.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 素晴らしい。 この企画が製作会社の審査を通り予算を得て、こうして世に出てくると言う正に奇跡と言える出来事にまず感謝したい。 ほんの数年前まで、まさかQueenが題材の映画がドキュメンタリーでは無く生身の俳優による演技で製作されるとは夢にも思わなかった。 私は30年超の自称「筋金入り」のQueenファンだ。なので以下レビューには思い入れが大量に盛られている事をご了承頂きたい。 Quennの魅力は本当に沢山ある。代表的なものは煌びやかなメロディ・音飾による世界観や、フレディ・ブライアン・ロジャー・ジョーンと言う 個性的且つ才能溢れるメンバーの集合体である事だろうか。 本作を観て、私は改めてQueenの楽曲に込められた詩のもつ意味・そして素晴らしさを再認識した。 全ての楽曲には生み出された当時の各メンバー達の境遇や思いが色濃く反映されているのは当然だが、 本作を観て私は彼らが送り出している曲は、市井の人々への普遍的な応援歌なのだ言う思いを新たにした。 共感出来る所が沢山あるからこそ、国境や言葉の違いを超えてQueenの楽曲は拡がり続け、言語は違ってもコンサートで皆が大合唱し、 沢山の楽曲が今も尚世界中で聞かれ続けている。 見事なまでに再現されたLive Aidの一幕、We are the Championsを泣きながら嬉しそうに歌う会場の人たち、 楽しそうに観客と呼びかけ合うフレディの表情、そしてフレディを見守る(そう、まさにQueenとは他3人のメンバーがフレディを見守る事で 成り立っていたバンドなのだと私は今でも信じている)メンバーの優しい表情、的確な歌詞の翻訳も有り、涙腺崩壊とはまさにこの事だ!! 一番好きな曲であるRadio Ga Gaが取り上げられた事も嬉しい。 次回は一番後ろの席で観て、他の皆さんに迷惑を掛けぬ様にQueenやウェンブリーに集った観客と一緒に両手を高く掲げたいと思う。 最後に、本作を鑑賞される方は言うまでも無くLive Aidの再鑑賞と、可能ならばアメリカのTVドラマ「The Pacific」の鑑賞を強くお勧めしたい。 フレディを演じたラミ・マレックとジョーンを演じたジョー・マッゼロが競演しており、特にラミ・マレックは観る側に強烈な印象を残す役柄を 熱演している。 個人的には二人の再共演も嬉しいサプライズだった。[映画館(字幕)] 10点(2018-11-16 13:12:12)(良:2票) 《改行有》

30.  37セカンズ 《ネタバレ》 【前置き】 日経紙の映画評を読むまで、私は本作の事など全く知らなかった。 海外では極めて好意的に受け止められ、幾つかの著名な映画祭で賞まで獲得している本作、 配給側のプロモーションが下手なのか、難しい題材を扱っているだけに声高に宣伝するのに及び腰だったのか、 真相は知らないが(知りたくも無い)、この様な作品が劇場公開2日目の土曜日の映画館で観客が私も含めて4人とはいったいどういう事なのか。 日本映画界は本当に優れた作品を日本の観客に広めよう・もっと観て貰おうと思っているのだろうか。 韓国映画がアカデミー作品賞を獲得する歴史的な出来事があった直後だけに、私は情けなく・また恥ずかしく思った。 【本題】 37Seconds=37秒とは、主人公が生まれてから呼吸するまでに掛かった時間の事。 カップラーメンの麺がまだ柔らかくもならない様な僅かな時間、呼吸をしていなかった為に主人公は脳性マヒとなった。 私はスクリーンを通じて主人公の人となりに思いを巡らしながら、既に故人となられた脳性マヒの叔母の事を考えていた。 叔母はとにかく毎日を一生懸命生きている人で、何でも自分でしなければならなかったが為に腕っ節は男の私よりも立派で、 なんだかとてもカッコいい人だった。 本作の白眉な所は、障害を持ちながらそれでも強く生きる姿をお涙頂戴的に描いているのでは無く、自分の新しい可能性・ 知的・性的好奇心を満たしたいという、人間なら誰でも考える当り前の事をさりげなく表現している事。 中盤以降の世界観の拡がりも素晴らしい。 特に千葉へのドライブから、まさかタイへ舞台が拡がるとは思ってもいなかった。 ここは、主人公が様々経験を通じて自らの内面が拡がっていく事とも連動しており、 あたかも映画のレベルがギアを数段抜かしで上げながらスピードアップしていくかの様だった。 主人公の女性は実際に脳性マヒを患っておられる素人の女性、「素晴らしい演技」とまでは流石に言えないが、 あの佇まいは絶対に健常者の俳優さんでは醸し出せない。 脇を固める俳優陣の演技も素晴らしい。 特筆すべきは母親役の女優さん。とても演技とは思えない真に迫る様子は圧巻だった。 本作の監督さんはアメリカで修行された方らしい、殊更に弱者に阿らない演出の仕方はさすがアメリカ仕込みといった所か。 主人公と介護士さんを深い関係にさせなかった事も高評価。 もしそうなっていたら、途端に陳腐な作品になっていたと思う。 次作に期待大。[映画館(邦画)] 8点(2020-02-13 13:27:50)(良:2票) 《改行有》

31.  黄金のアデーレ 名画の帰還 《ネタバレ》 素晴らしい作品だと思います。 第一次世界大戦~第二次世界大戦に至る世界史と、その波に市井の人達がどの様に翻弄されたのかを予備知識として持っていれば、 より一層この作品の良さが判るかと。 観賞のきっかけはヘレン・ミレンとタチアナ・マスラニー(「ボストン・ストロング」!!)が出演しているから。 この点では同一人物を演じる二人の演技を堪能させてもらい大満足。 ナチス(本当はこの三文字さえ私は書きたくない)がどんなに酷い事をしたのか、ホロコーストだけでは無く 本作で描かれた様な「芸術への冒涜行為」を知る意味でも、観て知っておく価値は有るかと思います。 史実によると、奴らは本当に沢山の芸術作品を強奪し、自分勝手に鑑賞しただけで無く、 敗戦が濃厚になったら数多くの芸術作品を洞窟等に隠したり、火を付けて燃やす等という非道を尽くしたとの事。 消失を免れても、どこに隠されたのか判らず所在不明の作品がそれこそまだ世界中に沢山あるそうです。 本当に酷い話です。 感想が作品から逸れてしまいましたが、映画と言う形を借りてこの様な史実を教えてくれるという意味でも、 本作は価値有るものだと思います。 それにしても、まるでタイタニックの様なラストの持って行き方、あれは反則でしょう。 嫁とテレビの前で嗚咽してしまいましたよ、私は。 最後に、本作を観賞される方には「ミケランジェロ・プロジェクト」の観賞を強くお勧めいたします。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-01-22 18:46:24)(良:2票) 《改行有》

32.  銀河鉄道999 《ネタバレ》 2021/2/6(土)東京国際フォーラムで開催されたシネマコンサートにて、実に42年振りの劇場鑑賞が実現した。 初鑑賞は1979年、小学校6年の夏休みに実母の郷里である新潟県長岡市の映画館にて。 とにかく混んでいた事、そしてメーテルの美しさが心に刻まれた初鑑賞だった。 時は流れて2021年、それまでにTVやDVD等で観る機会は有ったものの、 フルオーケストラ演奏をバックに本作を劇場で観られるとは何という贅沢! 1.上映前・休憩時間・上映後に劇場に流れる各種アナウンスは何と、メーテル役である池田昌子さんの新録! 主催者のは粋な図らいに感謝のみ。私のこれまでの劇場鑑賞歴で、あれほど迄に客の皆が真剣に聞き入るアナウンスは初めて。 2.音楽は基本全て生演奏、名曲揃いのサントラを生演奏で聞けるうれしさ。 3.鉄郎と母親との哀しい別れのシーンや冥王星での氷の墓場のシーンで印象的に使われている混声合唱も全て生声、 迫力が違いますね。 4.トレーダー分岐点の酒場で歌われる名曲「優しくしないで」も生歌! 5.とどめは999出発のシーンで流れる「Taking Off!」ラストに流れる「銀河鉄道999」はフルオーケストラをバックに タケカワユキヒデ氏の生歌!! 涙腺崩壊で私は大変でした。 6.物語に付いてはもはや説明不要、多くのエピソードを2時間に収める構成故に気ぜわしい展開ではあるものの、 永遠の名作と言っても過言では無いかと。 7.今回の鑑賞で感嘆したのは星野鉄郎の声を演じた世界に誇る声優界のレジェンド、野沢雅子の芸達者振り。 物語の進行・鉄郎の内面的成長に併せて微妙に声色を変えていくそのテクニック、痺れました。  これまでに何回かシネマコンサートを体験しましたが、映画本来の音(台詞や効果音)は敢えて横に置き、 音楽を聞かせる事を主眼とした方が感動の度合いが高い様に思います。 幻の公演(?)と言われているターミネーターライブコンサート、機動戦士ガンダムシネマコンサートと並び、 本公演は白眉な出来でした。再公演を切に希望する次第です。 [映画館(邦画)] 10点(2021-02-23 13:30:12)(良:2票) 《改行有》

33.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 まず、私は小学校5年の時に今はもう無いテアトル東京でエピソードⅣを観て以来、30年越しで本シリーズの大ファンなので自ずと採点が甘くなる事をご容赦頂きたい。 何はさておき、先ずは世界中の注目と期待の中で想像を絶するであろうプレッシャーを背負いながら、世界中のファン達に一定以上の喜びと満足を与え、次作への期待を更に大きくさせた製作に携わられた方々を讃えたいと思う。 私の様な往年のファンの場合、大画面であのオープニングを観る事が出来ただけで感涙ものだ。 しかもこの機会を少なくとも後2回は経験させて貰えるのかと思うと、そこには只、「感謝」しか無い。 では10点満点か?と言うと、実は残念ながらそうでは無い。 ストーリーが偉大なるワンパターンで有るのはもはや「お約束」なので気にはならない。 最も大きな減点要因は、権利問題でも有ったのかエピソードⅣ~Ⅵで培われ、エピソードⅠ~Ⅲでも効果的に引用されていた音楽がそれほど多く使用されていなかった事。 往年のファンならば、「このシーンにはこの音楽でしょう!」と思うシーンが意外と多く有ったはず。 特に前半の惑星ジャクーでのミレニアム・ファルコンとTIEファイターのドッグファイトシーンは、大迫力の映像と合わせて「あの旋律」をぜひとも聴きたかった。 また、果たして予備知識なしで本作を鑑賞した方々に本作がどの様に観えているのかが気になった。 過去エピソードに登場したキャラクターの再登場や、数々の小技(モンスター・チェスや一瞬だけ登場するフォース練習用の無重力ボール等々)は、 往年のファン達には嬉しい限りだが、本作から初めてスター・ウォーズに触れる人達には何の事だか判らなかったのでは無いだろうか? 万人向けの作品創りは物凄く難しいだろうから、初めて観る人達にも判る様な作品にするは無理な注文なのだが、 本作をきっかけにしてスター・ウォーズの世界に足を踏み入れる若い世代の方々が増える事を願うばかりだ。 小難しい事をダラダラと書いてしまったが、レイ役のデイジー・リドリー(世界中の人達がハマリ役と思っている筈)や、 若い頃のデンゼル・ワシントンを彷彿とさせるジョン・ボイエガ、そして贔屓の俳優の一人で有るオスカー・アイザックの主要キャラ登用など、 魅力的な新キャラが多数登場した事も有り、次作が今から本当に楽しみでならない。 今から首を長くして待つ事としたい。[映画館(字幕)] 8点(2015-12-20 22:30:53)(良:2票) 《改行有》

34.  アデライン、100年目の恋 《ネタバレ》 ブレイク・ライブリーの為に製作された様な作品です。 「フォレスト・ガンプ」や「ベンジャミン・バトン」を面白いと思える人なら、本作を観て損をしたとは思わない筈。 他2作と異なり、物語の比重はどちらかと言うと現在の主人公を中心に淡々と進み、過去100年の出来事は回想や持ち物・写真等で補足される構成。 そんな中、娘さんが時間の経過を物語る上手い存在になっている。 また、フォレスト・ガンプのApple Computerの逸話へのオマージュなのか、黎明期のXeloxに主人公が投資をする描写は思わずニヤリ。 余りにも淡々と話が進むので「もしかして駄作か?」と思い始めた頃、終盤から登場するハリソン・フォードの存在が物語を予想外にガツンと分厚いものにする。これぞ正にスターの貫禄か。 回想シーンに登場する若い頃のハリソン・フォードを演じた役者さん、思わず噴き出しそうな位に良く似ていて、どこからこんな役者さんを連れてきたのか感心。 最後、ある出来事を経て主人公は年を取る様になるのだが、ラストシーンは外見が年老いた主人公が過去を懐かしむ様な構成にして欲しかった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-09-12 13:07:40)(良:2票) 《改行有》

35.  プロメテウス 《ネタバレ》 個人的には評価が難しい作品。 鑑賞する側に必要以上の推理や詮索を強い、張られた伏線の殆どを回収せず今後公開されるであろう「特別編」や「続編」に委ねる脚本はハッキリ言って期待外れもいい所。 また、登場人物の「薄さ」も致命的。1作目は言わば宇宙のブルーカラー的立場の人が運悪くALIENと遭遇する設定だったが、本作は初めからかなりの高い確率で人類初の知的生命体との遭遇が予想される事が判っている航海なのに、あの様なクルーを選考するとはとても思えない。 例えば、まがりなりにも生物学者の肩書きをもつ程の人物が、未知の惑星で初めて遭遇した蛇(人間が最も生理的に嫌悪感を催す容姿)に似た生物に対し安易に手を伸ばす事などするだろうか? 他にも行動原理がまるで判らない意味不明なアンドロイドや、異星の「何か」に侵食された影響なのか突然凶暴になり人間離れした運動能力を発揮し暴れだす元クルー達等々、「これって一体どういう事だよ?」と思わざるを得ない描写ばかりで有り、鑑賞し終えてから数日経過した今でも感想の整理が難しい状態だ。 その一方、稚拙としか表現の仕様が無い脚本とは恐ろしい位に真逆な程、映像は素晴らしい。 IMAXで鑑賞した効果が大きいのかも知れないが、全く違和感の無いここまで深みの有る3D映像は本作が初めてでは無いか? だからこそ、余計に脚本の酷さが惜しくてならない。 最後に、これから鑑賞される方は、一切の予備知識を捨ててまっさらな気持ちで鑑賞して頂きたい。下手に過去のALIEN作品の知識が有ると楽しめないかも。鑑賞環境は可能な限りIMAX。吹替版は避けるべき→他作品であれだけ多くの映画ファンから批判されていながら、吹き替えに素人とも言える流行のタレントを起用する製作会社の意図が私には全く理解出来ません。(アメリカの関係者も怒っているのでは?)[映画館(字幕)] 5点(2012-08-28 15:43:26)(良:2票)

36.  ブリッジ・オブ・スパイ 《ネタバレ》 主役二人の演技がとにかく素晴らしい。 敵国スパイ:アベル役のマーク・ライアンズは他レビュアー諸氏が書かれている通り、過剰な台詞や演技は一切排除し、空気感や雰囲気でその人となりを観客に判らせる素晴らしいもの。これを映画に於ける名演技と言わずして何と呼ぶのか。 ドノバンを演じるトム・ハンクスも鉄板の名演技。自らの信念に基きアベルを「敵国のスパイ」では無く「一人の人間」として接する様は、恐らくご本人もこんな人なんだろうなと思わせる程に素晴らしいものだった。 私は冷戦時代まだ10歳にも満たない子供だった。なので想像しか出来ないが、米国内のソ連に対する恐怖は相当なものだった筈で、その中で敵国スパイの弁護を引き受けるなど、一般の我々には到底考えも付かない程の壮絶な覚悟があった筈だ。つくづく、モデルとなった方は凄い人だと思う。 物語途中からこの二人はしばらく顔を合わせる事無く、絶妙な緩急を付けた物語を経て終盤の捕虜交換シーンに繋がる。 二人が裁判で死刑を回避するまでの描写が緻密だったからこそ、橋のたもとで車を降り、ドノバンの姿を見つけた時のアベルの一連の描写が静かでは有るが分厚い感動を呼ぶのだと思う。(あの目の光の変化と、静かに橋を渡っていく時の演技!) 本作は公開から月日がある程度経過していて近所の映画館ではもう1回/日の上映しかしていない状態だったが、8割以上の観客で席は埋まっていた。 アカデミー賞候補になった事が影響しているのだとは思うけれど、こういう素晴らしい作品を観た時ほど、同好の士が多く居る事を改めて嬉しく・心強く思った次第。[映画館(字幕)] 9点(2016-02-15 13:22:14)(良:2票) 《改行有》

37.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 運命だね。[映画館(字幕)] 8点(2009-04-20 11:54:17)(笑:2票)

38.  世界一キライなあなたに 《ネタバレ》 二人の最後の選択をどう捉えるか?で本作の評価は天と地程に別れる。 良い映画だと率直に思う。 だが、私は映画レビューのポリシーとして物語に起伏を与える為に①主要登場人物がレイプされる、②もしくはオートバイ事故で亡くなる・大怪我をする作品には高評価を付けない様にしている。なので残念ではあるがMaxで5点とさせて頂く。 エミリア・クラークの素の魅力が炸裂。これは「ターミネーター:新起動」では全く感じられなかったもの。 この2作での落差が凄い。思うに、ターミネーターは相当無理をして演じていたのではないか。 残念ながらオートバイ事故で四肢障害を負ってしまったイケメンの男性主人公。 家が金持ちでなければ専属の介護士は勿論のこと、お手伝いさんなど到底雇えない。 ましてや高額な費用が必要と聞く安楽死など絶対に望めない。 その様な恵まれた環境で悩むイケメン主人公。  確かに辛い状況だ、だが、観ている側としては正直甘いと感じた。 眼の前に魅力的な、自分を愛してくれる女性がいる。 なのに男性として何もする事が出来ないのは、一人の男性としてこれ以上辛い拷問は無い。 この様な環境に有る人の家族の意見として「生きていてくれるだけでよい」との話をよく聞く。 その時いつも思う。「周りがそう思っても本人の意思はどうなのか」と。 もの凄く難しい問題だ。 もし私が同じ様な境遇に陥ったら・・・ 考えたくも無い事だが、恐らく本作の主人公と同じ選択をするのではないか。 イケメン主人公が金持ちだったおかげで、エミリア・クラークは最終的に自由と富を手にする。 本人がそう望んだ上での結果では無いので、この結末に抵抗は感じない。 だが、もしイケメン主人公が一般家庭の人だったらと思うと、やはり点数は辛めに付けざるを得ない。[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-10-18 17:06:05)(良:2票) 《改行有》

39.  コラテラル 《ネタバレ》 何故か私の周り(特に女性陣)にはT・クルーズ嫌いの人が多い。 理由は色々有る様だが、演技が大して上手くないのに演技派ぶってる所が気に入らないそうだ。 そんな人に私は本作の鑑賞をお薦めしており、結果としては殆どの場合、T・クルーズの評判を少し高める事に貢献(?)出来ている。 本作は有る意味「レベルの高い命懸けの掛け合い漫才」を観ている様で、相方のJ・フォックスが居なければ作品自体成立しないのは明白だが、それでも白髪の冷徹な殺し屋を嬉々として演じているT・クルーズは充分見応えが有った。 自論だが、私は「トロピック・サンダー」しかり、初のセルフパロディとも言える「ナイト・アンド・デイ(未見)」しかり、T・クルーズはデビュー当時のアイドル的イメージの払拭含め、貪欲に自分の可能性に挑戦し続けている稀有な俳優だと思うのだが、皆さんは如何思われるだろうか?[DVD(字幕)] 7点(2010-07-27 13:00:40)(良:2票) 《改行有》

40.  ベスト・キッド(2010) 《ネタバレ》 ジェイデン・スミスに親の七光りだけでは片付けられない才能の片鱗を感じた。願わくば、周りに数多居るであろう私利私欲に駆られた大人達(勿論、親も含む)の悪影響を受けず、これからも健やかに成長し将来のアメリカ映画界を背負って立つ存在になって頂きたい。[DVD(字幕)] 7点(2010-10-22 15:48:51)(良:2票)


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