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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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741.  死滅の谷 気味の悪い男と知り合ったカップル。彼氏は忽然と姿を消し、彼女は彼氏を捜し求める・・・って、おお、まさか『恐怖のレストラン』の元ネタがフリッツ・ラングだったとはねえ! というのは勿論勘違いでした。ははは。気味の悪い男の正体は死神。ああやっぱりねえ。で、映画はここで突然、愛と死にまつわる3つの幻想譚よりなるオムニバスとなります。この3つのエピソード、オソロシク一般性に欠ける話ばかりなんですが、意外な構図の切り取りや、大胆な(大胆すぎる)特撮のオンパレード、かなりリキ入ってまして、圧巻です。第三話が特にハチャメチャなSFX超大作。ドサクサ紛れに一反木綿まで登場(?)、いろいろヘンな部分もあるのですが、「とりあえず」圧倒されます。しかーし。もし映画がこのまま終わっていたのであれば、オムニバス特有の散漫さが映画の印象を薄めていたところかも知れないんだけど、この3つのエピソードに続く「彼氏を救う最後のチャンス」のエピソード、コイツが曲者でして、日常から遠く離れた3つの世界を他人事のように楽しんでいた我々を、いきなり身近な世界へと引き戻し、現実における「死」を突きつける・・・あくまで幻想的に幕を下ろすラストではあるのですが、突然冷たい手が伸びてきて頬を撫でられたかのような、ゾクリとした感覚があります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-21 23:52:50)(良:1票)

742.  バンク・ジョブ 銀行強盗、とは言っても銃突き付けての押し込み強盗じゃなくって、トンネル掘って狙うは貸金庫。普通なら、この強奪計画の華麗な手捌きを映画にするところ、しかし本作では、この計画に加わった連中というのが、どうも手際が悪く、素人丸出し。だもんで、果たしてこの作戦、うまくいくのかどうか、とまずハラハラさせられますが、さらにこの計画には、主人公の知らないウラがある。というにとどまらず、そもそも貸金庫なんてところにしまわれているモノといったら、それなりに訳アリのモノが多い訳で、ヤバいブツに手をつけてしまった主人公、ややこしい事態に。この事態をどう収拾させるか、にさらにハラハラ、だけどここで主人公がとる行動ってのが、事態の収束というより、さらに事態をかき回し、なるようになれ式のヤケクソな行動でして。で盛り上がったところに、舞台は駅。人々が集まりまた離れていく“駅”というところをクライマックスに持ってきたのがまた上手くって、ワクワクさせられます。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-02-26 21:53:40)(良:1票)

743.  去年マリエンバートで この作品を見てると、何となくムンクの絵画を想い出しちゃったりします。例えばあの、「生命のダンス」の、生命感の無さ(笑)。 映画にしては人物の動きが乏しく(まるで調度の一つとして存在するような)、しかしカメラはその壮麗ながらも空虚な雰囲気の中を、緩やかに動き続けたりして、どこまでも、落ち着かない感覚。噛み合わない視線。 話によれば、一応は整合性みたいなものを内在しているらしく、謎解きをすれば出来なくは無い、というコトなのかも知れないけれど、私のような不真面目な人間には手に余るので、分析してみようなんて気は全く起こりません。例えば、セリーがいくら厳格なルールに基づく作曲技法であったとしても、それが聴き取れないのでは、如何ともし難いワケで・・・。 菊地秀行さんが著書(「怪奇映画ぎゃらりい」)の中で、怪奇映画ベスト100の一本としてこの作品を挙げてたような記憶が何となくあるのですが、確かにこの作品、そういう楽しみ方が一番楽しめるような気がします。[インターネット(字幕)] 7点(2022-01-30 10:07:54)(良:1票) 《改行有》

744.  パッセンジャー(2016) 《ネタバレ》 映画に出てくるヒーローというものは、ヒーローらしくあって欲しいし、ヒーローってのはどこか陰があった方がいい。しかしこれを突き詰めていくと、いっそ陰があり過ぎてアンチヒーロー化した、要はダメ男の映画ってのもたまには見たくなってくる。 さてそのダメ男を演じるのがクリス・プラットでよいのかと言うと、いや、もっと見るからにダメダメであってもらえたら、さらにはそのダメ男が最終的にヒロインを、そして我々を惹きこんでくれたら、とは思うのですが、これは製作サイドとしても大きなリスクがある訳で。最悪、多くの人には嫌悪感しか残さない可能性も出てくる。だもんで、クリス・プラット。一種の保険ですね。多少はグダグダになって見せるけれど、好感度はそれなりに保ち、安心感はあります。その分、予定調和的となり、作品の意外性や迫力が低下することは否めませんが、安全第一、安心第一、ってところでしょうか。 トラブルにより、宇宙旅行の人工冬眠から、一人の男が目覚めてしまう。目的地までのあと90年、クルーも他の乗客も起きてこない、だだっ広い最新鋭の宇宙船の中で一人ぼっちの状態。まさに、アレですね、明日から大変な仕事が待ってるのにどういう訳か夜中に目が覚めてしまい、家族はみなスヤスヤ眠ってるのに自分はちっとも眠れず気が焦るばかり、朝はまだまだ来ないし・・・というあの状態を、壮大なSF映画に。 こういう状態に置かれると、精神的な危機を迎えてオカしくなってしまう、というのは、シャイニングを見てもわかる通り。いや、ジャック・ニコルソンは最初からオカしい奴だろ、とスティーブン・キングが怒るのだけど、とにかく、クリス・プラットですら参ってしまう。シャイニングがガランとしたホテルを描き出したように、この作品でも、未来的で豪華、だけど空虚な宇宙船内部のしっかりと描き出して見せます。限られた空間が舞台となっていながら、見てて飽きることはありません。 で、よりによってこのダメ男が、眠れるオーロラ姫を起こしちまう。なるほど、主演二人がそもそも好感度高いので、ラブラブになってくれたらそれはそれで良し、安定感がある分、その後に待ち受ける破局のインパクトが大きくなる、という効果はあるかも知れません。 閉鎖空間で、一人で起きてるのもツラいけど、起きてる二人の間が険悪なのは、もっとツラい。そりゃそうだ。ははは。際立つ閉塞感が、たまらない。 で、その後、宇宙船の異常が進み、クルーの一人が起きてきたりして、物語が加速し始める。クライマックスの危機が、ごめん、何か大変そうな状況なのはわかるけど、宇宙船のどこがどういう状態で何がボーボー燃えているのやら、もうひとつよくわからない。勢いだけで見せられている気がしてきますが、盛り上がることは盛り上がります。 最後、使える冬眠ポッドは一名分。ヒロインを眠りにつかせ、主人公は孤独に残る、というのが綺麗な終わり方だけど、たぶん、この人、1年後にはまた彼女を起こしちゃって続編映画が始まってしまうので、まったく解決にならないのでしょう。 この作品は、それとは別の幕引きをしてみせる。人生ってのは外因的なものに左右されそれは時に不本意かもしれないけれど、重要なのはその人生をどう生きて何を残すかだ、というメッセージ。 ラストシーンは明らかに、そんなのあり得ないでしょ、という光景がそこに現れます。あくまでファンタジー、ということですね。あるいはお伽噺と言っていいかもしれない。理屈ではない、フワッとした浮遊感みたいなものが、後に残ります。 ところで、この作品に登場する二人の男女には、金銭的にはやはり「男<女」の格差があって、こういう部分から宇宙版タイタニックとか言われたりするんでしょうが、そんな事言われたら、もしかして氷山がタイタニックにぶつかるように仕向けたのは、実はジャックの仕業だったのか?とか思っちゃったり。[インターネット(字幕)] 7点(2023-10-01 07:40:18)(良:1票) 《改行有》

745.  戦国自衛隊 《ネタバレ》 ハイすみません、残念ながら10点です、理由は訊かないで下さい。というより、なんでよりによってこんな映画でこんなに充実感が感じられちゃうのか、誰か教えてください。もー子供の頃から大好きな作品で、年末年始のテレビのお楽しみと言えば、「また今回も『戦国自衛隊』と『北京原人の逆襲』が放送されるのか」、でしたからねえ。いや実際、『北京~』はともかくこの作品、やるせなさ、寂しさ、何とも知れぬ余韻が、年の瀬にピッタリ、なんですね。まさにコレ、“ゆく年・こない年”ですわ(最近またテレビでお目にかかる機会が多い気がしますが、ゼヒ年末に放送して下さい)。映画中盤は、夏・真っ盛りってな感じで、ギラギラ脂ぎった戦いが繰り広げられるのですが、戦い済んで雨に打たれ、ラストの廃寺では、虫の声が聞こえてきて、ああ秋だなあ、寂しいなあ、と。信玄が斃れた後にも、伊庭が斃れた後にも、鳥の鳴き声が挿入されて、これまた余韻たっぷり。いやまあ、色々とケチをつけたくなる映画ではあるんですけどね。ツネちゃんを倒した千葉チャンが天下を取る決心をした瞬間、部下たちがギョッとする演技してるのにカメラはきちんと捉えず早々に切り替わっちゃうし。去るムッシュと千葉チャンが送るシーン、交わしている“握手”をちゃんと撮って欲しかったな。ましてその後登場する、「忙しい」と呟く謎の農民など意味不明もいいところ(せめてもう少し草刈正雄だと判るように撮って欲しい)。と色々ケチはつけるものの、素晴らしいのが、夏(八)木が城からヘリに乗るシーン。ヘリから下ろされた縄梯子に掴まるのだけど、そんな撮影危ないよね。実は、ヘリからの縄梯子が画面から一瞬消え、カメラの前を人影が横切った瞬間(カットもここで切れてる?)、別の(と思しき)縄梯子が忽然と現われて、彼はこちらにぶら下がるのでした。手品見てるみたいです、ははは。『ジュラシック・パーク』でCGのラプトルがハリボテと入れ替わったのと同じくらい絶妙ですね。まあそんなヨタ話はともかく、この作品、永遠の怪作、永遠の“熱き映画”です。完成度は度外視してでもわたしゃ支持し続けます。どうかよろしく。 (ところで、何でもパクるのが好きな中国さん、ゼヒ本作をパクッて一本作って欲しい。『三国志的人民解放軍』とか。これは観たい。)[CS・衛星(邦画)] 10点(2011-06-23 23:52:29)(良:1票)

746.  ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT 「DKって何の略か知ってるか?」「・・・ダイニング・キッチンか?」「ドン小西だよ」。別に、“ダイナマイト・関西”でもいいんですけどね。いやこの映画、面白かった! “変なニッポン”の描かれ方が、あまりにも高い完成度に達していて、ちょっと山口雅也の『日本殺人事件』すら思い出してしまいました。そのシュールさに大笑いし、カーアクションに手に汗握り、ラストの「その手があったか」というオチに一本取られ、実に楽しめました。カーアクションの見どころの一つは、“ドリフト”の曲芸のようなテクニック。しかしやっぱり、2台の車が互いにぶつかり合いながら追いつ追われつを展開する正統的カーチェイスが、やっぱりワタシ大好きでシビレちゃいます。特に、“渋谷のど真ん中でのカーチェイス”という、絶対あり得ない映像を見せてくれたのには、もうひたすら頭が下がっちゃいます。ただこの映画、惜しかったのは、せっかくカーチェイスを展開する自動車を特徴的な色にしているのに、夜のシーンで色を捉えきれていないために、観ててやっぱり、どっちの車を誰が運転しているのか判りにくくなってしまっている事。何か撮影にもう一工夫いるんじゃないですかね。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2010-06-08 00:39:53)(良:1票)

747.  ランブルフィッシュ コッポラという人は、たぶん映画に対してもの凄い情熱を持っていて、ワンシーンワンシーン思い入れたっぷりに撮って、でも映画全体を見るとイマイチ何が描きたかったのかよくわかんなくって、ある意味、その壊れっぷりが魅力だったりするのかな、と思うのですが。本作でも凝りまくる。モノクロ映像にパートカラー、表情のアップ、ローアングル。画面にはタバコをはじめとして闇雲に煙が漂い、必要があれば(無いけど)雲まで動かして見せる。背景にはさまざまな音楽が流れるばかりではなく、水滴の音などの効果音までもがまるでBGMのように取り込まれている。はたまた、バイクと人間が衝突して吹っ飛ぶシーンとか、マット・ディロンが額から流血して見せるシーンとか、コケオドシ的なトリックも画面を賑わせる。 とか言う凝りようが、本作の場合、雰囲気をよく出しており、しかも多少神経質ながらもコッポラ流の誇大妄想に染まることなくテンポよく進められて、「壊れる前に90分ほどで切り上げて踏みとどまった映画」とでも言いますか。 それにしても、80年代で(いったん)燃え尽きた男、ミッキー・ローク。いいんですけどね~。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-09 20:45:23)(良:1票) 《改行有》

748.  デストラップ/死の罠 《ネタバレ》 一般に、「“ドンデン返し”があります」と言うだけで一種のネタバレになりかねないので、一応「ネタバレ有」にしておきますが、本作はその方面での代表作みたいなもんなんで、今更、という気もしますが。まあ、一見すると、“ドンデン返し”のみに頼った凡作、という感じですけどね、しかしその凡作っぽい装いが、実は油断ならないのです。三流スリラー作家を演じる主人公のいかにもボンクラな表情。騒がしいばかりのボンクラな妻。そこにやってくるのはスーパーマンで皆さんお馴染みの大根役者。そこに展開されるのは、三流作家が企む二流の陰謀劇、入れ子構造になったこのボンクラぶり。「何やねんこの作品は」とか思いつつ観ているうちに、観ている私もボンクラであることを思い出し、作品との間に妙な共犯意識が生まれてくる。なんと、この私まで含めたボンクラの階層構造だったとは。そのピラミッドの頂点でルメットが笑ってます。この作品、もっとスマートに作ることも出来たとは思いますが、それをやってしまうと多分、最後に白けてしまう訳で、これぞ“ボンクラ”活用法の良い例でしょう。“ドンデン返し”というもののあるべき姿を、見事に示しています。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-30 11:29:22)(良:1票)

749.  トンネル(2001) 壁の向こうとコチラ側、という視覚的な効果も巧みに織り交ぜながら、実際に行われた西ベルリンへの脱出劇を、サスペンス感あふれる映画に仕上げており、歴史の重みを感じつつも、娯楽映画としても充分に楽しめる作品だと思います。ラストのトンネル内部の光景が、感慨深いですね。人間が人間の都合で“壁”を作り、それに対抗するためだけに膨大な苦労のもとに作られたトンネル。“壁”さえ無ければ無用のトンネル。発見されてしまえばもう使用できないトンネル。無駄といえばこれほどの無駄もない、しかし大変な重みを持つトンネル・・・。ところで、「命がけの脱出劇を取材して金儲けするアメリカのTV局」、それを描いた商業映画こそが、本作、だったりするワケなんですけどね~。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-12-16 19:08:32)(良:1票)

750.  ハリー・ポッターと炎のゴブレット 《ネタバレ》 要するにこの映画が言いたかったのは、クライマックスの部分、つまり、ヴォルデモート卿が復活しちゃったよ、ということ「だけ」らしい。そこに至るまで、延々と要領を得ないイベントを見せられるこのつらさ。たった一点だけ言いたいことのためにドタバタで間を持たせるのは、スターウォーズ方式と言って言えなくはないけど。課題が進むに従い、だんだん難易度が下がっていってるように見えちゃうのが、また盛り上がらないところ。説明不足で解りにくい点も多々。詳しくは原作を読んでくれ、ってか? なるほど、そういう商法か、考えたな。[DVD(字幕)] 6点(2006-11-05 00:01:26)(笑:1票)

751.  麗しのサブリナ ああ、ボギー!オードリーのそばに寄っちゃいかーん! ただでもデカい顔がさらにデカく見えてしまう!(←いやこれマジで)。で、内容の方ですが、ビリー・ワイルダー作品ということでちょっと期待しすぎたのが失敗だったか、もうひとつ気分的に乗らないまま終わっちゃった、という感じで。キャストがこの面子だからそれなりに見栄えがするけど、他の人が出てたら結構ヤバかったかもね。え?リメイクしちゃったの?あれまあ。6点(2003-11-23 01:55:04)(笑:1票)

752.  ダニー・ザ・ドッグ 凶暴なる戦闘マシーンとして育てられたダニ-・・・という設定がさっぱりピンと来ない。はっきり言って、映画冒頭からすでに、登場人物の中でリンチェイがいちばん理性的に見えちゃうんだな。何かもう少し演出に工夫があってもバチは当たらんと思うが。それに、モーガン・フリーまんとの出会いが、これまた「出来すぎた話」。そもそも、調律師がそんなにペラペラ喋りながら仕事できるんかい(ってか、調律お手軽過ぎ)、と思ってしまう時点で、ほぼ映画全体がミエミエになってしまうんですけれども、まあ、そのミエミエ感の範囲の中で、リンチェイのカワイラシサみたいなものが、よく出ていたかなあ、と。一方で、ボブ・ホスキンスの怪人ぶりが、これはなかなかのオリジナリティを感じさせますが、途中、深いキャラのように思わせて、実は浅かったというのが、「結局、日和ってるよなあ」という印象をこの映画にもってしまう点でもあります。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-04-13 08:20:25)(良:1票)

753.  キャノンボール コレ、子どもの頃は、マッドマックスなどと並んで「子供は見ちゃいけないハードなバイオレンス作品」みたいに信じ込んでおり、級友が「キャノンボール観に行ってきた」などと言うのを聞いて、それはそれは尊敬の眼差しで彼を見つめたもんでした。で、彼に訊きたかった点は、予告編にも登場するあの、飛行機からバイクで飛び降りる衝撃のシーン。一体どういうストーリー展開の必然性の中に、あのような絶体絶命の「悲壮感溢れる」シーンが生まれるのか、そして飛び降りた男の運命いやいかに。しかしその私の質問に対する級友の回答は、「いや、単に飛び降りただけ。あの後パラシュートが開いて、バイクだけ落ちていくねん」。私の頭の中に「?」が溢れかえる、これは一体どういうことなんだ、コイツ一体何を言ってるんだ? その後、TVの洋画劇場で本作を観て、彼の言っていたことが正しかったことを知ったワケですが。 というか、ここまで必然性の欠落したスタントシーンが存在することに、あらためて驚愕を覚えたのでした。 そんなワケで、もうホントにテキトーな、思い付き以下のネタが羅列されただけの、怪作ですね。2作目はもうちょっとオチまで考えてた部分もあると思うのですが(オランウータン君!とか)、1作目は殆どオチをまともに考えた形跡も見られない、ホントにただの羅列。これはある意味、スゴイことだと思います、ハイ。ラストもふざけたまま投げ出すように終わっちゃう、この潔さ。いや~実に天晴れ、ただし正気とは思えん。 それにしても2作通じて最大のインパクトを残す、ジャック・イーラム。俳優が普通に登場するだけでオドロオドロしいBGMが流れてしまう、まさに稀有の存在ですな。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-03-23 04:29:44)(良:1票) 《改行有》

754.  逃走迷路 《ネタバレ》 とにかく冒頭からやたらテンポがいいです。開始早々、あっという間に主人公は濡れ衣を着せられ警察に追われる身に。ここまでテンポがよいと、ちょっとイヤな予感がしてくるのですが、案の定で、大した伏線を張ることもなく、スイスイとお話が進んで行く。テンポが良すぎて、シーン前後の繋がりの悪い、説明不足の部分も散見されます。それにこの映画における主人公の立場が曖昧なのがどうにもイタい点、テロ組織は彼をどうしたいのやら、よくワカランし(ロクな確認も行わないヌルい組織だ)、主人公自身も脚本家も、警察に追われているという立場を後半忘れてしまったんじゃないか?という迷走ぶり(「警察と組織の両方から狙われる」というルールを提示した以上、最後まで通してもらわないと・・・)。ビルの窓からメッセージを落とすシーンも、さほど有効に機能しておらず、場当たり的との印象を強める。「サービス過剰は必ずしも大サービスならず」と言ったところでしょうか(我ながら名言だ・・・?)。さてしかし、やはり数々の見所はやっぱり忘れ難いものがあるわけで、例えば冒頭の火災シーン、なかなかにスタイリッシュ。あるいは中盤、ダンスしつつイチャイチャする二人に、しっかり追随していくカメラ。そしてお馴染み、ラストの自由の女神。実に迫力あるシーンに仕上がっています。フライが落ちて行くときの悲鳴、文字では何とも書き表せないような絶叫で、なかなか心がこもっておりました。ははは。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-08-27 22:41:13)(良:1票)

755.  ゴースト・オブ・マーズ 要塞警察とかザ・フォッグとか物体Xとかを混ぜ合わせて、変な映画を作ってみました、ってな感じの作品。火星にオバケがいて、オバケに憑依された人は(ヘヴィメタ化して?)他の人間に襲いかかる、というSFホラーアクション映画。何つうか、その、どっかのスタジオに適当にセット組んで、ひっそりと、誰にも邪魔されずに好きな映画を撮ってやろう、みたいなノリ。うん、実際、誰も止める人がいなかったみたいですね。これが「芸術」かと言わればよくわかりませんが、「骨董」には成り得るんじゃないですかね、そのうち。しっかし、ナターシャ・ヘンストリッジが「カクカクシカジカでした」と証言するシーンを観ていると、「ああ、もしカート・ラッセルがこの役を演じてたら、飄々といい味出してたのでは」と思い、はたまた「このアイス・キューブの役もカート・ラッセルが演じてたらカッチョよくキメてくれそうだなあ」なんて思う。カート・ラッセルは、一人では足りない。つくづく、貴重な役者だよなあ、と思えてきます。[DVD(字幕)] 7点(2010-02-18 00:07:29)(笑:1票)

756.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 密室劇でありながら超ハイテンションムービー。最初、12人が集まり雑談している間は、コチラにも余裕があるもんで、「オヤ、今、カメラの影が写ったのでは?」なんぞとイロイロ雑念も沸くが、議論が始まったらもう、やめられない、とまらない。作品のテーマは、“付和雷同”。言うまでもなく、真犯人は被告の少年に決まっておるのだけれども(笑)、とりあえず声の大きいヤツorよくしゃべるヤツがその場の雰囲気を決めてしまう。証人の鼻にメガネの跡があったなんて、当然だれも憶えていようハズがないのに、皆「ああ、そういえば・・・」となびいてしまう。陪審員制度って、こんなにオモロイ制度なんだね。ミステリならば、最後は真犯人がつかまってくれないと困るので、陪審員の中に真犯人がいて、探偵役がそれを暴いて終わらなきゃならないけど、本作は、あくまで、市民が陪審員としての責務を果たす話。穴ダラケの裁判を「穴ダラケだ」と指摘するだけ、という、いやこれが何だかサワヤカなんだ。最後になって初めて名前を名乗りあうというオチも気がきいてます。(あくまで民主主義の基本である「多数決」ではなく、「全員一致」というのがミソですね。多数決とは、“不満”を、質ではなく量でミニマムにすること。AかBかを決めるのに、「Aでなければ絶対困る」という“1人”と、「どっちでもいいけど強いて言えばB」という“その他全員”がいたら、大抵、Bが選ばれるというシステム。その“過程”に、この映画のようなドラマは生まれない。そのもたらす“結果”は、またある種のドラマを生みそうだけどね、うふふ)。[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-09-24 20:46:41)(良:1票)

757.  リーサル・ウェポン 『マッドマックス』の中で、メル・ギブソンが一生懸命“走る”シーンがあって、このシーンが昔から大好きで、以来、オッチャンが映画の中で一生懸命走っていると妙に興奮するようになったのです。そしてこれまたメル・ギブソンというヒトが、映画の中でよく走っている、だから、彼こそは本物のアクションヒーローだと思う訳です。本作でも一生懸命走ってる。夜の街を、銃を肩にかけてひた走るクライマックスは、本当に名シーンだと思ってます。いやあ、今回久しぶりに観直してみて、うーん、正直、もっと長時間走ってた印象があったんだけどなあ(笑)。でもこの、ジョシュア追跡から、バス激突に至るまでのクライマックス、大好き。本作はその後シリーズになって、アクションはともかく内容はグダグダになっていっちゃうけど、さすがに記念すべき第一作、描写も丁寧。「片や家庭に恵まれたマイホームパパ」「片やトレーラーハウスに犬と住む汚い男」が、実はともに刑事で、コンビを組むことになるまでを、小気味よいテンポで見せてくれます。さらにはこの汚い男の方の鬱屈した内面を、ぶっ飛びの人物描写でもって、見事にアクション映画の主役の座に収めちゃう。刑事がアブナければ、犯人の方もアブナいヤツで、その結果展開されるのはハチャメチャな闘争劇。ハチャメチャだけど、巧みな描写が自然に我々を映画世界へと連れて行ってくれる。いや実際、いい映画だと思います、一作目があまりにも見事に描き切っちゃったもんで、2作目以降、やることがなくなっちゃったんだと思うのです [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-06-09 16:51:24)(良:1票) 《改行有》

758.  ラ・マンチャの男 歌詞がほとんどタワゴトばかりという恐るべきミュージカルですが(笑)。正直申しますとコレと言ってお気に入りのナンバーが見つからず、やや曲調に変化が乏しいような気もして、なんとなく「歌」がボリューム不足の感じ。ミュージカルシーンよりソフィア・ローレンのセクハラシーンの方が多かったのではないか、と思えるほど(ではないケド)。し、か、し。劇中劇のラスト、地味になったS・ローレンの姿に、なんとなく『ひまわり』を思い出しつつも、そのセリフには、ハッとさせられる。「ドン・キホーテ」から「キハナ」に戻った(正気に戻った)P・オトゥールに話しかけてるんだけど、まるで僕らに話し掛けてるようじゃないですか。「昔はもっとバカでもっとハジけてたのに、すっかり守りに入って、ゴリッパなオトナになっちゃってさ!」と言われているかのよう。うむ。ドン・キホーテみたいな生き方への憧れが、何となくよみがえってくるようだ。そう、「勝ち負けは関係ない、戦い続けること」。少し勇気が沸いて来た。7点(2004-08-27 23:57:58)(良:1票)

759.  オデッサ・ファイル ごめん、乱読してた頃に読んだとは言え、驚く程記憶から飛んでしまってる、フォーサイスの原作。勢いで書いた「ジャッカルの日」の面白さ、特に後半の、ターゲットに迫り来るジャッカルと、加速度的に拡がる捜査網と息詰まる追跡劇は、映画も大いに楽しめたとは言え、興奮度では小説が数段上。と言う訳で期待して読んだこの第2作「オデッサ・ファイル」、某大な取材に基づく労作みたいだけど、肝心のストーリーが、地味といか行き当たりばったりと言うか(ということを本をパラパラめくって思い出す。ごめん、やっぱり内容を殆ど憶えていない事も確認される)。このたび、映画は初めて観ました。ははは、何だか小説よりなお若干、地味ですなあ。などと、小説の中身を殆ど忘れていた自分が言うのもナンですが。主人公のキャラクター自体が特徴が乏しくて地味。そんな主人公が、なぜこんな危険に飛び込むのかもピンと来なければ、なぜこうも危険な任務をスイスイこなすのかもピンと来ない。巨悪に挑む割にはユルい展開にも思えてしまって。なお、前者の「動機」については、最後にある真相が明かされ、小説として読む場合にはそういう「思わぬ真相」も仕掛けとして楽しめたりするけれど、映画でコレをそのままラストでやられると、ちょっとガクッときてしまう。何しろ、そこまで映画を通じて行ってきた「描写」を、「言葉」によって再度意味づけしようってんだから…。すみません、小説版はイマイチ、映画版はバカ正直で小説の欠点を補う工夫が無い。というのが私の感想です。 大御所が担当する音楽も、スバラシイまでにヘンテコでした。[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-06 15:17:56)(良:1票)

760.  オリエント急行殺人事件(1974) 原作については、誰でも(?)読んでる有名な推理小説だし、作品の背景となっている実際の誘拐事件についても、どこにでも書いているので、改めてここに書く必要もないでしょうけど。原作小説における、この誘拐事件の位置づけは、事件に対する憤りなのか、単にトリックにケチをつけられないためのエクスキューズなのか、それはともかく、作品にいくぶんサワヤカな印象を与えているのは事実だと思いますが・・・いやあ、こうして映像化してみると、サワヤカどころか、変態的・猟奇的ですね(笑)。それにしても、「雪で立ち往生した列車内」という限られた舞台に、有名俳優をぎっしり押し込んで(外は寒そうだけど中は暑苦しい?)、ゴージャスな映画になってます。カメラも腕の見せ所、尋問のために次々に現れるスターどもをバッサバッサと料理する。当然、「そのうちの一人は、尋問すべてをワンショットで撮ってやろう」なんぞという発想にもなる訳ですが、一体どの俳優がその餌食となるのか。うーむ、イングリッド・バーグマンと来ましたか。そして、その一人ひとりの尋問の後、恒例の、“容疑者集めて犯人指摘”となる訳ですが、これがまた、スターそろい踏み、映像にするとなかなかに見栄えがするものでして、結構盛り上がるのでした。あとこの映画、リチャード・ロドニー・ベネットの音楽が良くって、変に構えたようなメインテーマのワルツとは対照的に、緊張感のある音楽で映画をビシッとシメています。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-08-10 06:44:24)(良:1票)


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