みんなのシネマレビュー
鱗歌さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445

761.  荒野のストレンジャー イーストウッドという人、元々はTV西部劇で名を売ったとは言え、その後の活躍はマカロニという一種の傍流、やはり古き良き西部劇映画に自分は遅れてきた、という意識があるのか、はたまた終焉を迎えつつあるアメリカ西部劇を自分が看取ろうというのか。この映画、流れ者のガンマンがとある町にやってきて、その町を狙う悪漢3人組と対決する、という、いかにも定番の設定。でありながら、内容はというと、どうにもヘンテコなんですね。名もなき人々をヒーローが救うには、やはりその人々がそれなりに勤勉であったり正直であったりしなくちゃいけない。だけどもはや、どこを探したってそんな「無垢の善良な人々」なんて、居ないわけで。実際、この映画の舞台の町の人々も、およそワケありの、ロクでもない人々だったりする。だもんだから、割れ鍋に綴じ蓋とでもいいますか、彼らを守るべきヒーローもまた、とんでもないヤツだったりするのですね。一応は用心棒の役を引き受けるも、町民へデタラメな要求を繰り返し、町はムチャクチャ。いよいよやってくる3人組、彼らを待ち受ける町は何故かペンキで真っ赤に染められ、町の名前も「地獄」と書き換えられているのは、3人組への脅しなのか、それとも町民に対する皮肉なのか。そもそも、この破天荒な映画において、通常の悪役が暴れる余地なんて、もう残ってはおらず、クライマックスはアンチクライマックスに、西部劇はアンチ西部劇にならざるを得ない。まあ、間違っても正統派西部劇を楽しもうと思って観るのはやめたほうがよい、しかし変化球を楽しむにはもってこいの作品です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-29 13:41:58)(良:1票)

762.  インクレディブル・ハルク(2008) 印象的な長廻しによって始まる、クライマックスのパニックシーンが、いいんだなあ。そうそう、こういうのが観たかったのよ、ワカッてるねえ、とうれしくなっちゃう。街のど真ん中でモンスターが暴れまわる、もうこれだけでワクワクしちゃうんだけど、ひょいと自動車をはねのけて見せる怪力ぶり(そしてその何気なさ)が、また楽しい。この手の映画、CGなのか実写なのか、もはや区別がつきかねるんだけど、少なくともこういった場面では、実写(だよね?多分)による破壊シーンで、しっかりと質感を感じさせてくれる。また、コケオドシのドアップばかりではなく、時にはモンスターをロングで遠方に小さく捉えて見せることで、これはこれでちょっとリアルなスケール感も生まれる。いやはやなかなかカッチョよいバトルシーンでありました(うれしくなったので、子供を呼んで、このシーンだけ見せてみた。反応は・・・聞かないで下さい、とほほ)。全体的には、雑な場面とか、独り合点のワケワカラン場面とかもあるんだけど、その辺は多少目をつぶるということで。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-01-04 16:37:03)(良:1票)

763.  聖衣 《ネタバレ》 歴史スペクタクル、とは言っても大規模な戦闘シーンを売り物にしている訳ではないのですが(チャンバラが多少)、大がかりなセットに大勢のエキストラ、やはりこれはスペクタクル。 イエス・キリストの処刑にまつわるオハナシで、例によってイエスの顔は劇中には登場しません。そして意外にアッサリと処刑されてしまう。その処刑の際にイエスが身に着けていた衣装、「聖衣」がこの作品のテーマ。 イエスは生前、人々の病気を治す奇蹟をおこなった、らしいのだけど、作中ではその奇蹟が直接描かれる訳ではなく、イエスを自らの手で処刑し後に続くマーセラスの苦しみも、聖衣に触れたため、というよりは、聖衣を通じて自分の良心の呵責に触れたため、という描かれ方になってます。キリスト教とは無縁の人間が観ても、納得感がありますね。 ラストシーンで胸を張って処刑場に赴く主人公と、その恋人。彼らの背景が、次第に現実のものから大霊界(?)へと変化していく描写が、これは今見ると少し気恥ずかしいものがあったりもするのですが、しかしなるほど、合成技術によりこういう表現もできるんだなあ。というワケで、この手法は少林サッカーあたりにも影響を与えているのではないか、と(まさか)。 基本は宗教劇なので、活劇の要素は多くはありませんが、ペテロの集会が軍隊に襲われる場面や、終盤の城への侵入シーンなどは、なかなかの見せ場になっています。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-04 15:43:28)(良:1票) 《改行有》

764.  ウエスト・サイド物語(1961) 名作とか芸術作とか、そういう呼び方をするのは(個人的に)違和感がありまして。だってこれはバカ映画の範疇に入るでしょ?(ミュージカルは大抵バカ映画という話も?)。ただ~し。コレは、とにかく念の入ったバカ映画、見ごたえある、壮大なバカ映画です。いわば、登場人物がことごとく竹中直人・渡辺えり子ペア、とでも言いますかね、観ててとりあえずは唖然とします。さらに映画後半では「おいおい、歌ってる場合じゃないだろー」と言いたくなるシーン続出。一方乱闘シーンなんかは実に手際よくてホノボノとしています。でもいいんだナ。ちゃんと映画の世界に引き込んでくれますからね。バルコニーのシーン(に相当するシーン)なんかも、実に印象的に迫ってきます。音楽は、いいです。今更言う事もないか(笑)。別にわたしゃバーンスタインの指揮はそんなに好きじゃなくてCDも殆ど持ってない。まして純音楽作品の作曲家としては、本人は自作を生前よく演奏してたけど、どうだろう、果たして音楽史に残るかどうか? でも、本作の音楽は、ウマイ!こういうのは確かにウマイね。聴かせます。8点(2004-04-11 02:34:33)(笑:1票)

765.  潮騒(1975) 『伊豆の踊子』に続く、三浦友和&山口百恵の文芸路線。両者に共通しているのは、原作に「脱ぐ」シーンがある、ってことで、ファンをヤキモキさせるためにわざとそういう小説を選んだんだろう、と勘繰ってしまうのですが。で結局、両者とも、まあよくわからんけどこんなもんでしょ、という仕上がりになってるのですが、それはともかく。 それを「ともかく」で片づけてしまうと、あまり言うことが無くなってしまうのですが、ああ、そういや初井言榮さんって、堀ちえみ版にも出演してましたっけ。いや、それもともかく。 オドオドするばかりで動きに乏しかった『伊豆の踊子』に比べると、今回は三島由紀夫作品、すなわち行動してナンボ。主演ふたりがそれぞれ存在を主張しつつ、動きのある物語展開になってます。ただ、百恵さんは相変わらずイモっぽいですが、その素朴さが、なかなか悪くないですねえ(原作のイメージに近いかどうかはともかく)。しかしここは友和さんの、一本気な若々しさこそが最大の魅力。フンドシ姿も目にまぶしい。 いや、やっぱりMVPは、初井言榮さん、かな。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-07-21 21:44:52)(良:1票) 《改行有》

766.  ダイ・ハード 高校生だった当時、公開の数カ月前から、某雑誌で紹介されていたのを読んで、こりゃスゴい映画が来たぞ、と一人で盛り上がってたっけ。前売り券買ったらオマケにくれたマグネット、その後何年も大事に使ってたよ。満を持して、試験休みの平日に映画館に一番乗りしたのも、懐かしいような、大して懐かしくもないような。80年代、スタやらシュワやらのアクション映画に世間がやや辟易してた頃でもあり、必ずしも注目度は高かったとは言えず(クリスマスが舞台なのに正月映画じゃなくって2月公開だったし)、日本で本格的に人気に火がつくのはビデオリリースを待たねばならなかった(この人気を受け、続編の方が遥かにヒットした)。私が何ゆえあんなに事前に盛り上がっていたかというと、雑誌の紹介記事にビルが爆発してる写真が載ってたから。その一点だけで、こりゃ傑作なんじゃないかと期待しまくってしまった。ま、さすがに過剰かつ短絡的な期待だった訳ですが。でもそれ以来、ずっと愛着のある作品です。伏線が張り巡らされているのが面白い? いや、映画における「上手い伏線」ってのはもっとイメージに直結するものでしょう。本作のは伏線なんてのは、およそ機械的な「答え合わせ」に近いもの。2回目の観賞くらいまでは発見もあるけれど、すぐに底が割れてしまう。やっぱり本作の魅力、愛着を感じる点って、ズバリ、作品の素朴なカッコ良さにあると思います。屋上で追うテロリストたち、応戦するマクレーン、カメラが上がるとそこに、銃を構え静かに闊歩するAゴドノフのカッコ良さ。装甲車はカッコ良いし、そこにミサイルが打ちこまれりゃもっとカッコ良い。その瞬間、街中が戦場と化し、気分は大いに盛り上がります。何を考え何を狙っているのか掴めないAリックマンもカッコ良い。Bウィリスは真剣な表情や焦った表情は正直似合わないけれど、飄々としたり弱音吐いたりするとやたら好感度が上がる。FBIのヘリが現れたらさらに気分はヒートアップ。そしてあの屋上大爆破。この爆破シーン、ビルの遠景近景、飛び降りるマクレーンを上から撮ったり下から撮ったり、地上から見上げる人々の姿を交えたり、これでもかと様々なショットで描写し、時間も自由に引き延ばされていて、やっぱりこんなカッコ良いシーン、そうそう無いと思うのです。で結局、何度見ても、カッコ良いなあ、魅力的な作品だなあ、とそう思う次第です。[映画館(字幕)] 10点(2014-04-21 21:49:31)(良:1票)

767.  新・高校生ブルース 本来は『ポーキーズ』みたいな映画のノリのはずなのですが、全編にわたって充満しているのはむしろ、オヤジ臭い安キャバレーみたいな雰囲気でした。[地上波(邦画)] 5点(2009-03-01 11:14:17)(笑:1票)

768.  赤穂浪士 東映10周年記念、あまりにもオールスター過ぎる豪華時代劇。オープンセットでの群衆シーンに、壮麗なスタジオセット、そこに次から次に出てくるスターたち。いやまあ冒頭で配役がクレジットされてはいるのですが、誰が何の役か到底覚えきれない人数なので、いつ誰がどんな形で出てくるか、という楽しみがあります。ただ、人数集めすぎて、もはや役の方が足りないような・・・(って、そんな訳はないのですが)。 というくらい、色々と人物が登場して、大友柳太朗が重要な役かと思いきや中途半端な脇役に回ってしまったり、十四郎サマがその好敵手かと思いきやさらに影が薄くなってしまったり、錦之助の役なんていっそ登場しなくてもよかったんじゃないかと思うくらいなんですが。でもこういう必要なのか不必要なのかわからん登場人物がウヨウヨ出てきてストーリーの節々に絡んでくるのが、オールスター映画の楽しいところ。それにしても錦之助&賀津雄兄弟、似すぎ。 最初の1時間ほどは、そういうよくわからんキャラクターを登場させつつも、橋蔵演じる「出木なさ杉クン」こと浅野内匠頭の刃傷沙汰から切腹までが描かれます。そこからは、右太衛門や千恵蔵が気合いの演技をみせまくる、おっさんタイム。気合いが入れば入るほど、セリフが聞き取りにくくなっていき、何言ってるのかよくわからん千恵蔵を囲んで藩士たちが号泣しているのを見てると、ちょっと取り残された気分にもなりますが、いいんです、あくまで雰囲気、雰囲気。 さて、「赤穂浪士」という割には、大石親子以外の人たちの出番が妙に少なく、せいぜい目立つのは片岡源五右衛門くらい、というのがちょっと珍しいですかね。堀部安兵衛ももっともらしく出てきた割に活躍しない。東千代之介より山形勲、というわけです。 ということで、個々の浪士のこれというエピソードもないまま、浪士以外の登場人物が入れ代わり立ち代わり物語に絡みながら、気がついたら討ち入り、となりますが、若手(あくまで当時)とベテランのスターが散りばめられる楽しみに、豪華なセット、松の廊下などでカメラが横方向に動くとちょっと舞台の雰囲気なんかもあったりして。討ち入りの日の雪の描写なんかもいいですね。 ただ、全編を通じ、「泣く」場面が多すぎるかな、という気も。あまり涙を乱発すると、ここぞ、という盛り上がりが弱くなってしまいます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-01-15 09:05:20)(良:1票) 《改行有》

769.  ミュージック・オブ・ハート 《ネタバレ》 へへへ、ウェス・クレイヴンがこんないかにも「感動作」ってなジャンルに手を出して、どうしたのよ~と思って観てたら・・・何と、グァルネリQのアーノルド・スタインハートを始めとして、数々の著名演奏家が本人役で登場するという仕掛け、こりゃヤラレタ! しかも、大御所中の大御所、今は亡きアイザック・スターンに至っては、セリフ付きでメリル・ストリープとぶつかりあう、異種格闘技ぶり。本人を登場させちゃうなんてこりゃまるで、ホラー映画でたとえれば、殺人シーンで本当に人殺しするようなもんだ。いくらクレイヴンでもそこまでやった事は無い(と思う。多分)ので、それまでのホラー作品を超えるギミックを投入していた訳です。参りました。ところでこの映画を2度目に観てた時にふと気づいたんですが、観ている自分の視線、自然にストリープへと引き付けられてるんですよね。やっぱりこの人、華があるなあ、と思ったのですが、後で考えると、単に感情の起伏をやたら大袈裟に表現しているからか、という気も。まあつまり、この起伏の激しい主人公のキャラが、本作の求心力(唯一の?)で、映画を面白くさせている魅力ですね。8点(2003-12-30 23:50:35)(良:1票)

770.  切腹 日本人にとって、切腹というコトを口にするのは、ちょっと微妙な感情、一種の居心地の悪さが伴う訳で、それは、いわば日本を代表する風習のひとつでありながら、自分自身はそれを決行する自信が全くないこと。何かと耳にはする「切腹」という言葉と、その意味する実態が想像を絶することとのギャップ、しかし世が世なら自分もそれをせざるを得なかったかも知れないという恐怖(武士だけの行為ではない。近代でも自らそれを行った例が多々あるとのこと)。あと、世のSMマニアの中には切腹マニアというのもいて、そのテの本や写真集もあるそうで(三島の『憂国』だってその一例だ)、それも居心地の悪さの原因かも知れないけれど(笑)。さて本作。ひとつには物語の構成の妙が我々を釘づけにするんだけど、“切腹”を正面から捉え、しかもそれを痛々しく理不尽に描いているのが、強烈この上無い。切腹ってのは、腹膜まで切ろうとすると非常に苦しいものとなり(腹筋を切り裂くのがまず大変)、浅く切ってすぐ介錯してもらうのが楽で良いらしい(とモットモらしく言ってるのがこれまた居心地悪いんだが)。それを何と、竹光での遂行を迫られる理不尽さ、その苦痛はいかばかりか、画面からヒシヒシと伝わってくる。なのに本作の音楽担当が「たけみつ・とおる」とはこれまた何と理不尽な。それはどうでもよいが。後半、物語は一変、いや、視点が変われば物語も変わるということ。強い立場、迫る立場、追いつめる立場であったはずの人間が、実は追いつめられていってる、というその過程が、別の意味でコワイ。何ものかにとらえられている存在であることには、皆、変わらない。この凄惨なクライマックスは、一種のエンターテインメントでもあるのかも知れないけれど、そこには同時に、秩序が内側から自壊していく恐怖もある。いやむしろ、秩序の虚飾が内側からが崩壊してなお、秩序の外枠だけがガランドウのように残り続けていくことの恐怖なのかも知れない。[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-09-29 03:47:41)(良:1票)

771.  コンドル(1975) 日曜洋画劇場で観て以来だからずいぶん久しぶりですが、やっぱり面白いですね~。地味ですけど。 アメリカ文学史協会なる、何の変哲もない組織が、ある日、謎の男たちに襲撃され、職員は片っ端から殺されちゃう。消音機がつけられた銃での、寡黙なまでの殺戮。淡々と響くのはタイプの印字の音。そんな中、生き残ったのは、その時たまたま外出していたロバート・レッドフォードただ一人。実はアメリカ文学史協会は、CIAの下部組織で、レッドフォードもCIA職員のひとり。コードネームは「コンドル」。こんな冴えないヤツにまでコードネームを与えているとは、CIAもヒマなのかどうなのか。 などと言っている場合ではないレッドフォード。CIAに連絡をとり保護を求めるが、どうやら黒幕はCIA内部にいるらしい。という訳で、レッドフォードの孤独な闘いが始まるのですが。 レッドフォードが「本の虫」というくらいに活字マニア、という風に全然見えないのが、何ともかんとも言い難いのですが、一応、オタク眼鏡をかけてそれっぽく役作り。何で彼の命が狙われているのか、とか、終盤における黒幕を突き止めていく手口とか(全編にわたって、電話が印象的に用いられています)、この辺りはまあ正直、いかにも「それっぽい」だけで十分面白くて、実は色々とアラがありそうな気もするけれど、どうでもよくって。あまり背景のはっきりしない主人公の生き延びようとする姿に、都市生活の孤独なんかが反映されていて、さらにフェイ・ダナウェイの影の薄い感じが、その孤独感を強めていたりして。敵方のマックス・フォン・シドーまで孤独感に貢献する。サスペンス作品ながら、イヤでもシンミリしちゃうではないですか。[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-08-10 19:37:29)(良:1票) 《改行有》

772.  ブレスレス(1983) 「勝手にしやがれ」の男女の国籍を入れ替えただけでアラ不思議、別の映画になってしまうという、リサイクル精神溢れる映画。「勝手にしやがれ」ほど勝手にしやがっていないので、とりあえずは安心して見られますが、物足りなくもあります。特に、ヴァレリー・カプリスキーがどうもバカっぽく見えてしまうのが残念。ギア様は絶好調で、ベルモントとはまた異なる魅力を振りまいてくれます。7点(2003-05-23 23:04:41)(笑:1票)

773.  ボーダー(2008) 《ネタバレ》 まあ一言でいえば、映画の出来自体が“ボーダー”ってなところですかね。ちょっと面白い構成で、2人に一人くらいはダマせるかも知れません。もっとも、何だかアクロイドとABCのそれぞれ悪いところを足し合わせたような印象もありますが。ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの“親子”共演再び。いや初共演かもね。確かにふたりを共演させましたよ、とばかりに2人を並べてみる。しかしわざわざ2人を並べるのが何だか安っぽく、印象としては「ジジイが2人」。ブライアン・デネヒーも合わせると、うーんジジイばかり。他にも俳優はナンボでもいるだろうに、何ゆえこんなにジジイばかり集めて犯罪サスペンス映画を作ろうとするのか? この絵ヅラを観てると、まず「アメリカの警察には定年が無いのか?」という感想が最初に来てしまいました。まあ、この映画最大のドンデン返しは、「これだけの俳優集めておいて、これだけ濃い演技させて、なのにまさか、こんなに薄い内容だとは!」ってトコロですかね。いや、驚きました、実際。[DVD(字幕)] 6点(2010-12-28 01:20:04)(笑:1票)

774.  黄色いリボン 退役間近の老大尉を演じるジョン・ウェイン、当時はまだ40歳過ぎ。だもんで、ヒゲ生やしたり、老眼鏡かけたりした役作りで、時々あまり彼らしく見えない場面もあるのですが、しかし主人公のキャラに関してはまさにジョン・ウェインそのもの! というよりはもしかしたら、この作品が結果的に彼をその方向に引っ張って行ったのかも知れませんが。一見頑固で武骨で、でもどこか茶目っ気があって。後の『ヘルファイター』とか『グリーン・ベレー』とかにおけるジョン・ウェインも、この流れの中にあればこそ、何だか憎めない。本作、先住民族と一触即発の状況にある騎兵隊を描きながらも、派手な戦闘シーンはあまり無くって(でも馬の疾走シーンではちゃんと迫力を味わえます)、むしろ主人公の大尉は、無用な戦闘を避けるために先住民の長老との話し合いに臨む、この辺りは年の功とでもいいますか。若者に手を焼いているのは、敵も味方も同じ。引退を迎える最後の日まで、職務に忠実であり、それ以上に、仲間である隊に忠実であり続ける、名もなき老大尉の姿。つまり、国を守り支えてきたのは、決して「戦い」などではなく、「人間」そのものなんだなあ、と。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-05-05 09:53:47)(良:1票)

775.  アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲 あのやたら楽しかった第一作よりもさらに発想がぶっ飛んでて、発想が飛んでいさえすれば面白くなるという訳ではない、と言うことがイタイほどよくわかる作品です。飛ぶ方向を間違えると、オモシロさは飛距離に比例するどころか、悪くすると反比例してしまう。 今回はいきなり、人類が滅亡寸前。ナチの残党どころか、人類そのものの残党が月の裏側で生き残ってる。 で、地球の内部(毎度お馴染み、空洞説!)にあるという、ナントカいうエネルギー(名前忘れた)を目当てに、宇宙船で地球に向かうと、なんとそこには・・・ なんだ、発想が飛んでると思いきや、結局は第一作の裏返し、ってことですかね。でもとてもそれだけとは思えないくらい、この作品、支離滅裂。で、イマイチ面白くない。 なんかこう、最後の方もどうオチをつけてよいのやら、といった感じで。 パロディだけでは、ちとキビしい。[インターネット(字幕)] 5点(2021-04-27 22:35:21)(良:1票) 《改行有》

776.  ハンコック なかなかの快作にして怪作。嫌われ者のスーパーヒーロー、と言っても、ピカレスクなヒーローでも何でもなくて、ただ単純に人から「嫌がられている」というのが何ともオカシイですね。バカバカしいくせに妙な説得力もあり、笑える中にも主人公の孤独が自然に浮かび上がってくるという、全く押しつけがましいところがないのが、この映画の魅力。ただしそれは映画前半。ふむふむこの映画はそういうタイプの映画かと思って観ていると、後半はそれをリセットせんばかりの勢いで妙な展開に突っ走り、何だか映画がグダグダになっちゃった感じ、しかも恣意的に映画をグダグダにしているらしいのが、観てて戸惑うところ。言ってみれば、映画前半は、奇抜なヒーロー像という点での、観ている我々に対する良い意味の裏切りがあったのに、後半は、さらに輪をかけて裏切りを仕掛けてきたせいで、ちょっと「悪い意味の裏切り」と感じられてしまう。結局のところ、“映画を観る側が映画を作る側に何を求めるか”ということと、その一方で“映画を作る側は映画を観る側に何を求めるか”“「観る側の期待」として何を想定するか”、ということとの間の、絶対に埋まることのないズレを、改めて意識させられる映画でもありました。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2009-10-23 01:03:06)(良:1票)

777.  王立宇宙軍 オネアミスの翼 《ネタバレ》 ライトスタッフに不器用なロマンスを絡めたようなお話、地味と言えばこの上なく地味なんですが、えてしてそういう映画は映像がスゴかったりする訳で、アニメーションのこの見事さには驚き、呆れ、圧倒されます。 この、立体感。一部のシーンではCGを援用したらしきメカニックな動きも見られますが、手描きでこそ感じられる、立体感の危うさ、みたいなものも多分にあったりして。 緻密さと誇張との、せめぎ合い。 で、まあ、最後は宇宙に行って、人間なんてちっぽけだよねえ、と。 そうなんです。我々も日常生活にクサクサしたら、つい宇宙のことを考え、つくづく、自分たちがちっぽけな存在であることを意識するんです。 さらに、そんなこと考えても何の解決にもなってないことも意識するんだけど。。。 何にせよ、この作品も、ついに宇宙に到達して、達観したように幕を閉じる。なんとも感慨深いものが確かにあるんだけど、そりゃ、「宇宙」と言われりゃ自然に感慨深くなるもんであって、この感慨が、この作品の映像から来ているのかというと、よくわからない。打ち上げの素晴らしい映像、その後でそれを上回る「宇宙を感じさせる映像」を見せてくれたらもう納得せざるを得ないんだけど、正直、あれ、こんなもんか、と思っちゃいました。 とかいうのは、贅沢ですかねえ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-01-23 22:05:18)(良:1票) 《改行有》

778.  悪魔の凶暴パニック ヤケクソのような邦題ですが、中身は「悪魔」でも「凶暴」でも「パニック」でもなくって、かなり地味なサスペンス作品です。物語はといいますと・・・男女の集う、楽しかったはずのパーティは、惨劇と化した。何と、メンバーの一人の男が、カツラand全ハゲだったのである! って、まあ、これだけならば「ハゲで悪いかよ」ってな話なんですけれども、問題は、そのハゲ男が発狂して、他のメンバーを殺害してしまったのである! しかもハゲ男はその後あえなく頓死、やはりパーティメンバーの一人であったジプキンは故なく犯人と間違えられ、警察に追われる身に。真相を追う彼の前に、第2、第3の惨劇が発生、いずれも共通点は加害者が全ハゲであること。やがてジプキンがたどり着いた謎の言葉“ブルー・サンシャイン”。その秘密とは? ってなオハナシです。どうですか、面白そうですか。確かに、盛り上げ方さえ上手ければ面白くなりそうですね。でも実際はというと残念ながら、盛り上がらない地味な作品になっちゃってます。クライマックス(に相当するであろう)の対決ですら、とってもアッサリしていて盛り上がらないことこの上なし(ま、襲ってくるヤツが「ハゲ」である以外に特徴ないしね)。大体、なぜ「ハゲが発狂」なんですかね(正確に言うと「ハゲのカツラが取れたら発狂」かも知れないけど)。誰しも身近にハゲの一人や二人はいるので、「もしやあの人も!?」と我々をビビらせようという作戦なんですかね。あんまりハゲを馬鹿にしてはいけませんよ。と、私もちょっと「ハゲ」を連呼し過ぎですかね、恨まれそうですね、すみません。[DVD(字幕)] 5点(2010-06-08 00:07:33)(笑:1票)

779.  デジャヴ(2006) いやマジで面白かった! 予想外のオモシロさで、正直びっくりしました。題材的には、講談社ブルーバックスの「タイムマシンの作り方」ってな本をワクワクしながら読んだのを思い出したりして、再びワクワクしちゃったりするのですけど(こういう設定を「ありえない、絶対ムリ」と頭から馬鹿にしてはいけないのだ! まあ、ムリですけど)、それを抜きにしても、大興奮してしまいました。冒頭の平和なフェリー出港の場面と、続く突然の大惨事。正直、例によって例の如くやたらカメラを動かしまくる点が気になったのだけど、この「やたら動くカメラ」が、映画中盤の「過去を映像で見る」というシーンにおける映像描写へと、視覚効果としてもちゃんとつながっており、違和感が一気に解消。ミステリとしても魅力的、謎が“虚”の映像で示され、“実”映像で解き明かされていくのが、まさに映画ならではの面白さ。そして(無くてもストーリー上は問題ないけど、あったら嬉しい)大サービスのカーチェイス。そしてそして、白眉は何といってもクライマックス。「同じシーンが、まったく違う心理効果をもたらす」という、その効果たるや、まさに絶大。大興奮。うーん。シビれたね~。[DVD(字幕)] 9点(2008-11-09 08:15:14)(良:1票)

780.  ゴジラ キング・オブ・モンスターズ もちろん、あの東宝怪獣たちが最新のCGで再現されてるのを観りゃあ、とりあえず「うわぁ~」とテンション上がっちゃうのですが、その一方で、「何だか、最近の映画でよく見るタイプのCGモンスターと大差なくなちゃったなあ」とも。妙な既視感が。 かつてのキングギドラって、まったく無表情の3本の首が、機械的かつテキトーにカクカク動いてたのがかえって不気味で、味があったんだなあ、と改めて気づかされます。ああいうローテク感ばかりは、CGではなかなか出せないし、出して欲しくもありませんが(スパイキッズ3みたいな例も、あるといえばありますが)。 うん、まあ、でも、やっぱりカッチョいいよねえ・・・。 2014年ゴジラでは、いかにモンスターの存在をデカく見せるか、多くの工夫が凝らされていて、その点では本作は2014年には及ばない印象。2作目ということもあってインパクトも薄れてます。でもカッチョよい。 問題は人間たちのドラマ部分。別にゴジラ映画で人間ドラマなど期待してはいないけど、それにしたって、登場人物たちの存在感の無さ。動かない、何もしない。せめて、乗り物を乗り換えたんだったら、映画の中で乗り換えろよ、と言いたくなっちゃう。映画の登場人物ってのは、歩くなり走るなり、メシを食うなり、ハナクソほじるなり、何でもいいから映画の中で「動作」を見せてこそ我々も感情移入できるんであって。 およそ、お飾りにも、なってません。[映画館(吹替)] 6点(2019-06-08 04:21:52)(良:1票) 《改行有》


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS