みんなのシネマレビュー |
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61. 口裂け女2 《ネタバレ》 『ザ・都市伝説』的な1作目とは、がらりと作風の変わった2作目。その変わりようは驚くほどで、はじめの20分くらいで、一度タイトルを確かめたくらいホラーの雰囲気まるでなし。最後まで見ると確かにホラーなのですが、どちらかというと一人の少女と幸せな一家の消滅を描いた悲劇のドラマ。 例えば、クライマックス直前で、真弓がヨタヨタと歩いているシーンが遠くから映し出されます。普通のホラーであれば、ここは映さず、『埋めたはずの真弓が突然店の外にいる』っていう演出を選ぶのではないでしょうか。なぜならそっちのほうが絶対びっくりするからです。でもあえて、真弓がヨタヨタと歩くシーンを入れちゃう。それはなぜか。このシーンをみると、背筋がぞっとするような恐ろしさは感じるけれど、その一方でこの不憫な少女がかわいそうでしかたがなくなってくるのです。つまり、ホラーである以前に、悲劇のドラマであるという脚本を重視しているんじゃないでしょうか。 この作品の前半と後半の温度差は凄まじいものがありますが、この作品の秀逸なところはその温度差を極力感じさせないところです。気付けば全員が不幸の波に飲み込まれ、辺りに血のにおいが漂っちゃっているのが凄い。青春ドラマからの悲劇。悲劇からのサスペンス。サスペンスからのホラー。これだけのめまぐるしい展開を違和感なく見せきっています。 最後に個人的な感想を言います。美容師のほうの姉や陸上部の棒読み先輩は、真弓にずっと優しくしていたのだから、同じ殺すにしてももう少し葛藤を感じさせてほしいです。ただのザコキャラ扱いなのが悲しい。その一方で、真弓を迫害したクラスメートその他大勢のモブキャラたちになんのお咎めもなしってのも、なんか不満が残ります。 それにしてもラスト、口裂け女の第一発見者になるであろう少年から、噂話へと切り替わるのが、ホラーとしてもドラマとしても最高の終わり方ですね。[DVD(邦画)] 8点(2017-11-30 02:38:41)(良:2票) 《改行有》 62. ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 《ネタバレ》 いよいよ最終章後編。長い長い壮大な物語もこれで終わり。そしてこの作品、さすがに面白いのは面白いのですが、やはり暗い物語でしたね。スネイプも、リーマス・ルーピン夫妻も死んじゃって・・。え?ウィーズリーの双子の一人も死ぬんでしたっけ? いやー、本当に後半は犠牲が多いです。ずっと昔に小説を読んで、もうすっかり細かい内容は忘れていたのですが、その記憶が呼び起こされて、小説を読んだときのように暗い気持ちになっちゃってます。 それにしてもスネイプ。泣けます。 ダンブルドアとスネイプの秘密が明らかになる記憶の旅。本当に切ない。そうでした。スネイプはハリーのお母さんのことがずっと好きだったんですよね。リリー・ポッターになってからも、ずっとその想いは失われず。かといって安易な略奪に走るわけではなく、健気に見守るスネイプ。確かにこの物語はスネイプの物語と言ってもいいのかもしれません。たった一人の人を想い続ける。その人のためなら、自分の命も名声も、すべてを犠牲にする。汚名すらかぶる。汚れ仕事を一手に引き受ける。それでいて泣き言ひとつ言わず、ドラコ、ハリー、みんなを守ろうとする。スネイプはこの作品で最も孤独で最も崇高な人物ですね。 それに対しドラコ、お前は本当に情けないやつだ。ラストくらい良いところ見せてくれるのかと期待したのですが、最後までドラコはドラコです。 最後にこのシリーズ、はっきり言ってすごく好きです。なのに、どの作品も、低評価レビューのご意見に深く共感している自分がいる不思議な作品です。 そもそも、分霊箱の破壊だったり、ハリーの中に宿ったヴォルデモートの魂だったり、ストーリーをごっちゃごちゃにしすぎたのがテンポを悪くしているよーな気がします。ですがこれはもう原作がそうなっているのだから仕方ありません。 ドラゴンボールじゃないんだから、分霊箱7つっていうのがどう考えても多すぎるんですよ。(探すのは6つですが、それでも多い) 3つくらいにしておけば、もっとメリハリのあるストーリーに出来たんじゃないですかね。 何にせよ、これで終了。 大人のハリーとジニーはなんかブサイクでしたけど、DNAの突然変異か、これこそ魔法の奇跡か、二人の子供は何故かイケメンでめでたしめでたしですね。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-04-05 00:29:07)(良:2票) 《改行有》 63. ブラックホーク・ダウン 《ネタバレ》 実話をもとにしているだけに、ドキュメンタリーのように事実だけが淡々と映し出されていきます。 ですが退屈とは無縁の内容ですね。 ソマリアのアイディード将軍の側近?の身柄を拘束するだけの強襲作戦。速やかに30分程度で終わるはずだった作戦は、泥沼の市街戦へと突入。陸上部隊も、輸送トラックの部隊も、予想を超える攻撃に次々と死者を出します。 そして撃ち落とされるブラックホーク。救援に向かうブラックホークまで撃ち落とされ、被害は拡大の一途をたどります。 1名、2名を救うため、更なる死傷者を出していく。 単純な足し算引き算ができないのはわかっていますが、やりきれない思いでいっぱいになります。 『あいつらは石を投げてくるから気をつけろ』に代表されるソマリア民兵を下に見る、数々の格下発言。 民兵の子供達が無線機でヘリの音をとり、米軍の出動を知らせるシーンで、子供達に向かってヘリから手を振るアメリカの兵士。 確かにこの作品は純粋な反戦映画ではないのかもしれません。 むしろ、戦争の相手を『無能』『格下』と決め付けてしまったがために、急襲が急襲でなくなり、待ち伏せに会い、被害を拡大させてしまったことをアメリカに反省させるような内容に見えます。 見逃してしまった待ち伏せのサイン。あそこで待ち伏せされていることに気付いていれば、アメリカもソマリアも被害が拡大することはなかったのでしょう。 戦争をする気はなかったのに戦争になってしまった、というのが本当のところではないでしょうか。『これはもう強襲作戦ではない。最悪の市街戦へと突入したんだ。』という本部の上官の悲痛な叫びが、すべてを物語っている気がします。 登場人物が多すぎて、誰が誰だかわからなくなります。誰がデルタフォースなのかも、途中からよくわからなくなります。ソマリアの人たちも、民兵と一般市民の区別がつきません。 つまりは、偉そうに語ってしまいましたが、私がこの映画を理解できているのかどうかが、そもそも怪しい。 ですが、戦争のシビアな現実は、少なからず感じ取ることができたのではないかと思っています。 戦争映画でこのコメントを使うと顰蹙を買いそうですが、『大変面白かった』です。 当事者ではないから言える意見ですね。日本に生きる私にとっては、やはり他人事なのかもしれません。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-11-12 14:17:52)(良:2票) 《改行有》 64. 鑑定士と顔のない依頼人 《ネタバレ》 なんて胸糞悪い映画なんでしょう。 この胸糞の悪さ、何かに似ていると思ったら『マッチスティック・メン』だ。 ただあちらと違い、こちらは老い先短い初老の男性からすべてを奪う物語。胸糞の悪さはけた違いだ。 『最後に来た手紙の束』『リハビリ』『引っ越し』『やっぱり最後はハッピーエンドに書きかえるわ』などから、最後はもしかするとハッピーエンドにつながるのか?ど、ど~なるんだ~??・・・と思わせたまま、映画は終わる。 な、なんじゃそりゃ~!『あとはご想像にお任せします。』じゃね~よ~!もう一番嫌いな終わり方です。 ありきたりでも、凡作でもいいから、『クレアとヴァージルはうまくいきました。みんな祝福してくれました。クレアはもちろん、仲間たちともずっと仲良しでした。ちゃんちゃん。』のほうがよほど良いです。 心を許した友人たちがよってたかって自分をだまし、生涯をかけて集めた宝物を奪いました。最愛の人も自分をだましていました。 いや、いくらなんでもあんまりでしょう。 ヴァージルは確かに偏屈で傲慢な気質ではありますが、ここまでの仕打ちを受けるほどの悪人だったでしょうか。答えは否です。 紆余曲折あり、ゴールインまで大変だったからこそ、ラストはハッピーエンドで締めくくるものでしょう。 最後にとんでもない冷水を浴びせられて、気分は最悪です。 『見たことを忘れない映画』としてなら10点ですけどね。 こんな気分になるために映画を見ているわけではないので。[ブルーレイ(字幕)] 3点(2024-03-18 23:47:50)(良:2票) 《改行有》 65. ロボコン 《ネタバレ》 落ちこぼれの主人公。協調性のない天才。自分に自信がない部長。やる気のない不良。 どのキャラもステレオタイプで、まさによくある青春サクセスストーリー。 いわゆる『2軍』扱いの主人公グループ。それが『1軍』に勝ち、遂には全国制覇まで成し遂げるストーリー。 漫画、ドラマ、各ジャンルで何十回と使われているプロットでしょう。 唯一今までと違うのは、そのステージがロボコンということです。 つまりはスポーツでもなければ音楽でも芸術でもない。 これはカテゴリーでいうと、『お勉強』というある意味新ジャンルの開拓ではないのか。 今までに踏み込んだことがない題材だからこそ、ストーリーはこれくらいシンプルかつ王道なほうが、この世界に入り込みやすいというものです。 そして何よりこの作品、長澤まさみがとにかく可愛い。最初はむかつくキャラなんですけどね。中盤くらいから俄然かわいくなります。 小栗旬も何気にかっこいい。伊藤淳史と塚本高史も自分の役割をきっちり演じ、魅力的なキャラへと昇華させています。 ストーリーがシンプルだからこそ、キャラクターの個性が光る作品だと言えそうです。 王道サクセスストーリーは、どのジャンルにも対応できる万能性があります。 個人的には、このタイプは似たようなストーリーでも、いつも楽しく見ることができます。[DVD(邦画)] 7点(2017-03-23 03:49:47)(良:2票) 《改行有》 66. テルマエ・ロマエⅡ 《ネタバレ》 勝手知ったる2作目なので、序盤からローマと日本をいったりきたりっていうテンポの良さは良かったと思います。ここで前作みたいにもったいつけられたら気分が醒めちゃうかもしれません。 前作の前半のノリが大好き。だから今作でもそのノリを踏襲してくれたのは嬉しい。 マジック・ショーで気絶するシーンが最高です。 今作では温泉というより温泉街を模倣します。古代ローマになんちゃって温泉街が出来上がっていく様子がなんとも微笑ましくて楽しい。相撲文化をコロッセオに取り入れるのなんて何気に斬新。なのに最後のほうではまた血生臭いコロッセオに戻っていたのはとても残念。それだったら最後のほうで相撲文化をコロッセオに取り入れて、血生臭い殺し合いはなくなりましたってフィクションにしてくれたほうが良かったです。 今作はシリアスなドラマパートも前作よりなんだか楽しんで見られました。ただケイオニウスの兄と元老院にどんな罰を与えるのか、どんな逆転劇を用意しているのかちょっと期待していたぶん、力技と説得だけっていうのは正直期待外れでした。 ラストは結構好き。死の運命を受け入れるルシウス。離れ離れになる二人。でも真美の漫画がヒットして映画化されるというサクセスを用意。切なさと幸福感を次々と感じられるラストはなかなか良い。 最後に結局ルシウスが日本に来ちゃったのは、嬉しいけれど、蛇足感は否めない。 そういえば、混浴のシーンでルシウスが『なんて牧歌的なんだ・・・』みたいに、めっちゃ良いようにキレイごと言ってましたけど、私は普通にえろいと思いました。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2022-06-08 02:26:17)(良:2票) 《改行有》 67. TAXi3 《ネタバレ》 見ている側の『慣れ』もあるのでしょうが、シリーズが進むにつれて、スピード感や迫力が物足りなくなってきていますね。 『でかい車が他の車を押しつぶす』『家を壊して進んでいく』『タクシーが雪山を走っていく』面白いのですが、このシリーズの魅力ってそこじゃないと思います。 やはり公道で走ってこそのTAXi。 日常の世界の中に映し出される非日常だからこそ盛り上がるものがあります。そのラインを最初から超えちゃうととたんに作り物感が強くなるみたいです。ですので冒頭のローラーブレードや自転車での疾走が一番面白い気がしますね。 シリーズものとして、おなじみの登場人物、安定したコメディが繰り広げられる展開が大変良いです。すれ違いや勘違いトラブルもおなじみのパターン。もはや定番化したドタバタを楽しむ作品です。個人的には一話完結のドラマを見るノリで見ているので文句はありません。少々ダメだしをしちゃいましたが、やっぱり面白い作品です。[DVD(字幕)] 7点(2015-03-04 14:17:14)(良:2票) 《改行有》 68. エイリアン2 《ネタバレ》 SFアクションとして傑作の出来栄えですね!ホラー要素は前作と比べると確かに弱くなったかもしれません。それでも序盤の誰もいなくなった植民地住居や、八方塞りの絶望的な状況に追い込まれていく中盤のシークエンスなどはしっかりホラーの定石を踏んでいると思います。 プロローグで海兵隊のみなさんが万全の状態で惑星に降り立つとき、『スターシップトゥルーパーズ』を思い出して、最高に気分が盛り上がりました。だから、いざエイリアンの巣に重装備で乗り込んだとき、「核融合炉」という理由で装備を取り上げられ無力化された挙句にエイリアンから一網打尽にされちゃったのは残念でしたねー。ただそれはホラーとしての側面がある以上いたし方の無いことですね。 最も好きなシーンは、エイリアンが一斉に襲ってくる直前、「あと6m、どういうことだ?部屋の中に入っている!」といった後、全員で天井を見上げるシーンです。あのしてやられちゃったときの恐怖ってのは、見落としの後悔とあいまって絶望感を更に助長してくれるんですよね。そして天井あけたらゴキブリの大群みたいにエイリアンがわーって、そこからはSFアクションの醍醐味が味わえてもう大満足です。なのにニュートが間一髪でさらわれて更なる見せ場を用意してくれているのですから、これはもうエンターテイメント作品として一つの究極の形に到達しちゃっています。スタッフロールが流れるまで、いつまでも安心できない緊張感。ラストまで存分に堪能させてもらいました。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-03-27 12:42:47)(良:2票) 《改行有》 69. チェイサー (2008) 《ネタバレ》 後味悪いなあ・・・。韓国ってこんなんばっか。いや、こーゆー映画を知らず知らずのうちにチョイスしちゃってるだけなのか。 ヨンミンをジュンホが捕まえるまでは、なかなかのスピード感あるハラハラサスペンス。捕まえてからは、なぜかコメディタッチなテイストが増え、ゆるゆるな感じに。そして次第にシリアスなサスペンスへと再びシフトチェンジ。 うーん、緊張感のない『中盤』をはさむことで、『序盤+終盤』とのギャップに余計気持ち悪さを覚える、その効果は否定しません。ですが、無理矢理救いの無い結末に持っていっている感じがして、はっきり言って不快です。 『ミジンは助かって!』って一生懸命願いながら見ていたのに、なんだよこの結末。 警察が、ジュンホが、真剣にミジンを探していたのなら、完璧な捜査のうえでの結末ならまだ許せる。もしヨンミンがレクター博士のような天才犯罪者ならまだ許せる。でも全然違う。 警察だけではありません。ジュンホも馬鹿すぎます。お互いに足を引っ張りまくり。第一、ヨンミンを捕まえ、他人の車に乗っていて、血痕までついていて、殺人の自供までしているにも関わらず、ミジンの居所ひとつ吐かせられない取調べ。とてもプロだとは思えません。映画用に、あえて無能すぎる警察組織を作ったのですか? ジュンホだってもうちょっと警察に正確に状況を説明すれば済む話。無駄なアウトロー感がイライラさせます。 第一あんなに刑事がいたくせに、釈放されたヨンミンにつける尾行が2人だけってアホですか。そしてヨンミンを尾行していた女刑事がいたはずなのに、ヨンミンは殺害後どうやって売店から姿を消したのさ。 ミジンが売店のおばちゃんに電話を借りて、警察に通報。でも警察は来ない。何故ならパトカーの中で居眠りをしていたから。そんな馬鹿な。犯人にとってのご都合主義にも程があります。 勢いと雰囲気。迫力。暴力描写の容赦の無さはさすがです。ですがこんなに穴だらけなストーリー構成はだめでしょ。 救いようの無い悲劇にしたいのであれば、それ相応の説得力が必要だと思います。[DVD(字幕)] 5点(2020-04-15 02:55:53)(良:2票) 《改行有》 70. クローズド・ノート 《ネタバレ》 沢尻エリカ、竹内結子のダブルヒロイン。この2人でなければ退屈極まりない映画になっていたことでしょう。伊勢谷友介も良かった。役者の力が大きい作品です。長尺を感じさせないのも、この3人の魅力によるところが大きい。 特に竹内結子は素晴らしいです。この人の優しさや人間味があふれでる空気感が好きだ。それでいてごく自然体に感じさせてしまうのだから、この人には非の打ち所がない。 ストーリーは△。『石飛リュウ=たかし』というのがもう最初からバレバレで、謎が謎になっていないのが致命的。『肖像画が描かれているのが実は答案』もすぐに気付いちゃう。でもそれに香恵(沢尻エリカ)が気付くシーンは、演出や音楽が盛り上げてくれるので、わかっていてもぐっとくるものがあります。 タネや仕掛けがわかっているマジックを見せられている感じでしょうか。マジックそのものはたいしたことないけれど、マジックを盛り上げる演出や音楽、そして演者が良いので、エンターテイメントとして成立しています。 鹿島さんやハナちゃんのエピソードは中盤まで面白かったものの、まさかの放り出したままでの終劇。こんな尺をとっておきながら決着をつけないとは・・・。だったら最初からそんなエピソード入れなきゃいいのに。 あとついでにそこの子供。竹内結子先生で登校拒否だなんて、贅沢言うんじゃありません。[DVD(邦画)] 7点(2019-07-02 12:17:51)(良:2票) 《改行有》 71. インクレディブル・ハルク(2008) 《ネタバレ》 期待通りの面白さ。いや、平均点が低いのを事前に知っていたので、期待以上の面白さといったほうが正しいかもしれません。 人には誰しも変身願望があります。この映画の主人公はそれを望んでいませんが、それを望んでいる私にとっては、その変身願望を満たしてくれる作品のひとつ。初代ハルクも好きだったのですが、これもかなり好きです。 マーベル作品はストーリーが単純明快で良いですね。とにかく心拍数が200になれば変身。だから別に怒らなくても、走り回って息がきれるだけで変身しちゃう。まあそこは『怒ったら』に限定して欲しかったところではありますが。 ハルクの出し惜しみ感はグッドです。いきなりハルクに変身しちゃったっぽいプロローグ。2回目の変身は暗闇バトル。そして3回目の変身で、ついにお日様のもと、ハルクの全貌が明らかに。いいです。すごく。3回目の明るい日差し、広いグラウンドでの軍とのバトルは最高です。正しいCGの使い方。こんなにクリアで迫力もスピード感もある映像を楽しめるなんて良い時代になったもんです。 彼女とは最後の最後で結ばれるのかと思ったのですが、わりとあっさり再会しちゃいましたね。でもそれはそれで良かった気がします。タクシーで、彼女のほうがブルースより怒っているのが面白い。スターンズ博士や、ダイナーの店主、精神科医など、脇役もそれぞれ良い味出してます。 個人的には『アイアンマン』も良かったけれど、『ハルク』のほうがちょっとだけ好きです。特にラストバトルの豪快さが良かったね。中盤から終盤にかけての盛り上がりは大事。 ちなみに妻は『アイアンマン』のほうがかっこよくて良かったと言っております。なんでも、ハルクの緑色が気持ち悪いんだとか。身もフタもないぜ。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-10-30 03:28:54)(良:2票) 《改行有》 72. ベガスの恋に勝つルール 《ネタバレ》 王道ラブコメ。出会って、意気投合して、いがみ合って、そんでまた仲良くなっちゃうっていう、何千回と繰り返されてきたストーリー。期待を裏切らないハッピーエンドなんで、安心して見られる心地良さがあります。サプライズ的展開を期待する類ではなく、お約束を楽しむタイプのラブコメですね。 どちらかと言えばドタバタ系。本来は苦手なジャンルなんですが、この作品は起承転結がしっかりしているし、キャストも良いので面白かったです。 後半、二人が再びお互いの良いところに目を向けはじめる過程は、見ていて心地よい。まあでもやっぱ面白いのは、二人がいがみ合っているときでしょう。お互いに出し抜こうとしたり、つまんない嫌がらせしたり、これが凄く楽しい。見ている人たちが不快にならない程度の絶妙なバランス。また、2人の明るくて憎めないキャラクター。いがみ合って反発しあっても、それを楽しく見られてしまうのは、アシュトンとキャメロン・ディアスが作り出すキャラクターと、脚本が良いのでしょう。 妻から暴力を受けているように見せかけるエピソードなど、コメディのセンスも抜群。ドタバタになり過ぎない程度のドタバタ。けんかしているのに相性が良さそうに見えてしまう不思議。 『私はいつも人を楽しませるように生きてきた。あなたにはそれをしなかったから、自分を取り戻せたの。』のセリフには不覚にも感動。B級ラブコメには違いないんだけど、ただのB級で終わらない味わいがあります。 最後に、キャメロン・ディアスは大分歳をくってきましたが、それでもこの作品のキャメロンは大変可愛く撮れていると思います。『若さ』より、『仕草』や『表情』、『声』や『台詞』で可愛く見せられるってのが素晴らしいと思います。[DVD(字幕)] 8点(2018-04-26 11:58:17)(良:2票) 《改行有》 73. L.A. ギャング ストーリー 《ネタバレ》 マフィア映画にしては人物の描き方が浅く、ドラマが盛り上がりません。 仲間を1人、また1人と集めていくシーンは好きですけどね。祭りや遠足の前のワクワク感に似ている。 一筋縄ではいかない面子をそろえて、いったいいどんな凄いことをやってくれるのだろうと楽しみで仕方がない。 ところが蓋を開けてみたら、コーエンのカジノや麻薬を積んだ車を襲うだけ。 まあ、最初はそこから始めるのだろうと思ってみていたら、終始そんな感じ。なんと芸がない。 なのでアクションは夜のシーン多め。 暗いうえにみな同じファッション。 誰がどこにいて、誰が誰撃ってんのかわかりづらいです。 わかりづらいから、見せ場であるドンパチシーンもいまいち盛り上がりません。 ※例外はあります。靴磨きの少年が巻き添えで撃たれてしまうシーンは緊迫感もあり良かった。だから今後の復讐劇に期待を寄せたのですが、それを超えるものは後半ほとんど出てきませんでした。 盗聴器を発見された途端、主人公たちの素性が一気にばれる理屈もよくわかりません。 エマ・ストーンは大好きな女優さんですが、正直この映画ではいてもいなくても良い程度の役回り。 軍隊あがりの歴戦の猛者オマラ。 投げナイフの達人コールマン。 天才ガンマンのマックス。 有能な人物を集め、個性豊かなはずなのに、それにしては盛り上がらなかった不思議な作品です。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2024-05-12 17:12:33)(良:2票) 《改行有》 74. バンディッツ(2001) 《ネタバレ》 ジョーとテリーの銀行強盗ストーリーだけなら良かったと思います。 ケイトの存在と頻繁に挿入されるラブストーリーが見事に話の腰を折っています。 おかげで、軽快なテンポは失われ、単調でダラダラした展開を見せられることになります。 それでも不思議と最後まで飽きることなく見ていられるのは、役者の力が大きいのでしょうか。 ジョーとテリーのインパクトは際立っていて、見る人の興味をひきつけます。ケイトがいなくても、二人のコメディアクションだけで十分クオリティの高い作品に仕上がったのではないかと思われます。 ストーリーだって、銀行強盗パートは面白い。『お泊り強盗』という有名人になって、国中にファンができる展開が愉快。 やはり恋愛パートのウェイトが大きすぎるのが、デメリットになっている気がしますね。 それに、ジョーとテリー、とりわけジョーの性格からしても、二人がそこまでケイトに熱を上げる展開にやや不自然さを感じます。 戦線離脱したと思われていたハーヴィーが、婚約者を連れて銀行強盗のサポートをするラストは良かったですね。前半の伏線も上手に使っています。 こーゆーエピソードをもっと盛り込んだストーリーに仕上げてほしいものです。[DVD(字幕)] 6点(2016-09-14 13:21:50)(良:2票) 《改行有》 75. アイアンマン 《ネタバレ》 いよいよアベンジャーズシリーズ初体験。記念すべき一作目。わくわくします。 で、アイアンマン、期待通りのクオリティ。初めて『スパイダーマン』を見たときにも感じたことですが、『ヒーローが出来上がるまで』って、なぜこうもわくわくするのでしょうか。 テロリスト達に拉致されて、絶体絶命の状況。なのに、そんな絶望的な状況の中秘密裏に行われるアイアンマンの原型作りに胸躍ります。 そして脱出。こーゆー過酷で八方塞がりなシチュエーションを、圧倒的なパワーで粉砕する。最高に爽快です。アイアンマン作成を手伝ってくれた恩人が犠牲になっちゃう悲しいシーンでもありますが、これはスタークが正義に目覚めるうえで、必要なプロセスだったのでしょう。 そしてそして。遂に完成版アイアンマン登場。その作成過程が最高に面白い。コメディタッチの演出が多くてとにかく楽しい。出力が強すぎて、スタークが吹っ飛ばされるのが面白すぎ。秘書やお手伝いロボットたちとのやりとりも楽しい。 個人的に一番の見所は、アイアンマンの初陣シーン。紛争地帯でのテロリスト殲滅、兵器破壊の名シーン。これぞヒーロームービー。こーゆーのが見たいのです。子供の父親が撃たれそうになるシーンで、妻と一緒に呼んでいました。『助けてー、アーイアーンマーン』期待通り颯爽と登場するアイアンマン。キターって感じです。 ここがこの映画最大の見所だと個人的には思っています。戦闘機とのドッグファイトも含めてです。最高に面白おかしく、それでいてエキサイティングな演出の数々でした。 ラスボスとの一騎打ちには物足りなさを感じてしまいます。やはりアイアンマンの力で倒してほしかったかな。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-10-19 12:41:57)(良:2票) 《改行有》 76. 発狂する唇 20年以上前に、恩師が「失敗したっていいから、まずは行動してみろ。何もしないことが最大の失敗なんだ。」と言っていましたが、恩師はこの映画を見ても果たして同じことが言えるのかな。 何はともあれ、映画は正直1~2点くらいです。ですが出演者の皆様に、僕は10点を差し上げたいと思います。 僕は今回この映画を見ることで、自分は仕事に対する認識がまだまだ甘いと痛感しました。 職種は違えど、プロとしてのあるべき姿を見ることができました。 阿部寛しかり、大杉漣しかり。 彼らの素晴らしい演技に感動しました。 こんな脚本、こんなストーリーに文句ひとつ言わず、ただ淡々と自分に課せられたノルマをこなすその姿が、ただただ感動的でした。 この映画は、明日への活力を与えてくれる奇跡のような作品です。 ですが、まだ観ていない人は絶対に観ないほうが良いと思います。[DVD(字幕)] 10点(2013-06-26 00:09:30)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》 77. ニック・オブ・タイム 《ネタバレ》 「なぜ通りがかりの素人にそんな大事なことをさせるのか。」と思いましたが、なるほど、みなさんそれぞれに守るべき立場があるので、スケープゴートを作りたかったわけですね。 スミスが皆さんにこの計画を持ち出したときを勝手に想像してみました。 「もしも最初から暗殺者や狙撃のプロを雇えば、計画的な犯罪だとばれてしまう可能性があります。頭のおかしいやつの犯罪にしましょう。私がそいつを調達してきます。また、リスクを最小限に抑えるため、身代わりの調達は当日駅で行います。そいつに至近距離で撃たせれば、狙撃よりも確実に殺せます。また、暗殺遂行後、そいつを私たちで速やかに射殺すれば、私たち関係者が疑われることもありません。」 カメラを回しているやつは、その証拠をでっちあげる係り。 結構緻密に考えられたサスペンスだと思います。 結果、暗殺をさせる人選にすべてかかってきます。その人選で失敗する可能性にはなぜかだれも気付きません。無理矢理理由を考えてみます。!。きっとスミスが裏の仕事で今まで実績を上げていたからです。 というふうに、与えられている裏情報が少ないので、勝手にいろいろ想像できるのが楽しいサスペンスです。[DVD(吹替)] 9点(2011-10-09 09:33:28)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》 78. 8 Mile 《ネタバレ》 ラップ調で、ラップ風に、レビューをここに、書いてみよう♪ 『いったい何?こいつは何?』 『こいつはいったい何がしたい?』 『利己的。暴力的。目的何?』 『いったい、誰に、共感、できる?』 『そもそも、文化が、わからねー。』 『エミネム、知らねー。』 『英語も、知らねー。』 『ラップが、字幕じゃ、伝わらねー。』 『勝った?負けた?わからねー。』 『当然、映画は、つまらねー。』 『1、2、3、4、なんの数?』 『時間を、確認、した回数。』 『残り、何分?あと、何分?』 『30、20、あとちょっとー。』 『せめて、ラスト、決めてくれー。』 『「仕事に戻る」』 『何だ、そりゃー。』 ええー、このレビューを読んでくださった方。 あなたの今の心境が、まさに私がこの映画を見終わったときと同じ心境です。 この2点は、こんなクソみたいなレビューを読んでくださった方へ、敬意を込めてささげる点数です。 映画は0点です。[ブルーレイ(字幕)] 2点(2016-05-30 01:41:47)(笑:2票) 《改行有》 79. 奇人たちの晩餐会 《ネタバレ》 う~ん、ひねくれ者なので、逆説的なオチまで考えてしまいました。 ピニョンが奥さんを追い返しちゃったり、電話で余計な事言ったりするのには、確かにイライラします。かと言って、じゃあブロシャンが頭が良いのかって言うと全然そんなことないんですよね。人の事馬鹿にできるレベルじゃないんです。どっちもどっちです。頭の悪い人たちの要領を得ない茶番劇です。 ただ中盤から登場するジュストでやや救われます。救われるって言うか、面白くなります。ジュストは私達観客に近い第三者的目線です。ピニョンとブロシャン二人の状況を笑い飛ばしてくれます。だからちょっとだけ胸のつかえがとれます。 この作品が自分に合わないのは、きっと舞台劇が個人的に好みじゃないからですね。私は映画を観たいのだから、映像とストーリーと空間には、広がりと奥行きが欲しいのです。そうでないならもっと面白いストーリーにしてほしいです。もしくは、『この空間でなければならない』という必然性が欲しいところです。 ピニョンは確かに天然なところがありますが、ブロシャンの行為・言動は愚かです。愚かな人間が人を馬鹿にして蔑むシーンを何度も見て、心から笑えるはずがないですよ。 おフランスの高級な味わいは、庶民の自分には合わないみたいです。 ・・・ってゆーか晩餐会には行かんのかい! ずっと、『いつ行くんだろう』って観てたら、終わっちゃったよ![DVD(字幕)] 4点(2014-07-10 12:07:11)(良:2票) 《改行有》 80. 最後の恋のはじめ方 《ネタバレ》 『デート・ドクター』という恋愛コンサルタント業は面白いですね。 ただ単に女性をひっかけるというわけではありません。 『本当に好きな女性とのデートを成功させる。』これが誠意が感じられて良いです。 ウィル・スミス演じるアレックス・ヒッチは、おしゃれでありながら、誠意もあります。過去の苦い経験のエピソードが、彼の人柄に安心感を与えています。 『真剣な想いを応援する。』という土台が既にあるので、アレックスがどんなにテクニックを使っても軽薄に感じることはありません。 むしろ、女性を振り向かせたい男性たちにアレックスがアドバイスすればするほど、その一生懸命さを応援したくなります。 これはキャラ紹介における演出と脚本が非常に上手なんでしょう。 個人的には、導入部分が『恋愛コンサルタント』という仕事の一番面白い部分が見えた気がします。 それ以降は、まあゆっても王道ラブコメの域を出るものではありません。『誤解』⇒『けんか』⇒『ハッピーエンド』という絶対外れないパターンを踏襲しているわけですから、あっと驚くような展開があるわけではありません。 でもそれが良い。 奇をてらわなくても、楽しい映画はいつみても楽しいものです。 アレックス・ヒッチ、サラ・ミラス、アルバート・ブレナマン、それぞれに心境の変化が起こるのも良いですね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-04-23 22:20:30)(良:2票) 《改行有》 |
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