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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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781.  スター・トレック(1979) 80年代を中心に、ほぼ何の話題を提供することもなく細々と続いていた、という印象の、スタートレック最初の劇場版シリーズ。何だか、少数の熱狂的なファンに支えられてスーパーの駐車場とかでひっそりと興行を続けるインディープロレスを思い起こさせますが。 しかしこの第1作(だけ?)は高額の製作費が投入され鳴り物入りで登場した超大作。製作は79年、ってんだから、いかにもスターウォーズの成功にあやかって慌てて準備しました、という感じのタイミング。 スターウォーズが、基本的なノリがあくまでチープな冒険活劇だったのに対し、こちらはいかにも「SFやります!」という意気込みを感じさせて、例えば最初の方に登場する、ポッドの着艦シーンなど、ストーリー重視のスターウォーズだったら省略されそうな細部の描写が、盛り込まれてます。 エンタープライズ号が調査に向かう、謎の巨大物体、この描写なんか、インデペンデンスデイの先取りと言ってもよいのでは。 で、この作品がオモシロいのか、と言えば、勿論、そんなにはオモシロく無くって、そこがスタートレックのスタートレックたる所以、と言ったところでしょうか。 それにしても、スキンヘッドの女性がワイシャツ一枚みたいな格好をしていると、なんかエロい。なんででしよう?[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-29 12:06:25)(良:1票) 《改行有》

782.  逃亡者(1990) 《ネタバレ》 前半は、犯人と人質のやり取りが描かれる密室劇。ミッキー・ローク(←昔は人気あったのよ)演ずる犯人一味リーダーのキャラがユニーク。なのか!? まあそこまではアリガチなんですが、この映画、後半がひと味違う。手づまり気味の前半に対し、後半の展開はまさに大暴走。一味から離脱した犯人の一人は、要領悪すぎて逃げ切れずあえなく射殺、この辺りの描写はチミノ節炸裂と言ったところか(チミノ節って何だろうね)。テキトーな捜査で犯人グループの居所が(容易に)判明、犯人が人質一家と共に篭城する家の周囲には非常線が。しかし一家の娘のボーイフレンドがこれまた極めて容易に非常線を突破、悠々と家に近付いてしまう! 警官曰く「いかん、手後れだ!とりあえず様子を見よう!」・・・もう絶句。いやいや絶句するのはまだ早い。彼氏も一緒に人質になってしまうのか、と思いきや、何と彼氏は人質の娘を悠々とデートに連れ出してしまう! さて残された人質の運命やいかに?なんて事は、もうどうでもよくなってくる、まさにひと味違うクライマックスを迎えるのでした。5点(2004-02-07 00:35:26)(笑:1票)

783.  プラネット・テラー in グラインドハウス わかりやすい邦題をつけるなら『プラネット・テラー in テレビ東京』、いや私のような関西人にとっては『~ in テレビ大阪+サンテレビ+KBS京都』ってなところか。木曜洋画劇場を始めとする謎のような映画放送の数々。さんざん観てきたがタイトルも思い出せないもの多数(とほほ)。時には、CM入り85分という無茶な放送枠のなかで、無茶苦茶に映画をカットし、CM前後で話がイマイチ繋がらなかったりもする。時には、新聞のテレビ欄の“放送終了時間”が誤っていたせいで、ビデオ録画が映画の途中で終わっていたりする。そういうときに感じる、あの“意味深”さ! 特に安っぽい映画の方が、こういう瞬間になんだか「深い」ものを感じてしまったりするのよね。安い映画人生を送ってきた者たちがおそらく共通で持っているあの感覚が、縦横無尽に炸裂した映画、といえば、内容について語るまでもなく、どれだけ魅力的な映画であるかが、おわかりいただけるでありましょう。[DVD(字幕)] 8点(2008-07-05 21:14:00)(笑:1票)

784.  潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ 《ネタバレ》 「潮風や ベーコンサンドと ヘミングウェイ」 この作品の邦題、俳句のつもりだったら、切れ字が必要ですね。添削しておきました。ところで「潮風」は季語なのでしょうか? それはともかく。 なーんか、良かったですよ、この映画。 「喜び」を誰かと分かち合い、共有して、初めて「悦び」となる、ってな感じでしょうか。 リチャード・ハリスが何とも面倒くさいジジイなんですけど、どこか憎めない。でもやっぱりそばには居て欲しくないタイプ。 その彼が、ロバート・デュヴァル演じる寡黙なジイサンと出会って意気投合。いや、意気はそんなに合ってなくって、傍から見てるとそれが、コミカルでもあり、危うくもあり。 二人は一度は大喧嘩してしまう。草野球で活躍する少年の姿に、本来なら大喜びするであろうロバート・デュヴァルの姿はそこには無く、喜びを分かち合えなかったリチャード・ハリスの姿が金網ごしに寂しく撮される。 二人のジイサンが、二人乗りの自転車に乗ってる姿が印象的で。漕ぐのは、共同作業、だけど、どちらかが前。もう一方は後ろに乗らなきゃならない。それにしても、何でこんな自転車持ってたんだろう? 偏屈ジジイ役のリチャード・ハリスは何かと奇行に及ぶのですが、やたら脱ぎたがる、ってのもその一つ。惜しげもなくフルヌードを披露しています。そりゃ惜しくも無いだろうけど。ただ、彼の表情に刻まれた皺だとか、がっしりしつつも衰えを隠せない肉体とか、そういったものは、本人のキャラがどんなにハチャメチャであろうが、見ている我々に対し確実に重みを持って迫ってきます。 これが、老いるということなんだ、という、これ以上ない表現。 リチャード・ハリスの晩年というとダンブルドア校長役が有名ですが、本作の偏屈ジジイ役こそ真骨頂、と思えてきます。[インターネット(字幕)] 9点(2021-05-22 13:37:08)(良:1票) 《改行有》

785.  眠狂四郎 女妖剣 《ネタバレ》 うん、コレはなかなかイイっすよ(笑)。ハダカが多いから?いえいえ、確かにハダカは多い、多いけど出し惜しみばっかしやんか。その点では可も無く不可も無く。それよりもこの、次々に投入されるキャラの多彩さと、そして物語の「絶妙の」纏まりの無さ。まさにこれは無頼漢・狂四郎が、運命に揉まれつつ逆らいつつ、現世という“迷宮”を彷徨う物語なのだっ。って、そんな力をこめて言うようなことでも無いけどさ。備前屋の陰謀、菊姫の暗躍、カンフー坊主とのライバル関係(ああ、若山先生)、これらのエピソードは、一つ一つは確かに印象的ではありますが、決して映画全体を支配するには到っておりません。狂四郎の真の敵は、彼らのようなちっぽけな存在などではなく、運命そのもの、なんですな。だから、映画の中にも明確な対立軸が無く、一見、散漫に物語が進みますが、“運命”を前にすれば、彼らの存在など矮小そのもの、とうこと、でもあります。最後に、ついに狂四郎の出生の秘密が明かされることで、映画の輪が閉じる。その秘密とは、何と彼は黒ミサの子だったのだ!(←もう、みんな知ってるって??) そう、映画の前半で、「(パカラッパカラッ)地獄に堕ちろっ!」と彼が一刀両断、首チョンパにした転びバテレンの宣教師、あの宣教師と、彼の父は、何ら変わらぬ存在だったのだ。まさにこれは、オイディプス王のごとき、「父殺し」と呼べるもの。その秘密を明かしたびるぜん志摩、同じ「父」ならぬ「乳」で育ったという彼女を、狂四郎はクールに斬って捨てる。これには一種、「母殺し」のニオイがする。まさに“死神”狂四郎の誕生、であります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-07-21 16:58:30)(良:1票)

786.  スリーデイズ 手堅い印象の前半から、後半は一転し、追いつ追われつの展開、一本の映画で二度美味しいと言うのか、それとも木に竹を接いだみたいというのか。 いきなり本題に入る冒頭、まさにツカミはOK。その後も派手さはなくとも物語はどんどん進んでいく、その過程に、もう少し引っかかりがあっても良さそうな気もするのですが。獄中にいる妻を脱獄させたい。そのための情報や人脈をネットから手に入れる、というのは、今の時代、いかにもゴモットモで、こういうのもリアリティのひとつかも知れないけれど、そういう辻褄合わせの説明を、映画として見せられても、必ずしも面白い訳じゃなし。いっそ、もっと偶然の要素を絡めてもよいのでは。あと、イマイチ、主人公が追い込まれていく感じが乏しいのも、推進力の弱さ。そりゃ妻が無実の罪で服役してるとなりゃ、誰だって気が気でなく追い込まれもするだろうけれど、それだけじゃ単なる背景の説明に過ぎない。主人公の焦りの気持ちが進行する様子を、映画の進行と絡めて見せて欲しいところ。 と、モヤモヤしてきたところで、後半、妙に盛り上がる。ヤッタネ。でもこれはこれで、違和感が。 結局のところ、主演がラッセル・クロウ、ってのがよろしくないような気がいたします。普通のオジサンを演じているのか、ヒーローを演じているのか。前半は普通のオジサンっぽくって、後半もそのノリで行ってくれればいいのだけど、後半はヒーローっぽさが出てしまうのが、スターのかなしさ。せめて銃の扱いに慣れてないような感じくらいは出してくれればよかったんだけど。映画の前半と後半でテンポを変えるのは大いに結構ですが、主人公の印象まで変わってしまうと、何だか別の映画をひとつにまとめたような。 あと、物語の発端となった殺人事件に舞い戻るラストも、大した感慨につながらず、蛇足のように感じられました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-06-09 22:10:49)(良:1票) 《改行有》

787.  八月の狂詩曲 もうちょっと子供を子供らしく描けないもんかねえ、とはどうしても思ってしまうのですが。子供にあまり多くをしゃべらせなかった『夢』、ジジイに子供を演じさせた『まあだだよ』。それに比べると、4人の子供に、いかにも「若作り」の会話を続けさせた本作、ちとつらい。 でもいいんです。子供たちとお婆さんの要領を得ない会話、その中から次第に、外の世界が見えてくる。昔、長崎に落とされた原爆。それ以来、止まった時間。 しまいにゃリチャード・ギア様までやってくる。お婆さんとギア様、ふたりの夕べ。これをラブシーンと言ったら、ちょっとセンチかな。 八月なのにバラが咲いてる。真っ赤なバラに向かうアリの行列。その昔、大勢の人間が死んだこの町で、小さな虫たちが一生懸命生きてる。そんでもってラスト、お婆ちゃんの言動がおかしくなり、嵐の中を飛び出していくと、これはもう悲劇の予感以外の何物でもないけれど、さにあらず、唐突に流れてくる「野ばら」の合唱で、印象は一変します。自然の中、歴史の中で、人間の存在なんてちっぽけなものだけど、それでも傘をおちょこにしながら風に向かって行くお婆さんの姿。生命力、と言うとちょっと違うかも知れないけれど、あのアリの行列とも呼応するかのようで。[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-08-29 22:24:30)(良:1票) 《改行有》

788.  帰ってきたドラキュラ 1年前にドラキュラを倒したはずなのに、再び惨劇が繰り返され、司教がドラキュラ城に出向いて封印の儀式を施す。しかし結局は司教一行が足を運んだが為に、ドラキュラが蘇っちゃう皮肉。 じゃあ、ドラキュラがまだ復活してなかったんだったら、あの冒頭の犠牲者は何だったんだよ。とか言うことはこの際、どうでもよくって。この後、映画の半分くらい、何も起きずにズルズルとオハナシが進んでしまうことの方が、問題。 しかし、色彩的な映像が目を引いて、何も起きないながらも結構、惹きつけられます。いよいよドラキュラが暗躍し始めても、これまたやることいちいち、スローモーなのですが、それがドラキュラらしさでもあって。じわじわと迫ってこられて、なぜか逃げられない、という恐怖。いや、所詮はクリストファー・リーのジジ臭い顔なので大してコワくはないけれど、あの「血走り過ぎた目」の描写などで、映画の色彩が活きてます。 家々の屋根を舞台にしたシーンなども、何となく現実離れした感覚があって、なかなか悪くありません。 音楽も映像にピタリと合わせていて、キマってるし。 最期はちと、おマヌケでしたけれども。[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-28 23:07:06)(良:1票) 《改行有》

789.  女囚さそり 第41雑居房 ストーリー自体は割と単純でして。栄転を前にした渡辺文雄所長が、あと思い残すは、憎き梶芽衣子をいかに懲らしめるか、だったのが、彼女を含め女囚たちの脱走事件が発生。女囚たちの逃亡劇と、彼女たちを追う刑務官。というわけですが。 これだけの話が、一体どうしたらここまで意味不明の前衛劇になってしまうのか。いやはや、壮大なる一大叙事詩を見せられた気分(笑)。 そもそも、どこでこんなロケ撮影したんでしょうね。この世のモノと思えぬ光景の数々、まさに人外魔境。 娯楽の範疇を、超えてます。いや、逸脱してます。誰も止める人が居なかった・・・ってことですよね・・・・・・。[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-14 22:41:07)(良:1票) 《改行有》

790.  D.N.A.II ほほー、『D.N.A.』の続編かー、と思って期待しないで観ると、無いハズの期待をさらに裏切るショボ映画。『D.N.A.』とは何も関係なく、『プレデター』を安物にしたような感じ(つまり激安)、うーむ冒頭で見まちがえるべくもなくハッキリと"DNA"というタイトルが出てたのに、何でこんなに『D.N.A.』と無関係な内容なのか…と悩んでいると、ふと気づく。あっヤラレたっ『D.N.A.』はあくまで邦題だったんだ、関係ある筈ないではないか!と。またひとつ人生の勉強をしてしまった。ところで監督は、ウィリアム・メサという特撮マンです。特撮マンならもう少し特撮を大事にして欲しいもんです(おそらく製作費の割には頑張っているのではないか、とは思われます。が、同情されるようになってはイケマセン)。3点(2003-12-12 22:20:37)(笑:1票)

791.  80日間世界一周 正直、カンティンフラスの顔が原作のパスパルトゥのイメージとかけ離れているという、ただその一点で昔は少々ニガテな映画だったんですが、最近、ようやく見慣れてきたかな、と。ちなみにカンティンフラスっていうヒト、地元では大変有名な方、なんですよね?? 私は本作以外では『ペペ』(という3時間超えの映画をテレ東がCM込み1時間半枠にズタズタに切り裂いたヤツ)しか知らないんですけれども。 ヴェルヌの原作通りに進むのかと思いきや、世界一周の旅に出発したフォッグ氏、いきなり気球に乗って迷走を始めてしまう(なぜかスペインに行ってしまい、パスパルトゥが闘牛をやる羽目に)。しかしこの気球が、ヨーロッパのあちこちの空に登場する、というシュールでもあり豪快でもあるシーンに、まず、度胆を抜かれます。とんでもない映画が始まったぞ、という雰囲気がプンプンと。 その後はまあ、意外に原作通り、といった感もあるのですが、それでも、列車通過後に橋が倒壊するシーンとか、外輪船が分解されていく場面とか、実際にこれらを映像で見せられるとなかなか強烈なインパクト。読むのと見るのとは、やっぱり違いますわな。 「間違ったニッポン」の光景も、いやはや、なかなか・・・。 アウダ姫の存在感が無いとか、肝心のフィックス刑事の存在感がさらに乏しいとか、少々物足りない面もあるのですが(原作との違いをあげつらっても仕方がないんですけどね)、でも、こうやって映画の中で世界を旅して、次から次に世界各地の光景が現れて(もちろん富士山や鎌倉の大仏も)、いざその旅が終わってロンドンに帰ってくると、ああ、映画の中でいろんな光景を見たな、いろんな体験をしたな、と、何だかしみじみしてしまう。 ヘンな充実感を感じてしまうのでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-14 22:07:12)(良:1票) 《改行有》

792.  ルーザーズ 《ネタバレ》 クリス・エヴァンスが敵に追い詰められて絶対絶命、というところで、彼は手を拳銃の格好にして相手に突きつける。一体なにかやってんの、バカじゃないの、という場面ですが、実際に彼は相手を撃ち倒しちゃう。何型どうなってるんだ、と思ったら、実際に撃ったのは遠くにいる仲間のスナイパー、というワケ。 この場面については、例えばマジックのタネ明かしを聞かされて、何てつまらんトリックなんだと怒るか、それともその程度のトリックが見せ方一つでイリュージョンとなることに驚くか。前者のヒトならこのシーンは楽しめないし、後者のヒトなら多いに楽しめることでしょう。 そういう、遊び心、一種のはぐらかし。ピーター・バーグ(本作は脚本で参加)が評価されてる割に人気が出ない(?)理由も、そんなところにあるのかも。 本作も、いかにも続編がありそうな終わり方ですが、今のところ、続編が作られたという話は聞かれず。 ただし、終盤のCGの出来は、いささか残念でした。[インターネット(字幕)] 8点(2021-06-06 12:38:24)(良:1票) 《改行有》

793.  ノウイング 《ネタバレ》 ドロズニンのトホホな著作『聖書の暗号』を思い起こさせるような、未来の災厄を予言したという数字の暗号。そこからオハナシは思わぬ方向(あまり暗号とは関係ない方向)へと進み、最後は“ノアの方舟”へ。とりあえず企画的にはワケわからんけど(笑)、そのワケわからん流れをちゃんと繋いで行ってるのが、非常に好感持てます。面白く観させていただきました。息子が寝室で亡き母親のビデオを見ているのを目撃し、主人公はまた落ち込む。放心状態で酒を注ぐ手もおぼつかなく、こぼした酒で「手紙」を濡らしてしまう。コップの底の形に濡れた「手紙」に書かれた数字に目をやると・・・という、日常から非日常への繋がり(しかし私ならまずこの手紙、息子か誰かが偽造したものじゃないかと疑いますが…)。大災害のスペクタクル映像(ワンカットで描く墜落事故のインパクト。ネット上に転がってる“インチキ動画”みたいな雰囲気ではありますが)の合間に、時々姿を現す謎の集団に謎の石ころ。そこにさらに、「子供たちを救いたいあまり取り乱して勝手な行動をとる母親」と来るもんだから、ストーリーはひらすら思わぬ方向へと「繋がって」いく。“落ち葉”がしばしば背景に描かれるのも、映画を通じる一種の繋がりか。主人公の両親や妹(美人です)が、途中何のために登場したのかと思ったら、一緒に死ぬためだった、というのも切なくてイイじゃないですか。クライマックスに流れるベートーヴェン第7交響曲お馴染みアレグレット、選曲自体はベタな気もするけれど、映画途中で予告的に挿入しておくのなんかも、心憎いなあ。[地上波(吹替)] 9点(2012-04-08 07:37:59)(良:1票)

794.  ロード・トゥ・パーディション コメディ出身のトム・ハンクスもすっかり演技派に~、って、何だか寡黙で深刻な役が増えただけで、役者としての幅は広がったのやら狭まったのやら。本作、壮大なギャングの物語と思いきや、蓋を開ければフツーに面白い復讐譚。結構楽しめます。特にクライマックスの描写はかなり気に入っています。ジュード・ロウは、いつにも増してヌメヌメしており、ちょっと意外な変質者っぽい役で、いい意味でも悪い意味でも、観てて落ち着きません。8点(2003-10-04 21:29:35)(笑:1票)

795.  バンテージ・ポイント さっき、テレビでやってたのを何の気無しに観て、ホントに何の気無しに観て、いやもうビックリ、儲けた気分、ニコニコ。ってったって、この映画、構成が構成ですから、それなりに警戒して観ちゃう。同じ事件を、「主役」を入れ替え何度も何度も繰り返し描く、群像劇。こんな同じコト繰り返して、この映画一体何がやりたいんだろう……「主役」が代わり視点が変わると、だんだん真相が明らかになってきて、ああナルホドとも思えば、それなりに味気無かったりもするのだけど。でもこの作品、どうやら、そういう“謎とき”路線にのみ走ろうって訳ではないらしい。むしろ、何かが判明するごとに、それを契機としてアクションが展開される。そして、事件の描写が途中で断ち切られ何度も繰り返される中で、明らかになっていくのは、事件の真相というよりは、事件の終着点。何だかワカランが、一連の事件がどうやらココに収束するらしい、というポイントが徐々に見えてくる。何度も時間を行き来し何度も視点を変えようと、また徐々に真相が明らかになり物語が広がりを見せていこうと、同一の事件である限り、絶対に回避不可能な、ある収束点。クライマックスのカーチェイスは激烈で爆発的なエネルギーを感じさせるけれども、それでも決してその収束点の枠から逃れることができない訳で、お釈迦様の手を超えて先に行けなかった孫悟空のごとし。カーチェイスってのは一般的には「突然のクラッシュ」すなわち必然性の欠落こそが喜ばれるところ、それを本作は、心理的な終着点を設け、必然性を備えたカタストロフを我々の前に突き付けることで、カーチェイスそのものををドラマとしても見せてくれた、いや実に見事です。参りました。[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-10-21 23:30:50)(良:1票)

796.  ゴジラの逆襲 セリフで怪獣名「アンギラス」が出てくるたびに、一緒に見ていた子供が「え?ハンギョラス?」。子供に見せる順番間違えました、先に『デスカッパ』なんか見せるんじゃなかった。さて本作、“ゴジラシリーズ”第2作であると同時に、“ゴジラ怪獣対決シリーズ”第1作とも言うべき作品な訳ですが、もうすでに亜流感がバリバリに感じられちゃう。まあ「次はぜひ大阪で」というこの単純発想、コバンザメ商法みたいな所が、大阪らしいと言えば大阪らしい、ついでに言うと映画一本、大阪でもたせられずに、早々に舞台が他へ移ってしまう(しかも宴会シーンにとって代わられてしまう)のが、もういかにも大阪のダメダメなところを見せられるような気が、私のような大阪出身者には感じられて仕方がないのです。いや大阪はそれでいいんですけどね、それが持ち味ですから。本作にもそのダメダメオーラが伝染ってしまってるのが、問題な訳ですね。いやもちろん、特撮は前作に劣らず素晴らしいです。御堂筋線淀屋橋駅の破壊シーンとか(ただし地上には大阪城以外にこれといったターゲットが無くって、84年単品ゴジラの後に怪獣対決復帰した『ゴジラvsビオランテ』でOBPが狙われたあの頃ぐらいまでは、大阪にはあまり高い建物が無かったのです。大阪駅前のマルビルも今では目立たなくなりました)。それはともかく特撮は良いのですが、それでも全体的には即席映画の印象がしてしまうのは、中身の乏しさ、緊張感の無さ。怪獣同士が人類などそっちのけで闘争を繰り広げ、街は無力にも破壊されていく、ってのはいいんだけど、パニック描写が形だけで全く気合いが感じられず、怪獣どもに蹂躙される悲劇がまるで無い。いや、「復興」の部分を作品で描いているユニークさは本来なら評価されて良いところかも知れないけれど、これじゃ、台風一過の晴天下に近所に散らかったゴミを片付けているかのようなレベルではないですか。いくら大阪人でもそこまで楽天的な訳では。あと、妙に高速の怪獣対決シーン。変と言えば変ですが、後のシリーズでも(特にこのあと2作くらいかな?)こういう要素は引き継がれてる部分がありましたよね。でもやっぱり、パペットマペットのコントでウシ君とカエル君がじゃれあってるみたいな感じがするのですが。[DVD(邦画)] 4点(2012-12-02 08:42:52)(良:1票)

797.  マッスルモンク アンディ・ラウの筋肉ボディ肉襦袢が、とてもよく出来ていて、贔屓目に見たら85点くらいつけたくなっちゃう仕上がり(逆にいえば、どんなにオマケしても15点は減点したくなるのだ)。この筋肉が実にダイナミックで、こんな巨体は他には小橋建太くらいしか見当たらない。で、この筋肉男が、TVでお馴染みのインチキ超能力捜査官みたいに特殊能力を発揮しつつ、ナゾのクネクネ男と戦う映画・・・かと思いきや、ぞれは前半まで。後半は宗教臭いような展開、しかも「おいおいちょっと違うんじゃないか」と違和感ありまくりの展開で、先を読ませず、なかなか意表をついてくれます。ラストは筋肉男vsボロボロ仙人! って、これじゃあまるで、小橋建太と本田多聞がシングルマッチで戦ってるようじゃないか(プロレス観ない人、ごめんね)。いやはや不思議な映画でした。それにしても最近TVでよく観る超能力捜査官というやつ。まさかアレを真に受けている人はいないと思うけど、気をつけましょう。[地上波(字幕)] 7点(2006-07-30 22:48:17)(笑:1票)

798.  タイタンの逆襲(2012) ネタ元をギリシャ神話に求めようがアメコミに求めようが、結局は同じような映画に仕上げてしまう。なんか、アレですね、「CG技術がどれだけ進化したか」のデモ映像と思って観ればたしかに、同じような映画だと比較もしやすいってもんです。確かにこりゃすごいCGです。ごく単純な設定以外にこれといってストーリーらしいものがないのも、CGサンプル映像ならではの醍醐味といったところでしょうか。ただこれが、いえデモでもサンプルでもなく映画なんです、と言われるとどうも面食らってしまうのですが。 クライマックスではいかにもモットモらしく、戦争ごっこが始まり、『世界侵略ナントカ決戦』と云い、この監督さん、こういうの好きなんですかね。 好きなんだったらそれはそれで結構なのですが・・・それにしては、このクライマックスで流れるのが、何と安っぽく盛り上がらない音楽であることか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-12-25 21:23:32)(良:1票) 《改行有》

799.  タクシードライバー(1976) ご多分に漏れず、私も学生の頃とかには、この映画にハマったもんです。カッコいい、あまりにカッコいい狂気。ああ、こんな映画を考え出すなんて、ホント、世の中には頭のいい人がいるもんだ、なんてね。 で、今見ると、何だか懐かしく、そして何だかちょっと恥ずかしい。過去の自分の青臭さと向き合う恥ずかしさ、ってのも当然あるんですけれど、それだけじゃなくって、映画自体が少々薄っぺらいような、やっぱりコレじゃあダメなんじゃないの、という気持ちも。トラヴィスという特異なキャラに寄りかかり過ぎていて、思い付きの一発ネタで作られた作品、という感じがしてくるんですね。で、「俺は誰にも理解されねえ!」「理解されなくて結構!」という映画を作ることによって、結果的に、世界の若者からの共感を得る、ってのも、何だか、ねえ。ラストの修羅場も、いささか露悪趣味が見え透いていて。 でもでもやっぱり、コレじゃあダメということはなくって、コレでいいんだよなあ、と思い直す(本作観て、大統領暗殺未遂みたいな暴走事件を起こさなければ、ですが)。単なる思い付きだろうと一発ネタだろうと、いいじゃないの。それで、映画がこんなにも光ってるんだから。カッコいいんだから。芸術作品のすべてがすべて、「老成」していなければいけない、などという事は無い訳で。今日もまた世界のどこかで、この映画にハマった若者がいるんだろうし、明日もまた、誰かが新たにこの映画にシビレるんだろう、そういう映画を、使い捨てのごとく悪く言う気には、なれないのです。さあみんな、一度はハマってよ、と言いたいのです。だからやっぱり私はこの映画を支持するのです。[CS・衛星(字幕)] 10点(2017-10-15 23:06:06)(良:1票) 《改行有》

800.  テルマエ・ロマエⅡ 一作目の突き抜けたオモシロさってのは、ダメで元々、あらゆるコトをやってやろう、と言わんばかりの姿勢にあって、ほとんど野心的とも言えるような作品だったと思うんですけれども、やっぱり期待の集まる2作目となると、ある程度、無難なところに落ち着いてしまうのかな、と。 バカバカしい可笑しさに関しては、これはもう前作に負けず劣らずで、この点ではしっかり期待に応えてくれてて、大いに楽しませてくれますけれども。 というより、この、風呂ネタならまだまだあるぞとばかり、ギャグにかける意気込み。そして映画のためギャグのため、ひたすら「オモチャ」になってみせる阿部寛。それを見られるだけでも十分に、幸せな気分にさせてくれるではないですか。[DVD(邦画)] 7点(2017-03-28 22:05:04)(良:1票) 《改行有》


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