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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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881.  16ブロック 映画のネタ的には、ナンボでも派手にできそうな、例えばナンボでもガントレってしまえそうな(笑)テーマですが、それを手堅く人間ドラマ風に仕上げたのがかえって新鮮、おーこりゃ現代版西部劇だなーとすら思えちゃう。どっかの田舎町でロケでもしてドハデなアクション映画にするのではなく、敢えて舞台はニューヨークの雑踏、人、人、人の海の中を彷徨う男たちの人間模様。各シーンに込められた力は、派手さはなくとも、ドナー作品きってのものではないでしょうか。[DVD(字幕)] 8点(2007-07-08 19:13:04)(良:1票)

882.  ラバー 「映画において“意味が無いのは良いことだ」という“意味”を映画で語ってしまう愚。単なるタイヤが殺人鬼と化す。しかし殺人鬼らしい神出鬼没さは全くなく、むしろタイヤを一人称で語ってしまうのがツマラナイ。理由が無いどころか、むしろ本来無いはずの動機をわざわざ浮かび上がらせようとしているかのような。メタな構成も説明的で、完全に逆行している。13金のジェイソンの方が、このタイヤよりもよほど中身が無くて、志が高かったと思う。それに、タイヤの本分は、転がること、踏みつぶすこと、でしょうが。念力なんか使っても、まったく盛り上がらない。この映画、「意味が無いこと」と「バカバカしいこと」との区別が、ついてないんじゃないでしょうか。フォーカスを妙なところに合わせる映像なんぞ、まるで興ざめ。およそ、タイヤをひっぱるヒモが写らないようにボカしてるんだろ、と邪推してしまうだけ。[DVD(字幕)] 1点(2013-03-06 04:36:58)(良:1票)

883.  オクラホマ・キッド 映画の見どころの一つが、例の土地獲得大レース。『遥かなる大地へ』とかに出てくるアレですね。このシーンがなかなかの迫力。1939年の作品、と言うと、同年に『駅馬車』がありますが、あのド迫力の襲撃シーンなんかにも引けを取りません。 主役のオクラホマ・キッドを演じるのがジェームズ・キャグニー。ワルそう、というか、やんちゃそうな顔が、役に似合ってます。そういう鼻つまみ者のキッドに対し、さらに極悪な連中が登場、そのリーダー格が、ルー大柴。に似てますが勿論そうではなくって、ハンフリー・ボガートです。アクの強さで、いい勝負。 開拓により町ができると、そこには法や秩序が必要、だけど無法は常にその先回りをする。開拓民たちはこんなオソロシイところで日々を送り、その先に今のアメリカがあるのだとすると、やっぱりこの国はちょっと別世界、なのかも。 それはさておき、避けられないのは二人の対決。終盤に繰り広げられる格闘シーンは、短いカットをこれでもかと畳みかけて、これも見どころ。 もう少し主人公の人間像に魅力があれば、という気がしなくもないけれど、割と楽しめたかな、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-01-29 12:23:39)(良:1票) 《改行有》

884.  ロンリー・ブラッド いやあ、実話ってのに弱いのよね(←こればっかし)。と言っても、ここで描かれているような事件を、もし実際にマスコミ報道で目にしていたら、「ったく、どうしようもない連中だなあ」「まさに、この親にしてこの子あり、だよな」程度の感想しか持たずに、やがて忘れ去ってしまうような事件かもしれない。しかし、↓【やましんの巻】様も仰るように、これこそが、現代における“悲劇”なのでしょう。“悲劇”が何故哀しいか、それは、人間が“運命”に打ち倒される姿、押しつぶされる姿を描いたものが、“悲劇”であるから・・・。確かに、主人公のブラッドも、決して感心できるような人間ではない。けれども、そもそも「子は親を選べない」という事実、人間の意思を超えて“運命”の皮肉。我々の誰もが逆らえぬ(しかし逆らおうともがき続ける)“運命”が、彼の人生には一際暗い影を落としている。醜悪な事件の顛末と、背景の素朴な風景のギャップが、運命の残酷さを浮き彫りにし、ラストの一言のとともに切なさを際立たせます・・・。しかし。ショーン&クリストファー・ペンで実際に兄弟役を演じるなんて、やりにくかったんじゃないかねえ。ま、これも運命、ですかね(ついでに、祖母役のヒトって、実のお母さんでしたっけ?)。[DVD(字幕)] 8点(2007-01-21 08:16:13)(良:1票)

885.  テルミン 以前、中古CD屋でたまたま見つけた「The Art of the THEREMIN」というCD。クララ・ロックモアが有名な小品をテレミンで演奏しているもので、音程が狂うか狂わないかの瀬戸際ながら、何とも味わいのある音色が魅力的です。そのロックモアが演奏する光景をこの映画で見ることができたのは感激!どう考えても無理のあるこの楽器に情熱を傾ける人々の姿には頭が下がります。テレミン博士の数奇な人生にも驚かされます。なお、テレミン博士の親戚として登場するリディア・カヴィナもテレミンの名手で、大変ユニークなアルバムを出しています。8点(2003-05-24 00:07:06)(良:1票)

886.  千と千尋の神隠し 出だしがいいですね。普通なら描かれるハズの背景、主人公の置かれた日常的立場みたいなものはサッパリ描かれず、いきなり非日常へ放り込まれる主人公、そして僕達。これがもしかしたら、実は本作のキズになっているのかもしれないけど、いいじゃないの。どうせ日常にはウンザリしてるんだし、せっかく映画観てるんだから、日常描写なんかすっ飛ばしてとっとと異次元に放り込んでもらうのもまた結構。で、この冒頭。子供の頃って、親の事、無条件に信じて頼りきってる・・・と言いたいところだけど、時々、親の行動が不安になる事が。さすがにそんな事やっちゃマズイんじゃないの、誰かに叱られるんじゃないの・・・まあ大抵は杞憂なんですが、どうにも不安でたまらなくなる瞬間。この映画も、そんな瞬間から始まる。しかも杞憂どころか、エライ展開に。あとはもう、めくるめく、コワ楽しい摩訶不思議な世界をこれでもかと展開してくれて、やめられない、とまらない。面白かった~。どうもでもいいけど、主人公がハクの龍に乗って飛ぶシーン、つい「ぼうや~よいこだねんねしな~」と口ずさんじゃったね(←ほんとにどうでもいいなあ)。 ところで、こういうアニメ作品は、まずは絵の動きの緻密さに目を奪われ、圧倒されちゃうわけですが、その一方でフト、「最近の実写映画が見失いがちなものが、アニメ映画には残っているんじゃないか?」なんて事を思ったりもします。アニメの方が世程、映画の「場」を大事にしているのでは? まあ、カメラを自由に動かせないという、アニメの制約に起因する、単なる結果的なものかも知れませんが、映画の「舞台」をよく捉えており、またアングルの中と外の関係(画面に捉えられていないものを観る側に想像させる)にも神経がよく使われているように感じられます。とりあえず、映画を観た後で、映画の中の舞台・情景を「懐かしい」と感じさせることができれば、それは映画の一つの成功でしょう、その意味で、この映画にも満足を感じることができました。 【2011年10月4日 8点→10点に変更。最近、この作品がいとおしくてたまらない】[地上波(邦画)] 10点(2005-01-08 00:00:05)(良:1票)

887.  悲情城市 戦後台湾を舞台に、ある一家及びそれを取り巻く人々の生活と、彼らが時代の波に翻弄される姿を描いたこの映画、その求心力はズバリ「空間」。カメラは不必要に登場人物たちを追い回さず最小限の動きで、役者達が作り上げる演技空間を静かに見守る。また、カメラ位置が限定される事で、「空間」そのものが強い印象をもたらして映画を支える軸となっており、そこに映り込む登場人物だけが、時代の流れ、シーンの流れとともに、入れ代わったり、命を落として消えて行ったりする。時代に翻弄される庶民の無力さが際立つと同時に、それを乗り越えていく逞しさもまた、確かに感じさせます(ここに展開される「空間」、何やら松竹クサさも感じさせる・・・と思ったら、ホウ・シャオシェン監督、小津信者だったか)。うーむ。そりゃいいんだけど、2時間半を超える長尺を支える求心力としてはやや弱いかな。内容的には少々散漫な印象、無きにしもあらず。あと音楽が---何となく安っぽい気がして残念。それにしても、最後の方で出てくるアカンボのナチュラル過ぎる絶妙の演技(なのか?)、全体的に重たい本編の中で何とも言えぬ微笑ましさが光っており、これはまさに名シーン中の名シーンと呼びたいですね。8点(2004-02-29 01:07:07)(良:1票)

888.  怪盗グルーのミニオン大脱走 今回は、悪役のノリが80年代風、ってのがあって、しかも巨大ロボみたいなのが出てきたりすると、少し『20世紀少年』なんかを思い起こしたりもするし(←80年代じゃないけど)、さらにビックリドッキリメカみたいなのがウジャウジャ出てくると、タイムボカンとかヤッターマンとかを思い起こしたりもして(←80年代じゃないけど)。 それにしても本作、実に実に豪快にとっ散らかしてくれました。例によってエキセントリックな悪役が登場するのはいいとしても、シリーズ初登場の「こんな人が登場したら一ドラマも二ドラマもありそうな」キャラが、当たり前のような顔をして加わるやら、その一方ミニオンたちはどこかに行っちゃって勝手な事ばかりするやら、どこまでも物語は広がり、とっ散らかり、楽しいことこの上なし。これだけ散らかしたんだからいっそのこと、このまま無限に発散して映画を終わらせちゃったら、一大迷作として殿堂入りさせようものを、映画が進むに従い、チャッカリ見事に収束させてくる。あーどうせこうやって伏線がどんどん収束していくんだろう、くそー、ウマイことやりやがって、と、大いに楽しみつつ、何だか少し腹が立ってくる(笑)。 CGアニメの面白さも格別。悪役がムダにダンスしたりして、とにかくこのムダな動きの数々、「すべて人工的なCGのはずなのに、予想のつかない動き」になってるのが、これまた楽しいんですね。 あ~、楽しかった。[映画館(吹替)] 8点(2017-09-18 18:15:14)(良:1票) 《改行有》

889.  忠臣蔵外伝 四谷怪談 はいスミマセン、タイトル見ただけで、この作品避けてました。「一粒で2度美味しい」というか、それとも「一粒で2度不味い」というべきか、片や夏の定番、片や冬の定番、まさに2大定番ともいうべき企画を強引に混ぜ合わせて複雑極まりない化学反応を起こさせる。「盆と正月が同時にやってきた」という表現がこれ以上マッチする作品って、無いんですけどね。何かしっくりこない(笑)----「ヌードも厭いません、必然性があれば」ってな事を言ってる新進女優の皆さんに訊いてみたいのは、「この『忠臣蔵外伝 四谷怪談』で脱ぐのって、アリ?」。観たところ、高岡早紀のデカパイを「こんなにデカイんです」と見せたかっただけのような気もするのですが。騙されて変な薬飲まされちゃう高岡お岩さん、堕胎したり顔がただれたりするだけじゃなくって、いっそ自慢のボインがドカン!と爆発したら、さぞかし迫力があったのではないかと。----蟹江敬三が美剣士に(笑)。素晴しいキャスティング、驚くべき発想力。深作映画における蟹江敬三と言えば、何と言っても『蒲田行進曲』の監督さんですよね。あの監督さんを思い浮かべつつ、本作の蟹江敬三を見てると、「さらに」笑いがこみ上げてしまう。----冒頭、松竹映画の富士山に、何故かあのお馴染みの「♪(ダァン)O Fortuna~」という合唱が流れてきて、さらにまさかの「松竹創業百年記念作品」の文字が。そういうこと、なんだそうです。これはもう、松竹を象徴する作品、と呼んでもよい(んですよね?)。いや、どっちかというとノリは角川映画なんですけどね。春樹氏は前年に逮捕されていたのであった。----どうもこの作品の伊右衛門を見てると、昔話の「うらしまたろう」をちょっと思い出してしまうのですが、それはともかく、本作、悪趣味なまでの奇抜な作風の中に、忠臣蔵というお祭りからドロップアウトした異端者の哀しみのようなものがにじみ出ていて、でもあくまで感傷的にならずにオドロオドロしたまま突っ走る。ユニークで(意外に)芯の通った作品でした。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-09-21 02:08:20)(良:1票)

890.  ザ・ワイルド 《ネタバレ》 大金持ちのアンソニー・ホプキンス、休暇で訪れた先の山岳地帯で飛行機が不時着してサバイバル。しかも生き残った一行の中に妻の浮気相手であるボールドウィン長男がいる、という、呉越同舟っぽい趣向。そこでドラマが生まれる・・・はずだったんじゃないのかい。 中盤はクマとの対決が中心に描かれるのだけど、その戦いを通じて二人の関係が微妙に変化する、のかと思いきや、これといってたいした変化もなく、これなら、クマとの対決の部分は全部カットしたって物語が成立してしまいそう。 動物との対決、危機感を盛り上げるならやっぱり「立て籠もり」ですが、本作ではそういうのもなくって、スタコラサッサッサのサと逃げ回るだけ、これじゃあ、なかなか盛り上がりません。絶望感の乏しさよ。そういやシートン動物記の「少年とオオヤマネコ」って、ホント面白かったよなあ。 で結局、最後まで「金持ちはよくデキた人」「それを妬むのはロクなヤツじゃない」という路線のまま突き進み、ホプキンスとボールドウィンと間に真の融和が訪れたのだか何なんだか。おそらくはそういうことなんだろうとは思うものの、なにせボールドウィンは最期まで腹黒そうな顔のままなもんで、最初っから最後まで大した変化なかったなあー、という印象だけが残る。一体この作品は何が描きたかったんだ、と。 おっさんたちのサバイバル。事件を通じて人間的に成長するにも、限界があるのかねえ。[地上波(吹替)] 4点(2018-10-08 11:46:39)(良:1票) 《改行有》

891.  ポセイドン(2006) 大好きな映画のリメイク作を観るというのは、言ってみれば、初恋の人と同窓会で再会するようなもんでして、3割は「もう一度会って見たい」、7割は単なる怖いもの見たさ。過剰な期待をすれば確実に失望するが、その「確実に失望する」というコトに対して、これまたヘンな期待を持ってしまうのが人情というもの。性格悪いってか。ほっとけ。まあねえ、「元の映画ではカクカクシカジカの点が魅力であったのだが、リメイク作にはその点が欠如している!だからダメ!」なんぞと言うのも、味気無いもの。元映画の魅力をそのまま移植するんじゃあ、リメイクの意味が無いし、それこそ怠慢だと責められるべきもの。ラクチンだよね。→結局、「なんでわざわざリメイクするの?」という、根本的かつ「それだけは訊かない約束でしょ」的な疑問に帰着しちゃうのだけど・・・。しかし、いいじゃないですか、清純だったアノ初恋の人だって、ケバケバのオバチャンになっちゃった今だからこその新しい魅力があるかもしれない(無い可能性も高いが)。本作を観れば、「私が大好きだったあの70年代風のパニック映画は、もはや作れる時代じゃあなくなったのよね」と感じる一方で、こういう、一種のゲーム的・紙芝居的アトラクション映画が、産まれつつあるのだなあ、と感じます。いっそ「転覆した船の船底まで逃げたら、もう一度津波がきて元通りになり、再び甲板まで逃げる映画」とかいうところまではハメをはずせなかったのが、やっぱりドイツ人監督なんですかねえ(←アメリカ人でも無理です)。[DVD(字幕)] 7点(2007-01-30 23:31:59)(笑:1票)

892.  さらばバルデス 《ネタバレ》 イタリア製だからと言ってマカロニウェスタンではなく、ジョン・スタージェスだからと言って王道ウェスタンではなく、ディノ・デ・ラウレンティスだからと言って超大作ではなく、チャールズ・ブロンソンだからと言って・・・いや、ブロンソンらしいシブい映画でした。 普通なら(シェーンなら)「風来坊の主人公が少年のもとにやって来て、ラストで再び旅立っていく」というパターンになるところでしょうけれど、本作では逆に、少年の方がどこからともなくやってくる。ブロンソンは荒野の一軒家にひとり、生活しており、いかにも気難しそうだけど、言う事はなかなか親切(ちょっと少年を甘やかし過ぎかも?)。町の人とはあまり馴染めない一方で、先住民とは交流を持ったりしてて。 「誰のものでもない」と思っていた荒野は、気が付いたら「誰かのもの」になっていて、自由だと思っていた世界は、気が付いたら自由ではなくなっている。一匹狼のような主人公は、居場所を失わざるを得ない訳で。 中盤、主人公がリンチにあうのは、いわば復讐へのお膳立てであり、しかもクライマックスでは銃を持った男たちと一戦交えることになるのですが、本作は完全決着をつけさせることなく、主人公に復讐を果たさせることなく、ただ静かに彼を立ち去らせます。「どこからともなくやってきた主人公」ではなく、「もともとここに住んでいた主人公」が、立ち去らざるを得ない、という不条理。 さらば、西部劇。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-02 13:42:20)(良:1票) 《改行有》

893.  ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密 夜の博物館で展示物が動き出す、という一発ネタでもって、シリーズを3作も引っ張っちゃうのはやっぱり厳しい。驚きの無いところから映画を始めなきゃならないし、そもそも、勝手気ままな展示物たちにベン・スティラーが振り回される彼の困惑こそが“ナイトミュージアム”というネタのお楽しみであったものが、もはや展示物ファミリーの一員である彼には困惑も何も無いし。もちろん、この馴れ合い的な世界が、シリーズとしての楽しみであることにもまた、間違いは無い訳で。いつも通り気が合いつつ、いつも通り噛み合わない連中の掛け合いの楽しさ、そこに新キャラも参戦してギャグを散りばめ、確かにしっかり笑わせていただきました。ただ……ねえ。演出は何だか単調だし(会話シーンとか、機械的過ぎませんか)、ラスト近くの「この辺りに感動する時間帯を設けてみました」みたいな展開も嫌味な感じがするし。それに、第3作ともなりテーマとして新味が出しづらい中で、これもアタリマエのようにぶちまけられるCGを見ていると、「実写と見紛うリアルなCG」ってのが本当にイイのかとも改めて思っちゃう。かつてのストップモーションアニメには、どうしようもない違和感があった代わりに、特撮というもの自身の自己主張があり、それに対する観る側の待望も確かにあったんだけど。遠く大英博物館に舞台を移したのも、これも何の為だったのやら、博物館の外まで騒動が広がりかけたものも簡単にエピソードを収めてしまい、結局はすべてが「今まで通り」の雰囲気に落ち着いちゃう。マンネリの持つ良さもある代わり、マンネリの悪いところもかなり出てしまった第3作でした。ところで今回、ベン・スティラーは二役の登場ですが、凝ったメイクアップにビミョーなものがありまして、セリフで「二人が似ている」と言われるほどには残念ながら似ていないんですね。せっかくの二役ですが。あと、一瞬だけのちょっとしたシーンではありますが、アクション俳優でもないベン・スティラーが、走るシーンではなかなかいい走りを見せてくれます。ついでに言うと、思わぬ俳優がチョイ役で登場し、笑いを提供してくれますが、「そういやショーン・レヴィ監督って、このヒトと、あんないい映画撮ってたのになあ」ってなことも思い出しちゃうのでした。[映画館(吹替)] 5点(2015-04-05 08:58:51)(良:1票)

894.  消されたヘッドライン ミステリとして、とっても楽しめる作品でした。面白い。と言っても不可能犯罪が出てくるのかというとそういう訳ではなくて、意外な真相とやらがあるのかというとまあこれはあると言えばあるんだろうけど(エチケットとしてこれ以上は言いにくい)、それが魅力というよりも・・・事件自体の謎と、人間関係との絡み合いのオモシロさ、これが魅力ですかね。人間関係、そこには友情もあれば、タテマエもあり、はたまた自分の個人的な感情や思惑なんかもあるんだけど、その背景には当然のごとく、裏切りが飛び交う構図。とまあ、何とも奥歯にモノが挟まったような言い方になっちゃうんですけど。そういうドラマの展開の中で、ラッセル・クロウのクセモノっぽさ、ヤな感じがよく出てます(多分、本当にヤな人なんでしょうけど)。何人もの命が奪われた末に明らかにされた真相は、記事となり、大量の安物の紙に印刷されて世間へ解き放される。大勢の人々にナナメ読みされた後は、すぐに捨てられ、明日は明日で別の記事が掲載された新聞紙が撒き散らされるのです。ってな感じの、これまたヤな終わり方でした。という訳で、ヤな感じの面白い映画でした。[DVD(字幕)] 8点(2010-02-17 23:38:42)(良:1票)

895.  パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 《ネタバレ》 主人公パーシー、劇中でも言及される通り、またその活躍するエピソードを見てもわかる通り、“ペルセウス”と関連があるらしいのだけど、設定は何故か、ゼウスではなくポセイドンの息子。水と親和性が高く、水に触れるとケガが治っちゃったりもする。ここで世の親はすかさず、この映画を一緒に観てる子どもたちに言う訳です、ホラあんた、いつも転んで擦りむいたケガをお風呂に浸けるのイヤがってるけど、見て御覧、浸けたら治っていくやんか、と。ウチの子は「ほんまや~」と言いながらも納得したようなしてないような。しかしこの作品。クリス・コロンバスが「オレがハリー・ポッター撮った時にゃ、まさかあのシリーズがあんな武闘派路線になるとは思わなかったぞ。オレもそういうの撮りたかったぞ。よしオレも撮っちゃうぞ」とはまさか言ってないと思いますが、そういう二番煎じ感が溢れかえってます。が、展開の早さ、簡潔なわかり易さ、派手なCG、ヒマつぶしにいい映画はどちら?と聞かれれば、コチラに軍配を上げてもよいかも知れません。ヒマつぶしと割り切ってる分にはそれでいいかも知れませんけど……一体この映画、何が描きたかったんでしょうね? 父と離れて暮らし、父に見捨てられたと感じていた少年が、冒険を通じて成長し(「強くなった」のと「成長した」のは違う気もするが)、ついに父と対面を果たす。父との葛藤か、あるいは血縁の絆か。「オヤジよ、よくもオレと母さんを見捨てたな」「いや~ソレはしょうがなかったんだよ。でもさ、オマエのことはちゃんと陰ながらサポートしてたじゃないか」「お~言われてみればそうだったな~、サンキュー、オヤジ」だってさ。そんなアホな。この軽薄さには、もはや清々しさを感じてしまいます。いやあ、第2作も楽しみだ。[DVD(字幕)] 6点(2014-11-03 17:50:03)(良:1票)

896.  正義だ!味方だ!全員集合!! ドリフ映画最終作。子どもの頃、「テレビのドリフは面白いけど、映画のドリフはつまんない」と思ってた私も、この作品はとても楽しめたのでした。クライマックスの無声映画ふうの早回しドタバタが、バカバカしくって面白いのなんの。ってほど、今見ると笑える訳でもないのですが、いいじゃないですか楽しいし。 ドラマ部分は、まあ正直、撮影に金も時間もかけてないんでしょう、画面自体は、見栄えがするとはお世辞にも言えませんが、比較的ワンカットが長めにとられていて、これが、ドリフのコント仕立ての芝居によくマッチしてます。何か安心感がありますな。 悪役のベンジャミン伊東のヤラレっぷりも楽しいし、飄々とした蝶々さんもいい味出してます。何で金子信雄がいつもカレーライス食ってるのかよくわからんけど、美味そうに食ってます。楽しい夕食。 何より、出番は少ないけれど、自転車に乗る志村けん巡査の笑顔が、もうホントにイイ顔してて、子どもの頃に見た時以来、忘れられなくって。今回久しぶりに観て、そうそう、これこれ!って思っちゃいました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-03-18 20:44:08)(良:1票) 《改行有》

897.  ロスト・バケーション さすがにサメに襲われる役は、リーアム・ニーソンじゃないんですね~。 ジャウム・コレット=セラ作品に出てくるリーアム・ニーソンみたいに、この映画の主人公も周りから「孤立」しているのですが、周りに人が大勢いるのに孤立するのとは違って、本作では、海上に突き出た岩礁に、物理的に孤立しています。確かに、遠くにいる人なり船なりと「思うように意思疎通が取れない」という問題、ではありますけれども。 海中にはサメがいて、こいつが敵だから、わかりやすい。わかりやすい分、物語に盛り込むネタがあまりなくって、前半はパニック映画というより(そもそも、登場人物がほぼ一人で「パニック」というのかどうか)、外科手術映画として見せ場を提供します。痛そうです。見てて心細くもなります。が、主人公に医学の心得がある、ってのが若干、言い訳っぽくって、出来レース的でもあります。 このまま盛り上がらずに終わったらどうしよう、と思ってたら、終盤はどんどんサメがアタマ悪くなってきて大暴れ。こうでなくては。 というワケで、最終的には期待に応えてくれるのですが、ちょっとネタ不足ですかねえ。 主人公が岩から岩へと移って場面、なんてのは、ちょっとトレマーズみたいで、ジョーズ映画が海から陸に上がって、また海に戻ってきた、みたいなパニック映画の歴史っぽいものを感じさせますが。[DVD(字幕)] 6点(2019-12-15 12:20:06)(良:1票) 《改行有》

898.  天国の日々 《ネタバレ》 柔らかい光に包まれた大自然の中で、農場で働く人々もまた、しばしば“単なる人影”として描かれ、大自然と一体化しているように見えますが、その人影の中から主人公たちの表情が浮き上がってきて、切ない物語が綴られていきます。寄る辺なき労働者のビルと、妹であり映画の語り手であるリンダ、そして兄の恋人アビーの3人の一行。ある農場の期間労働者としてこき使われているうち、アビーは農場主に見染められます。農場主は余命いくばくもないため、ビルはアビーに農場主との結婚を勧め・・・と言う訳で、ようやくビルは平穏な生活を手に入れるのですが、その裏には、恋人を他の男と結婚させてしまうという大きな代償と、農場主からの疑惑の視線による緊張感を伴った、表面的な平穏さに過ぎません。この物語が静かに描かれていく中に、自然の風物の映像が何度となく挿入されるのですが、その挿入映像の中のひとつかと思われた“イナゴ”が、大群となって物語の表舞台に躍り出て、その欺瞞に裏打ちされた平穏さを突如打ち破ってしまう瞬間の怖さ。大炎上する麦畑の光景、その映像もコワイ、流れる音楽もコワイ。後はひたすら追いつめられ転落していくしかないのですが、その果敢ない行く末の虚しさよりも、映画ラストで、生き残った者たちがそれぞれまた新しい生活へと向かっていくこと、死者が忘れられていくことの方に、幾層倍の虚しさを感じます。怖い映画でした。映像の美しさ故に、残酷な映画でした。うーん、でも何で使われている曲が『水族館』なんだろう(笑)。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-03 00:15:19)(良:1票)


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