みんなのシネマレビュー |
|
141. トゥームレイダー 《ネタバレ》 プロットは単純明快。アクション豊富。『キラーマシーン』や『動く石像』など、敵キャラの造形もばっちり。 こーゆーゲーム感覚で見られる映画、嫌いじゃありません。 メカニック担当のブライス。銃も扱える執事。商売敵なのか元カレなのかよーわからんアレックス。一人一人のキャラが個性的でわかり易いのも良い。 ただ、人をひきつけるようなストーリーではないので、世間様の評価が低くなってしまうのは至極納得でございます。 役者さん達の演技も、表面的でゆるい感じに徹しているので、緊張感の無さは強調される一方です。 エンターテイメント性はあるし、アクションも良い味だしているのですが、脚本・演出がここまでゆるいと退屈に感じちゃう人もいるかもしれません。 個人的に好きなテイストではあるのですが、人をひきつけるまでには至っていない惜しい作品。 でもまあ続編を見てみたいと思ったので、悪くない作品なんだと思います。 それから『トレジャーハンティング』を予想していたので、謎解きや遺跡のトラップなんかがほとんど無かったのは残念。 一番の見所であるロボットとのバトルを最初にもってきちゃったのもまずかったかもですね。[DVD(字幕)] 6点(2016-05-26 04:26:44)(良:2票) 《改行有》 142. ザ・ロック 《ネタバレ》 ショーン・コネリー、ニコラス・ケイジ、エド・ハリスが共演しているだけで期待が膨らみ、観るのを凄く楽しみにしていたので、面白さより物足りなさのほうを強く感じてしまいました。 凄腕のスパイ、化学のエキスパート、軍隊の英雄と、それぞれが物語を鮮やかに彩りそうな肩書きを持つも、それがいまいちストーリーに活かしきれていないんです。結局はドンパチありき、アトラクションありきの、普通のアクションムービーの枠内におさまってしまっている気がします。 みんシネで、これだけたくさんの人がレビューしていて、平均7.89点の娯楽作品だったら絶対楽しいと思ったんです。そんで、普段映画を見ない奥さんに、「これ評価高くて面白そうだから。」と言っちゃったんです。一緒に見ちゃったんです。そんで、見終わって、一言、「いや、面白かったよ。大丈夫。」と言ってくれました。めっちゃ気ぃ遣ってくれてるやん。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-04-28 04:50:42)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》 143. クリムゾン・タイド 《ネタバレ》 潜水艦というだけで敬遠していたのですが、予想以上に面白かったです。これは潜水艦以外の設定であってもドラマとして成り立ちそうですが、やはり潜水艦という密室と、外部との連絡が断たれた状況での究極の選択が、緊迫感をより際立たせているように感じます。 火災の際の訓練については、ラムジー大佐に一票を投じます。それに反論・疑問を呈するハンター副官は、とても甘い。まさに実戦経験の浅いインテリらしい人物で、指揮官としては頼りなさを感じちゃいます。 しかし、外部との連絡が断たれてからは、今度はラムジー大佐の主観的で独断的な判断が目につきます。すると不思議なもんで、ハンター副官の冷静で大局を見る判断能力を支持しちゃうんです。 状況が変われば、その状況に適する人物もまた変わってくるということでしょうか。平時であれば優秀な人物が非常時に無能さを露呈することもあるし、またその逆もあるのでしょう。 この作品の面白いところは、ラムジー大佐をはっきりとした黒ではなく、白に近いグレーにしているところでしょう。ですが彼はその立場上、迷いを見せず、毅然とした態度で常に決断をしなければなりません。でも心の中では逡巡や葛藤があったかもしれないです。本国からの正式な連絡を待ったほうが良いという思いが。その思いを具現化したものがハンター副官であるとすれば、部下達はラムジー大佐の逡巡そのもの。だから艦長の任を解かれたときに素直に監禁に応じたのも、自分自身をクールダウンさせるきっかけにしたかったのかもしれないです。実際部下達が熱くなって大佐の部屋に行ったとき、優雅にクラシックを聞いているんです。おそらくラムジー大佐にとってハンター副官は優秀なブレーキとしての役割を果たしたのではないでしょうか。 映画を観ている最中には、ラムジー大佐が完全に間違っていると思ったときもありましたが、見終わってみると、ハンター副官の能力の高さや将来性を高く評価しているラムジー大佐は、素晴らしい上官であり指揮官だと思いました。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-01-27 02:18:57)(良:2票) 《改行有》 144. エリン・ブロコビッチ 《ネタバレ》 エリン・ブロコビッチという一人の女性の物語としても面白いし、大企業相手の公害訴訟のストーリーとしても面白いです。 本作の主人公エリンは、その言動、性格から、共感したり感銘を受けたりは、見る人によって差が出るかもしれません。ですが、応援したくなるという点においては、多くの人がそう思うのではないでしょうか。 にしても、この作品、大変面白い作品ではあったのですが、本音を言うと、『法廷もの』=『裁判』という固定観念が邪魔をして、『調停』⇒『和解金』⇒『めでたしめでたし』、っていうのは、どうにも釈然としないものがありました。 子宮や乳房を摘出したり、幼い子供が癌に苦しんだり、これだけ多くの人の健康と命を蝕み人生をふみにじっておきながら、お金だけ払ってめでたしめでたしっていうのはねえ。 大企業側が追い詰められて、住人達が心の底から喜ぶような、そんなカタルシスを味わうシーンをもっと観たかった気がします。 それに、当然の権利とはいえ、3億3000万$の40%であれば、そりゃあ法律事務所は潤うんでしょうけど、それをラストでああもあからさまに『もうかりましたよ。』って見せられれば、『結局は金目当てかいっ!』って感じがして『公害訴訟ドラマならではの感動』が薄れちゃうんですけど・・・。 個人的には、企業側の弁護士3人を相手にして、エリンが完膚なきまでに3人を叩きのめすシーンが今作最高のクライマックスです。『どうぞお水をお飲みください。あなたたちのために特別に用意した、ヒンクリーの井戸水です。』は、最高でしたね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-09-16 02:33:25)(良:2票) 《改行有》 145. アサシン(1993) 《ネタバレ》 この映画ってやっぱりニキータと比較してレビューしたほうが良いんでしょうか?(笑) 正直ひりつくような緊張感をまとっていたのはニキータのほうです。アサシンは、ほとんど同じストーリーにも関わらず、なんか娯楽色が出ちゃっているんですよね。これがすべてを同じ色に染めてしまうハリウッドパワーなんでしょうか。 個人的な好みで言えば、ニキータのほうが好きなんですよ。なぜかと言うと、アサシンでは、調教前と後がちょっと変わりすぎてしまっている気がするんです。ニキータでは、調教後もあの独特の悲壮感や孤独な雰囲気が消えていない、ここが良かった気がするのです。 だから、ニキータであったから効果的であったシーンも、アサシンで同じように使うと「いや、なんか違うなー」って気持ちが先に出ちゃうのが残念。 無意識にも比較されちゃうのはリメイクものの宿命ですね。 ただ、ニキータは3回くらい見ているのですが、最後に見たのが10年以上前だから、もし今見たらまた感想が変わるかもしれません。 昔の映画のほうが良く思えるのは、単に感受性豊かな年頃の時に見たせいかもしれないですしね。本当の意味での比較なんて、ほんとは誰にもできないのかもしれないです。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-07-10 03:34:55)(良:2票) 《改行有》 146. 13ゴースト(2001) 《ネタバレ》 アトラクションムービー。ストーリーはあってないようなものですね。 お化け屋敷にストーリーを求めないように、これはこれでビックリ箱のような面白さがあります。 12人の幽霊たちが良かったですね。一人一人個性があり、禍々しさがあり、大変ユニーク。クリーチャーとして大変魅力的です。 生きている人間より、クリーチャーたちに焦点をあてたほうがよほど面白かったのではないかと思えるほどです。 人間達のやりとり、ドラマはいまいちですね。 助けに来てくれた女性が実はサイラスの手先というサプライズ演出。ところがその女性にまるで魅力がないので、そのサプライズが劇中で上手く機能しているとは思えません。霊能者のデニスも、なぜか急に良い人になります。そこまでは良いのですが、彼の自殺ともとれる自己犠牲的な死にいったい何の意味があったのか、最後まで見てもよくわかりません。 ついでに言うなら、子供達を中心に話をすすめたほうが、面白かった気もします。 全面強化ガラスのからくり屋敷は、仕掛けとして大変面白いですね。呪文が書かれているところはゴーストは通れない、という制限ルールも、ありきたりですが良いルールです。メガネも良かったですね。 アイデアは豊富で、そのどれもがなかなか良い。ただ、あまり深く掘り下げられることなく、あっさりしたテイストのまま物語はクライマックスへ。潔さも感じますが、もったいないとも思ってしまいます。 ただ、その分何も考えずに見ていられますね。 それでいてビジュアルは刺激的。 ソフトタイプのモンスター映画はこれで良いのかもしれません。 のんびり見るエンタメ作品としては及第点ではないでしょうか。悪くないです。 [DVD(字幕)] 8点(2016-11-29 06:10:22)(良:2票) 《改行有》 147. カオス(2005) 《ネタバレ》 ミステリー有り、アクション有り、緊張感有りで、なかなか楽しい仕上がり。 ローレンツを名乗る強盗団のリーダーが、『橋の事件で射殺した犯人の兄』と見せかけて、じつはコナーズの元相棒ヨークというのは、うまいミスリード。ヨークが一度も姿を現していないこと自体が不自然なんだから、ちょっと考えればヨークが怪しいって予想がつきそうなのに、なぜかまんまとだまされちゃいましたね。 あまりいろいろ考えずに映画を見ていると、『まんまとだまされる』ってのはよくあります。この『まんまとだまされる』っていうのは、何か気持ちいい。得した気分になります。 この作品では、コナーズやヨークといった、アウトローなヒーローを描きたかったのかもしれないです。しかし、アウトローなヒーローの根底にあるのは、やはり正義であってほしいです。『橋の事件』で人質を撃ってしまったのは、明らかに二人の過失。そのことで社会的に罰を受けて、警察に復讐って、それは違うんじゃないですかね。しかも目的は善良な市民の口座の金。ジェイソン・ステイサムは好きな俳優さんですが、今回ばかりは応援できず。何とも胸糞悪い結末です。 ついでに言うと、主演俳優は、『死ぬこともある人』と『死ぬワケがない人』の2パターンに分かれます。ジェイソン・ステイサムはもちろん後者。死ぬワケないんです。つまり、この人が死んだことになった時点で、ネタバレしたも同然です。そこから先、どんな演出されたって、白々しいの一言。サプライズも何もあったものではありません。これってある意味ミスキャストなのでは・・・?[DVD(字幕)] 7点(2018-04-24 10:23:06)(良:2票) 《改行有》 148. インナースペース 《ネタバレ》 良い意味で適度なテンポ、適度なコメディ、適度なSFで、2時間飽きることなく楽しませてもらいました。 一応コメディだと思いますが、実は人が撃たれて死んじゃっていたり、体内でチップ使ってもとの姿に戻させようとしたり、意外とシビアな内容が見え隠れしています。 特に、胃のシーンは迫力ありましたね。 まるで地獄のよう。 どこに視点を置くかで楽しさが変わるタイプの映画です。 ダイの大冒険のポップや、ワンピースのウソップのように、頼りないキャラがどんどん成長していって、周りから認められ頼りにされるのがたまらないという人にはおススメの映画です。 最初っから強い主人公では味わえない爽快感がここにあります。[DVD(字幕)] 7点(2012-04-15 03:53:47)(良:2票) 《改行有》 149. ターミネーター2 《ネタバレ》 はじめて見たのは中学生の頃か、高校生だったか・・・。当時では考えられないT-1000の流動的な映像に度肝を抜かれたのを覚えています。 その映像技術に頼りきらず、その映像技術から更に工夫されて生み出されたアクションの数々。 初見のときにはこれ以上無いくらいに胸が躍り、そして今見ても十分に面白いと感じられます。 ストーリーはどうでしょう。 テーマは大きい。『世界の滅亡』『人類の存亡』。 それに対して、ストーリーはシンプル。 1.『人類(抵抗軍)のリーダー』を『殺そうとするもの』と『守ろうとするもの』の闘い。 2.事の発端となる人物及びチップの破壊。 壮大なテーマでありながら、ストーリーは限りなく単純化したことで、大変わかりやすいエンタメ作品へと仕上がっています。 自分達が作りたいものを、誰がみても楽しめる作品へと仕上げる。これぞプロの技ですね。 ただ、子供の頃には気にも留めなかったことが、気になっちゃうのが大人であります。余計なことを考える邪念が入り込んでくるんですよね。 『T-1000』をサラ・コナー暗殺に1984年に送り込めばいいじゃん。とかね。 だからね、タイムスリップものを楽しみたいときは、『ドラえもん』を見るような温かい気持ちにならなきゃだめなんですよね。 じゃないと、中古品が新品ロボットからターゲットを守るっていうシンプルながらもアツいストーリー、そしてアクション、そーいったものを純粋に楽しめる自分ではなくなってしまったと感じ、愕然とするわけです。 ですから、今だったらはっきりわかります。 そして自信をもって言えます。 これは『子供向けアクション映画』なのだと。 それを大人でも楽しめるようにプロの技でコーティングされた傑作なのだと。 ただ残念ながら、わたくし個人としては、傑作とまではいきませんでした。 子供の頃の自分であれば、満点ですけどね。[DVD(字幕)] 7点(2017-04-18 03:48:43)(良:2票) 《改行有》 150. 96時間 《ネタバレ》 元CIAの父親が、娘のために有無を言わさぬ鉄拳制裁。これこれ、こーゆー痛快アクションが見たかったのです。 ブライアンは絶対正義というわけではなく、とにかく『娘を助ける』これ一本。そのためには手段を選ばない姿勢がすがすがしい。 スパイとしての能力は抜群に高く、絶対に捕まりません。アクションは圧勝。射撃も凄腕。これだけスーパーマンだとさすがにブライアンの心配はしませんが、なにしろ目的は娘キムの救出。キムと一緒にいたはずのアマンダの変わり果てた姿が焦燥感を募らせます。『はたして娘は無事なのか。』なのでそれなりにハラハラできます。 それにしてもブライアンのぶれない姿はしびれます。人身売買と利害関係にあった元同僚であり友人、その人の奥さんはまったく事情を知らないのに、友人に口を割らせるため撃っちゃうという非道ぶり。人質をとる主人公。今までこんなアンチなヒーローがいたでしょうか。公平とか正義とか、そんなの関係ねー。娘を助ける。ただそんだけ。なのにこんなに面白い。 序盤の冴えない父親と仕事モードのギャップがあつい。 今作は完全に単独でしたが、昔の仲間も優秀そうだったので、チーム戦も見てみたいですね。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-12-16 14:08:58)(良:2票) 《改行有》 151. ホリデイ 《ネタバレ》 良く言えば丁寧な作り。悪く言うと丁寧なだけの作品。 『恋愛が上手くいかなかった二人の女性。傷心旅行を兼ね家を2週間交換。その2週間のうちに新しい出会いがあり、恋をする。』 たったこれだけのことを延々2時間以上。このスローテンポでいくのであれば、もっとドラマ性を持たせて欲しい。コメディ調で楽しくしたいのであれば、もっとテンポ良く、メリハリを利かせてほしい。この作品は、キャストの知名度、魅力、演技力におんぶにだっこ。それを巷では『手抜き』って言うんじゃないの? キャメロン・ディアスもケイト・ウィンスレットも好き。だから見たといってもいい作品です。結果は期待はずれ。 出てくる人達は皆良い人。好感が持てる人達ばかり。逆を言えば、その好感度だけで2時間を押し切ろうとしている風にも見えます。 好きなシーンは結構あります。アマンダがグレアムの家を初めて訪ねるエピソード。娘達との交流。アイリスがロスにやってきたジャスパーを追い返すシーン。この辺は結構好き。素直に良かったと思えます。それぞれの人物の魅力が最大限に描かれている良いシーンです。 やっぱストーリーのつまらなさでしょうね。 根本的な解決がされないまま迎えるラスト。雰囲気だけで盛り上がるハッピーエンド。この作品に相応しい、中途半端な終わり方です。 全然関係ありませんが、ラブコメを敬遠される方って、『食わず嫌いな人』が多いと思っています。そんなラブコメと疎遠な方には、逆にウケるかもしれないですね。ラブコメ好きな方は目が肥えていらっしゃるので、今更この作品じゃ盛り上がれないんじゃないかなー。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-06-16 11:20:14)(良:2票) 《改行有》 152. チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 好みで言えば間違いなく好みではないのですが、この面白さはなんなんでしょう。希望をもたせるような終わり方なんですが、やはりハッピーエンドとは言いがたいし。ウォルターの生死は結局わからないし。ラストまで見てもスッキリしない映画は本来苦手なのですが、観終わった後のこの満足感はいったい。 それにしても怖い作品です。殺人鬼。警察。精神病院。そのどれもが圧倒的な暴力と悪意に満ちています。この三者に共通するのは、自己の利益のみを追求していること。結果、警察と精神病院の責任者は司法によって裁かれ、殺人鬼もやはり司法によって死刑となる。それがこの映画の『救い』です。それが見終わったあとの満足感につながっているのかな・・? 殺人鬼や精神病院は自分にとってもはやホラーの世界。怖い怖い。本当に怖い。精神病院からの救出劇や、ラストで語られる殺人鬼からの脱出劇は、ホラー映画のハッピーエンドバージョンを見たときに近い安堵を感じます。ついでに言えば、体裁を保つために身代わりの子供を用意するなんて発想を警察がしちゃうってのも怖いシチュエーションです。不服を申し立てれば精神病院送り。否を認めるまで有無を言わさぬ監禁・拷問が続くわけですか。やってることは殺人鬼の彼と変わりませんね。 今の時代にも怖いことはいっぱいありますが、怖さの質が全然違う気がします。この時代のほうが善悪の基準が混濁していて、その不透明さゆえの怖さを感じます。なので、グスタヴ・ブリーグレブ牧師が立ち上がり、クリスティンを救い出し、敏腕弁護士と共に反撃を始めたときに感じるカタルシスは凄い。 この作品で唯一難を言うならば、猟奇殺人、公権力との戦い、人間ドラマとそのどれもが高いクオリティで盛り込まれちゃったため、焦点がどうしても一定しないことでしょうか。それにやっぱり苦手な結論ということもあって、個人的には満点はつけられないのですが、映画の出来としては満点を超える作品です。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-02-18 11:38:29)(良:2票) 《改行有》 153. アントマン 《ネタバレ》 小さくなるだけかと思ったら、まさかの『アリ使い』。操作系の能力者ですね。それに、小さいままでなく、大きくなったり小さくなったりを繰り返して相手を翻弄する戦い方が楽しい。 主人公のスコット・ラング自身もちょっと背が低め。キャラに合っています。冴えない泥棒かと思いきや、理系の大学出身で、プロのスパイのような能力を持っている。ハンク・ピムの金庫を開けるまでの知的な強奪シーンは結構好き。オーシャンズ11やミッションインポッシブルを連想させてかっこいいです。 お茶目なんだけどクール。犯罪者だけど善人。インテリ系だけど身のこなしが軽い。愛すべきキャラクターです。スタークとキャプテン・アメリカを足して2で割ったような人物。 このシリーズに期待するのはなんといってもアクションなんですが、大変良かったです。大事なのは敵キャラですが、アントマンと闘うのはファルコンとイエロー・ジャケット。どちらもグッドです。 ファルコン好きなんで、彼が出てくれるだけでも嬉しい。愛すべき脇キャラです。2人のスピーディな技ありバトルは必見。 そしてイエロー・ジャケット。肩レーザーがガン・キャノンを連想させてかっこいい。対するアントマンの特殊技能は『アリ』。普通逆じゃないですか? 娘へのプレゼント。ペーニャのアテレコ。機関車トーマス。笑いのポイントも盛り沢山。大変愉快な作品でした。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-04-12 18:04:39)(良:2票) 《改行有》 154. 遊星からの物体X ファーストコンタクト 《ネタバレ》 初代を見たのは遠い昔のことなのでほとんど記憶になく、新しい気持ちで鑑賞。ビジュアルだけで相当楽しめます。イー感じで気持ち悪かったです。エイリアンものとして、モンスターパニックとして、見たいものを見せてもらえた感じです。 ただあまりにもエイリアンが万能すぎるかなと… わりとみんな団体行動をとっていたはずなのに、いつの間にかエイリアンに入れ替わっている。ちょっとエイリアン側が何でもアリというか都合が良すぎる気がしないでもない… 外見だけでなく、知能や記憶までもコピーできるていうのもね… 疑心暗鬼の犯人捜しは、それはそれで面白い。ですがあんまり人間と同じ知能や価値観もたせちゃうとそれだけで恐怖が半減しちゃう。 無機物が取り込めないから、銀歯やピアスがヒントになるっていうのは面白かったですね。 難点なのは、男が多いうえにむさ苦しく似たよーなキャラばっかりなので、いまいち誰が誰だか見わけがつかないこと。 あとこーゆー映画にありがちな、急に『わーっ』って驚かすお化け屋敷的手法は好きじゃない。驚かすのではなく怖がらせてほしいものです。映像技術は進歩しても、こーゆーところって全然進歩しない。 ちょっと文句がでちゃいましたが、エイリアンものとして及第点。 個人的には人におススメできるレベルの佳作かと。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-11-20 23:47:40)(良:2票) 《改行有》 155. ペントハウス 《ネタバレ》 導入部分がやや苦手。仕事が出来る人間で、しかも仲間思い。そんな人が仲間のために熱くなっちゃったせいで不利益を被るってのが好きになれません。 ジョシュは仕事にプライドを持っていて、従業員、客、全員を大事にしています。そんなジョシュを簡単にクビにしてしまう経営者にも腹が立つが、簡単に犯罪に手を染めようとするジョシュにも共感できません。 もちろんそーゆー作品なわけですから、腹を立てても仕方がない。でも腹が立っちゃったものは仕方がない。それだけオープニングのジョシュという人物に魅力があったわけです。なんかちょっと幻滅しちゃった感じでしょうか。 正直ずっと気持ちがノリきれないまま、もやもや見ていたのですが、最後に皆で力を合わせるのはちょっと良かったです。こーゆーの好きです。で、あっという間にみんな捕まっていくエンディングも良い。護送車の中でショウがもちかけた取引に、『タワーでチップは禁止です。』なんて切り返すのもお洒落じゃないですか。 従業員たちに年金代わりに純金を送り、ショウは遂に刑務所へ。勧善懲悪なのでラストはすっきり。ですが、その過程において、どーしてもこの人たちを応援しようという気持ちになれなかったので、点数は厳しめです。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-12-06 01:16:25)(良:2票) 《改行有》 156. ファイナル・デッドブリッジ 《ネタバレ》 個人的には、シリーズ中一番盛り上がらなかった作品かもしれません。 今作はグロ描写に力を入れすぎてしまい、もはや悪趣味の域です。 いきすぎた表現は、現実感を薄め、虚構感を生み出す傾向があります。今作は特にその傾向が強く、作りものであることを観る側に強く意識させてしまう可能性があります。 また、死んだ姿を見せている時間が長いのも問題あります。倫理的な面でもそうですが、それ以前に『どーだ、こーゆーのが見たいんだろう。』と一方的に言われているようで、大変不愉快です。 シリーズ通して必ずあった『サイン』のようなものも無くなっています。あの『サイン』こそが、このシリーズの緊張感を生み出している最大のポイント。つまりはこのシリーズは、『結果』ではなくその『過程』における工夫の度合いが重要なのです。この監督さんはシリーズの良さが全くわかっていません。 そして最悪なのが、『人』対『人』の構図を作ってしまったことです。このシリーズで一番やってほしくなかったことです。それをやっちゃうと、ただのサスペンスに成り下がってしまうということがわからないのでしょーか。 最初の橋落としのシークエンスとラストの飛行機。この作品でよかったのはこの2点です。 特にラストのつながりは、このシリーズのファンにとっては感慨深いものがあるのではないでしょーか。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-04-22 11:12:31)(良:2票) 《改行有》 157. ジュラシック・パークIII 《ネタバレ》 「ジュラシック・パーク」と「ロストワールド」は見ていたのですが、「Ⅲ」をまだ見ていなかったので、このたび鑑賞。 前2作に比べると、随分ストーリーが単純化されたような。 コスタリカのソルナ島にベンとエリックが避難着陸。エリックの両親ポールとアマンダは、「Ⅰ」でおなじみ、アラン博士をだましてガイド役として島に連れて行く。そして恐竜に襲われ、ひたすら島の脱出を目指すというもの。 ここまでストーリーが単純化かつ一本化されてしまうと、映画と言うよりアトラクションみたいな感じですね。 まあ個人的には『恐竜』も『アトラクション』も大好きなので、全然構わないのですが。恐竜が動いているだけで大喜び。 ただ、さすがに映画としてはどうかな、という印象。映像技術に頼りきっているだけの作品に見えなくもないです。 それに『ジュラシックパーク』とは違い、この作品では最初から恐竜は脅威の存在として描かれています。よってホラー演出にはどうしても限界がある気がするんですよね。 とはいえ、飛行機の窓から覗くスピノサウルス、霧の中から現れるプテラノドンなど、それなりにドキドキさせてくれるシーンはいくつもあります。スピノサウルスのお腹から鳴り響く衛星電話も良い演出でしたね。 そう、恐竜好きにとって、スピノサウルスやプテラノドン、ちょっとだけの登場ですがアンキロサウルスやパラサウロロフスなんかいろんな恐竜が見られたのは嬉しい限りです。 広い草原に草食恐竜たちがたくさんいる様子は感動的。欲を言うと、こういうシーンをもっと見たかったものです。 肉食恐竜も、ただ恐怖の対象としてだけ描くのではなく、肉食恐竜ならではの美しさというものを見せて欲しかったですね。 ひたすら人を襲うだけの描き方だと、エイリアンやゾンビと変わらない気がするんですよね。 恐竜って、そういうものでは無い気がします。 あくまで自然の驚異として扱ってほしいですね。ただの私のわがままですが。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-10-20 03:43:33)(良:2票) 《改行有》 158. 包帯クラブ 《ネタバレ》 『なんか思っていたより暗い映画借りちゃったなー。こりゃ失敗したかなー。』と思って見ていたら、包帯クラブ発足あたりから次第に面白くなり始めました。 『部活』や『サークル』といったノリで、『心の傷』を治療するというプロット。ささやかで、単純だからこその良さがあります。ワラやテンポが、『ばかばかしい』『何の意味があんの』と最初から賛同するわけではないのが良い。包帯クラブのメンバーが、それぞれ心に傷を抱えていて、活動を通して少しずつ自分たちの心の傷を軽くしていくのがまた良い。 心の傷は千差万別。『失恋』『オウンゴール』『逆上がり』『カットの失敗』のように、他人から見れば些細なこと。『レイプ』『性的虐待』『友人同士の刺傷事件』など重いもの。当事者にとっては程度の差は関係ありません。どの心の傷も平等に癒していくメンバーたち。そしてその活動の楽しそうなこと。誰かのために行動するっていうのは、かくも楽しく喜ばしいことなんだと、理屈ではなく感覚で共感させてくれるのが嬉しい。 ディノ、ワラ、ギモ、リスキー、それぞれが抱える『心の傷』が明らかにされるタイミングが絶妙。その順番も良い。ひとつひとつのエピソードは短め。ですが短いながらも、過去のシーンを必ず挿入し、丁寧に描写してくれたのが凄く良かった。個人的には『レイプ』の『お葬式』による供養がかなりぐっときました。自分自身辛い過去があるので、みんなが炎の前で祈ってくれている姿に涙がでました。そしてディノのエピソード。彼の秘密と彼が抱える『心の傷』に、ワラが寄り添ってあげたのが、ちょっとクサかったけど泣けました。 軽すぎず重すぎず。ちょっとドラマチック。ちょっと笑えてちょっと泣ける。後味爽やかな青春ムービー。 ※石原さとみがかわいすぎるので、2割増しくらいで高評価。『ドンマイ』。[DVD(邦画)] 8点(2019-05-30 12:23:12)(良:2票) 《改行有》 159. パーフェクト・ワールド 《ネタバレ》 完璧な悪人ではなく、完璧な善人でもなく、完璧な父親(がわり)でもなく、完璧な親子関係でもない、まさに中途半端なブッチと、そして父親のいないフィリップの擬似親子の関係に、ただもう素直に感動しました。 ブッチの善悪の価値基準というのはもう本当にあいまいで、だからクズのような殺人鬼と一緒に脱獄したことも、ブッチにとってはそんなに重要なことではなかったのでしょう。ブッチ本人のモラルというのも割りと適当で、犯罪を犯すことに対する罪悪感というのはあまり持ち合わせていないようです。 ただブッチにとっての『絶対悪』が、子供に危害を加える大人であり、そういった場面に出くわすと、画面全体からただならぬ緊張感が漂いはじめます。 最初のブッチの琴線に触れたのが相棒であり、彼は射殺されます。 そして次に琴線に触れそうになったのが道中親切に車に乗せてくれた家族です。車を汚した子供に母親が豹変したときのブッチから漂い始める緊張感。それを感じ取るフィリップ。ここは父親が肝要な対応を見せることで結局は何事も起こりません。 そしてブッチが撃たれる発端となった、黒人の子供が叩かれる一連のエピソード。 普段何事に対してもグレーな、どちらでも良いような対応を見せるブッチが、ただひとつだけ許せないものを感じさせてくれたとき、同調してはいけないのに、同調しブッチの幸せを願う自分がいました。 オープニングとラストシーンのつながりは最高です。 [DVD(字幕)] 9点(2013-10-31 14:43:40)(良:2票) 《改行有》 160. ゾンビランド 《ネタバレ》 ポップで明るいゾンビムービー。主要キャラが誰も死なない稀有なストーリー。それでいてゾンビ映画としての終末感やドキドキ感もちゃんと味わえます。コメディ色が強すぎないのが良いバランス。 主要4人のキャラクターが非常に良い。姉妹の存在が、ゾンビムービーにまさかの青春的な味わいを添えます。 ゾンビ映画特有の『サバイバル感』も、割としっかり感じられます。車を調達したり、武器を調達したり。こーゆーささいだけど大事なところをきちんと押さえている丁寧さに好感がもてます。 コメディタッチでライトに仕上げつつも、ゾンビ映画特有の不安定な日常を感じられるのが良い。だからビル・マーレイの豪邸でのひとときで、心やすらぎます。ゾンビ映画のこーゆーインターバルのシークエンスが何気にお気に入りです。 ビル・マーレイを撃っちゃうシーンは評判良いようですが、個人的には悪ノリが過ぎた感じがします。撃たれたあとしばらくしゃべっちゃってるし。ぎりぎりのバランスだったのがここだけ壊れちゃってて、ちょっと気分が冷めます。 『遊園地を稼動させて、ゾンビを呼び寄せてしまう。』『あえて逃げ場の無いアトラクションに乗り込んで、自ら危機的状況を作っちゃう』など、終盤の姉妹の行動にイライラ。この4人は、したたかにこの世界を生き延びているわけだから、こんなミスするはずありません。無理矢理危機的状況を作っちゃうような安易なプロットにがっかり。 主人公が決めたルールもごく一部しか紹介されなかったのが物足りないです。主人公のルールにゾンビ映画あるあるをもっとぶち込んで、それが劇中機能するような痛快な演出を期待しちゃいましたね。[DVD(字幕)] 7点(2019-03-31 02:24:54)(良:2票) 《改行有》 |
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS