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プロフィール
コメント数 3874
性別 男性
年齢 53歳

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161.  男はつらいよ 望郷篇 《ネタバレ》 この映画の寅さん、いかにも「ヤクザもの」の色合いが強く、言動はいつにも増して軽薄、少々コワモテの面すら感じさせます。が、これは実は、本作のテーマ、「カタギになろうと心を入れ替える寅さん」をより浮き立たせるための仕掛け。前半の、親分のために奔走するエピソードを通じ、珍しく人生について悩む寅さん、これまた珍しく無口になってしまいます。が、ここから一転、地道な人生を送ると称し、さらなる勘違いへと突っ走っていく姿が笑いを呼びます。ある意味、フツーの人っぽい挙動をするだけでこれだけ笑いを取れるというのも、うらやましい。でまあ、結局は女性目当てでしか行動していなかった寅さん、あっさり恋に破れ、約束もすっぽらかして遁走してしまうあたり、ほとんど薄情とも言えるほど。ここでは「喜劇映画的ヒーロー」としての寅さんではなく、人間的な弱さを伴った、平凡なひとりの男としての寅さんの姿があります。この『男はつらいよ』というシリーズタイトルに、非常によくマッチしているのが、実はこの作品なのかも知れません。内容的には、前半と後半のつながりにややご都合主義的なものがあり、逆につながりを弱めた感があります。が、前半の北海道での蒸気機関車の描写、これはまさに、「これを描きたいがためにのみ、舞台を北海道に設定したに違いない!」と思わせるほど、機関車の迫力を存分に伝えており、見ごたえアリ、です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-12-17 23:21:03)(良:2票)

162.  モスキート・コースト 初めて“独りで”観に行った思い出の作品。ですが実は「当時、あんまり話題にならなくて、誰も誘えなかった(私一人、観たい観たいと盛り上がってた)」という事の裏返しなんですけどね~。ピーター・ウィアー監督は、前作『刑事ジョン・ブック/目撃者』で、現代文明を拒絶する人々、アーミッシュを取り上げてましたが、今作では逆に、科学技術を信奉する変人発明家が主人公。前作ではまだ若干ヒーロー色の残っていたハリソン・フォードがユニークな役作りでこの変人役に挑戦しております。この主人公もまた、現代社会から距離を置いた特異な存在、映画において現代社会を相対化し批判的に眺める存在である点は、前作のアーミッシュと同じとも言えます。彼は雇われの身でありがら、雇い主の要求に応えず自分の発明に没頭。資本主義に対して批判的、米国社会を憂いているが、購入しようとしたテープが日本製と知ると「国産品を出せ」と怒るあたりを見ると、愛国者には違いない。父なる国を愛する余り、その現状に耐えられない彼は、自分の理想実現のため、全てを投げ出しジャングルへ移住。家族もこんな親父によくついていく。食器洗いの最中に引越しという突拍子の無さにも、妻は笑顔で帯同する。さて、いよいよジャングルに移住した一家、親父の発明品の数々に囲まれた、理想の村をここに実現していく。この辺の描写は、「本当にこんな事実現できるの?」というツッコミは抜きにして、「発明」なる香具師的イメージが生み出すファンタジー世界、ユーモラスな味わいがあります。密林の中の巨大冷蔵庫。ちょっと“フィツカラってる”映像ではありませんか。しかし、“宗教”あるいは“銃(武力)”といった外部からの侵入者の前に、理想世界は挫折していく・・・。主人公が忌み嫌った「押し付けがましいアメリカ国家」、しかし結局は彼自身が家族にとって、その「国家」と同じ存在になっていく。父権を乱用し、意志を強制し、仲間を野蛮人呼ばわりし、果ては息子を裏切りもの呼ばわりする・・・。映画のラスト、主人公の息子の独白は、父を愛し、父を受け入れ、その上で「僕の世界は広がった」と語る。つまり、我々もまた、父なる国家を、その欠点を認た上で愛せよ、そして視線は自国に偏ることなく世界へ向けよ、ってな感じのメッセージ、ですかね。まさかこの息子が父と同じ“インディ・ジョーンズ”になっちまうとは、当時想像もしませんでしたが。[映画館(字幕)] 9点(2007-10-21 09:09:57)(良:2票)

163.  クリムゾン・タイド ジーン・ハックマンのセリフで「大ダコでも襲ってこない限り~」というのがあって、しかも確か、本作が以前金曜ロードショーか何かで放送されたとき、これに相前後して日曜洋画劇場で『オクトパス』が放送されてたりして。親分、出番ですぜ。さて本作、外部との通信が中途半端に途切れてしまった原潜内を舞台に、核ミサイルの発射を主張する艦長と、これに反対する副官が対立する、というサスペンス。潜水艦という限られた舞台を最大限に活用して、むしろ映画の製作者たちも楽しんで映画を作ったんじゃあ、ないでしょうか。おそらく、潜水艦の見取り図なんぞ作ってみて、このシーンはこの場所でこう撮ろうぜ、とか、登場人物をこの経路でこう移動させてみようぜ、とか言いつつ。一方ストーリーはと言いますと、少々、段取りクサい印象もありまして。敵潜水艦の襲撃⇒艦長の指揮下、見事に危機を脱出⇒艦長と副官が対立、副官が艦を指揮することに⇒ここで実にタイミング良く、また敵の襲撃⇒さて副官は、艦長みたいに危機を乗り越えられるだろうか~、という展開。絵に描いたような展開で、ちとワカリ易過ぎませんかね~。というわけで結局、本作のテーマは、「さてアナタは、どっちの上司を選びますか?」というコトなんですね。性格分析か適正検査みたいなもんですね。うーむ。どっちもヤだなあ。どうしよう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-03-13 13:56:14)(笑:2票)

164.  ゴジラVSキングギドラ ちょっと曖昧な記憶ですが…当時、某テレビ番組(NHK BS?)で、ゲストパネリスト達が本作に言いたい放題、「ストーリーがサッパリわからん」「グレムリンだって続編ではいっぱい出てきたんだから(エイリアンの言い間違い?)ゴジラを沢山出すくらいの事はしないと」。そこで司会者が無情の一言、「では大森監督にご登場いただきます」。監督が来ることを本当に事前に知らされていなかったらしいパネリスト達は顔面蒼白、怒りの表情を隠そうとしない大森監督は登場するなり「本当にストーリーわかりませんか。ウチの子供は面白いと言って観てましたよ」「ゴジラが沢山出てくる映画なんて、アナタ本当に観たいんですか」等々。痛快ですなあ…。どっちもどっち、という話もありますが。さて、お馴染み怪獣のキングギドラを復活させ、リアリティよりファンタジーという昭和路線も復活させてなかなかぶっ飛んだ内容になっている本作。内容へのツッコミに加え、外タレ大集合、ケントギルバートとダニエルカールの会話を見て、ああ二人は英語しゃべれるんだ、とか、チャックウィルソンのセリフはどうも聞き取りにくいなあ、とか、ツッコミを入れて楽しむ方法もありますが、細かいことはどうでもよろしい(細かくないけど…)。時代を行き来し、舞台をアチコチ移動し(いつのまにこんなに移動を…)、目まぐるしい展開を見せた末に、最後は怪獣たちよりも大きい、巨大高層ビル群を舞台にした対決へとなだれ込む、これが実に壮観なのです。内容的にはぶっ飛んでいて、クライマックスでは大いに盛り上がる。これもゴジラ映画における一つの理想かと。え、いや大森監督にいつ出くわすかわからないので(笑)、気を使っているという訳ではありません。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-03-15 09:17:53)(笑:2票)

165.  男はつらいよ 奮闘篇 冒頭、集団就職の若者たちに「親を恨むなよ」「葛飾柴又のとらやに行けば皆暖かく迎えてくれるから」などと語りかける寅さん。とりあえず、「自分も同じ汽車に乗る予定だったのに調子に乗って見送る側になってしまった」というオチがつくのだけど、その後本編でさらなるオチが待っていて、とらやでは不在の自分を皆バカにしているし(といっても実は寅さんを暖かく迎える相談をしていたのに、というスレ違い)、寅さん自身、生みの親である蝶々さんを恨みまくってるし。という訳で、口で言うようには世の中、なかなかうまくいかないもの。とりあえず、前半は蝶々ワールドが展開していきます。お陰で後半のマドンナとの絡みがやや食い足りないか。で、今回のマドンナと寅さんの恋についてですが、エーと、その、コメントしづらい面があり、ノーコメントということで(笑)。しかしまあ、昨今、弱者切り捨て型の社会などと言われ、切り捨てた挙句にその帰結として発生する生活保護の増加と、それに対する中傷もまた増加するという悪循環、それに対し、障がい者の就職支援という、サポート型社会の姿を寅さんを通じて描くってのは、なかなか時代を先取りしているのではないでしょうか(世相を後追いする山田洋次監督には珍しい??)。さてさて、「似合いのカップル」ってのは、変に似合っていると、周りは心配になる。ましてや、似合ってないともなると……。物語自体は誰もが予想する展開となるのだけれど、それでもやっぱり、息子を想う親心、蝶々節が再び炸裂し、物語の流れに楔を打つ。そんでもってラストのさくらの旅路が良い。ここはもう少し長く観たかった、かも。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-12-04 23:50:01)(良:2票)

166.  めまい(1958) 高校生の頃、日曜洋画劇場でヒッチコックを特集した時観たのが初めてで、『裏窓』『知りすぎていた』『めまい』『ハリーの災難』の順で放送されたんだっけか。最初の2週は、うーむ、これは面白いゾ、と思って観てたのに、3週目はガラッと趣きを変え、この『めまい』という異色作。当時は正直あまり好きになれませんでした。が。後に観直すと、いやいや、これは凄い映画じゃないですか。これは追いつ追われつ式のサスペンスではなく、もっとまったりとしたロマンス仕立ての映画なんだけど、不可思議なストーリー展開を神秘性すら感じさせる映像世界が支え、独特の緊張感をはらんだ映画になっています。幅よりも奥行きを強調した構図。人物もカメラも、「左右」より「前後」の動きを強調してます。また特に屋内シーンでのカメラは執拗に低い位置に置かれ、それによって作り出される歪んだ構図もまた、この映画の忘れえぬ印象となっています。そして、やがてその先に見えてくる意外な真相。見事な映画です。9点(2004-04-05 02:06:32)(良:2票)

167.  アンストッパブル(2010) わかっていたこととは言え、自分がこういう映画にヨワイこと、改めてつくづく思い知らされました。お涙頂戴の要素なんかまるで無いけど、映画観てる最中、もう涙が出て仕方が無い。それは、ひたすら運動エネルギーの巨塊として描かれる暴走列車のド迫力に、ただただ圧倒されるから(こういう映画を観てると“鉄チャン”の気持ちが少し理解できる)。そしてそのエネルギーの前には無力な人間の姿と、それでもなお暴走を止めようと列車に闘いを挑むその姿には、震えが来るほどの感動が。いやあ、暴走列車モノにハズレなし(例外はあるけど)。殆ど条件反射的に感動してしまいます(でも一部例外が)。以前、『暴走機関車』という映画がありましたが(メッチャ好きなんです)、本作は、この映画と、この映画の元になったクロサワ脚本の両方を合わせた感じ。暴走をどう食い止めるかに主眼が置かれている点はクロサワ脚本に近いけれど、列車の破壊的なパワーにこだわった描写は、コンチャロフスキーの映画版の方(四重連!)を思い起こさせます。D・ワシントンの仁王立ちの姿もJ・ボイトを思い出させるし。暴走列車モノ、最高です。アトミック・トレインなどは例外ですけど(しつこいってば)。さて本作ですが、映画中盤、列車の暴走の模様がテレビ中継によって描写されていくのが、いささか要領良過ぎるようで、何だかチャッカリしてる気もしたのですが、実はコレも意味がありそう。というのも、映画前半では「家族に“言葉”では気持ちが伝えられなかった」2人の主人公が、後半では、テレビという“映像”を通じることで家族との距離が縮まっていく、という、ちょいと洒落た仕掛けになっているのですね。また、運転席のミラーも重要な役割を果たしていて、もちろん暴走列車への闘いにおいても重要なのだけれど、主人公2人の関係をもこのミラーが表現していて、映画前半では不信の視線、後半では信頼の視線を表しているのが心憎いところ。ところで、デンゼル・ワシントンの役どころ、サブウェイ123の時とちょっと似ている部分もあり・・・そしてそしてこれもサブウェイ123の時と同様、列車の窓は、何故か濡れているのでした。[映画館(字幕)] 10点(2011-01-18 22:39:11)(良:2票)

168.  アンノウン(2011) いやー実に実に面白かった、興奮しました。謎に満ちた発端がイイですね。テンポよく挿入されるアクションがイイですね。待ち受けているのは思わぬ展開(そりゃま、似たアイデアの作品は過去にあったけど、この程度の類似を見咎めて楽しまないのでは、日頃からミステリ小説なんて読んでいられない(笑))。そして何より、このサスペンスの雰囲気がイイですね。ミステリってのは、単なる「こんなトリック思いつきました」という報告書じゃなくて、本分は、そのトリックをいかに「語る」か、にある訳で。本作は、まずはその「語り」に徹している、その丁寧さに非常に好感が持てます。一体何が起こっているのか。誰が敵で誰が味方なのか。単純にプロットやトリックという意味での物語ではなく、それらを含めた、サスペンスの流れとしての「物語」、それをいかに「語る」か、どのようなカットを積み上げていくか。例えば“主人公が電話帳のページを破る前に辺りを確かめる視線”、などというレベルから、省略せずに描写をひたすら紡いでいく。この映画には「適当に色々撮って、後で編集で何としよう」みたいな発想は無く(そんないい加減な映画があるのかどうか知らんけど)、どのようなシーンにも強い意思が感じられて、しかもそれが、意思のための意思じゃあない、あくまでサスペンスを盛り上げ、映画を面白く「語ろう」とする意思であるのが、実に嬉しいじゃないですか。強いて文句をつけるなら……このタイトルはもうちょっと考えてつけてもよいのでは(こんなタイトル、どんな映画にもついちゃうよね)。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-05-20 08:34:54)(良:2票)

169.  リダクテッド 真実の価値 ドキュメンタリーを装う。冒頭で「フィクションです」と断りながら。これは、テレビで「良い子は真似しないように」とか「あくまでCM上の演出です」みたいなテロップを小さい字で一瞬だけ入れて“イザと言う時の言い訳”を準備しておくのに似ている。最初に何を断ろうと、作品のドキュメンタリっぽさが、ホントっぽさに繋がり、リアリティを易々と醸し出され、「コレが真実だ」ってなことになり。いや勿論、「フィクション」というメッセージは、冒頭だけでなく作中にも見られる。テレビ番組を装う場面では、実際の取材カメラではあり得ないようなカメラの切り返しが行われる。あちらこちらで、本作は「映画」として組み立てられている。うん。じゃあ一体、本作で何がやりたいんだ? 言い訳をバラマキつつ、それなりに映画を映画として成立させつつ、我々に“真実”とやらを見せてくれている、ともで言うのだろうか? “真実”って、何なのよ。曖昧だ。曖昧過ぎる。映画の物語は、その場その場に都合よく、極めて都合よく存在してしまうカメラによって、語られていく。“客観性”ということについての、なんという安直で欺瞞に満ちたエセ証明であることか。結局のところ、「映像とは映像であるが故に価値がある」、みたいな思い上がりがあるんじゃないか? 「映像の多面性」を駆使するような体裁はとっているが、ここにあるのは、ただの薄っぺらな「映像の一面性」に過ぎない、と感じられて仕方がない。[DVD(字幕)] 3点(2010-02-07 09:32:40)(良:2票)

170.  生きる 元ネタはゲーテの『ファウスト』なんだろうけど、日本を舞台にした現代劇として、確かにうまくアレンジされている・・・しかし「うまくアレンジ」と言いつつも、何か釈然としないものが。いや、私が『ファウスト』を深く理解しているとか、真髄をつかめているとか言う気はさらさら無いんだけど、少なくとも「多分、この方向に、これより“上”は無いんだろう」という感触(あるいは、畏れ)くらいは持っている訳で。これを“換骨奪胎”という言い方で納得してばかりもいられない。多分、本作の「作りこみ過ぎ」あるいは「語り過ぎ」の面に、引っかかるものがあるのだろうか。この映画の、ウマさとクドさ。確かによく出来ていると大いに感心させられはするのだけど、そして目を引く印象的なシーンも多いのだけど、全体を通したときに、一番印象に残ってしまうのは、“作為”に他ならない。「必要性」と「十分性」のバランスが、前者に傾いてしまったときの、危うさ。そしてもうひとつ。これらの事と、本作のテーマの重さとの間の不釣り合いが、気になってしまうのだ。私もそこそこ歳くってきて、それなりに人の生死にも関わる機会があり、それも思わぬ形で関わってしまうものなのです、これがホントに。だから、だから。いややっぱり、この映画は、とても良くできた映画、ということで、いいのかもしれない。ただ、私は『生きる』ではなく『死ぬ』として、この映画を観てしまう。いっそ、中盤の歓楽シーンが延々と続いた揚句、何の前触れもなく主人公が死んでしまう、そんな映画を観たいのかも、知れない。[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-09 12:16:23)(良:2票)

171.  男はつらいよ 柴又より愛をこめて 美保純演じる「あけみ」というキャラ、何の断りも無く本シリーズのメインキャラに昇格し、「寅さん、寅さん」と随分馴れ馴れしいじゃないか。という訳で、これまであまり馴染めなかったキャラなのですが・・・本作で、しっかり納得させていただきました! だんだん寅さんも歳をとってきて、ホレタハレタで映画を盛り上げるのも苦しくなってきたところ。そこで彼女が登場、気の置けない「とらやピープル」という立場で、しかも若い視点で、「恋」を語ってくれる。実際、今回の寅さんは、縁もユカリも無い同窓会に入り込んで溶け込んじゃう、その挙句に美人教師に惚れちゃう、という、およそ実世界ではあり得ない現実離れした行動で、狂言回しに近い存在となってます。その一方、結婚はしたものの、自分にとっての「恋愛」というものへの未だに解答を見つけられず、悩むあけみ(多分、解答なんか無いんだけどね、えへへ)。その挙句、純朴な青年に結婚を申し込まれちゃう、という衝撃体験に直面。「恋愛」は悩んでいるうちが華、現実となった瞬間に、イヤでも日常に戻るしかない、こともある(そうでないこともある。のかな?)。青年に案内されてあけみが露天風呂に入るシーン、しっかりヌードを披露してくれてますが、後で思い返せば、このシーンは実際に彼女は入浴している光景なのか?それとも純情青年が空想した光景なのか?なんてことも、考えちゃう。いや、前者に決まってるんだけど。それでもそんなことを考えさせるところが、映画の面白いところなのか、私の変なところなのか。さて結局、寅さんはと言うと今回は上滑りした言動が多いわけですが、それでもラストには、なかなかキザにキメてくれて、これまた、さすがであります。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-11-04 00:55:56)(良:2票)

172.  地球の静止する日 大げさなタイトルがついているものの、中身はと言うと、宇宙人(と言いつつただのオッサン)がウロウロした挙句、人類への警告と称して、たったの30分、停電を起こすだけ、という・・・。おいおい。せめて1時間。なんでやねん。まあ、かなり大がかりなロケーション撮影をやってるわりに、内容なコレなので、スケールがデカイのやら小さいのやら、よくわからん映画でしたが。テルミン全開の腰が砕けそうな音楽に乗って飛来してきた円盤、ツルンとした継ぎ目も何もないような形状が、なかなかに未来的。宇宙人クラトゥは、もうちょっと地球のコトを勉強してから来なさい(計画が甘いぞ)⇒勿論、だからこそ、この映画が“風刺”になり得るのだけど。未知のトッテモ硬い金属でできているわりにはウレタンか何かに見えてしまうロボット。こやつ、イマイチ活躍しないのだけど、兵士が2名ばかり、ほとんどドサクサまぎれに光線で殺害されてしまうのが、哀れ。というわけで、パニック映画か何かだと思って観ると、ヘンなところもありますが、当時の世界情勢と“ファースト・コンタクトもの”をうまく絡めた点、あるいは、冒頭とクライマックスのスピード感ある演出などが、見どころでしょうか。[DVD(字幕)] 7点(2009-04-19 17:18:14)(笑:1票) (良:1票)

173.  恐竜・怪鳥の伝説 この迷作を新規登録依頼して下さった【へちょちょ星人】様に感謝!(←一度はこんな事書いてみたかったりする。) 私の初期劇場映画体験のひとつ。巨大プレシオサウルス(?)と巨大ランフォリンクス(?)が大激突! 子供心にも、「図鑑に載ってたのよりやたらデカいなあ」との違和感が。どちらも「恐竜」(竜盤目ないし鳥盤目)では無い筈ですが、さすがにそんな込み入った話は子供には気にならない(今でも気にならない)。そうそう、あの首長竜は今にして思えば、西湖の怪獣サッシーだったんですよね~(最近でもクッシーとかサッシーとかイッシーとか、元気に出没してるのか、ふと気になった)。コヤツが次々に人を襲う!(子供心には)めっちゃ怖かった。口の中に喰い殺した人間が入ってたり、ボートのオネエチャンを執拗になぶり殺ししたり、刺激強すぎ。だもんでやっつけちゃえとばかり西湖に爆雷投下! ラストは怪獣バトルに富士山噴火(どっかの火山噴火の実写を使用)が加わり、ドリフのコントのようなハチャメチャな阿鼻叫喚のクライマックスを迎えるのでした。5点(2003-10-18 06:49:16)(笑:1票) (良:1票)

174.  宇宙戦争(2005) 観に行ったのは、公開最初の週末で、きっと混んでるだろうなあと恐る恐る劇場に足を運んでみたら、意外にも空席だらけ、心配しておったのですが、結局はなかなかのヒットだったようで、一安心。さて、映画界において常に不可能に挑戦し続けるスピルバーグ、今回は「ウェルズの小説を『なるべく忠実に』映画化する」という、とびきりの不可能に挑戦してくれました。変に原作に拘ると大惨事となることは、『D.N.A.』という前例が。『タイムマシン』もまた同様か。果たしてスピルバーグの運命やいかに!? で、蓋を開けてみれば、これがもう圧倒的迫力の映像、たっぷり堪能いたしました。まあ原作の方は、ワタシも学生時代に読みましたが、いささか説教臭い骨組みが透けて見えており、例えば『透明人間』のサスペンスあふれる肉付けなんかに比較してしまうと、どうもギクシャクした感じを受けます。今回の映画化では、この辺のストーリー的な無理矢理感は、どっちかっつーと、さらに上乗せされた感じで、これは言わば一種のファンタジー宣言、「おいオマエ、そんな無茶してなんで無事やねん」とかいう野暮は抜きで、とりあえずこの非現実の圧倒的世界を楽しんでチョ、という作品になっております。いやあ、ほんとに映像はリアルで怖いんだ。中でも怖かったのが、廃墟内に触手がニョロニョロ入ってくるシーン。実はこの日、映画館に行く前、鼻の調子が悪かったので耳鼻科に行ったのね、そしたら、ファイバースコープみたいなのを鼻の奥まで突っ込まれて。それ思い出しちゃったね。おそろしや。それは映画と関係ないか。ま、それはともかく、例の赤い植物などの原作に忠実な点に加え、終盤にも戦闘シーンを軽く付け加えるサービス、はたまた、トライポッドから異星人の手がニョッキリ伸びてくるのは、1953年版を引用してみせてくれるサービスですかね? あるいは前半で、倒壊する高速道路からトレーラーが転落するのは『大地震』からの引用サービス?(←これはさすがにパクリっぽいけど。とほほ)。というわけで、なかなか楽しかったですよ。しかしさらにミョーに印象に残ったのが実は、冒頭とラストシーンの光がにじむように満ち溢れた、いわばなんでもない光景でした。異星人の襲来シーンにおける、トライポッドの人工的な光のもつ強烈な現実感に比較し、「日常的光景」の方が幻想的に描かれ、奇妙に現実感を喪失しているのが、印象的でした。[映画館(字幕)] 8点(2005-11-21 22:43:03)(良:2票)

175.  さらば愛しき女よ 先日のBS2の放送でようやく観る事ができました。フィリップ・マーロウって、原作では「一人称」なもんで、マーロウ自身の風貌のイメージが掴みにくいんですよね。いやあ、まさかこんなタレ目のオヤジだったとは。いやでもロバート・ミッチャム、これはこれでよいかもしれない。観ててちょっと気になったのが、マーロウの心の声を、独白としてナレーション風に入れちゃってる事。このせいで、なんだかマーロウがやたら饒舌なオジサンに感じられちゃう。でも酔いどれのごとき表情のR・ミッチャムなら、むしろ違和感がナイ! と言う訳で、本作が原作の雰囲気に忠実かというと、ちょっと疑問にも思えるのですが、決してそれば悪いものではなく、逆に言えば、原作と映画がそれぞれに楽しめる、とも申せましょう。原作との違いと言えば、そうそう、アムサーって女性だったのか~! いや、そんな事はどうでもよくて。映画化にあたっては、単純化するところは単純化し、盛り上げるところは原作以上に盛り上げ(特に後半、思い切ったアレンジですな)、それでいて、原作のセリフをしっかり映画の中にちりばめてみたりするサービスもあってニヤリ。「アン・リアードン」という重要キャラをばっさり切って、「トミー・レイ」なる人物のエピソードを軸のひとつに設定することで、よりハードボイルド色が強められています。上手いです。長い映画ではありませんが見ごたえありますね。あと、脇役出演のスタローン若き日の姿も要チェック。8点(2004-08-28 00:34:44)(良:2票)

176.  悪魔の沼 よくもまあこれだけバッチいセットを作ったもんだと。そしてよくもまあ、こんなキタナいモーテルに、みんなアタリマエのような顔して泊まれるもんです。普通の作品なら、キタナイ=リアリティ、なんですけれど、この映画ではもはや、あまりのキタナさが、超現実的な世界観へと昇華されているという・・・。内容もおよそまとまりといったものは無く、メチャクチャだし。変態男がワニを飼っている、という、ただそれだけ。あとは成り行きまかせ。しかしその物語のカオスが、やがて同時進行する醜悪さと恐怖へつながっていき(床下の少女、階上に監禁された母親。終始落ち着かず考えの読めない変態に対し、妙に毅然とした意志を感じさせるワニ)、最後には妙に納得させられてしまうのが、この映画の不思議なところ。音楽がこれまたデタラメで、とても良いです。[DVD(字幕)] 8点(2011-08-17 08:15:00)(笑:2票)

177.  大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス 《ネタバレ》 コレ、マジで大好きなんですよね~。「ガメラは子供の味方」という設定が前面に押し出され、いやはや、ボクのレベルにピッタリ。哀しいまでに、凶悪怪獣ギャオスと人類の戦いが描かれ、↓shakuninさん仰るとおり亀怪獣は戦いに参入するもヤラレまくり。超音波で腕半分くらい切られかけて可哀相なのよね。ギャオスは首の骨が2本あってこれが音叉の役割を果たし超音波を出す(そんなバカな)。が、そのせいで、首が回らず後ろを向けないという弱点があるらしい(じゃあガメラは首が回るとでも言うのか?そんなシーン観た事無いね。あ、平成ギャオスは首が回るので憎たらしい)。とにかく強いギャオス、足指を亀に食いちぎられても再生してしまう生命力。しかし、水に弱いバルゴンに引き続き、今度のギャオスには光に弱いという致命的すぎる弱点が!(後のジャイガーと言い、どうしてこんな情けない弱点が多いのか…)。さてさて、土地の値上げを画策する強慾ジジイの孫の少年が本作の主人公。↓へちょちょ星人さんは少年が勝手につけた名前が定着しちゃう安直さを指摘しておられるが、最近でも「多摩川のアザラシ=タマちゃん」という情けないフィーバーが日本中に起きたくらいだから、あながち無い話とは言えませぬぞ(←いやいや、無いってば)。さて件の少年、クソ生意気ながら結構泣かせてくれます。人類で始めてガメラの背に乗って飛行。「目が回らなかった?」「ガメラはグルグル回らず飛んでくれたから大丈夫だったよ」「グルグル回る?そうか!」とこんなクダラナイ会話からギャオス撃退法を思い付いてしまうオトナたち。案の定失敗。売り惜しみしてた土地が怪獣騒動のため売れなくなり、村民どもが強慾ジジイのもとに殺到、「責任取れ!」そこに少年、「オマエたちだって欲張ったんじゃないか!ジイチャンばっかり虐めるな!」とオモチャを投げ付け号泣(このシーン泣ける!)。一同解散後、画用紙にギャオス撃退シナリオを書きはじめる神憑かり的な少年。「山火事を起こせば、ガメラは火が好きだからきっと来てくれるよ」「山火事なんて簡単に起こせるもんじゃないのよ」「いや簡単だよ、ウチの山を燃やせばいいじゃないか!」それを陰で聞いていたジジイ、ついにある決断を・・・いやあ、泣けるじゃないですか! そんなわけで、怪獣と人類の対決をいろんな意味でドラマチックに仕上げた、希有の一本ではないかと。 8点(2003-11-15 10:22:24)(笑:1票) (良:1票)

178.  東海道四谷怪談 実に見事。物語の展開がヤミクモに速く、それでいて場面のひとつひとつがしっかりと描かれ、そこには“妖しさ”と“怪しさ”が満開の、強烈な個性がある。しばしば現れる、格子越しの映像が、なんとも後ろめたいようなイヤ~な雰囲気を醸し出す。イエモンがお岩さん殺害をたきつけられ、「毒薬・・・」と呟いた後の、鳥の鳴き声(うるさ過ぎるんだ、これが)、背景の夕焼け空(赤過ぎるんだ、これが)。見せたいもの、聴かせたいものについては、多少大げさだろうと何だろうと、容赦なく我々にぶつけてくる。まさに態度に揺らぎが無い、がははは。あるいは、どうみてもユーレイにしか見えないお岩さんに「お元気そうなお姿を見て安心しました」などと言う理不尽さ(笑)。これが実に不気味。一方には『女優霊』のごとき、誰にも気づいてもらえないユーレイの姿も(?)。不気味さ、理不尽さ、哀愁、すなわち“妖しさ”。そして、アトラクション的お化け屋敷ムービーとしてのショック描写も充実。いや、見事でした。[CS・衛星(邦画)] 9点(2008-12-02 22:58:57)(良:2票)

179.  ダークナイト(2008) 2時間半も要らんだろう、と思いつつ、また実際要らんのだけど、とは言え飽きさせないようにアクションシーンを適宜入れ込んで、実際飽きさせない作品になっているのだけど。ただ、作品の意図がピンと来なかったのが、ジョーカーもトゥーフェイスも、怪人ではなく普通の人間として描いていること、いや普通の人間であることをわざわざ強調していること。ジョーカーのピエロ顔は地のものではありませんよ、単に普通のオジサンがペインティングしてるだけですよ、と言わんばかりに、白塗りが部分的にハゲたりするし。トゥーフェイスにいたっては、大怪我をした気の毒な人、にしか見えない(こういう描写をそのまま「顔の片面は悪の象徴」みたいに持っていくのは、ちょっと悪趣味が過ぎないか?)。一線を越えてしまった「怪人」として、異形の哀しみを込めて描いたティム・バートンの方が、真っ当だと思うけどなあ。どうしてこんなアプローチで、バットマン映画をまた作ろうと思ったんだろうか。そりゃまあ、悪が普通の人間に宿る、というのがテーマなのかも知らんが、それを映像にどう翻訳するか? 犯罪者とは言え生身の相手を、金に糸目をつけずハイテク三昧で追いつめようとするバットマン、普通に「卑怯」なだけだと思うぞ “富豪刑事”の爪の垢でも煎じて飲むとよい。って同類か。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-11-06 16:44:54)(良:2票)

180.  眼下の敵 眼科の敵。耳鼻科か?何言ってるんだ。戦争映画です。駆逐艦とUボートの戦い。駆逐艦がかなり優勢に攻める中で、一発逆転を狙うUボート。米駆逐艦側を主人公にするのなら、いわば普通の映画とは逆の展開です。だもんで、互いの駆け引きが、どちらかに肩入れすることなくじっくり描かれています。ところで昔、この映画は別のラストも作られてたとかいう話を聞いた気がするんですが全くのウロ覚え。どうなんでしょ?7点(2003-09-15 01:25:59)(笑:2票)


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