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プロフィール
コメント数 1401
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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161.  フィラデルフィア 《ネタバレ》 とある契機でこの度鑑賞しました。既に製作後約30年経過している豪華キャスティングのオスカー受賞作品ながら未見でした。 法廷劇のスタイルを採っていますが、純粋に社会派ヒューマンストーリーですね。謂れなき差別と偏見の齎す害悪を訴えつつも、当時の一般大衆の基本的な捉え方を少々無遠慮に挿し込んで来る。その自然体によって逆にテーマが強調されます。 正直なところ法廷劇としての面白さはあまり感じませんでした。原告側と被告側の法廷での厳しく辛辣な闘いは勿論見応え十分なのですが、びっくりするような大どんでん返しや予測不能な展開というものは用意されておらず、激しい心理戦が交わされることもあまりありません。ある意味、実に穏やかな法廷劇だと思います。 陪審員が激論を戦わせ、大逆転で原告勝訴といった展開とも異なるような。評決の末、只管穏やかに主人公たちは勝利を手にします。要は法廷劇としての魅せ場に拘った作品ではないということだと思います。 今でこそ「多様性」をキーワードにLGBTQなどの単語が日々マスコミから流れて来ますが、つい最近まで人生や愛について語られる際には(少なくとも我が国では)タブー視されていたと思います。人権としてそのような内容を語る動き自体は、この作品の製作よりも随分と昔からあったとは記憶していますが、なかなか一般化しないそういった問題への意識がこの作品を通じて強く後押しされたという部分で存在意義は大きいと思います。 そして、豪華キャストの作品にありがちな作品が出演者に負けてしまいそうな感じは一切しませんが、特に主演の二人の強烈な存在感がこの作品をS級にしていることは間違いありません。キャスティングが本作をものの見事に名作に昇華させたという一面はあると思います。 パーティ後のオペラのシーン。トムさんの心に染み入るような独白とデンゼルさんの表情のみの微細な感情表現に感涙しました。[インターネット(字幕)] 8点(2022-11-21 15:14:56)(良:1票) 《改行有》

162.  鬼談百景 ジャパニーズホラーの王道的作風。10話をコンパクトに集約し、伝統的な怪談話から今風の都市伝説系までバラエティに富んでいて、観る者を飽きさせない良作と思います。 必ずしも10話の全てが秀逸とまでは言えませんし、中には使い古された感のある物語もあったりしてツッコミどころには困らなかったりもしますが、ネット上に溢れんばかりに配信されている同種の動画ではめったに味わえない充実感。個人的には満足の一本でした。[インターネット(邦画)] 7点(2024-06-02 11:47:11)(良:1票) 《改行有》

163.  犬鳴村 《ネタバレ》 実在の心霊スポットにオリジナルのストーリーを被せて恐怖を演出するというアイディア自体は決して否定しませんが(関係者が実在する以上は程度や内容にもよりますが)、被せたストーリーにあまりオリジナリティを感じられないところが惜しいです。 里の住人達に虐げられた山奥の孤立した村人たち。ダム開発の利権がらみで離散し死に追いやられ恨みを残す。その恨みの矛先を向けるべき一族が呪われる。といった物語は目新しいものとは思えませんでした。恐怖シーンも特に斬新な演出がある訳でもなく、正直なところ失笑してしまう場面もありました。亡霊が物理現象に関わり過ぎだったり。 クライマックスのタイムループ的な流れは面白いなと思いながら観ていましたが、よくよく考えれば何故現実に命を繋げた赤ちゃんを改めて逃がすのか?ヒロインに過去の事実を知らしめるだけのためなのか?赤ちゃんの母親の魂を安らかにするためなのか?上手く消化出来ませんでした。ヒロインの兄の死によって、若くして非業の死を遂げた二人の魂は救われた訳ですし。 アイディア(全体だけではなく場面場面でも)優先に制作した結果、全体としてはバラツキが出てしまったように思えます。[インターネット(邦画)] 4点(2021-10-02 13:27:19)(良:1票) 《改行有》

164.  エヴォリューション 《ネタバレ》 物語としてはシンプルな構成。少年と成人女性だけが暮らす寂れた島。全く生活感のない部屋、そして町並み。そこで行われる秘密の医療行為。そして儀式。恐らく女性たちは人間ではなく、自分たちは繁殖行為が出来ない。その為に少年たちを使う。 SFホラーとも受け取れそうなストーリーではありますが、生命の在り方に視点を向けた概念的な作品なのだと思いました。 何より特徴的なのは映像。海と病院を生命誕生の象徴的存在として据え、海については長めのカットでねっとりとした質感で描き、病院についてはやや低い視線から無機質ではあるものの何か温度を感じさせる描き方。そしていずれも只管薄暗いトーン。 まさに悪夢を映像化したようでいて、思いのほか恐ろしさやおどろおどろしさは感じません。 監督が表現しようとしている深みまでは理解出来そうもありませんでしたが、この世界観にはどこか共感するものがあります。 ラストシーン。沖に漂う小舟から見える都会の夜景。朧気に記憶する実母の面影。街中を走る自動車や遊園地の観覧車の記憶。ニコラはあの街に住んでいたのでしょうか?さらわれて来た?思い出してしまった彼に感情移入してしまったステラは彼を故郷に戻した? 余り具体的に想像しないことが、この作品の鑑賞においては必要なのかも知れませんね。[インターネット(字幕)] 7点(2022-12-19 01:07:17)(良:1票) 《改行有》

165.  水曜日が消えた 《ネタバレ》 多重人格が心理的な虐待等を伴わない外傷性ショックで発症したり、日替わりで順序正しく発現するという症例があるかどうかは分かりませんが、アイディアとしては面白いと思います。メモや動画で各人格が情報交換したり、最終的には二つの人格にまとまり、短時間で入れ替わりながら記憶の中で会話するというのも、実際にあるのかどうかは分かりませんが面白いと思いました。 ただ、その延長線にある結末としてはどうなんでしょうか?一般的には主人格を残し、他の人格を消していくというのが治療方針というような話は読んだことがありますが、各人格が互いの存在を認識し、尊重し、多重のまま存続することを選択するというのは、「元に戻る」という本来あるべき姿からの現実逃避であって、医療チームがそれを容認するというのもおかしな話のような気がします。 あくまでも娯楽作品として楽しむのであれば、ヒューマンドラマとしてのエッセンスを散りばめ、出演者の確かな演技に支えられた本作は見応えのある佳作と思います。割れたドアミラーに映る鳥の姿で人格の統合と分離を表現したり、人格の入れ替わりを視覚的に表現したりなど、映像的にも印象に残る作品でした。とは言え、少々アイディアに走り過ぎた感があるのも否めず、迷った挙句7点献上します。[インターネット(邦画)] 7点(2023-11-02 21:33:17)(良:1票) 《改行有》

166.  ストーン 《ネタバレ》 豪華なキャスティングの割りには、非常に地味で淡々と進んでいく作品。テーマは重いですね。 2人の男の精神的な変化が劇的過ぎるような気もしますが、この一見対照的な2人が実はともに振り返りたくない過去を引き摺っていて、ルセッタという魔性の女によって思うままに操られてしまうというところを考えれば、意外に納得させられてしまいます。2人の男とも、実は弱く、頼るものなしには生きていけない人間なんですね。 そして、忘れてはいけないのはジャックの妻マデリン。2人の男と1人の女の物語のようでいて、ジャックの荒れた心を宥め慈しみながら、自らの心の崩壊を信仰心で押し留めて生きて来た彼女の人生の在り方も、この作品の大きな要素であることは間違いありません。 程度の差こそあるにせよ、誰の人生にも投影できるテーマ。佳作です。[DVD(字幕)] 8点(2011-10-23 02:04:04)(良:1票) 《改行有》

167.  バリア 《ネタバレ》 アイディアは決して目新しくないです。「SAW」とか「CUBE」風のソリッドシチュエーションスリラーであることは、DVDのジャケットが示すとおりです。(いまや白いジャケットはこの手の作品の象徴?) それにしても、制作費、安そうですね~。冒頭の城の襲撃シーンは衣装代等かかってそうですけど、あとは古城でのロケとセット(単に城の内部かも?)での撮影。登場人物も少ないですし、CGもあまり凝ったものじゃない。それを考え合わせると、そこそこ良作かな? 根拠は不明瞭だけれど、ひとりだけ取り残されることが確定しているという設定は今までにないものだし、仲良し4人組が次第に壊れていき、影の部分というか、それぞれの本性が明らかになっていくところは面白い。もう少し細部をつめれば、もっと上を目指せた作品かもしれません。ちょっと惜しい気がします。 それにしても、途中意味もなく脱いでしまったキミ。キミを見ていると「ニシオカスミコだよ~!」って聞こえてくるような…。(似てません?)[DVD(字幕)] 6点(2007-09-30 00:27:39)(良:1票) 《改行有》

168.  クワイエット・プレイス 破られた沈黙 《ネタバレ》 シンプルに面白かったです。前作同様の緊迫感に浸りながら前のめりで鑑賞しました。 ただし、連続TVドラマ的な展開ですね。新たな発見はあまりないし、決定的な希望も見出せない。前作もプツッと終わった感じでしたが、今回は更に唐突にブツッと終わる感じでした。どう考えても続編が予想されると言うか、寧ろ必要と言うか、2作併せて連続TVシリーズのパイロット版的と言うか、続きを見せてよ、もっといろいろ展開してよと言いたくなる作品でした。 以下、若干の疑問点を挙げさせていただきます。 ・冒頭の「1日目」で、父親はいきなり襲来した怪物が音に敏感なことを何故知ったのでしょうか? ・初見の怪物から娘を連れて逃げるお父さん、娘から手を離しすぎ目を離しすぎです。 ・親子は裸足で移動してますが、スニーカーとかラバーソールの靴だったら音は心配ないのでは?そもそもお母さん足に怪我してるんだし。子どもたちだって怪我しそうだし。 ・山頂の工場に立て籠もっていた友人が「生き残った人間がどんなやつらなのか俺は見て来た」みたいなことを言っていたので、港の一団が凶悪な集団なのはすぐ判りましたが、女の子を品定めして迷わず拉致する割には男は放置して生かしたまま去ると言うのは何だかちぐはぐな行動ではないでしょうか? ・怪物は泳げないくせに自ら海に飛び込んで襲おうとして溺死?生存本能低過ぎます。 ・赤ちゃんは本物でしょうか?扱いを見る限り演出上の許容範囲を超えているような?CG?それともロボット?(ネット上で情報を見つけられませんでした) 3作目は製作決定しているようですが、是非いろいろ解決して欲しいところです。(3作目が早く観たいというラブコール)[インターネット(字幕)] 7点(2023-03-19 11:18:17)(良:1票) 《改行有》

169.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 冒頭30分ワンカットのゾンビ映画部分。一体何テイク撮ったのかは知らないのですが、見応えありますね。正直、短編作品として観たならば、ストーリー的にも演出的にも、さほどのクォリティとは思わないのですが、てか、むしろC級感バリバリで勘弁してくれよ(実はC級感大好きですが)という感じなんですが、そこから後の展開が非常に面白い。私の観た回では、ワンカット部分のエンドロールの時点で退場してしまった女性が居ました。事情は判りませんけれど、もし、ワンカット部分で気分を害して退場されたのだったら、残念過ぎます。 アイディア勝負。まさにそんな感じですね。こういう展開を初めて観たのかというと、類似はあるような気がします。でも、アイディアを具現化するエネルギーがスゴイ。作り手の熱の入れようが画面から伝わって来るように感じた訳で、やっぱりその辺が人気と高評価の秘密なんだろうなと思います。作り手が楽しんでいる作品は観ていても楽しいです。(悪ふざけ、悪ノリは除く) ラストシーン、監督の台本の最終ページの写真のところで、ちょっとホロっとさせられたのも意表を突かれたとこかな。 1粒で3度おいしい。ブチ切れた時の監督がいい感じにイカレてるし、ヒロイン役の子が可愛くて魅力的だし、監督の娘役の子もいい味出してるし、出演者もそれぞれにめいっぱい頑張ってて好感。2回目観たいかな?とひさびさに思えた作品でした。 ちなみに、メイキング編(コメディ部分)は笑いのツボだらけですが、個人的には撮影助手の子が腰を痛めて動けなくなった師匠のカメラを手にした途端、師匠にダサいと言われてダメ出しされた撮り方で激撮してる姿が良かったな。監督の娘にも通じますけど、プロデューサーに言われてシュンとなって言いなりになる監督(おとな)との対比なのかな?[映画館(邦画)] 9点(2018-09-16 10:37:36)(良:1票) 《改行有》

170.  REC【レック】(2000) これはないでしょう、これは!これがホラーなんでしょうか?しかも、オリジナリティ皆無って感じです。それにDVDのジャケット。公開時のポスターなんかもこれでしたっけ?何にも関係ないじゃないですか!半分怒りが混じるところです。関係者の反省を待ちたいところですね。 ただし、ストーリー的には極端に破綻しているわけでもないですし、事件後はそこそこスピード感もありますから退屈はしないかもしれません。韓国若手人気俳優も大勢登場してますし。 まぁ、皆さんのおっしゃるとおりコピーとパクリのオンパレードですから、皆でワイワイガヤガヤ、元ネタ捜しやアラ捜しをして楽しむ作品として1点献上です。1点(2004-10-23 10:05:40)(良:1票) 《改行有》

171.  ゾンビスクール! 《ネタバレ》 微妙。ストーリー展開がベタ過ぎて意外性なし。アメリカって子ども題材にこういうのありでしたっけ?子ども相手の過激な暴力描写は大丈夫だったのかな?ベタなアメリカンブラックジョークもイマイチだし、お約束のヒューマンドラマ的エピソードもイマイチ。大人は感染しないし、子どもはゾンビにしちゃ思考がちゃんとしてそうだし、なんだか中途半端。なんかメッセージがあるとしたら、やっぱり大人たちが子供のことをちゃんと考えないでいい加減に育てるからこんなことになっちゃいましたって感じかな?まぁ割り切って観れば笑えなくもないから4点ぐらいなら献上してもいいかな?[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-02-04 19:19:03)(良:1票)

172.  ミラーズ2<OV> 《ネタバレ》 第2弾のようですが、共通するのは舞台となっているホテルだけ。ただし、前作は火災後に放置されたままの廃墟ビルでしたけれど、今回は営業再開直前の新築ビル。登場人物も共通せず、全く別物と考えた方がいいですね。 で、肝心の中身はと言うと、単純明快で古典的とも言えるようなコテコテの怪談話です。なので、ストーリー展開は先読み超容易。只管ビジュアル面だけを追及してる感じです。 そして、そのビジュアル面は、前作と比べるといささかスプラッター風味。最初の犠牲者のイキナリの全裸シーンはサービスとしか言いようがないですね。妙にプロポーション良いし…。あ、性的シーンとしては、本当の最初の被害者のシーンが、作品全体のトーンからして生々し過ぎるんじゃないかなとも思え、全体的にややC級寄りB級ホラーといったところです。残念。[DVD(字幕)] 4点(2011-10-23 02:34:13)(良:1票) 《改行有》

173.  ヴィーガンズ・ハム 《ネタバレ》 なんとも微妙な味付け。イラン豚は多分こんな味?食べたくはありませんが。 アイディアは決して斬新ではないです。なのでアレンジで魅せて欲しいところ。でも、全体的にコメディ感は薄いですね。ヒューマンドラマ的エッセンスを効かせようとしたところが逆にチグハグな感じになってしまったと言うか。 コメディならコメディでもっと笑わせて欲しかった。このあたりがフレンチコメディらしさなのかも知れませんが、もっと豪快にやらかして欲しかったところです。 キャラ設定にしてもグロさにしても不完全燃焼(いや、別に個人的にはグロさは求めていませんし)。なんとも中途半端にエンディング(そのエンディングにも強制着地感がありますし)。ということで今ひとつ納得いかず4点献上です。 ちなみに、ヴィーガンだからって脂肪感たっぷりなビジュアルの人間じゃ全然美味しそうに見えませんから。[インターネット(字幕)] 4点(2024-05-24 18:40:01)(良:1票) 《改行有》

174.  キャスト・アウェイ 《ネタバレ》 既に観たと思っていたものの、地上波で放送された際に録画したことで観たものと勘違い。とあるきっかけで未見であるばかりか録画も消失していることが発覚。遅れ馳せながら改めてネットで鑑賞しました。 見応えありました。それほどの長尺でもない中に、作品2本分のエッセンスが盛り込まれている構成。前半の無人島サバイバルストーリーと、後半の突然人生を中断された男の再生の物語。勿論、バラバラ感など皆無で見事に纏まっています。 サバイバル部分は、奇をてらうことなく現実味のある描写の数々。主人公の行動が少々危機管理能力高過ぎの感はありますが、冷静に観ているこちらの思う通りに行動する場面が多々あり、ありがちな「それしちゃダメ!」的な伏線は殆どありません。ポケットライト点けっ放しのバッテリー切れは、あの状況じゃ仕方ないです。 ひとつだけ荷物を開封しないで保管しておくところや、崖の上から吊り下げられた木偶とか、敢えてその場では説明しないあたりの演出もいいですね。何でかな?と考えさせておいて、後で種明かし。その時点で「やっぱりね」と納得。新鮮でした。 後半部分の、恋人とのやり取りも実に自然。逢わずに済ますことなど出来る訳もなく雨降る深夜に駆け付ける彼、予感して待っていた彼女。熱い再会を果たし、その結果として別れを決意する。哀しい結末ではあるけれど、ハッピーエンドのひとつの形だと思います。些か運命論的ではありますが。 冒頭にトラックが通り抜けた大平原の四ツ辻。エンディングで主人公が選ぶのはどの方角なのか。いずれにしても後戻りなどなく、新たな人生への第一歩を予感させるシーンでした。 声を掛けてくれた彼女が、走っていく方向からして例の荷物の受取り先?などと安っぽい推測をしちゃいけないですね。 「CAST AWAY」とは「見捨てられた」とか「見放された」という意味かと思いますが、誰もが彼の生存を諦めていた中、彼自身だけは決して諦めなかったという意味が込められているのでしょうね。 サバイバルドラマとヒューマンドラマの見事な融合でした。[インターネット(字幕)] 9点(2022-05-15 12:48:02)(良:1票) 《改行有》

175.  ナチョ・リブレ/覆面の神様 何から何までお約束どおり。仕掛けも意外性も何もない。いや、これは批判的な意味じゃなくて、ここまで安心して観てられる作品も少ないのでは? ジャック・ブラックを筆頭に役者陣はおしなべていい味出してますね。それと、それを引き立たせる背景と色調。荒れ果てた灼熱の土地のようでいて、埃っぽさや汗の臭いを感じさせない。なんだかアニメを観てるような感じでした。 観終わった後の感動や余韻を楽しむのじゃなくて、ただ気持ちよく90分過ごしたい時にいいかも。[DVD(字幕)] 6点(2007-08-04 14:37:27)(良:1票) 《改行有》

176.  YUMMY ヤミー 《ネタバレ》 まず、爆乳に悩むが故に乳房縮小手術を恋人同伴で郊外の専門病院に向かう(正確に言えば恋人にクルマで送らせた?)ヒロイン、という馬鹿馬鹿しい設定からして尋常ではない。しかも、二人に付き添うヒロインの母親がヒロインを凌駕するほどの爆乳で更に美容整形に依存しているという設定でダメ押し。とんでもないゾンビ映画です。更に、何というタイトルのネーミングセンス?!このセンスにドハマりしてしまいました。 そして、確かにコメディなんですが、コメディ的表現は概ねブラックユーモア。膝を叩いて大爆笑というよりも只管苦笑に次ぐ苦笑。かなり見る者を選ぶ作品ですね。一般的な視点で観れば相当に趣味は悪いと言わざるを得ません。 ただし、ゾンビ映画としての基本を押さえた生真面目と言っても良いような作り込みは、決してゾンビ映画先進国とは言えないベルギー映画界への期待を膨らませてくれます。 結局全員死亡フラグという衝撃のラスト?には、妙に安心させられてしまいました。これで良かったんだ、みたいに。その原因は、そこに至るまでに登場人物一人ひとりのキャラを十分に刷り込まれてしまった証しなのかも知れません。 静かに転がるエンゲージリングが、虚しくアーティスティックで印象的でした。[インターネット(字幕)] 8点(2022-08-01 22:48:14)(良:1票) 《改行有》

177.   《ネタバレ》 ショートフィルムらしい味わいのある作品ですね。説明は極力削ぎ落し、観る者は二人の会話やスクリーン上に映し出される情景から物語の多くを想像しつつ楽しむ。尺も丁度良い感じ。決して希望に満ちた晴れやかな物語ではありませんが、観終わった後、不思議とホッコリする佳作でした。[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-27 09:57:50)(良:1票)

178.  THE GUILTY ギルティ(2018) 《ネタバレ》 主人公はオペレーターという職務上、どんなに刑事の勘を働かせようと自ら現場に急行して捜査を行うことが出来ない。頼れるのは電話のみ。物語は電話の前でのみ進行していく。一種のソリッド・シチュエーション・ムービーと言っていいでしょう。約90分の短い尺の中、さして場面の転換もないままに物語はスピーディーに展開していくので、観ている方は想像力をかきたてられるばかりで片時も目が離せません。 主人公は現場を外され日々オペレーター業務に勤しんでいる身であって、恐らくは毎日を鬱々とした思いに浸って過ごして来たのでしょう。転がり込んできた誘拐事件に我を忘れて没頭していきます。しかし、次第に彼自身が心の奥底に抱いている闇が見え隠れして来て、誘拐された女性が実は恐ろしい性癖の持ち主であることを知った瞬間、ついに我を忘れて彼女にシンクロしてしまう。彼のしたことと彼女のしたことは、あらゆる面で全く異なるものではあるけれど、最も深い部分ではどこか繋がっているのだと思います。その結果待っているのは見ようによってはバッドエンドですが、もともと予定していたハッピーエンドは協力する相棒を不幸に巻き込むものであるばかりか、誰も心から迎え入れてくれるあてもない中、彼自身にとって何も解決されることなく、恐らくは同じ過ちを繰り返してしまうだけのものだったと思います。やっと自らを真正面から見つめることが出来るようになった彼が迎える結末は、決してハッピーエンドではないけれど、鬱々とした日々からほんの僅かでも彼を解放してくれる希望の光ではないかと思います。 などと、観終わった後いろいろと反芻することも出来、思いがけず出逢った秀作に9点献上します。[インターネット(字幕)] 9点(2021-09-08 00:46:56)(良:1票) 《改行有》

179.  必殺!恐竜神父 《ネタバレ》 確かにヒドイ。さりとて酷評出来ない。なんともアザトイ作品ですね。 ここまで確信犯的にヒドサを真面目にヒドク作られてしまうと、最早降参です。この作品のヒドイ部分をヒドイと論じること自体が製作者の意図にハマってしまっている訳で、その悪ノリぶりを楽しむことこそが本作の正しい(?)鑑賞方法なのでしょう。 ですから、それがダメというならば観ない方が良いでしょうし、それがウェルカムということであれば徹底的に小ネタを楽しむのが正解ですね。 例えば恐竜の着ぐるみ。着用可能な巨大なぬいぐるみと言った方が解りやすいかもしれません。獰猛とか狂暴とか強大とかには全く通じないデザインと質感。勿論、そんなものであっても製作費は結構かかりますから、もともと少ない製作費のうちの結構な割合をそこに注ぎ込んでる訳で、決して開き直りではなく意図してあの恐竜を製作してるところだけでも十分に本気度が窺えます。 爆破シーンに予算は使わず説明書きで終わらせてしまうとか、どんなシーンであろうと近所の同じ空き地でとしか思えない場所でのロケとか、キッチリ低予算を管理して作り込みつつそれを逆手にとって笑いに繋げています。 古き良き時代のB級感をモチーフに、如何にも映画好きな悪戯っ子が製作したという感がありありと出ていますね。 観る者を完全に選ぶこの作品。嫌いじゃないけれどアザトサもちょっとばかり鼻につき、ここは5点にしておくのがいいかもしれません。 ちなみに、原題は恐竜のヴェロキラプトルの前半分とスペイン語のパスター(牧師)による造語ですね。これを「恐竜牧師」ならぬ「恐竜神父」としてしまう配給会社さんの発想は謎です。「必殺!」というのは、忍者が出て来てアクションがカンフー風だからなのかな?[インターネット(字幕)] 5点(2022-04-20 11:17:52)(良:1票) 《改行有》

180.  パッセンジャーズ 《ネタバレ》 確かに、類似の設定による作品は随分とあります。この作品も、ある程度その種の作品に慣れていれば、あるいは好んでいれば、早い段階で種明かしに気付くでしょうね。 ただ、この作品に関しては、その気付きを想定して制作していると思われ、2回観てみると随所に丁寧な関連付けが施されていて、「なるほど、そういうことか…」と思わせられる場面が多々あります。 また、「生」と「死」、そして「愛」についての解釈と言うか思い入れというか、制作者のメッセージがきちんと伝わって来ます。登場人物の人物設定や役割、位置付けもしっかりとしていて、安定感のある作品になっていますね。勿論、キャスティングの妙であることも見逃せません。 という訳で、自分の好みのプロットであることも加点して8点献上です。 ただ、DVDのジャケットや予告編の内容がサスペンスやスリラーを思わせるものであることが、観賞時のマイナス要素になりかねないことが残念。とは言え、他に広告のしようもないとも思われ、配給会社の営業さんは苦労したんだろうなぁ…[DVD(字幕)] 8点(2010-08-16 01:15:31)(良:1票) 《改行有》


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