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プロフィール
コメント数 47
性別 男性
年齢 49歳
自己紹介  敬愛するマルクス兄弟の次男 (僕も次男です) にして、知る人ぞ知る屈指の男性ハープ奏者、ハーポ・マルクスよりハンドルネームを拝借。彼と同年代のチャップリンに始まり、同じく同年代のキートン、ロイド、そしてサイレント期を含めた「クラシック」映画を、喜劇を中心に邦画・洋画問わず、こよなく愛しています。

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評価順1

1.  犬の生活  高校時代に初めてレンタルして、そしてついにはビデオを買って観たチャップリン映画。アメリカ映画ながら、イギリス・ロンドン出身のチャップリンが描く、独特の裏町の雰囲気がぐっと来ます。チャップリン映画で出て来る食べ物が、何故かどれも旨そうに見えるんですが、この映画でも開巻直ちに出て来る、歩き売りのホットドッグ、そしてチャップリンの実兄・シドニーが好演している、屋台のホットドッグ、そしてパブ『グリーン・ランタン』のカウンターで、ハンチング帽の男性が何かをむしゃむしゃと立ち食いしているんですが、それも妙に旨そう。少年時代、子役俳優としてデビューするまで貧困に喘いだ体験を持つチャップリンだからこそ、やはり食べるということも細かく描いているのでしょう。[ビデオ(字幕)] 10点(2004-09-19 09:42:09)(笑:1票) (良:3票)

2.  サーカス(1928)  開巻と同時に画面に現れる、"The Circus" という簡潔明瞭な題名。ヴァイオリンが奏でる、静かながら温かいイントロに続いて、80歳のチャップリン本人が朗々と歌う"Swing, Little Girl" という主題歌。フェイドインして目の前に映し出されるのは、吊り輪に両足を差し込み練習を一休みして、額を拭うマーナ・ケネディのクロースアップ。それに重なる、「虹を見たければ/空を見上げてごらん」というチャップリンの歌声。そこで画面はタイトルロールに切り替わり、"A TRAMP--Charles Chaplin" というクレジットを最下段に見せてから、再び最前のマーナ・ケネディの画面へ。「絶対に、下を向いてはいけないよ」という歌詞と共にオープニングが終了、同じ"The Circus"という題名が出て、いよいよスタート。他のチャップリン作品とは一風変わったこのオープニングは、それ自体まさにサーカスそのもののような感じ。さぁ、今から始まるぞ、という期待と、映画全編に亘って感じられる温かさを垣間見させてくれる、まさにお手本のようなものだと思います。そして、ラストシーンで有名な彼のトレードマーク、遠くへ歩み去る後姿。最初は、風のように去ったサーカスへの未練を残したような、重たげな歩み。そして、肩をすくめ、身をぶるっと一瞬震わせた後、ステッキをくるくるくるっ、くるくるくるっ、と振り回して胸を張り、「さて、次はどんな出会いがあるかな」と呟いているかのような、辺りを見回す陽気な行進。そうやって彼方へ遠ざかる彼の姿を見届けて、画面はアイリス・アウト。派手な音楽や演出など、端から不要。こういう粋な撮り方をするチャップリンが、僕は好きですね。[ビデオ(字幕)] 10点(2004-02-12 12:55:21)(良:2票)

3.  ナバロンの要塞 《ネタバレ》  小学生だった80年代中頃、父が持っていた『映画音楽大全集』というレコードのBOXセットに収録されていた、ミッチ・ミラー合唱団が朗々と歌う主題歌に聞き惚れ、解説を読んで胸を躍らせていた映画。それから間もなくして遂に初見する時、深夜放送で観るために、昼寝をして備えたのを覚えています。僕の映画好きを決めた作品の1つです。ラストで、真打ちの大砲がようやく登場。それまで、冒頭の説明で言われていた「想像を絶する破壊力と正確さを誇って」いた大砲が、初めてイギリスの駆逐艦を外し、大爆破の末に、夜のエーゲ海の藻屑と消えるシーンで、子供心に体が震えたのが忘れられません。  今になって観返してみると、「爆弾屋」ミラー伍長を飄々と演じるデヴィッド・ニーヴンが最高です。不平混じりのジョークを連発しながら、ここ一番でマロリー大尉に猛然と食って掛かるのが印象的でした。任務遂行の為に、深手を負って歩けなくなったフランクリン少佐に、偽情報を流してドイツ軍基地に (負傷兵として治療を受けさせる為) 残したマロリーを、「何をしたか解ってますか??あなたは、任務の為に重傷を負った人間を利用したんだ!」と糾弾。苦渋の選択をしたマロリーは、しばしの沈黙の後「考えたが、他に方法がなかった…」と苦悶の表情。このシーン、戦争について思わず考えさせられます。  さらに、爆薬を不能にされたミラーが、冷静に推理して、ある意外な裏切り者を暴き出すシーン。ここでもマロリーに食いつきます。「任務遂行の為には、ここで裏切り者を殺さなくてはいけないんだ!任務遂行に一番熱心なのは、あなただろう?!心を鬼にして目を閉じて、イギリスの為を思って一思いに引き金を引いてみろ!君は指揮官じゃないか!」と大啖呵を切ったものの、急に萎んだように不安な表情で立ち尽くすミラー。長い沈黙の後、意を決して立ち上がり、「心を鬼にして」裏切り者に銃口を向けるマロリー。肩越しにそれを察知し、思わず引き止めに駆け出すミラー。その瞬間、消音銃の鈍い銃声!…ゆっくりと崩れ去る裏切り者。その銃を撃ったのは、裏切り者の親友であった…。このシーン、まるで舞台劇の緊迫した名演を観るようで、涙が溢れました。他にも、嵐の中で荒波に揉まれて進む漁船で、何故かみんなにコーヒーを勧めて回ったり、ラスト直前の「ネズミ花火」でドイツ軍兵士の度肝を抜いたり…。デヴィッド・ニーヴンは最高でした。[地上波(吹替)] 10点(2004-03-02 12:00:24)(良:2票) 《改行有》

4.  男はつらいよ 葛飾立志篇 《ネタバレ》  マドンナの筧礼子「先生」が、眼鏡をかけて考え事をしながら歩いていた…と、米倉斉加年さん扮する巡査が話していたのを、耳をダンボにして聴いていた寅さん。早速、眼鏡屋から自前の眼鏡を買って登場。そこの主人を初め、周囲の人は茫然自失の怪訝な顔。先述の巡査も、すれ違い様にそれが目に入って、思わず自転車からずっこける。直後、場面は帝釈天へ。結び付けられていたお御籤をいじっている源公の前で、インテリぶって眼鏡をずり上げる寅さん。声を殺して笑い続ける源公の側から、御前様が登場。「考え事をしていました」という寅さんに、「いったいぃ、ナニを考えておったのかニ?」「はい、己について考えておりました」「己について…お前が…!」こうして、久しぶりに御前様からお茶に誘われた寅さん、「昔、中国にぃ…達磨ジェン師という偉い坊さんが…」という講釈を垂れる御前様の後に付いて行くか、と思いきや、まだ声もなく笑いのツボにはまっている源公の所へ小走りで戻り、「…達磨ジェン師!」と、御前様の口調を真似た掛け声と共に、源公を一撃で蹴り倒す。御前様の笠智衆さんの、あの独特の台詞回し。そして、渥美清さんと佐藤蛾次郎さんのコンビが先述のシーンで見せる、タイミングと動きの抜群の巧さ。全体の一部のシーンですが、これ自体が完成したコントのように思われる、秀逸なものだと思います。[ビデオ(邦画)] 10点(2004-02-10 15:32:43)(良:2票)

5.  担え銃 《ネタバレ》  高校の現代社会の時代、クラスメイトたちと観た、初めてのチャップリン映画。中盤の「ミッション・インパッシボー」 (笑) を敢然と遂行するチャーリーには、思わず拍手喝采。特に、木に化けてドイツ軍兵士を次々に倒して行くという名ヒットマンぶり、追われて森の中へジグザグに逃げ込んで行くロングショットは、まさに抱腹絶倒という言葉を絵に描いたような可笑しさ。クラス全員での大爆笑と拍手が、今でも耳に残ります。数日後、直ちにビデオを購入しました。[ビデオ(字幕)] 10点(2004-09-19 23:31:16)(笑:1票)

6.  プロポーズ 《ネタバレ》  僕が最も注目したのは、2人の脇役: 1人は、前半途中からずっとジミーのプロポーズ珍道中に黙々と付き添う長身の牧師。次に向かう元彼女を相談するシーンに変わる度に、必ずぽつねんと座っている姿は笑えます。しかし終盤、彼が湖上のボートでジミーにしみじみと語るシーンは、まるで別人のような穏やかで温かい人柄を描き出していました。そしてラストで、「神により与えられた権限により…2人を夫婦であることを宣言します!」という宣誓がカッコ良い!その瞬間、千人の花嫁が、街が目を覚ますような大歓声と拍手で祝福するシーンには、感動しました。そしてもう1人、忘れてならないのが、ジミーのお祖父さん。いつも分厚いステーキを食べていて、何故か常にハンドスピーカーを携帯して (彼の死後、ジミーがその「遺品」を玩んでいると、たちまちハウリングする) 、その必要もないのに大声で毒のある掛け声を入れる、高齢故にぶっ飛んだキャラクターは、何度も巻き戻して観て大笑いしています。[ビデオ(字幕)] 10点(2004-02-10 13:32:46)(良:1票)

7.  キッド(1921) 《ネタバレ》  文句なしの10点満点!のチャップリン映画です。30歳を過ぎたばかりのチャップリンが、最初の妻 (ミルドレッド・ハリス) との離婚訴訟絡みの差し押さえを逃れるため、当時全幅の信頼を寄せていたという日本人秘書・高野虎市さんらを伴って、ユタ州ソルトレイクシティへこっそり雲隠れ。安ホテルで、極秘作業として編集をやり遂げる…という難産の末に産まれた、まさに彼の愛情がたっぷり注がれたキッド (子供) そのもののよう。  素晴らしいのは、何と言っても孤児院の役人2人 (この2人と、その間に立っているチャップリンとの「伝言ゲーム」の短いギャグ、あのクライマックス直前ということもあって、一層笑えます) と警官を退けて、キッドを奪還して抱きしめるシーン。後年、チャップリンが自ら付けた音楽が、このシークエンスの緊迫感・感動をさらに引き出しているのは、さすがです。音楽を聞いただけでも、冒頭字幕の「一粒の涙」が思わずこぼれてしまいます。[ビデオ(字幕)] 10点(2004-11-07 21:36:26)(良:1票) 《改行有》

8.  偽牧師 《ネタバレ》  チャップリンが、ファーストナショナル時代の中篇作品を、3本立てに編集し直して戦後再公開した、『チャップリン・レヴュー』の、トリを飾る作品。終始、チャーリーが黒い牧師の服で登場するためか、映画全体も極めて異色な雰囲気。マット・モンローが、開巻とエンドクレジットで歌う『テキサスへ (I'm Bound for Texas) 』が、西部の雰囲気を何とも良く出しています。お気に入りは、何と言っても教会のシークエンス。牧師に成り済ました脱獄囚のチャーリーが、教会で聖書を手渡されて、思わず手を置いて裁判の宣誓をしてしまったり、聖歌隊の人数を数えてみたら12人だった(陪審員の数と同じ)…など、細かい素性ネタが出て来るところ。そして、有名な「ダビデとゴリアテ」の説教。この場面の、誰が見てもはっきり話が解る、簡潔明瞭なパントマイムは絶品!ほとんどのチャップリン映画には、彼の芸の見せ場が必ずありますが、中でもこれは屈指の上手さです。後年の、「3大傑作」ばかりが引き合いに出されるチャップリン映画ですが、この作品は雰囲気・ストーリー・彼のパントマイムの見事さと相俟って、知られざる佳作と言えると思います。[ビデオ(字幕)] 10点(2004-09-23 10:31:22)(良:1票)

9.  キートンの探偵学入門 《ネタバレ》  冒頭の、映写技師の仕事中の「1ドル札事件」が秀逸。主人公の性格を、手際良く鮮やかにまとめて見せる辺りの見事さは、チャップリンと同様で、文句なしに「喜劇王」たる資質でしょう。  そして後半、悪者たちから逃れるシーン。行商人が壁に背中合わせになって立ち、首から提げたトレイを「ここ、ここ」とキートンに指差す。悪漢2人に追い詰められたキートン、彼らの虚を突き、行商人に向かって突進、そしてトレイの中を目掛けて、頭からダイビング!…壁から離れて、何事もなかったかのように平然と歩き出す行商人。忽然と姿を消したキートンと、呆然とする悪漢。ドキュメンタリー『バスター・キートン:ハードアクトに賭けた生涯』 (1987) の中で、後年『バスター・キートン物語』でキートンを演じたドナルド・オコナーさんが、このシーンをどのようにして再現したかを語っています。一流のマジックショーのように、何度観ても全く仕掛けが判らない、絶品のアクロバット芸です。[地上波(吹替)] 10点(2004-11-04 22:21:41)(良:1票) 《改行有》

10.  ファミリー・ゲーム/双子の天使 《ネタバレ》  僕は英語の教員なんですが、授業の冒頭で必ず、ウォーミング・アップとして映画の台詞の聞き取り練習をさせています。この映画を、2003年後期の授業で採り上げた時、学生たちから圧倒的な支持を得て、とうとう後期の全ての回を、この映画一本で通したほどでした。最後の大団円には、ほとんどの学生が涙を流して感動していたのが、忘れられません。数年前に渡米した時の機内で観てたちまち惚れ込み、すぐにビデオを注文したほど、愛くるしいリンゼイ・ローハンが光る、本当に大好きな作品です。双子だと判った2人が、お互いにレクチャーし合って「役作り」をする場面、そしてイギリスに帰って来た“アニー”が、空港に迎えに来てくれた執事・マーティンと、2人だけの独特の握手をする場面が、特に好きです。その握手をする直前、差し出された右手を、一瞬緊張した眼差しで見る短いショットが、特に印象に残っています。[DVD(字幕)] 10点(2004-05-03 14:58:44)(良:1票)

11.  男はつらいよ 純情篇 《ネタバレ》  タイトルバックが鳥瞰撮影という、シリーズの中でも珍しいオープニング。序盤のサブプロットで登場する、森繁久弥さん・宮本信子さんという名優が登場するのを暗示しているかのよう。中盤辺りから登場する、 (寅次郎曰く「スケベ医者」の) 山下医師。これを演じているのは、後に二代目おいちゃん役として出演する、松村達雄さん。渥美さん、松村さん、そして初代おいちゃんの森川信さんが、束の間だけ同じ画面に登場してのやり取りが、もう堪りません。  松村さんは、おいちゃん役以外でも『男はつらいよ』シリーズに度々出演していますが、本作での山下医師は特に秀逸。「あの先生はなぁ、自分の腕に自信がない時は、すぐに他の医者を紹介するんだ。その点じゃあ、信頼出来るぜ」と、おいちゃんが珍妙に評して言う彼は、若尾文子さん演じるヒロインが寝込んだと (誤って) 聴くや、息せき切って駆けつけるものの、具合が悪いのは寅次郎だと聞かされるや、呆れて帰って行くという豹変ぶり。  また、終盤近くで、寅次郎が診療室に乗り込んで来た時も、何と咥え煙草で「はいぃ。息を…ふぅーーと吸ってぇ…」と、長髪の患者を聴診中という有様。直後、その患者が「男」と判るや、松村さん独特の「バカァ!」が炸裂するというシークエンス、BGMもない地味なものですが、非常に秀逸なおかしさでした。  (*2005年6月30日付け追記:松村達雄さん逝去の報に接し、追悼の意を込めて再見しました。松村さん、貴方は素晴らしかったです)[ビデオ(邦画)] 9点(2005-05-07 14:00:39)(良:1票) 《改行有》

12.  男はつらいよ 寅次郎夢枕 《ネタバレ》  冒頭から、帰郷した寅さんがまた旅に出て行くまでにかけての、一連のシークエンスが秀逸。珍しく早い段階で帰郷した寅さんを巡って、とらや一家が自分のことを褒め称えてくれる様 (本当は、早速ヘソを曲げかけた寅さんへの対処策) に感激して改悛し、御前様もわざわざ彼を褒めに訪れ、早速翌日、彼の縁談でみんなが奔走するも、結果は案の定無反応。そこへかかって来た、寅さんへの縁談の電話。これを、電話に出た二代目おいちゃん・松村さんの受け応えのみで展開させる描写が、とても良かったですね。  また、中盤から登場する、午前様の甥である東大助教授・岡倉先生。これを演じるのは、その後のシリーズにも脇役で登場する、米倉斉加年さん。自身も東大卒である山田洋次監督が、大学の研究者をカリカチュアして、変人として描いているのは、ちょっと誤解を六回ほど与える危険性もあるものの (笑) 、なかなか徹底していて、これはこれで面白かったです。[地上波(邦画)] 10点(2005-07-31 17:36:49)(良:1票) 《改行有》

13.  モダン・タイムス  これこそ、僕が初めて観たチャップリン映画。高校1年生の時、現代社会の授業でクラスのみんなと一緒に観ました。オープニングの音楽が、ちょっと角張った感じがして、ちょっと違和感があったものの、開巻直ちに工場のシーンになってからは、もう爆笑の連続!「第5班 スピードアップ 4-1」と、単語を並べたようなだけの指示 (こういう態度のオヤジ、最近ほんと多い!) をモニターカメラ (1936年当時に!) で飛ばし、画面はその「第5班」へ。ある工員が、画面を横切って行くのを追って、画面がパンして行き、「第5班 ナットの締めが緩い」という社長のアナウンスに重なって、最後はその張本人=ベルトコンベアでネジを締めるチャーリーが登場…という、主人公をさり気なく紹介する、実にスマートな冒頭。  そして、何と言ってもクライマックスの『ティティナ』を即興で歌い躍り、見事ピンチを凌ぎ切るシークエンス。ここでのチャップリンは、それまでのドジばっかりのボケキャラとは別人の、名エンターテイナーの顔そのものでした。後に、衛星映画劇場で放映された時には、逃さずちゃんと録画。この『ティティナ』のチャーリーに、何度も何度もアンコールを送り、巻き戻して観ていました。[CS・衛星(字幕)] 10点(2004-09-23 21:07:33)(良:1票) 《改行有》

14.  天国に行けないパパ 《ネタバレ》  ダブニー・コールマン演じるパパ・バートが最高です!バートは、どう見ても敏腕タイプのエリート刑事ではありませんが、長年に亘って職務を忠実に遂行して来た、経験と円熟味溢れる実働部隊という感じ。そして、仕事が終われば一人息子の野球の練習場まで迎えに行く、というマイホームパパぶりを遺憾なく発揮。それだけに、余命を宣告されて抜け殻のように駐車場に辿り着き、遠い目をして車のカギを開けようとすると、実はそれはよく似た他人の車で、中にいた犬に激しく吠えられた挙句我に返ったり、ダギーのいつもの練習場に車を横付けして、彼を車の中からこっそり見守る時の表情…!共に台詞がないシーンなのですが、ダブニー・コールマンの泣き笑いの表情には、思わず涙をそそられます。また、彼の相棒役のマット・フルーワーも良い味をだしています。バートの病気のことを知らないため、彼の突飛な行動の数々に戸惑ったり、事ある毎に「食うか?」とスナックやヨーグルトを勧めて来たり、と細かい場面が印象に残っています。[地上波(吹替)] 10点(2004-02-27 09:45:36)(良:1票)

15.  七人の侍 《ネタバレ》  英語字幕付きのアメリカ版ビデオを、Amazon.comから買って、何度も何度も観た映画。  2000年5月、地元の総合図書館が主催した黒澤明映画祭では、この『七人の侍』が抜群の集客力でした。僕が最も好きな「侍探し」の一連のシークエンスの中で、勘兵衛の武勇と優しさにしびれ、木刀代わりの薪を上段に構え、戸口で待ち伏せしている勝四郎を見破った五郎兵衛の「はっはっはっはっは…ご冗談を」には、勘兵衛と一緒になって膝を叩いて感嘆し、五郎兵衛が「ところでお主…野武士を、30人ほど斬ってみる気はないかな?」と持ちかけられた途端に、ガタッ!と薪割りを仕損じる平八に大爆笑…と、観客が素晴らしく一体となって食い入るように観入ったのを、昨日のことのように思い出します。  今や伝説となった、クライマックスの豪雨の中の死闘の末、久蔵と菊千代を失いながらも野武士を全滅させたシーン。勘兵衛に「野武士はもうおらん!」と宣言された瞬間、子供のように慟哭する勝四郎。その瞬間、安堵感と疲労でがっくりと膝を着く「連合軍」のロングショットの虚ろな美しさ。その時、会場から思わずすすり泣きの音がちらほら…。劇場で観られたことを誇りに思います。[映画館(邦画)] 10点(2004-02-03 15:24:27)(良:1票) 《改行有》

16.  マルクス捕物帖 《ネタバレ》  終盤の、飛行機絡みのシークエンス以外は、ホテル内の場面がほとんどですが、次の『ラヴ・ハッピー』とは好対照の明るい照明の下で、久しぶりにスクリーンに帰って来たマルクス兄弟も、どこか伸び伸びしている感じがします。グルーチョの、お馴染みのインチキ支配人ぶり (特に、後半に登場する尊大な老紳士と、一言も喋らないその妻を撃退するシーンは、完成された良質のコントのように面白い) 、チコのピンボケぶりとピアノ演奏 (演目は「ビア樽ポルカ」、『マルクス兄弟珍サーカス』に続いて再登場) も円熟して良い味を出しています。そして最も素晴らしいのは、何と言ってもハーポでしょう。海外のあるマルクス兄弟研究家は、「後期の映画で、脚本が弱くなって来れば来るほど、ハーポは逆にいよいよ輝きを増して来る」と指摘。ちょっと短めになってすっきりした髪型 (実際はかつらですが) で登場し、寄りかかっているビルから引き離されると、たちまち倒壊するという有名なギャグに始まり、伯爵になりすましたシュトゥーベルとその子分をフェンシングで翻弄し、後半のカジノでの一世一代の大当たり、さらにお馴染み、名人芸のハープ演奏 (今回は、フランツ・リストの「ハンガリー狂詩曲」;後半ジャズっぽくなるアレンジも良く、彼の劇中での演奏の中で、一番のお気に入りです) …など、まさにいぶし銀の大活躍。かつての有名なギャグを再演してくれる所などもあり、なかなか味のある作品だと思います。[ビデオ(字幕)] 10点(2004-02-23 09:44:19)(良:1票)

17.  ウエスト・サイド物語(1961)  これも、『ナバロンの要塞』に投稿した拙レビューで書いた、父の『映画音楽大全集』で知って、小学生の頃に深夜放送で観た、忘れられない作品です。開巻ほどなく、フィンガー・スナップの音が聞こえて来て、男優たちにパンする有名なファーストシーン。この映画、還暦を迎えた母がリアルタイムで劇場で観たとかで、僕がこの映画の名前を口にした途端、ジョージ・チャキリスが素晴らしかった!と言ってはいつも2人で、この映画の話に興じて来ました。それだけ、1961年当時の日本の若者にとっては、電流が走るような鮮烈さを覚えるものだったのでしょう。高島忠夫さんか、愛川欽也さんかが、同じようにこの映画を目を輝かせて生き生きと語っていたのを、昔TVで観たことがありますが、あぁ映画って本当にいいな、と思ったのを覚えています。余談ですが、10数年前に漫画『おそ松くん』を読んだ時、六つ子がダンスを習う話があり、この映画のように両手と片足を高々と上げるシーンがあったのですが、そこでの会話:「昔、こんな映画流行ったよな」「ウエスト・ヒップ物語な」 (笑) 赤塚不二夫さんも、お好きだったんでしょうね。[地上波(字幕)] 10点(2004-03-05 13:08:52)(笑:1票)

18.  我輩はカモである  大学1年生の夏休み、初めて観たマルクス兄弟映画。「戦前に、こんなにバカな映画があったことが嬉しい」というレビューを、ある文庫版映画ランキングで読んではいたんですが、僅か1時間余りという尺で、これだけ手際よくまとまって、しかも切れ味鋭い間抜けっぷり、バカさ加減は衝撃的でした。兄弟で唯一まともに見えるゼッポも、最後までしっかり兄たちについて行っている時点で、魅力的でありやっぱり間抜けなのかも。チコリーニとピンキー (日本語で「小指」!) という、名前はおろか、存在していることそのものが間抜けな2人が、陽光降り注ぐ外でのピーナッツ売り屋台で、間抜けを繰り広げる様は、まさに屋外版の舞台コントのような雰囲気そのもの。イタリア語訛りで矢継ぎ早に話しかけるチコリーニ、それをギョロ目でじぃっと見据えて、無言で変幻自在な小技 (ハサミでちょん!っとフランクフルトをちょん切ったり) で対抗するピンキー。そんな2人が、すぐにあの独特の振り付けの殴り合いに発展して行く様が、可笑しくも何とも言えぬ良い雰囲気なのです。[CS・衛星(字幕)] 10点(2004-09-20 23:48:02)(良:1票)

19.  荒野の七人  あの傑作『七人の侍』を、ユル・ブリンナーが観て惚れ込み、リメイク権を買い取って作られたということで、どうしてもご本家と比較されてしまいますが、僕はどちらも大好き大満足!素材と俳優、音楽、演出が優れていれば、洋の東西を問わず素晴らしい作品になる好例だと思います。まず、何と言ってもバーンスタインの、あの胸躍り高鳴るテーマ曲。これを聞くといつも、アメリカ西部劇の陽光降り注ぐ広大な「荒野」が目に浮かびます。そして、全身黒尽くめの出で立ちで、すっと背筋を伸ばして歩き、鷹のように鋭い眼光を放つ、ユル・ブリンナー。『七人の侍』での志村喬さん同様、まさに「名将」そのもの。  そして、7人の個性的なガンマンの中でも、ジェイムス・コバーン演じるブリットは、まさにいぶし銀。銃とナイフの両刀使いという練達の士、という設定ですが、何と言っても列車を背景にした、電光石火のナイフ投げのシーン。初めて観た時の興奮が、まだ忘れられない映画です。[地上波(吹替)] 10点(2004-02-04 10:06:16)(良:1票) 《改行有》


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