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プロフィール
コメント数 43
性別 女性
年齢 59歳

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評価順1

1.  シェイプ・オブ・ウォーター 《ネタバレ》 「パンズ・ラビリンス」のギルレモ・デル・トロ監督らしい、ちょっとダークな「美女と野獣」の物語。 お姫様が王子様に出会って結ばれました、という“王道の”ラブストーリーですが、王子様は別に呪いにかかってる訳でもなく異形の半魚人(?)で、お姫様も若く美しい娘ではない。この辺のアンチ具合が評価の分かれるところか。 囚われの姫を王子が助けるのではなく、逆にヒロインが、さかなクンを助けるのが現代的でよろしいのではないでしょか。^^ 途中までは、「出会ってすぐ当たり前のように恋に落ちる2人」という流れが簡単すぎて腑に落ちなかったのだけど、ラストで彼女の素性が明らかになる。なるほど、イライザ(サリー・ホーキンス)はもともと水の国の人だったと。(首の傷は鰓(エラ)で、喋れなかったのは発声器官がなかったから)そこに同郷人が現れ、本能的に通じるものがあった・・・ってことかな。そして、最後は一緒に故郷に帰る。「帰還の物語」でもあったんですね。 心地よい場所。本当の自分になれる場所。愛する人と一緒に過ごせる場所。そこに還る・・・。 そういう物語は「癒し」の力を持っている気がする。[DVD(字幕)] 7点(2018-07-02 10:36:37)(良:3票) 《改行有》

2.  お!バカんす家族 《ネタバレ》 この作品、別のサイトではものすごく評判悪かったんですよねー。 そりゃ、まったく笑えない部分もあるし、余りにも品がないとか、配慮に欠けるとか、不快感を覚える人もいるだろうなーというシーンもたくさんあるので、快・不快の天秤が「不快」の方にドンと傾いちゃったら全くダメなんでしょう。 自分はもともとアメリカのコメディが好きで、デイヴ・スペクターのジョークも笑っちゃう奴なんで、この「くだらなさ」はツボりました。脳みそスカスカですいません・・・。 アルバニア製のレンタカーのリモコンが謎のマークだらけで「うさぎ」のマークを押したらバンパーが落ちるとか、「ロケット」を押したら椅子が回るとか。ホント意味不明(笑)。うーん、こうやって説明すると幼児的な発想なんですが(汗)。でも、なんか笑っちゃうのです。状況も状況なので。 韓国語のカーナビも笑っちゃう。ずーっと絶叫調って。韓国っていうか北朝鮮っぽい?(笑) ラフティングのシーンも可笑しかった。ガイドさんがものすごーいお調子者で冗談ばっかり言ってたのにボートに乗る直前に婚約者にフラれて、傷心のままボートに乗り込んで、ヤケになって急流の方に舵をきって主人公一家も死にそうになるっていう(笑)。 基本、自分が好きなのはこの手のバカバカしいネタなんだけど、アメリカのコメディではデフォルトな尾籠(びろう)ネタもポリティカル・コレクトネスなんか知らんがなって感じの際どいネタも、「あー、アホだなぁ」って生温かく見逃せるので、全般的に好印象のまま見終わったのでした。 個人的には大好きな作品ですが、モノ好きな人にしかオススメしません(苦笑)。[DVD(字幕)] 7点(2017-07-24 21:03:55)(笑:1票) (良:2票) 《改行有》

3.  はじまりのうた 《ネタバレ》 「落ちぶれた中年男がミューズ(女神)に出会って再起する」・・・なんてありがちな「オヤジの再生物語」かと思いきや、さにあらず。予告篇から想像してたのは、落ちぶれた音楽プロデューサー(マーク・ラファロ)が、グレタ(キーラ・ナイトレイ)という原石を見つけて彼女と二人三脚で栄光をつかみ取る・・・ってなサクセス・ストーリー。そこに、ちょっと恋愛が絡みーの、みたいな物語かと思ってたが、いい意味で裏切られた。 音楽を愛すること。音楽を作ること。そして音楽を仕事にして稼ぐこと。この3つを見事にこなせるのは才能と運に恵まれた一握りの人間しかいない。この物語の中ではデイヴ(アダム・レヴィーン)がそう。グレタは才能があって素晴らしい音楽を作り上げることができるが、歌の実力はそれほどでもないから、たぶん成功しない・・・というか持続しない。ゲリラ・レコーディングという企画は一発屋で終わるだろう。レーベルとの契約を前に、「次はヨーロッパ篇を」と夢を語るグレタに対し、ダンが複雑な表情を浮かべているのは、そういうことだと思う。 そして、ダンもまた音楽をビジネスとして成功できる人間ではないのだと思う。レーベル設立までは良かったけれど、たぶんその後の成功は相棒のサウル(モス・デフ)に依るところが大きかったんじゃないか。ダンと出会ったばかりのグレタが、彼の経歴をスマホ検索した時に「90年代ヒップホップを牽引」って出てきてビックリした。え、この人が求めてる音楽とぜんぜん違うじゃんって。彼がビジネスとして成功できたのは、きっとそこまで。自分の好きな音楽ではなく、時代が求めている音楽に迎合した時にはヒットを飛ばせた。でも、ここ数年はずっと「本当に自分が心酔できる音楽」を追い求めていたのだろう。そして、それは仕事としては成り立たなかったのだ。 そんな2人が、奇跡的に出会って、お互いに心から楽しめる「音楽」を作り上げた。バーで好きなアーティストについて熱く語り合い、互いの内面をさらけ出すようにプレイリストを聴き合い、街の雑踏の中で即興的にセッションをし、「生」の音を録音する。(これ、映画で言ったらヌーヴェル・ヴァーグだわな)まるでお祭のようなひととき。一瞬で消えていく花火みたいな、はかない輝き・・・。そうして、現実に帰っていくという物語。うーん、切ない。 ダンは言う。「音楽はありふれた風景を光輝く真珠に変えてくれる」と。そして「年をとるとだんだんこの真珠が見えなくなる」と。これは、本当に真実だなーと、ダンよりさらに年を重ねた自分は思う。この作品は、そんな自分にも真珠の輝きを一瞬、見せてくれた。[DVD(字幕)] 9点(2017-08-04 19:03:25)(良:2票) 《改行有》

4.  カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 舞台となっている精神病院は私たちが生きている“社会”の一部を象徴している。社会の中で生きる事は、あらゆるルールに縛られること。でも、ルールは自分たちを守ってくれてもいる。そういう中で「自由に生きる」「自分らしく生きる」ってどういうことなんだろう、という普遍的な問いかけになっている。 「体制と自由」、「集団と個」の問題ですね。 主人公マクマーフィーを演じるジャック・ニコルソンの演技が圧巻。こんな人が身近にいたら、乙女座・A型のわたしゃ耐えられません。秩序を乱す人はノーサンキュー、あああ、そんな乱痴気騒ぎで、その汚れた壁、散らかった床は誰が掃除するのぉぉぉッ!きぃぃぃ~ッ!っとパニックを起してしまいそうです。 それに女の扱いもヒドイ。ちょっとアタマの足りなそうな女の子を、ものすごく都合よく利用しているのが、やや不快。 うん、書いてて思ったけど私は完全にラチェット婦長派の人間でした。マクマーフィーのような男は自分の半径100m以内に近寄ってほしくない。…だからこそ、彼が病院の仲間たちをあれほど魅了しイキイキと再生させていく様子が、妬ましくも許しがたかった婦長の気持ちが分かる。彼女だってちゃんと患者たちのことを考えていると思う。彼らが心穏やかに過ごしてくれるようケアをしていたと思う。ただ、彼女の経験値からは、あのルーティンワークが最善としか考えられなかった。あれが彼女の限界だったってだけ。 脱走するつもりだったマクマーフィーが、ビリーのためにほんの少しだけ出発を先延ばしにしたことが運命を狂わせる。開け放たれた窓のすぐ横で、椅子に座ってボンヤリと考えを巡らせている表情のJ・ニコルソンが素晴らしい。マクマーフィーがマクマーフィーでいられた最後の姿をカメラは不自然なほど長くとらえている。窓の外には自由が待っている。それはもうすぐそこ、目の前にある。彼はあのとき何を思っていたのだろうか。 そして、ラストのカタルシスは言葉では表わせない。心が解放される、というのを実存レベルで実感できる名シーンだ。婦長派の自分も「まいりました」の自由讃歌です。 多くの人に見てほしい名作。[DVD(字幕)] 10点(2017-07-23 16:10:57)(良:2票) 《改行有》

5.  ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン 《ネタバレ》 アカデミー脚本賞にノミネートされたのも頷ける力作コメディ。「力作」と言ったのは、ちょっと力入り過ぎって意味も込めて。 内容は馬鹿馬鹿しくも、女性にとってはなかなか痛いところを突いていて興味深い。主人公の親友が結婚することになり、その「仕切り役」をめぐって女同士が張り合うってオハナシ。この「女のバトル」が辛辣で描写もしつこくて(苦笑)、アニー(クリスティン・ウィグ)の「イタさ」が見ていられない。この辺の「女の嫉妬」の描き方が上手いと思う。仕事も恋愛も失敗してドン底にいるアニーが、金持ちで美人でナイスな人柄のヘレン(ローズ・バーン)みたいな女を前にすると、惨めな思いになってしまうのはすごーく分かる。ヘレンは素敵なスピーチやセレブならではの取り計らいで、アニーの親友リリアンの心をグイグイ掴んでいく。そんなん目の当たりにしたら、「何もない私から親友の座まで奪うわけ?何でも持ってるアンタが?」っとアニーが怒り狂っちゃうのもよーく分かる。まぁ、その怒り方が尋常じゃないんだけど(苦笑)。「親友」ってね、なんか善人の必須アイテムみたいなとこあるじゃないですか。信頼しあえる友がいるってことが自分の人間性の担保になるというか、人としての価値を高めてくれる(気がしてしまう)というか。 私がこの脚本で感心したのは、ヘレンがとことん嫌な女ではないってところ。凡百のコメディならヒールはまるっきりのヒールだけど、このドラマはもっとリアリティがある。こういう女性っているよな~って感じのセレブ・マダムで、気配り上手で親切なのは別に無理して取繕ってる訳じゃなくて、ヘレンみたいな人はプライドが高くて向上心も人一倍あって自分を高めるための努力を惜しまないから、理想的な女性像を体現することを心から楽しんでやってるのだ(たぶん)。だから何も非難すべき点はない。だけど、なんか自分の人生うまくいかないよなって、しょっぱい思いで生きてるド庶民からしたら、どーにも気に食わない女。きっと高校時代はチアリーダーでプロム・クイーンに選ばれてたんだろうね。彼氏は運動部のホープで推薦で名門大学に行ったんだろうね。(妄想爆走中) アニーのような子はきっと、こういうメインストリームにいる人たちを「けっ」って斜めに見てたはず。ヘレンと初めて会った日の帰り道、車のなかで彼女の口吻をマネして溜飲を下げてるアニーを見て、「分かる、分かるぅ~」とシンパシーを覚えた自分でありました。私もマージナルなイケてない組だったもの。「桐島~」で映画撮ってる方の側だったもの・・・嗚呼。 ・・・横道それたので戻します。 そんなダメダメなヒロインですが、まぁ主役ですから、ちゃんと救われますよ。この新しい恋のエピソードはとっても楽しい。コントみたいな面白シーンいっぱい。ただ、彼女自身の「自己実現」ってところは、他の方のレビューにもありましたが、中途半端に放り投げられちゃってて惜しい。あとは、汚物ネタ、エロネタのオンパレードですが、あちらではお約束のようだから生暖かく見逃すしかないですね。海千山千のおばちゃんは、なんとも思いません。[DVD(字幕)] 8点(2017-07-30 11:21:09)(良:2票) 《改行有》

6.  キューティ・バニー 《ネタバレ》 『プレイボーイ』のモデルの女の子が学生寮の寮母になって大活躍という、おバカな設定が良い。イケてない女の子たちに「モテ道」を伝授するシェリー(アンナ・ファリス)の言う事が、いちいち面白くて説得力ある。「外見の美しさが内面をキレイにする」とか「目は顔の乳首」(これ名言!)とか。 変身した寮生たちが自信をつけてモテ出すところは単純に気分がアガる。学園を闊歩して注目を浴びるシーンなんかスカッとする。女ってこういう変身願望、あるあるあるある。プリクラで盛るのってそういう事じゃないのかね。そして、ライバルのミュー寮の子たちがいかにもなお嬢さんルックなのに対して、こっちはちょっとだけ下品なセクシー路線っていうのが個人的にツボ。JOCKS系ってなんとなく鼻につくのでね。メインストリームの人間に対してルサンチマンを隠しきれないマージナルな自分(苦笑)。 人間見た目も大事だけど、何より「自分らしさ」が大事よっ、というメッセージも可愛らしくて好感が持てる。表面的には仲良しを装ってて実は・・・というドンデン返しのラストに至るまでトコトン「女子」の世界、あ~、女ってなんて平和な生き物なんだろうかと笑っちゃいますー。[DVD(字幕)] 7点(2017-07-27 13:12:30)(良:2票) 《改行有》

7.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 ダニエル(マーク・レスター)とメロディ(トレイシー・ハイド)の恋心は幼い。「一緒にいたいから結婚する」って殆ど幼稚園児の発想。しかも全く迷いがない。・・・この“まっすぐさ”がとっても清々しい。 「若すぎる」と説得する両親に対しメロディは叫ぶ。「幸福になりたいだけなのに!」と。 そして有名な駆け落ちシーンへとなだれ込んでいく訳ですが、もう理屈もへったくれもないのだ。この物語には「今」しかない。主人公2人の「今」の気持ちオンリーで突っ走る。彼らを押し留めようとする大人たちと手作り爆弾で闘い、トロッコに乗って逃げ去る。いやもうムチャクチャだけど、これこそが映画じゃないかと思う。自分が映画を観る理由もこれしかないって気がする。幸福になりたいだけ。 とても地球上の生物とは思えないエンジェルっぷりが眩しいマーク・レスターも、もちろん良いのだけど、彼の親友役ジャック・ワイルドがとにかく素晴らしい!表情もしぐさも身体の動かし方もいちいちキマッてる。メロディに夢中になって自分から離れていくダニエルを引き留めようとするシーンなんかホント切ない。この時のジャック・ワイルドの茫然とした表情が悲しすぎて、おばさん泣いてしまいました。 全編に流れる音楽もイイ。ミュージック・クリップのような話法が奏効している。「メロディ・フェア」の調べに乗って通りを歩くメロディ。酒場にいるパパに会いに行く、このシークエンスが私は好きだ。昼間からお酒飲んでる父親なんて・・・と不安がよぎるんだけど、人の良さそうなオッサンが出てきてニコニコしながら彼女にお小遣いを渡すのでホッとしてしまう。そうそう、ここに出てくる大人たちは皆、基本的にイイ人。そういうのも好き。 ちょうどこの作品を再見した時に、「資本主義が終ろうとしている」なんて言ってる本を読んでいた。1970年代をピークに長い終焉の時代が続いており、今は旧いシステムが終わらんとする斜陽の時代なのだと。そんなどん詰まりの閉そく感の中に生きる自分にとって、本作はとびきり眩しかった。「とにかく逃げちゃえ、なんとかなるさ」って、ぶっちぎりのハッピーエンドで終わるこの作品には、「未来」に対する圧倒的な信頼と楽観が感じられる。トロッコの行く先には「幸せ」が待っている。 この作品のノスタルジーが格別に染みるのは、今が「信じられる未来」を失ってしまった時代だから、という理由もあるのだと思う。[CS・衛星(字幕)] 9点(2017-07-29 00:23:30)(良:1票) 《改行有》

8.  あなたが寝てる間に・・・ 《ネタバレ》 あ~、なんだかんだ言ってもこういう軽ぅ~いアメリカ映画が私は好きだ。ジャンクフードってやめられない。なんの栄養にもならないけど美味しいんですもん。 サンドラ・ブロックはちょっと不思議な立ち位置の女優だと思う。美人じゃないし、可愛いというのとも違う、意外にカテゴライズしにくい人。中性的と言えばいいのか、女としてというより人として魅力がある。この作品でもイイ人だけどちょっと冴えない女性という役、地味で目立たない主人公が王子様に惚れられるという少女漫画的なこの映画にはピッタリだ。 ハリウッド映画が口を酸っぱくして言ってることが「Love Conquers All」(愛はすべてに打ち勝つ)なんですが、このLoveには当然「家族愛」も入るんでしょう。この作品でもヒロインが恋をする相手の家族がやたら仲がよくて微笑ましい。ほとんどのエピソードに彼らが登場してくるので、むしろ男女の愛よりそっちの方がメインじゃね?ってくらいの勢い。ヒロインも自分の想いより彼らの気持ちを優先して行動している感じだし。なのでオハナシ自体も孤独な女性が恋によって幸せを掴むというよりは、素敵な家族を得ることでハッピーエンド、みたいに見えた。まぁ相手が今ひとつ華の無いビル・プルマンだからそれくらいのオプションは付けてもらわないとね(笑)。ピーター・ギャラガーはとんだ当て馬でお気の毒だったけど、ま、そんな役回りがお似合い。百貨店の紳士服売り場のマネキンみたいなルックスはいつ見ても笑える。よくあんな冗談みたいな眉毛を顔にのっけてられると思う。[CS・衛星(吹替)] 7点(2017-07-28 18:25:09)(良:1票) 《改行有》

9.  恋人はゴースト 《ネタバレ》 更年期障害の情緒不安定解消にはラブコメが有効。(※個人の感想です) で、本作の効果は抜群でした。ホントに気持ち良くキュンとなりホロリとなり。なんと言うか中枢神経にじんわり効いた感じで安らぎを得ています。2人が結ばれるのは「運命だった」という、もう100億回見てるよっていう「定番」ラブ・ストーリーですが、ロマンチックラブ・イデオロギーという強大な思想が衰退しない限り、この説話は繰り返されるのです。おばさんの情緒も一生安泰。いいんです。ラブコメよ、今夜もありがとう、です。 何がいいって、やっぱりマーク・ラファロでしょう。リース・ウィザースプーンは劇薬になりかねない。神経逆なでされそうで(笑)。彼女は実に彼女らしくワーワーキャーキャーやってますが、ま、ほっとけ、ってことで。(あれはあれでイイんですけどね) ま、とにかく、この作品は癒し系ナンバーワンのマーク・ラファロを堪能する映画。心底、上手いと思う。彼が一人でバーに行くシーンがあるのですが、酒びたりの彼の体を心配してゴーストのリースがくっついてくる。で、グラスを手に取るとリースが邪魔をして飲ませない・・・というのを、店にいた友人たちの目線で見せるので、リースの姿は見えない。マークが一人でおっとっと、ってやってるのを、マークが一人芝居してるんですね。これが上手い!要はパントマイムなんだけど、なかなかの芸達者。私としては「へぇ、こういうフィジカルな演技も得意なんだ」と軽く驚いた訳で。 あとは、なんと言っても感情表出の自然さ。奥さんの想い出話をしながら目が潤んでくるところなんて、全然わざとらしくなくて心に優しく触れてくるのです。この人の演技はホントに響く。クライマックスの救出作戦とその直後の展開なんか、思い出すと泣けてくるくらい。この時の彼のエモーショナルな演技は出色です。 物語はご都合主義フルパワーで突き進みますが、私は大好きです、そういうの。邦題に「ゴースト」と入れたかったのもよく分かる、「ゴースト/ニューヨークの幻」(90)のテイストをふんだんに取り入れた、「パクった感」ありありの本作。それでも、あの「感動のラスト」はあざといな、と思えてしまうあちらに比べて、こっちの素直なハッピーエンドは好ましいですよ。[DVD(字幕)] 8点(2017-07-27 15:06:01)(良:1票) 《改行有》

10.  キス&キル 《ネタバレ》 よく似た「ナイト&デイ」(2010)があんなに楽しかったのに、なんでコレはそうでもなかったんだろうと考えてみたら、描写が生生しいのですね。シニカルな笑いを狙ったのかもしれませんが、そうなるとお伽噺(=極上のフィクション)にはなり得ない。フィクションに酔うことが出来ずに冷めた目で観ていると、なんだか「現実」が透けて見えてくる。アメリカはやっぱり「成功する」ことが全てなんだなぁと。 失恋した娘を連れて家族旅行で海外に来た金持ち父さん。なんとトム・セレックだ。シングルの娘の事をやたらと嘆くのは、「結婚できない」=「成功していない」とでも言うのだろうか。ふざけた話だ。娘のキャサリン・ハイグルも旅先で出会ったイケメンとデートすることになったら、「私生活を細かく聞くわよ」なんて、最初っからスペック確認に余念がない。で、めでたく結婚した2人ですが、旦那のアシュトン・カッチャーは殺し屋たちから命を狙われることになる。もう、みんな巨額の懸賞金に目の色変えて、あの人もこの人も次々と襲いかかってくる。ここもブラックな笑いを狙っているんだろうけど、描かれているのは「大金を手にすること(=成功すること)は何物にも代えがたい幸福である」という価値観です。 だから、この映画では「失敗」する人たちはどーでも良いのです。ミッションに失敗すれば終わり。殺す側に葛藤も苦悩もありません。彼らは悪い奴らなのでしょうか? 私にはそうは思えない。金のために殺す。これは「お仕事」としてこれまで何人も人を殺してきた主人公のイケメン旦那と全く同じです。 やたらと人が死んで、でも誰も悲しまず、最後はハッピーエンド。生き残った者、すなわち勝者=成功者の人々は幸せに暮らしましたとさ、というオハナシ。コメディだから別にいいんですけど。ちなみにこの作品、本国では興行成績が悪く製作費が回収出来なかったらしいので、映画自体は「成功しなかった」。これが1番ブラックなオチですね。[DVD(字幕)] 5点(2017-07-29 11:29:14)(良:1票) 《改行有》

11.  白い帽子の女 《ネタバレ》 (思いっきりネタバレです) オープンカーが田舎道を走っている。バックに流れるのはフレンチ・ポップス調のショパン。この70年代の匂いがプンプンするオープニングに、昭和な自分はガツンとやられた(笑)。 ハンドル片手に走りながら、旦那(ブラピ)は煙草をくわえシガーソケットで火をつけようとするが、点かない。そこでダッシュボードに手を伸ばしてガッと開けると乱暴にひっかき回してライターを探す。この時、妻(アンジー)の方をチラッと見る。黙って見てないで探せよ・・・っていうイラつきオーラ全開。シラッと見返す妻。この短いシークエンスで、この夫婦の不仲が分かる。 ホテルに着いてからも、ずっとヒリヒリムードの2人。妻が外したサングラスをポンとテーブルに置いて、レンズが下向きになってるのが旦那には耐えられないらしく。レンズが傷つくからか?いちいち置きなおす。これ3回くらいやってたな。 こんな“倦怠期ど真ん中”の2人が、南仏のリゾートホテルで過ごすヴァカンス。スランプで酒浸りの作家と、常に不機嫌な妻。けっして面白いオハナシではない。でも、夫婦がいかに愛の炎を消さずに共に生きていけるか?っていうのはけっこう普遍的なテーマ。身につまされます(笑)。 で、隣の部屋に新婚旅行の若夫婦がやってきた事から物語が動き出す。壁に覗き穴を見つけた妻が、つい好奇心にかられ覗き見する。やがて旦那もその穴に気づき、夫婦2人で「秘密」を共有することで不思議な連帯感が生まれ、またトーゼン刺激にもなって(苦笑)夫婦の関係が徐々に修復されていく。 海辺のホテルではいつも波の音が聞こえ、寄せては返す波の運動は永遠に続く日常を思わされる。「海辺にて」というオリジナル・タイトルには、そんな「日常を繰り返す」夫婦の歩み、という意味もあるかもしれない。 旦那がいつも飲みに行くパブレストランの親父が素敵だ。父親のようにブラピの話し相手になり、「愛してやれよ」と助言を与える。この親父さんが亡き妻の写真を愛おしそうに眺める姿に、旦那も胸を衝かれ、妻を愛そうとする。朝の光の中にいる美しい妻の立ち姿をベッドの中から眺めている時のブラピは、少しだけ幸せそうに見えた。そう、この旦那はいつも妻を見ている。一方的に。悲しそうに。 最初は旦那のほうが冷めてしまったのかと思っていたが、心を閉ざしていたのは妻だった。そこには理由があるのだけど、どんな理由があるにせよ、夫婦が2人で一緒にやっていくと決めたのなら、前を向いて助け合って生きていったほうがいい。憎みあい拒絶し続けるのなら一緒にいる意味はない。旦那が言う「クソッタレな生き方はやめよう」って、そういう事だと思う。 最初のほうに書いたサングラスの隠喩は、もしかしたら、傷つきやすい妻を守る意味だったのかもしれない。傷がつかないようにそっと置き直す、あれは旦那の愛だったのかも。 いろんな意味で、隣の若夫婦は気の毒というか、とんだ災難だったねって感じなんだけど、一応、まるっと収まって最後はオープニングと同じオープンカーの2人。またもやショパンのプレリュード4番が切なく響き、寄せては返す波のごとく・・・繰り返し。この曲、メロディーはほとんど同じ音型の繰り返しで、伴奏だけ半音ずつ変わっていく。これが少しずつ変化していった2人のよう。カタストロフのようなクライマックスを奏でるとまた元のテーマに戻って・・・。メランコリックな旋律がこの物語にピッタリ! で、夫婦の姿はオープニングとは明らかに違う。お互いにチラチラっと顔を見合い、アンジーがブラピの腕を優しくなで、妻が夫を見るカットで終わる。 なかなか味わいのあるドラマでした。[インターネット(字幕)] 7点(2017-08-01 15:45:14)(良:1票) 《改行有》

12.  エスター 《ネタバレ》 「怖さ」というのは色々あるわけで、単純に追っかけられる体育会系の恐怖もコワ楽しいが、本作はヒロインがじわじわと精神的に追い詰められる文化系の恐怖描写が秀逸。 孤児院から養子として引き取られたエスターが、父親に取り入り、妹を手なずけ、対立する兄は恐怖で押さえつけ、母親のことはとことん翻弄して痛めつける・・・といったエピソードが実にうまい。ヒロインである母親(ベラ・ファーミガ)のトラウマ体験など、人としての「弱み」に付け込み、家族間の隙間をグイグイついてくる、その「やり口」のエグさったらない。直接に攻撃するのではなく、「共感」を寄せて懐柔したり「愛情」を装って傷つけたりと、実に巧妙。思わず「ぬぉおおお~」と身もだえしてしまう。 一見、可愛らしい少女が大人を徹底的にイジメ抜くという、その恐怖はまじホラー。被害者は母親なのに、エスターの方が一枚も二枚も上手で、周囲の人間を操作し「悪いのは母親のほう」と思わせてしまうのだ。この辺のヂグジョ~感たっぷりなところをM気質の人には是非、堪能していただきたい。(?) そして、なんといってもオチが素晴らしいです。私は最後まで読めなかった!「犯罪者像」としては適度にリアリティを持たせつつフィクションの荒唐無稽さも絶妙に加味され、実に魅力的なモンスター。エスター役のイザベル・ファーマンという子がまた上手いというか合ってるというか、とにかく彼女の存在があってこそ、という気も。撮り方も上手いんでしょうけど非常に説得力があって物語を強化していたと思う。 とにかく、ここまで魅せてくれたので、ラストのグダグダも許せる。DVDには特典で「もう一つの結末」が付いていて、私はこっちの方が好きでした。「サンセット大通り」(50)の味わい。[DVD(字幕)] 8点(2017-07-23 14:33:41)(良:1票) 《改行有》

13.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 こういうのってやっぱりヨーロッパが舞台でないと成立しなさそうですね。古い街並みがそのまま残っているからこそ、地続きでタイムスリップが出来る。自分はヨーロッパってイタリアしか行ったことないけど、イタリアの街もやっぱり、「外国に来た」ってトリップ感だけじゃなく、其処ここに残されている何世紀も前の建造物のせいで、時代までトリップした感覚に襲われた。この映画はそういう「体感」をも上手く作品世界に生かしているんじゃないかな。そう、これってきっと「テーマパーク」なんでしょうね。1920年代のパリの世界にようこそっていう。オプションで1890年代もちょっとアリ(笑)。 主人公のオーウェン・ウィルソンが当時の有名人たちとお友達になっちゃう妄想全開シーンは、ウディ・アレンらしいペダントリーに満ちていて「やり過ぎ」な感じもしたけど、恋のエピソードはちょっと良い。彼がタイムスリップして出逢ったアドリアナという女性(マリオン・コティヤール)の手記?を、現代のパリで見つけて読んでみたら、なんと自分への想いが綴られていた!こりゃテンション上がるね~(笑)。現代の自分が過去の彼女に影響を与え、また彼女が過去に書いた文章によって、彼が行動を起こす・・・という時間のメビウスの輪の中でグルグルしちゃうような展開に、ワクワクしてしまった。 こういう「大人の妄想」は楽しいですよ。自分も銀座のルパンで飲んでたら隣に太宰治が座ってた、なんてことになったら舞い上がっちゃうだろうなぁ。「アタシも志賀直哉キライ!」とか、まともに読んじゃいないクセにおべんちゃら言っちゃうね(笑)。玉川上水に誘われても行きませんが。[DVD(字幕)] 8点(2017-07-26 18:52:56)(良:1票) 《改行有》

14.  ある日モテ期がやってきた 《ネタバレ》 良いです、良いです。ダサダサのモテない男とルックスも性格もパーフェクトな美女との格差恋愛。下ネタもドタバタもあるけど、全体的にはなかなか誠実なドラマになっていて好感持てます。 主人公カーク役のジェイ・バルチェルという子が良いですね。若い時の松潤を2~3発殴って数日食事与えないで監禁して弱らせた感じのビミョーなルックスで、物語にリアリティを与えてます。で、いつも一緒にいる悪友たちがまた良くこういう顔ぶれを揃えたなっていう面々で、見ててとっても楽しかった。職場が空港で、荷物がぐるぐる回るところ(何て言うのかな、アレ)に並んで乗っかっておしゃべりしてる絵なんて、ホノボノしてて癒される。中でも大泉洋似の子は面白かったなぁ。ホール&オーツのコピーバンドをやってたのも個人的にツボ。名曲「kiss on my list」の熱唱には感激したし、ちゃんとジョン・オーツもいたし(笑)。 男同士ってこういう会話してそうだなぁと思ったのは、「彼女は10点、お前は5点。付き合えるのは2点差まで」なんてセリフ。バンドをやってると1点加点されるらしい(苦笑)。そういうバカ話の中で、見た目は1番冴えない既婚者の男が「誰かに愛されてたら、そいつは10点満点だ!」って真面目に言うのが私は好きですね。もう、臆面もなくそういう映画なんです。「Love Conques All.」愛は全てに打ち勝つっていう、ハリウッドが100万回言ってる金科玉条。最後に女の子が気持ちを話すその内容も、ホントに臆面もない素直な愛の告白で。いやぁ、アホみたいだけどウルッときました。ディープな昭和世代にはこの直球勝負がたまらん。女の生態丸出しな元カノも、愛すべきバカ・ファミリーの皆さんもブラボーです。[DVD(字幕)] 7点(2017-07-28 17:58:58)(良:1票) 《改行有》

15.  SOMEWHERE 《ネタバレ》 車がブーンと走ってぐるっと廻ってまた戻ってきて・・・という冒頭の長回し。この時のカメラ、片側が切れててフレームがオープンになっているので、車が走ってる途中で画面から消えてしまう訳です。この不安定さ、不確実さ。ぐるぐる回ってそのうちピョーンと外側に飛び出していなくなってしまうかもと、ちょっとドキドキしながら見守る数分間は、決して長くは感じられなかった。作り手としては退屈やルーティンの隠喩だったかもしれず(たぶんそうでしょう)、となれば自分の観方が外れているんですが。でも、これが映画の面白さだと思う。そのものが持つ「意味」以上の「意味」を放ってしまうテクストの豊饒さこそが、自分にとって映画の魅力なのです。 そんな訳で、この作品は全篇にわたってそうした「多彩な語り」が散見され心地よかった。何気ないシーンの一つひとつが観る者に様々な感慨をもたらす、余韻と余白に満ちた画作り。こういうの作れちゃうってやっぱりソフィア・コッポラという人は才能あるのだなぁと思う。 まぁ、そうは言っても「セレブ男の孤独の行方」という題材を、どこまで上手いこと料理できてたのかは疑問。泣いて心情を吐露しても高級車を乗り捨てても、この主人公に実存の深み重みは見えない。 なんか、酒と女の日々っていう主人公の日常が、あんまり現実感がなくてキレイなんですよね。生臭くない。ポールダンスなんかぜんぜんエロくない(苦笑)。この感じはヨーロッパ映画みたいで、思えばこの人の作品ってみんなそうかもしれない。すごく冷めた目線。世界を対象化して眺めている感じがする。 娘が対象化されているのはトーゼンで(主人公は父親なので)、目の前に現れたり消えたり、氷上で妖精のようだったりドレス姿で大人の女のようだったり、主人公の日常生活とこれまで纏ってきた価値観を揺さぶる「外部」であるのは、物語の定石で新しくはないんだけど。エル・ファニングの個性がそれ以上の効果を出しているので、とてもスペシャルな時空間を創り上げていて、映画を観る喜びに浸れた。ところが、娘と一緒に過ごす男のほうも「外部」的な気がしたのです。なんかヨソヨソしいというか表層的というか。だいたいスティーブン・ドーフがあんなにカッコいいって驚きだし(苦笑)。そういうところが「物語」としてはどーなのかなぁと思ったりもしたのだけど、ま、最終的には「SOMEWHERE」はそーゆー作品なのだ、それでいーのだってバカボンのパパ風に納得しました。なんとも言えず風合いが良いので。[DVD(字幕)] 8点(2017-07-26 00:42:33)(良:1票) 《改行有》

16.  きみがくれた未来 《ネタバレ》 年若いイケメンにさして興味のない自分はザック・エフロンにも萌えないんですけど、こういう正統派アイドルって良いですね。良くも悪くも作品をその人色に染めてしまうオーラがある。スクリーン上で輝くスターの存在は訳も分からずありがたい気持ちにさせられ、思わず手を合わせて拝みたくなりますな。「ご来光」感覚? 物語の前半で私は「普通の人々」(80)を思い出していたのですが、家族の一員を事故で亡くした家族がその悲しみから立ち直れず崩壊していく様を真摯に見つめていたアチラの作品に比べると、こっちはずいぶんと軽い。墓守の隠遁生活を送る主人公を、街の人たちは「頭がおかしくなった」と噂するのだけど、いやいや、ぜんぜん爽やかな好青年ですよ、「壊れた感」は微塵もありません(苦笑)。この辺ですでに、この映画は本来の物語とは別物になっちゃってるんじゃないかと思う。原作と比べて主人公はずいぶん若いみたいで、世捨て人歴がぜんぜん浅くて青春期の回り道程度の蹉跌。それに加えてザック・エフロンですもん。そりゃもう輝かしい未来が待ってない訳がない。だってザック・エフロンだもん。(理屈になってない) 途中の展開が意外で、なかなか技アリな転調ですが、あとはもう思った通りに気持ち良く話は進んでいく。キム・ベイシンガーとレイ・リオッタの無駄遣いもアイドル映画らしい。2人とも自分の子供のためにこんな端役を引き受けたって言うんだから、どんな「お土産目当て仕事」なんだか。 休日に家族で観るのが調度いいって感じの作品ですね。心がぬるめに温まります。[DVD(字幕)] 6点(2017-08-01 09:52:58)(良:1票) 《改行有》

17.  パパVS新しいパパ 《ネタバレ》 実父と継父が張り合うというシチュエーションで笑わせるコメディ。 面白いなと思ったのは、なかなかの良き夫・良き父親ぶりを発揮している継父ウィル・フェレルを脅かす存在として現れる実父が、Tシャツに革ジャン姿でバイクを乗りまわす「ワイルドな男」という設定。アメリカってやっぱりこういう「マッチョ神話」があるのかなーと思ったのだけど、これはマーク・ウォルバーグがキャスティングされた時点でのキャラ改変だったのか?(笑) パパ対決の内容がさほどブッ飛んでいないというか、どっちかが大金持ちだったらもっとエゲツない物量作戦になるところを、そこそこリアルにやってるのがパンチ力に欠ける気もする。子どもたちの送り迎えや地域での奉仕活動など、子育てパパの「あるある」ネタがむしろクスッと笑わせてくれるって感じなのかも? まぁ、私としては、とにもかくにもマーク・ウォルバーグです。この人、大好き♪ むやみやたらな筋肉自慢にニヤニヤ笑いが止まりません。あそこで片手懸垂する意味あるのか?(笑) 彼の過去作「ブギーナイツ」(1997)や「ロックスター」(2001)に目配せしたようなシーンがあったのも嬉しかった。 あと、脇役のトーマス・ヘイデン・チャーチも、いつもながらのテキトー男ぶりが可笑しい。アメリカの高田純次と呼びたい(笑)。   まぁ、爆笑するようなシーンは一つもなく、ず~っとユルユルなのは否めませんが、ラストで畳みかけてくるアイロニーがけっこうキョーレツで、私はそこがいちばん笑えたので、一応そこ推しってことで。[DVD(字幕)] 6点(2017-07-27 11:29:46)(良:1票) 《改行有》

18.  ウソツキは結婚のはじまり 《ネタバレ》 「嘘」はコメディーの強力なアイテムだなぁと改めて思いますね。最初にとんでもないウソをついてしまった主人公が、バレないために嘘に嘘を重ねてドロ沼にハマっていく・・・というのは、まぁ定番。あとは、役者陣のノリで魅せてくれればそれなりに面白い映画になる訳で、こちらの作品もアダム・サンドラーにジェニファー・アニストン、そしてまさかのニコール・キッドマンという布陣で笑かしてくれます。あ、お子たちも上手でした。 内容はホントにくだらないけど、人の良さだけが魅力のジェニアニがハマリ役で、もう、この「定番」な感じがなんとも気持ち良かった。そしてそして、平凡なコメディーに彩りを添えてくれたニコール・キッドマンには拍手パチパチ。鼻持ちならないイヤな女をがっつりと濃いめに演じててアッパレです。彼女はきっと素がこんなじゃないかと思うけど、カモフラージュのつもりで敢えてこの役を引き受けたのと違いますかね。ラストで「ホントはわりとイイ人」になっちゃうのは、脚本書き変えさせたのと違いますかね。(勝手な憶測) アダム・サンドラーはヘンにキャラ作るより普通の役の方が味があります。それこそ人の良さが滲み出て、なかなかにエモーショナルな演技をする。その意味で、この作品は見やすかった。個人的にウケたのはビリー・ジョエルの歌真似シーン。上手い! コメディー好きな人には安心してお薦めできます![DVD(字幕)] 7点(2017-07-28 19:06:56)(良:1票) 《改行有》

19.  きみがぼくを見つけた日 《ネタバレ》 (すみません、思いっきりネタバレです。未見の方はお読みにならない方がいいかも) タイムトラベルというSF要素を取り入れたラブストーリー・・・なんだけど、そもそも基点がどこにあるのか分からないので、ヘンリーとクレアが恋に落ちる瞬間が分からん。お互いに“真っ白”な状態で出会う時がないんだもの。幼いクレアが恋心を抱くのは未来からやってきたヘンリーだし、青年のヘンリーが誘惑(?)されるのは未来の自分を知ってるクレアだし。ま、いいや、この辺はあんまり考えるのはよそう。 にしてもだ。幼女の時から目つけられて(違うか)、ちょこちょこやってきては大人の男の魅力を見せつけて、ファーストキスも奪って、おかげで彼女はずっと彼氏も作らずにヘンリー一筋だった訳で(青年のヘンリーと付き合い出したときに友達が「初カレ」って言ってたもんね)。で、晴れて結婚しても相変わらずちょいちょいトラベルしちゃう病気(?)は治まらず、クリスマスも新年も一人ぼっち。おまけに妊娠すれば遺伝子を受け継いだ胎児はお腹の中でタイムトラベルして流産。えげつな~。なんだかんだで2人はすれ違い、心が離れかけた時に彼女を慰めるのは過去からやってきた若い時のヘンリー。「浮気じゃないわよ」って、え、そうなのか?で、彼は亡くなった後もときどき過去から飛んでくる。 これって、どうなんですか。クレアは幼い時からず~っとヘンリーという男一人のためだけに生き、心が揺らいだり喪失感を覚える時にも、それを充足するのはヘンリーただ一人なのだ。それは彼が亡くなった後も変わらない。こんなにも「閉じた」世界で生きる女性が果たして幸せなのかどうかと、最後まで心が晴れなかった。同様にエリック・バナの中途半端に伸びた後ろ髪も最後まで気になって仕方なかった。体操の内村選手の後ろ髪も長くていつも気になっていた。最近は短くなったのでちょっと気分がいい。[DVD(字幕)] 6点(2017-08-01 10:11:15)(良:1票) 《改行有》


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