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コメント数 2524
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
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1.  キャッツ 《ネタバレ》  劇団四季版を見たのは今から36年とちょっと前、まだ公演が始まったばかりの頃(グリザベラ役は久野綾希子ね)、ひとつ年上の人とデート。チケット代、ディナー代、パンフレットやグッズ代でひと晩で3万円以上飛んで、当時のアタシには大出費だったわ。  それはともかく、暴言吐いちゃうと元々『キャッツ』ってヘンなハナシなので映画になったってヘンなのは当然ね。  ひたすらエピソードの羅列に終始する舞台版を見た時、映画にするには全体を貫く芯、語り部というか狂言回しになる存在が必要だと思ったの。そしてそれは雌の子猫がいいんじゃない?って。今回の映画版はその通りになっていたので、コレは上手く料理できてるんじゃないかしら?って期待したのだけれど、彼女(とマキャヴィティの行動)以外はかなり舞台版に忠実な映画化になっていて、それゆえにやたらハンパなモノになってしまった感があるわ。  ジェリクルキャッツって何よ? 天上に昇って再生を約束されるって何よ? なんでオールドデュトロノミーがそれを決められるのよ? なんで候補者が基本しょーもない連中ばっかりなのよ? グリザベラがあれだけで全部かっさらっていっちゃうのはなんでよ? 唯一のその名って何よ? ってよく判んないそれらは舞台版そのままよ。っていうか映画版のグリザベラはなんかオドオドし過ぎちゃってて挙動不審で舞台版よりも更にヘンね。  舞台版から大きな大きな変更があったのはアスパラガスとグロールタイガーとの関係性ね。なんでガスがグロールタイガーを倒すのよ?どういうコト?みたいな。グリドルボーンとのデュエットは唯一のラブソングなのに、そこを削っちゃった(っていうか設定自体がおかしなコトになっちゃった)のは残念としか言えないわよ。  そして何より問題は、ネコの姿の表現。不評だった当初バージョンより毛のCGを改善したバージョンだそうだけれど、そんなところが問題じゃなくって。どっちつかずでハンパなのよね。単純にレオタードにネコ耳とシッポだけ付けた、役者さんの顔をきっちり残した状態か、さもなきゃ役者さんにモーションキャプチャーしたフルCGにしちゃうか、どっちかに振りきっちゃえばいいのだけど、半獣半人の『ドクターモローの島』状態になっちゃってて、これじゃクリーチャー映画だわ。  あと、ダンスが重要な作品なのに、カット割り細かくてアップ多くて余計なカットのインサート多くて残念な事に。ダンスシーンではちゃんとダンスを見せてナンボでしょうに。  それでも楽曲は舞台版にほぼ忠実、曲順もほぼ忠実、ってコトで、曲を堪能することだけはできたわ。見たのは字幕版だけど頭の中では四季オリジナルキャストの日本語版で歌ってたわ。曲でワクワクできた、って、でもそれだけかなぁ。しかも映画の役者の人達はみんなあーんまり歌が上手くなかったのよね・・・[映画館(字幕)] 5点(2020-01-24 20:53:53)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

2.  君は月夜に光り輝く 《ネタバレ》  明らかに『キミスイ』の柳の下のドジョウを狙ってるのが見え見えで(監督と主演が一緒だし)、だけどそれでも映画に酔えればいいのだけれど、『キミスイ』には及んでないわ。かなり劣るカンジ。  この映画の最大の欠点は永野芽郁を病院の外に出せないこと。その分、北村匠海が動いてゆくことになるのだけれども、彼の単独行動じゃどうしたって映画のキモチは永野芽郁から離れていっちゃう。永野芽郁も一緒に連れ出さないといけなかったハズなのね。それはもちろん病院から連れ出せないっていう基本設定は守った上で、彼女のキモチとか想いとかを連れてゆく、という。だけど、ソレをクライマックスの感動的な見せ場の仕掛けとして設定しちゃったものだから、そのテを使えず、永野芽郁はコマ切れで登場する状態になっちゃった。  その上、エピソードがいちいち単発状態で繋がりがちゃんとしてないので(もう娘に会わないで→間無し→会いに行っても平気、もう来ないで→間無し→会いたい)流れが生まれず、話が盛り上がってゆかないの。エピソードのコラージュ状態で描いてゆこうとするならば、もっともっとエピソードを重ねるべきだったのかもしれないわ。  架空の病気はあんまりな合成状態でヘンだし。っていうか、二度目の発光はアレ、匠海はもう彼女を逝かせてあげたいと思ったワケ? 屋上出るとヤバいってのを承知の上で光らせたみたいなカンジなんだけど。  それでも見られる映画だったのは北村匠海と永野芽郁って二人の実力、それ以外の何物でもないわ。北村クンは『キミスイ』とキャラカブり過ぎだろ!って状態ではあったのだけどさ。[映画館(邦画)] 6点(2019-06-06 21:30:22)《改行有》

3.  君の膵臓をたべたい(2018) 《ネタバレ》  実写版を見てなければ、も少し楽しめたかもね。  迫ってくるモノが実写版ほどではない、なんとなく軽めな印象を受けたのは、見ているこちらとキャラとの距離が実写版よりも遠く感じたから。  作画はキレイだけど、シャープでありがちなデザインのキャラが、ちょっと冷たく感じられて。も少しキレイなだけじゃない、アクセントのあるデザインだと良かったかな。コレこそがアニメ版『キミスイ』のキャラ!っていう、愛着っていうか、個性っていうか、生命感っていうか、そういうのが足らない感じがねぇ。  あと、実写に比べるとアニメのキャラはどうしても存在感に限界があるんで(実写版の浜辺美波と北村匠海が印象的だっただけに)、それを補う映像の工夫があれば、って思ったわ。山田尚子監督レベルの表現力を求めるのは酷だろうけど。  桜良の家でのちょっと際どいコトになるシーンなんか、劇場版『マクロス』のミンメイのシーン思い出しちゃって、進化してないわねぇ、っていうか、妙にオヤジ臭い視点でヤだわぁ、って思っちゃたわ。  アニメ版の喪失感の弱さなんかは、実写とアニメの違いだけではなくて、脚本や演出の差にもあったようにも思って。アニメ版はちょっといじり過ぎちゃってたかも。『星の王子さま』なクライマックス、アレは「死んでませんよー、生き続けてますよー」って主張してるようで、だけどそこ曖昧にしたから救われるってハナシじゃないしねぇ・・・  でも、実写版には無かったエピソードが色々あって、実写版と合わせて『君の膵臓をたべたい』の世界を更に深く味わうことができたってカンジ・・・やっぱり切ないんだけどね・・・[映画館(邦画)] 7点(2018-09-06 19:41:24)《改行有》

4.  銀魂2 掟は破るためにこそある 《ネタバレ》  『センセイ君主』の浜辺美波と、この映画の橋本環奈と、立て続けに可愛いコの怒涛のヘン顔集を見られて眼福ね。  さて『銀魂2』、前作のノリは健在。沢山スターが出ていて、その中の一部(大半?)の人はとてもおバカな事をしていて、色々とアブナいネタが散りばめられていて、声を出して笑えて。  そして、構成やテンポがイマイチなのも相変わらずで。  福田雄一監督の個性や拘りが、メジャーな作品になっても『女子ーズ』や『薔薇色のブー子』の頃と変わらなくて、それはテンポ崩してまで必要なの?みたいなネタが、主にやっぱり佐藤二朗を中心に。  クライマックスがなんかダラダラと長いなー、って思っちゃったのも前作と一緒。戦いが展開する舞台がかなり分散した状態で、それをバランス良く見せる、ってのはあまりに高度なテクニックだったかな?  アクションシーンはCGも含めてハリボテ感がしちゃったのがツラめだけど、それでも汽車とカーアクションなんかは頑張ってた方かなぁ。邦画にしては。ちょっと悲しいフレーズね、「邦画にしては」って。  今回は真選組が中心の物語で、万事屋銀ちゃんのメンバーはフォローに回ってる感じなので、その点は物足らなさを感じたり。特に菅田将暉演じる新八は出番少なめ?  その分、真選組メンバー、特に柳楽優弥と三浦春馬はとても印象的な、いい感じの存在感で。柳楽優弥の極端な2つの個性の演じ分けが凄いなぁ、って。笑わせて貰いながらも感心しちゃった。三浦春馬は「GACKTみたい」って思ったけど、物語が進むにつれてなかなかに。  全体のバランスを考えると、将軍のお忍び部分がかなり余分な気がしないでもないけど、アレがあってこその『銀魂』だしねー。アニメ版で見てるのでネタは新鮮とはいかなかったけれど、でもあの面々のキャバ嬢っぷりは「実写でやってくれてありがとう」みたいな、実写だからこその面白さで溢れてたし。  でも、ちょっと長かったかなー。もう少し短くても良かったかも。お金かかっててスターもいっぱい出ていて、勿体ないのは判るんだけどさぁ。[映画館(邦画)] 7点(2018-08-19 19:00:39)《改行有》

5.  キングスマン: ゴールデン・サークル 《ネタバレ》  こういう映画ってワリと初日に見に行ったりするのですが、これは前作があんまり好きじゃなかったので割引デーまで待って見に行きました。これが意外にも!ってな展開だと良かったんですけど、なんか前作より酷くなってません?  単純な表現で片付けてしまえば「子供向けのバカ映画に見えるけれど下品さと悪趣味さでどうやら子供向けではないらしい」あるいは「ロジャー・ムーア版のボンドをキタナく汚したような映画」。前作より知能指数下がった感が。  この監督の映画、毎度のことながら人を破壊するように殺すとか、人がただの物体と化すとかを面白がったり、快感を抱いているようで、そしてそれを隠さず、露悪的に見せびらかしてみるようでゲンナリ。そのアレだって、別にオリジナリティある訳じゃなくて、はいはい『エクスタミネーター』ね、としか、ねぇ。  で、その上で今回は脚本がとても雑でいい加減で。  人(や犬)がどんどん死んでゆくのですが、そこにちっとも「気持ち」が感じられないままにどんどんすっ飛ばされてしまう状態で、なんか冷たい映画って印象。  ハル・ベリーが最終的に昇格するまでの過程はセリフで現状に不満を言った、という単純なフラグだけで済まされてますし(アレは現場に出て活躍させてこそなんじゃ?)、主人公がカノジョのパパに暴言を吐いた後の処理がないままに結婚式まですっ飛ばれてされてしまいますし。カノジョが主人公の努力によって救われたのでした、って流れが無いのが疑問です。あと犬の存在がその場限りで放置されたり。  記憶を戻すのにとても苦労したかと思えば、一発で記憶が甦るヤツもいるし、解毒剤は世界中に既に用意されていたり(じゃあ、あの場所までわざわざ取りに行く予定だった東洋人は何故そんなに遅かったの?)、ついでにどう考えても前のめりに転がるであろうゴンドラは急な斜面をあくまで滑り降りる、と。そこは大変にムーアのボンドっぽいですが。  冒頭のカーチェイスなど、もうCG使い過ぎちゃってCGアニメ状態で、なんでもアリ(だが数多のCGアニメ映画の方がよっぽど説得力のある画づくりをしてる訳で)、音響やかましく、汚い映像の羅列じゃ、これもう英国紳士っていう題材がただのギャグ要素でしかなくなっちゃってるんじゃないかと。  過去にちょっとくらい麻薬に手を出しちゃったとしても許してね、って言い訳がましさだけは伝わってきましたけどね。[映画館(字幕)] 3点(2018-01-11 20:39:33)《改行有》

6.  gifted/ギフテッド 《ネタバレ》  叔父さんとお祖母さん、どちらも正しい部分と間違ってる部分とがあって、だから女の子にとって本当に正しい道を慎重に繊細に探ってゆく、のかと思ったら、クライマックスになると悪が正体を現し、叔父がヒーローとなって必殺技を放ち怒涛の都合のいい結末を迎えるという。なんだか雑っていうか、半端なものを見せられちゃったカンジでした。  映画を創る1つ1つの要素がどれもピタッとはまってはゆかず、ゆるゆるしたまま終わっちゃった印象。  叔父さんとお祖母さんがそれぞれに自分のエゴを優先して女の子を振り回す状態なので、どちらも応援できずにひたすら女の子に同情しちゃって、だから肝心のクライマックスで彼女の姿を描かないままに映画の結末を決定付けてしまうのは、ちょっと違う気がしました。結局は大人の都合にばかり目が向いて問題にちゃんと向き合えていないのではないのかな?  っていうか片目の猫のフレッドって存在に女の子の立場や心を映しているのならば、ちゃんと最後までフォローして欲しかったかな。  もしかしたら少女とフレッドを芯にした映画にすれば、名画になったかも?[映画館(字幕)] 5点(2017-12-03 19:37:01)《改行有》

7.  君の膵臓をたべたい(2017) 《ネタバレ》  この映画、当然のように学校のシーンが多いのですが、劇中一度もチャイムが鳴らないのですね。これまでレビューで「青春映画の記号としてのチャイム」の批判を何度か書いてますが、そういう記号的表現を抑え込んでいて、時代や世代を表わすアイテムをやたら画面内に並べるような余計な雑味を排除して、ヒロインを輝かせるように光を操って、とても丁寧に作られています(ちょっと三木孝浩監督作っぽいかな)。  物語は『セカチュー』フォーマットの、よくある話に見えます。一見、恋愛に到達しない、恋愛未満の二人の物語のように思えます。でも、実は男女の性差を超越して、お互いをリスペクトし、遂にはそれぞれが相手と同化したいと願う(それがタイトルにかかっているように)、繊細なコミュニケーションを通して相互に人として高められ、1つの存在へと近づいてゆく姿を描いた、ちょっと哲学的なお話じゃないかな、と思います。だから、彼女に訪れる最期も、一応伏線はあったけれど、それってどうなの?と最初は思ったものの、考えてみれば、委員長の存在と同様に、相互ではなく理解の無い一方的な意思によって壊れてしまう事の理不尽さ、虚しさを描いているのかな、と。  既に二度見ておりますが、一度目は悲劇的であろう到達点は提示されているものの、ほわほわとした、微笑ましい関係に心和む映画でした。でも、物語を理解した上で見る二度目は最初から切なく、でもその儚さに酔えて。  主役2人がとても良いです。陽の浜辺美波と陰の北村匠海がそれぞれの役割を的確に繊細に演じていて。それに大友花恋の不機嫌っぷりも魅力的で。それに比べると大人サイドの人達はあんまりパッとしないのですが、小栗旬のオーラの消しっぷりは凄い技なのかも。  主役2人が大切な話をする、それから僕と恭子が桜良について話をする学校の屋上は、『映画 けいおん!』で卒業式の朝、唯、りっちゃん、澪、ムギちゃんが駆ける屋上と同じ場所で(設定上はもちろん違う学校ですが、そして一方はアニメの絵な訳ですが)、かつて聖地巡礼した経験も手伝って(屋上には出られませんでしたが)、更に感動追加状態でした。[映画館(邦画)] 8点(2017-08-06 19:44:05)(良:2票) 《改行有》

8.  銀魂 《ネタバレ》  映画として評価するとちょっと(かなり)シンドい感じなんですが、っていうか酷いんですが、でも、映画である事、映画の文法がどうこうって、そういう見方はこの作品にはさして意味がないような状態で。「酷い」ってのはこの映画にとっては褒め言葉みたいなものですからねぇ。  元々少年マンガって遥か遠い昔に読まなくなっているので原作未読ってヤツですが、アニメの方は映画館で『完結篇』を見てからテレビシリーズをキッズステーションでそれなりに見てます。で、今回の映画はただのコスプレ映画になってるかと思ったらしっかり『銀魂』だよ!って感じで。  福田雄一監督の良くも悪くもなノリ、アレがそのまんまで、だけどそれが『銀魂』には無問題って状態。福田組の佐藤二朗、ムロツヨシ、安田顕が悪目立ちしてるんだろうなぁ、と思ってたらその通りで、でもこの作品にはアリだし、これだけ脇までキャラ立てまくったら(真選組なんかめちゃくちゃ濃いし)銀さんカスみまくりだろ!って感じだけど、元々そういう立ち位置だし。  千年に一人の美少女ネタを持ってきた上に、その美少女になんて事させるの、って状態だったり、著作権的にグレーっていうか殆どアウトなネタが満載だったり、実写化の弊害をメタ化したり、なんかアニメ版よりもよっぽどフリーダムな事してるっていうか、ワーナー大丈夫か?っていうか。古いオタクが歓喜するようなネタ満載で「役者目当ての若い人ついて来てるか~?」みたいなシロモノですが、まあ、いいんじゃないでしょうか。  ただ、シリアスなシーンはテンポ悪くなっちゃって、特に紅桜戦から高杉戦へと至るクライマックスは山場が分散してダラダラしちゃった感がありました。福田監督の「クドさ」の難点がここで出ちゃったか、って。単騎状態の新八とか神楽VSまた子とかのクドさは良かったんですけどねぇ。  でも全体的にはとても酷かったので良かったです。はい。[映画館(邦画)] 8点(2017-07-16 19:25:12)(笑:1票) 《改行有》

9.  キング・アーサー(2017) 《ネタバレ》  映像や構成のテンポはいいのに全体の流れで見るとタルい状態という。  アーサーが悪政に対して抵抗する決意をするまでが長くて、決意をしたはいいけれどエクスカリバーを使いこなせるように覚醒するまでが長くて、覚醒してからラスボスとの対決に至るまでが長くて。  巨象が城を破壊したり、アクションシーンで時間の流れに緩急が付いていたり、不気味なクリエイチャーが出てきたりと、色々と見せてくれるのはいいのですが、本題部分のテンポが悪いっていうのが大変シンドく。  で、子供がチョロチョロしてて「このガキが更に物語の足を引っ張るんじゃないだろうなぁ?」って思ってると案の定引っ張ってくれて「あーウザいわー」って感じで、なかなか気持ち良くなってくれないんですよね。  あと30分短かったらもっと楽しめたんでしょうけれど。  映画そのものはあまりオリジナリティを感じられません。アーサー王伝説と言うよりは『ロード・オブ・ザ・リング』の世界観、ライトセーバー然としたエクスカリバーを操り覚醒に至る流れはジェダイ風。多分数年経つと自分の中で『エクソダス:神と王』『キング・オブ・エジプト』『ポンペイ』あたりと記憶ごっちゃになっちゃうだろうなぁ、みたいな。  ガイ・リッチーっぷりだけは映像から溢れまくっているので、そこが楽しめれば。  ところで予告編時点で映像見て「これ3Dで見るべき映画」だと思ったのですが、3D上映が4D系ばかりで普通の3D上映が無い状態。仕方なくMX4Dで見ましたが、アレ、それだけのお金を払うだけの価値を感じるモノではないので(4DXならまだしも)、損した感タップリ。3D自体もアクションシーン限定で効果的でしたが、そんなにアクション満載って訳でもないんですよね・・・[映画館(字幕)] 5点(2017-06-20 22:19:52)《改行有》

10.  キングコング: 髑髏島の巨神 《ネタバレ》  映画が始まってわりと早期にヘリ軍団を壊滅させるコングは、複葉機の機銃で殺されたRKO版コングやヘリのガトリング銃で殺されたラウレンティス版コングとは違う生物、つまり怪獣なんですよ、って宣言しています。通常兵器では殺せないのが怪獣ですから。つまりこれは怪獣映画としての『キングコング』。  演出が単調な気がします。アクションパートもドラマパートも同じリズムで刻まれてゆく、一本調子な感じ。肝心のここが見せ場ってところまで。そこはもう少しタメてバーン!って見せようよ、とか思ったり。  だけどドラマパートが極端に退屈だったレジェンダリー版『ゴジラ』に比べれば、ヘンにドラマに重きを置かずにどんどんすっ飛ばしてゆく分、潔いと思います。誰が死んだの?ってくらいに顔も覚えないうちにどんどん殺されまくっちゃいますけど。  物語に目新しい部分はありませんが、そもそも怪獣と人間ドラマは水と油なので、怪獣がドタバタ暴れてる間、人間はただ逃げるのが正しい訳で、その点、ちゃんとしてます。  そこかしこに怪獣映画のニオイを漂わせている中でも(『地獄の黙示録』な一方で、高島忠夫と藤木悠が出てきてもおかしくない世界観)、私が特に東宝特撮モノを思い出したのは東洋人がメイクしてますって状態の原住民。「ワザとだよね」みたいな。あと、意外とラウレンティス版の2作に対するオマージュ入ってませんかねぇ。『キングコング2』なんかにオマージュ捧げる映画ってあんまり無さそうですが。  あと、せっかくなら中国人のおねえさんも色んな事情でただ出てるだけ、じゃなくてちゃんと見せ場を作ってあげて欲しかったもので。ハリウッド映画に中国資本が入って、その分、中国の方を向いてるってのはもう慣れましたしね。  あっちの世界観に合流して更に続きますよ、っていうのがエンドロール後に宣言されますが、どうかヘンに気取らずにレジェンダリーチャンピオンまつりとして、頭の悪い映画で喜ばせて頂きたいものです。[映画館(字幕)] 7点(2017-03-26 22:37:47)(良:1票) 《改行有》

11.  傷物語Ⅲ 冷血篇 《ネタバレ》  延々と執拗に続くヒロインへのセクハラ描写とクライマックスの人体欠損合戦に、結局このアニメの本質ってそこだったんだなぁ、と呆れつつ見ておりました。つーか結局あの「NOIR」に意味なんて無いし。ノワール・・・何が黒いの暗黒なの? カッコだけ。あれ全部削除した方がいいんじゃね?  最終作はそれなりの尺になりましたが大したハナシは残っちゃいない状態でダレます。主人公がキスショットの命を救った事の意味に主人公自身が気付いて戦慄する前半、だけどそんくらい覚悟してなかったんかい、ってな話で一人で何を悲劇のヒーローの如く嘆いているのやら、と。  で、間延びした末の対決で、ご丁寧にセリフで解説されてしまうキスショットの本意の意外性の無さも去る事ながら、最終的な着地点は、つまり、永遠のロリコンの円環の中に閉塞する道。おいおい『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』以前まで退化しちゃったよ・・・  この作品、何か新しい事をしているように見えて、実のところ再生産を繰り返しているばかりに見えます。子供向けでない、エロティックな、或いは残虐な描写でアピールする、そういうのは進化でもなんでもなくて、過去に何度も繰り返された、安易にエログロに走って袋小路にハマるパターン。その先に待っているのは滅亡なので、そっちではない道を探した方がいいと思いますよ?  で、褒められるところがあるとしたら、シネスコ画面にひたすら空虚な背景を重ねてゆく事で、なーんにもないカラッポな世界を描出している点。この作品の本質も実はそんなモンなんですよ、ってシニカルに象徴しているのだとしたら、それはなかなかじゃない?[映画館(邦画)] 4点(2017-02-15 22:47:34)(良:1票) 《改行有》

12.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》   笑いあり、スリルとサスペンスあり、感動ありで程よい感じの青春アニメではあります。  でも、脚本の構造のために歪みが生じているのも事実で。  まず時間を超えて入れ替わっていたという仕組みを隠すために二人が自分の身に起きた異常事態に対して日時の確認をしない、気付く事がない、っておバカになっちゃってるのが残念だなぁと(夢だと割り切ってたりして)。っていうか、スマホの日記アプリ使ってる時点で西暦は明確になりそうなものなのですが。つまりこれ、お利口さんでは成立しない物語なんですよね。  それから映画は三葉主体で始まりながら、クライマックス前は三葉の人格を脚本の構造のために出せない、っていうのも人称のブレを生んで「主役の心が消える長い時間」が生じるゆえの不満感が。  その他、おばあさんが仕掛けの説明のためだけに存在しているので、その説明が終了すると共に用なし扱いになってるとか、お父さんの意思決定が絶対的な〇か×かのみで成立しているけれど、その絶対性が生まれる根拠があまりに脆弱だとか、二人が入れ替わる理屈(システム的な)が結局曖昧だとか、始めに結論ありきで組み立てられているがゆえの強引さが目立つお話ではありました。  組み紐や流星の描く尾が繋がりを示し、開閉する扉が断絶を示すあたりの映像表現は良かったと思います。でも綺麗と言われる美術に関しては、んー、自分的にはラッセンの絵みたいなモンで。キレイですね、以上。みたいな。光と影の魔術師みたいな故・椋尾篁氏とか、深層に触れるノルシュテインとか、そういうトコ、そういう世界が見たいです。空気感、その匂いは希薄に思いましたしね。  モノローグが多用されるのって、「日本」の「マンガ起源」の「アニメ的表現」独特のもので、それをみんなが何の疑問もなく受け入れている状態は果たして良いのかどうか。人称ブレブレになるんですけど、それでいいのかなぁ? 私はそこで今一つ入りきれなかったんですよね。  意外に心よりも(余計な事に)アタマを使う時間が長い映画だったので、評価そこそこ。ひっかかりなく存分に心で見たいものですが。[映画館(邦画)] 6点(2016-09-13 22:33:52)《改行有》

13.  傷物語Ⅱ 熱血篇 《ネタバレ》  『帰ってきたウルトラマン』にウルトラマンが怪獣にバラバラにされるエピソードがありまして、ウルトラマンの大きな生首がドーンと堕ちてくる、って画に驚愕し、しばらくトラウマ状態に陥ったものでした。以降もウルトラシリーズはウルトラ兄弟の首が飛んだり、四肢バラバラにされたりと子供にとってはあまりに残虐なエピソードが唐突に登場し、現在に至るまでウルトラシリーズは自分にとって忌避すべきものとなりました(初代ウルトラマンは大好きなのですが)。後々判った事ですが、それらのエピソードは一人の脚本家特有のもので、つまり子供にそういう残虐なモノを見せたがったのは、その人の趣味以外の何物でもなかったんじゃないの?と。  そんな事を、この映画のヒロインの腸が飛び出す描写を見ながら思い出していたのでした。コレも監督の趣味なんだろうかねぇ?みたいな。映画にとって腸が飛び出る必然性など微塵もありません、っていうかその後の治癒描写では腸の存在が物理的にジャマで矛盾しちゃってるんじゃないかと。  人にトラウマを植え付けたいという悪意からならともかく、純粋にそう描きたいっていう願望からそうなってるとすれば、結構病んでない?  っていうか、この監督も庵野監督同様、私と同世代だったりしますが、この監督も庵野監督もああいうウルトラシリーズ見てトラウマになるより何かに目覚めちゃった系かしら? やーね。  さて、映画は相変わらず自己欺瞞的ですが、状況説明のみでプッツリ終わった前作に比べたら今回は物語が存在しているだけ幾らかマシです。ただしダラダラしていた前作と違って、もの凄いダイジェスト。前作で勿体つけた3人の吸血鬼ハンターとの戦いを、簡単にどんどんと消化してゆきます。3人目なんかあまりに唐突に描写が飛びまくるので次回予告かと思いましたわ。でもそれも、結局はどのあたりを気取ってるのかがありありと見えて、恥ずかしい感じで。  作品から演出家のカオが見え過ぎちゃうのって見てるこっちが恥ずかしくなっちゃうので、自己欺瞞とか自己顕示欲とか自意識過剰とかの「自分自分自分!」って状態は幾分抑えて頂きたいもので。[映画館(邦画)] 3点(2016-09-13 22:17:23)《改行有》

14.  キャロル(2015) 《ネタバレ》  車の窓越しのルーニー・マーラの表情から始まるこの映画、全編象徴的に世界を隔てるものが登場します。窓、車、家、部屋、扉、そしてカメラのファインダー。その内側の繊細で壊れ易い女達の世界と、外側から無神経に境界を踏み荒らし侵害する男という性と。  我がケイト・ブランシェット姐さま、瞳の演技だけで堂々の存在感。だけど視線の演技はルーニー・マーラも負けておりません。二人の揺らぐ視線がその儚げな愛を切なく綴ってゆきます。  ラスト、窓の奥の世界から飛び出したルーニーは男達に囲まれた世界で何も通さず真っ直ぐケイトを見つめます。真っ直ぐ見つめ返すケイト。そこにあるのは全てのフィルターを取り払った真実の愛なのかもしれません。[映画館(字幕)] 9点(2016-04-08 20:05:56)《改行有》

15.  傷物語Ⅰ 鉄血篇 《ネタバレ》  前半、様々なイメージがコラージュされてゆく部分は、それによってモザイク状に作品を構成してゆくのかと思わせましたが、あくまでとっ散らかったままで、後半になると今の日本のアニメの悪癖である声優の長セリフで世界を説明するという毎度のパターンによってあっさりと覆されてしまいます。  となるとそのコラージュはただの独りよがりな遊び程度のものなのかと。それとて前世紀末の『エヴァ』とか『serial experiments lain』とかを思わせるばかりで。赤塚不二夫風や『鉄人28号』もただのパロディ以上のものではないようで。  キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードのキャラは面白いと思います。四肢を切断されて瀕死状態でありながらあくまで高ビー(死語)、だけど実は脆い、って。最初の姿はあまり見られないままにすぐ縮んじゃいますが。  さて、最大の問題は映画として成立していない点。主人公が自分の命を捨てる覚悟をしてまでヴァンパイアを救う事によって始まる物語は、ヴァンパイアの手足を奪った存在について語り始め、ダラダラとテンポダウンして退屈になってきた、と思ったところでぷっつりと終わります。起承転結の承の途中でなんの盛り上がりも起伏もないところで唐突に切れて終了となります。あとは続編を見ろ、と。  これで映画として成立する、お金を取っていい商品だと思った人間は馬鹿というか自己欺瞞の世界に陥ってませんかね?  上映時間64分、特別料金1500円。これまでもシリーズものの、1作では完結しない短めアニメを劇場で公開するパターンはありました。でもそれらは一応1作でも見られる程度にはまとめられていました。これはそこまで到達していません。見どころらしい見どころも殆どなく、物語の流れもなく、映画として〆るための工夫すらなく、ぷっつりと。  それ、なんかカッコいいとか、オレってスゲーとか思いながらやったんですかねぇ。お金払って見てる側からすると何かとっても、みっともない映画っていう感じで。点数なんかあげられるシロモノじゃありません。  アニメファンはいつまでもこういうアニメを認めてちゃダメなんじゃないでしょうか。お金を取る以上、ちゃんとした勝負をしましょうよ、って。入場者特典で釣れば中身なんてどんなモンでも構わないなんて思うような連中をこれ以上増長させちゃいけません。色々な人が不幸になるだけ。[映画館(邦画)] 0点(2016-01-25 20:50:46)《改行有》

16.  岸辺の旅 《ネタバレ》  予告編は黒沢清監督らしからぬハートウォーミング夫婦モノ路線風なイメージを漂わせていて、ここに至って一体どうしたの?って思っちゃいましたが、フタを開けてみれば『回路』の姉妹編と言ってもいいような紛うことき黒沢清作品でした。  死と孤独に囚われ続けた作品群の系譜から見てこれは必然と言っていいような到達点にも思えます。  ボンヤリとした、表情のハッキリとしない、何を考えているのか判らない恐ろしさ、それはこれまであちら側の存在に現れていたのですが、この作品ではそれが曖昧になっています。表情を持ったあちら側と表情のボヤけたこちら側があり、明確な意志を持ったあちら側と意志のハッキリしないこちら側があり、あちら側とこちら側とで光と影が移ろいゆき、その曖昧な境界線が生む空気が独特の匂いを生みます。  シネスコ画面の片側に寄った被写体と、反対側に空いた空間に存在する空気。窓、カーテン、風、そこに居る何か、居ない何か。不安や緊張を煽る筈のそれが、でも今作に至って、もはや心地良さすら感じるのは何故でしょう? そして逆にいつもは癒しのイコンのような蒼井優が、自己の生を主張するかのような彼女が不安で不気味な存在と感じるのは何故でしょう? それは死の孤独を越えた世界が見えるから? 或いは生の中の絶望的な断絶が見えるから? それとも孤独を中心に据えた概念の中では生も死も大きな差のないフィールド上に存在しているから?  旅の終わりは海。道の途切れるところ。その狭い入り江が決して「解放」ではないその先の世界を示すようで寂寥感を漂わせます。  黒沢清監督の創造する美を表現する言葉が思いつきませんが(「頽廃的」っていうのもなんか陳腐で違うかなぁ)、その沈んだ空気に身を委ねるのが心地良い一編でした。って、心地良い黒沢清監督作品っていうのは、ちょっとやっぱりこれまでと違うのかな?[映画館(邦画)] 8点(2015-10-05 22:17:16)(良:1票) 《改行有》

17.  キングスマン 《ネタバレ》  コリン・ファースの退場の仕方、あんなんで良かったと思います? あれ、納得できます?  どうにも面白いと言ってしまえないひっかかりどころが結構あって。  マイケル・ケインは頭部爆発の原因が判明して以降も普通に傷晒していて結果的にどんだけ大穴よ?ってくらいの墓穴掘るし。  サミュエル・L・ジャクソンの思想と計画のオリジナリティの無さ(それは作品全体を貫くモノのオリジナリティの無さに直結します)、その軽薄な描かれ方には悪意を感じるし。  アクションシーンは例によってコマ切れで見づらく。  でも、それらよりも個人的にはせっかくのスタイリッシュなスパイアクション映画がグロテスクな映像とグロテスクな精神で汚されている感じがとても嫌で。  教会のシーンと『威風堂々』のシーンには嫌悪感しか湧きません。アレを笑って見られる神経が私の中にはありません。  007や『それゆけスマート』『おしゃれマル秘探偵』(あるいはそのリメイクの『アベンジャーズ』・・・マーベルのでなくレイフ・ファインズとユマ・サーマンのアレ)などのオマージュのようでありながら、それらが築いた伝統をも汚してしまっているような感覚を受けてしまって。  キングスマンの基本設定は良いのにそれをわざわざバカ映画にしてしまった感じでガッカリでした。[映画館(字幕)] 4点(2015-09-16 22:23:38)(良:1票) 《改行有》

18.  寄生獣 完結編 《ネタバレ》  テーマやメッセージは良かったと思います。人間こそが力で全てを支配する、恐ろしい、地球に寄生する害獣ではないのか?という視点と、人間だからこそ他者に対する愛情、優しさを持ち得る、という視点。そのどちらの極に作用するのもエゴイズムであるという点では同じ。映画を見ていて人間という生物について考えさせられました。  だけど、その描き方がなんだか音痴な気がして。  構成が悪いのか、物語がちゃんした流れになっていないように思いました。寄生生物の侵略が広がるのかと思いきや、内紛で尻すぼみな感じになってゆきますし、ラストは蛇足感が漂います。  寄生生物と人間と、どちらが本当の化け物だっていうの?っていう、その皮肉とも言える対比があんまり上手くいっていないような気がするんですよね。染谷くんが中立な立場と言うよりは優柔不断でどっちつかずでフラフラしているように見えるからでしょうか。  あと、テクニック的に問題がある箇所があって。  市役所の看板を何故ああも何度も何度も見せなければならなかったのでしょう? 一度見せたらそれで判る画作りを出来ていない状態。  それから昭和臭漂う濡れ場の恥ずかしさ。翌朝の画なんか、なんかのパロディ?みたいな、それ、フツーは絶対撮りたくない画じゃないかなぁ?とか思ったり。  パロディと言えば『ターミネーター』『2』からの影響があまりにあからさまなのも気になりました。  そんな中、深津絵里は良かったです。人間を理解しようとし、最後には母として散ってゆく不自然な生物、その儚さ、脆さを上手く表現していました。  前作の正義と悪が闘うアクションもの的な判りやすさから一転して、今作では一体どちらが悪魔なのか?何が正しいのか?を問う内容になったら、力量不足が目立ってしまいました、という感じ。  っていうか、ラストで刃物男と喉を切られた男の存在が全く無かったかのように二人で完結しちゃってるのですが、あれは一体何? そんな事してる場合?って不安で仕方なかったんですが。実はあそこで二人とも死んでて、お空に昇っていったのでした、とか解釈しちゃうよ?[映画館(邦画)] 6点(2015-05-01 22:33:56)《改行有》

19.  君が生きた証 《ネタバレ》  息子を亡くしてなかなか立ち直れなかった父が、息子の遺した歌を通して人と触れあい、人間性を取り戻してゆく、そんな感動的なお話しだと思っていたら。  途中でこれ見よがしではなく、さりげなく入ってくる1カットで、それまでの思い込みが根底からひっくり返されます。それまでに心の中にイメージした、死んだ息子や遺された父母のそこに至る経緯、背景、心境に大幅な修正が必要になる、頭の中にそれまで刻んだこの映画の姿を1から書き換えてゆかなければならなくなる、上下動の激しいジェットコースター人間ドラマ。  その構造はその事実に触れた登場人物達の心境にもシンクロします。  人生を狂わされるとはどういうものなのか、そして自分の人生を生きるとはどういうものなのか。他者の影響と自我と。  真実に翻弄される登場人物同様、見ている側も人の生について向き合う事になる、そんな仕掛けを持った作品。  ウィリアム・H・メイシーはこの素材を時にユーモラスに、時にシリアスに、でも決して大仰に盛り上げるような事はせずに誠実に描いていて、ゆえに後半からラストはじわじわと切なく染みてきます。  感動しました、であっさりと終わらせる事のできない、後に様々な思いを残す、一筋縄ではいかない映画でした。[映画館(字幕)] 7点(2015-04-06 22:56:57)《改行有》

20.  96時間 レクイエム 《ネタバレ》  『96時間』の新作が見たかったのであって『逃亡者』モドキを見たかったわけじゃないのよ?みたいな。  「元妻が殺され、その殺害容疑をかけられた男が警察から逃げながら真犯人に迫ってゆく」って、ほぼ『逃亡者』な話なわけで、これまでに比べるとブライアンが受けから攻めに転じる転換点がとっても後の方になってるんですね。おいおい、いつになったら悪いヤツをボコりまくるんだよ!ってストレス溜まります。  その構成のために敵の描写がとても浅く、これまでで最も小物な敵になっていて。その上、更なる真相が、みたいなのも、ねえ。  とりあえず、ここ一番ってとこで白ブリーフはないよねぇ。もう全部白ブリーフに持っていかれちゃうもん。後の印象が「白ブリーフの映画」になっちゃう。  リーアム兄さん安定のアクション映画ではあるんですが、コレ!って個性は薄いところが残念。いや、そのバカっパパぶりは健在だったので、その点ではステキ。  マギー・グレイスをいつまでも「可愛い娘」として引っ張るには少々無理がありますが・・・[映画館(字幕)] 6点(2015-01-25 21:00:17)《改行有》

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