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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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21.  原子怪獣現わる ゴジラの元ネタ映画としても有名なこの映画。まさにレイ・ハリーハウゼンここに在り、といった感があります。低予算映画の負い目を感じさせない、全編に脈動するイマジネーション。ハリーハウゼンのイニシャルRHを名前にもらった「リドサウルス」、それはまさに怪獣の代名詞。その後のSF映画にどれほどの影響を与えた事か。戒厳令、なんてあたりはちょいと時代を感じさせますが、ラストのジェットコースターのシーン、迫力と哀愁をあわせもつこのシーンこそ、怪獣映画の魅力を世界に知らしめた不朽の名シーンと申せましょう。褒めすぎたか?8点(2004-07-02 22:40:44)

22.  現金に手を出すな この映画を楽しむためには、何と言ってもまったりした前半でつい眠ってしまわない事だ(そりゃそうだ)。3分の2くらいは実にまったりしております。しかしジャン・ギャバンが猪木の闘魂注入ばりに連続ビンタするあたりから一転、ぐっと緊迫感が高まり、ここまで来るともう寝てしまう事はない(笑)。映画前半を支配するのは「生活感」(もっとも、エレベーターで上がってくる敵を待ち伏せするシーンなんかでは、後半を予告するようなキレのある描写も)。この生活感と後半の緊迫感との対比が、映画の見どころの一つ、なんでしょうけど・・・どうですかねえ、金塊を手に入れる発端のエピソードをもっと丁寧に描いていれば、映画における金塊の存在感、金塊に対する主人公たちの思い入れが、もう少し強調され、映画の自然な流れと説得力が増したのでは、という気もしたのですが・・・出過ぎた事を言いました、忘れて下さい(笑)。後半、機関銃で敵に立ち向かうジャン・ギャバン、でもスーパーヒーローなんかじゃなく、やっぱりただのオジサン(目つきはちょっと悪いが)、身のこなしはあくまで重く、立ち上がる時にも「よっこらしょ」ってな感じ。人間臭さに味わいがあります。8点(2004-05-16 01:48:08)(良:1票)

23.  現代やくざ 与太者の掟 「現代やくざ」というタイトルですが、菅原文太演じる主人公はむしろ古風なところのあるヤクザで、その彼が、仁義も何もあったもんじゃない現代的なヤクザ組織に立ち向かう、といった趣向の作品。 それにしてもまあ、様々な登場人物が次から次に、出るわ出るわ。仮釈放で出所した主人公が、電車内でスリに遭う、無賃乗車を疑われているところを通りすがりの男に助けられる、パチンコ屋では隣の台の刺青師のオッサンと知り合いになる、オッサンの元に刺青を入れにチンピラがやってくる・・・と、まさに次から次に脈絡なく人物が映画に登場し、ちゃんと彼らが皆、ストーリーに絡んでくるのが、スゴい。なかなか巧みな脚本、ではありますが、こんなペースで登場人物を増やし続けて、果たして無事に若山富三郎の登場まで辿り着けるかどうか。 菅原文太の出世作とも言われるだけあって、暴れ回る姿、その勢いは格別のものがありますが(いや、いつもこんな感じかな?)、山城新伍が追われるシーンなどで傾けられたカメラなどは、まるで深作欣二作品かと思わせる鋭さがあって、映画自体が勢いを感じさせます。 一方で、菅原文太が単身、殴り込みをかける決意をする場面、子分に対する厳しい表情が一種だけ和らぐあたりなどは人情味も感じさせ、こういう部分は降旗康男監督らしさ、なのかな、と。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-10 22:47:54)《改行有》

24.  結婚案内ミステリー 某御曹司の婚約者のフリをして欲しい、というよくわからん依頼を受けた渡辺典子が、よくわからん事件に巻き込まれる。というオハナシで、ストーリーだけみるとだいぶ強引で無理矢理な感じがアリアリと見て取れるのですが、そのまま開き直って突っ走っているのは悪くないです。ストーリーがツマラナイからといって、映画自体が面白くないとは限らない。 ガランとした洋館の雰囲気。その中で繰り広げられる、若干グダグダで強引だけど意外性アリと言って言えなくもない展開。 ちょっとゾンビ映画、入ってます(?)。[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-16 23:17:33)《改行有》

25.  原子力戦争 Lost Love マスコミが、カメラさえ持ってりゃ市民は自分の味方、何でも許されるとばかりに、非常識な取材して、わざわざ相手を怒らせてはその映像を正義ぶって垂れ流す。というのは、どうも好きになれないのだけど(というかキライなんだけど)、そういうシーンが、フィクションの映画の中に、突然ドキュメンタリー風に挿入されると、これはかなりのインパクトで、さすがに驚いてしまう。 警備員に撮影を止められる中で、飄々と演技を続ける(いや、もはや演技かどうかもわからんけど、自らの役割を体を張って、しかしあくまで飄々とこなす)原田芳雄が、頼もしいというか何というか。スゴいなあ。 音楽は、大御所の松村禎三。ライブエレクトロニクス風に、電子音と楽器演奏が絡み合う、不安を誘う音楽の一方で、シューマンの「子供の情景」を引用したと思われる素朴な音楽が流れる場面もあり、それ以外の場面では虫の声、波の音、風の音といった自然音が音楽の代わりに取り入れられて。 ラストシーンではこの3つの音楽の要素が重ねられるも、不安な電子音だけが、最後に残る。この不気味さ。[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-07 22:40:10)《改行有》

26.  刑事物語5 やまびこの詩 シリーズ最終作、もうあまり中身も無い気もするのですが(事件自体はかなりどうでもいい内容)、その分、スッキリはしております。 若き日の鈴木保奈美のレオタード姿で有名な作品でもあり、だいぶヘタなダンスだったという記憶があったのですが、久しぶりに見てみたら、いや、意外にちゃんとしてまして(これ以上を望むのは、ちょっと酷かと)。 それより、このレオタード姿があればこそ、武田鉄矢演じる片山刑事の短足ぶりもいつも以上に目立つというもの。ずんぐりした体型で一生懸命走る姿に、「らしさ」が溢れてます。 とりあえず事件はさておき、賀来千香子と鈴木保奈美が適度に襲われて、武田鉄矢がそこに絡めればそれでいい訳ですが、後輩の殉職などもそこに加わり、彼らの関係に変化をつけます。この殉職事件、全体的には物語の中で収まりがやや悪いですが、雨の中、後輩のフィアンセに一言も喋らせなかったのは、ナイスプレーだと思います。 このシリーズ、オチャラケの部分は多々ありますが、格闘シーンはあくまで本気モード、月並みですがその落差みたいなものが、やっぱりイイですね。 そして本作、ラストの駅がいい。他に乗客のいない夜の電車がいい。[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-06 11:14:59)《改行有》

27.  K-19 エンドロールのクレジットを眺めてると、音楽を演奏してるのが、キーロフ管弦楽団及び合唱団、指揮ヴァレリー・ゲルギエフ、なんて書いてあってビックリ。音楽にも「ロシアの響きが欲しい」ってコトなんですかね。なんという贅沢。ま、正直、聞いててもまーったく気づきませんけれども。このオケは今では“マリインスキー劇場管弦楽団”という名前のハズなんですが、わざとソ連時代の名前でクレジットした、ということなのかどうなのか。 キャスリン・ビグローはこの後、めっきり「リアリティ最優先主義」みたいになっちゃって、面白味に欠けてくるのですけれども、本作はまだ、実際の事件に取材しつつもしっかりとエンターテインメント作品になってます。すでに少し「実話」に引きずられてる中途半端な印象も無くは無いですが、そもそもおよそ軍人らしからぬハリソン・フォードを艦長役に据えている時点で、リアルさとは相容れないものがあり、ハリソン・フォード自身は抑えた演技でリアリティに貢献しているつもりかもしれないけれど、やっぱり節々にチャラい身振りが出てしまう、そういったあたりの微妙なバランスは、作品の魅力にもなってます。 米大統領役も演じたことのあるスターの彼が、ソ連原潜の艦長役。まあ、「ソ連のことを悪く描くつもりはないんです」という作品の姿勢の表れ、なんでしょうか。 潜水艦内という閉鎖空間での原子炉事故、というサスペンスに加え、人間同士の対立などもあって、作品には緊迫感が溢れていますが、一方で中盤の、乗組員たちが氷上でサッカーに興じる光景などには、心和むものがあり、印象に残ります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-15 21:15:47)《改行有》

28.  ゲーム・オブ・デス(2010) 100分足らずと、短くまとめてきたのがまずイイですね。でもオハナシ自体がコンパクトであまりスケール感も無いもんで、実は30分もあれば十分だったりして、という気もしてきちゃう。導入部の教会のシーンなども、単なる埋め草エピソードみたいに思えてくる。でもこういう部分に何となく、主人公のワケ有り感。 そういやウェズリー・スナイプスって、もう少しワルそうな顔していた印象があるんですけどね。この映画ではあまりワルそうではなく、何となくやっぱりワケ有り顔をしていて、こうやって見ると何となく吉本新喜劇の小籔座長に似てるような似てないような。 で、途中、何となく(←しつこい)危機に陥ったりもするけれど、どういうワケだか主人公だけは敵に殺されることがなく、いやまあ確かに主人公が途中で殺されたら困るのだけど、主人公があまり相手にされていないようなホッタラカシにされているような印象があって、イマイチ頼りない。 一方で、単なる脇役かと思われた女医さんが結構ガンバって、場をつないでくれますけれども。 それでも何でも、アクションシーンに魅力があれば大抵のことは水に流せちゃうんですけどねー、せっかくウェズリー・スナイプスが主演しているのに、コマ切れカットの寄せ集めなもんで、これ本人かなあ、代役っぽいよなあ、というモヤモヤしたアクションなのが、残念でした。 <22/2/13追記> 改めて見たら、オモシロかったです。6⇒7点に変更します。ゴメンナサイ。 モノクロ映像を挿入したり、多重露光風に映像を重ねたり、イロイロと映像をいじってるのが、どこまで効果的かはともかく、セリフを省略して物語をスピーディに進めることに貢献しているのは確か。↑教会のシーンが埋め草、だなんて、トンデモないこと書いてましたね。スミマセン。教会なりバスケなりの場面にラストで回帰することで、比較的コンパクトなこの物語が、より引き締まったものになってる、と、今回は見てて感じました。いや、悪くないと思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-03-03 17:43:33)《改行有》

29.  決斗!一対三 西部のならず者ウェス・ハーディン自身の自叙伝に基づき、ホントはそんな悪い人じゃなかったんだよ、という、「真説」というか「異聞」というか、そういう体裁。その自叙伝が渡される場面に始まり、自叙伝からハミ出て映画が終わるというメタな構成が、ミソですね。自叙伝の内容には主観によるバイアスがかかっているかも知れないけれど、そんなことはどうでもよくって、自叙伝を書いたことまでを含めた「ある男」の姿を描いた、あくまでそういう作品。 とは言っても、観る限り、作品のメインを占める過去のパートも、(どこまで実際に無法行為に手を染めたかはともかく)特にこの主人公を美化した内容でも無さそうでして、まあ、十分にロクでも無いヤツですね。その主人公を、ロック・ハドソンが演じていると、何だか“ふてぶてしい新入社員”みたい(笑)。 邦題の「決斗!一対三」ですが、中盤で「あわや一対三の決闘になりかけた」というだけです、ハイ。敵のヤラレ役は、ああこのトンガッた顔、リー・ヴァン・クリーフ。『真昼の決闘』に続くヤラレ役。そういやこの「決斗!一対三」という邦題も、『真昼の決闘』を意識してつけられたものなんでしょう、きっと。 という訳で、尺の短い作品ですが、B級な決闘モノではなく、意外に大河なオハナシ。過去における主人公と父親の確執、現在における主人公と息子の関係、といったあたりをしっかり押さえていて、コレだったらもうちょっと長い作品に仕上げてしっかり楽しめたらよかったかな、とも思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-14 08:49:40)《改行有》

30.  刑事物語 《ネタバレ》 シリーズ第1作、ハンガーヌンチャク誕生秘話(という程でもないけど)が描かれてます。そう、この武器はたまたま敵の商売道具としてそこにあったもの。これがもし、敵の商売がほかのもの、例えば・・・すみません、面白いコト何も思いつきませんでした。 それはともかく、ユーモアあり、アクションあり、涙ありの、娯楽作品、にしては少々モッチャリしたところもありますが。それでもこの作品、物事の「微妙な境界」という事に関しては、よく押さえています。例えば、“個室付き特殊浴場”を取り上げることで、性的な要素を描いておりますけれども、不幸にも風俗産業に身売りされ不本意に働かされているヒロインを描く一方で、必ずしも不幸一点張りでもない(むしろある種の自信すら感じさせる)ヒメコさんという風俗嬢も登場させてみたり。片山刑事が女子高生に説教とも懇願ともつかぬ語りかけを行うのも、倫理というべきなのか、それとも単なる願望というべきなのか。ヒロインに喫茶店の仕事を進める際、片山は、(風俗店と違って)キチンとした真面目な仕事、と言うのだけど、風俗が不真面目であるかのような言い方の一方で、風俗に救いを求める片山の姿もあったり。しかし、必要悪として風俗産業を全面的に認めてしまえば、その先にはやっぱり様々な不幸が生まれるだろう、ってのが今回の事件でもある訳ですね。 世の中、そういう線引きの難しさってのがあり、ときにはその境界において矛盾とも向き合わねばならないこと。本作では、もうひとつ大きな問題が取り上げられていて、障がい者であるヒロインと、彼女を思いやる片山刑事とが、描かれるのですが、相手を思いやる気持ち、支えてあげたい気持ちというものが、どこまで相手を尊重することでありえるのか。これについては、ラストの片山の、一抹の悲しみを湛えた祝福と反省の言葉によって、作品のもうひとつのテーマであったことに気づかされます。いい映画です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-26 16:13:41)《改行有》

31.  刑事物語2 りんごの詩 金田一耕助とジャッキー・チェンを足して寅さんを掛け合わせたような、この片山刑事。演じる武田鉄矢の「本気度」ってのがやっぱり作品を支える魅力ですよね。格闘シーンだってお涙頂戴のシーンだって、その表現のためには自らの肉体をこれでもかと酷使する。その表現を支える脚本もよくできていて、恋人との距離が縮まっていく過程とか(昼間、農業試験場に赴くが彼女と会えない⇒その晩、彼女の方から警察署の方へ)、少年との交流とか(片山はここでは「追い求められる」立場にもなる)、それらが絡み合いながら事件が焦点を結び、クライマックス(およびそこでの名セリフ「ちがーう木のやつぅー」)へと繋がっていくあたりとか、実にスバラシイと思います。あとはもう少しおカネをかけてもう少し丁寧に撮られていたら、なお良し、といったところでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-06-15 22:56:08)

32.  激突!殺人拳 『トゥルー・ロマンス』における本作の登場、というのは、千葉チャンがプレスリー並みに神格化された瞬間であった訳ですが。それはともかく、千葉チャン主演のカラテ映画。なかなかエグい。眼つぶし攻撃は当たり前、キメ手は相手の肉体の一部をエグリ取る。なるほどこれは“殺人拳”。千葉チャン演じる剣琢磨、カネのためならどんな悪事も厭わないが、それ以上に、強いものにはガムシャラに向っていく、反骨の男。そんなワケで、物語はホンコンの五竜会とのまさに血で血を洗う抗争となっていくのですが、例によって例のごとく、敵役にはアヤシゲな怪人の数々が登場してバラエティに富んだ死闘が展開されます。しかしこの剣琢磨、日頃の不埒な行いが祟って何かと恨みも買っているもんで、演じられる死闘もだんだんワケがわからなくなってきて、最後はもう丸投げみたいに唐突に終わってしまう。このカタストロフ感が、最高です(笑)。しっかし、千葉チャンの披露する格闘アクション、さすがと言えばさすが、なのですが、本格感を出そうとするあまり、隙の無さを演出するあまり、脇を締めすぎた体勢でやや動きが小さくなっちゃってる感じもします。ここは今後の課題でしょう(今後って?)。でもその分、しっかりと「顔芸」でカバーしております。千葉チャンの気合いが溢れ過ぎるひたすらアヤシゲな表情に、ご注目。[DVD(邦画)] 7点(2014-05-19 21:35:11)

33.  ゲットバック 8年前、強盗団のリーダー格だった主人公、1000万ドルを盗み出すものの逃走に失敗、ひとり刑務所へ。刑期を勤め上げ出獄した主人公、しかし彼を恨みに思うかつての強盗仲間が、彼の娘を誘拐し、金を要求する……。こういう題材で、観る者をシビレさせようとしたら例えば、銀行強盗のシーンが前半と後半で2回ある訳ですから、韻を踏むように両者を関連させて描くのがよいでしょう。ただし、2回目は、1回目を踏襲しつつも、より絶望色を強め、悲愴感を伴って描く。しかるに本作。そういう構成上の計算なんて興味無し、「同じコト2回見せてもしょうがねえ」とばかりに、2回目の強盗シーンは単なる「新しい手口の披露」の場と化してます。実にアッケラカンとしてますねえ。とりあえず次から次に色々見せてやろう、これが本作の姿勢。ニコラス・ケイジの姿を描き続けても、そんなカッコよく動ける訳ではないから(彼が「走る」シーンが何度も出てきますが、そのうちのひとつのシーンで、我が家の幼稚園児が「おそい!」と言ってました。私も同感です)、埋め草的に、娘が脱出を試みる描写なんかも適度に混ぜ込んでみる。いや、悪くないと思いますよ、言ってみりゃ、埋め草だけを繋いで映画一本作っちゃった、という感じでもありますから、この手腕、これはこれで大したもんではないでしょうか。こういう映画も世の中に必要なんです、きっと。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-10-05 09:55:45)(良:1票)

34.  現代やくざ 人斬り与太 『仁義なき戦い』前夜、とも言うべき作品。文字通りの「仁義なき」生き様、アナーキーな愚連隊の姿を、エネルギーあふれる深作演出で暴力的に描き切ってます。しかしまた、大きな組織の狭間で、彼らに向こうを張ろうとして目一杯背伸びをし、敗れ去って蹂躙されていく主人公の姿が、なにやら先の大戦で敗戦した日本の姿そのままのようにも見えてきて、なかなかに切ないものがありますな。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-25 08:53:57)

35.  ケオマ・ザ・リベンジャー 独特の詩情あふれるマカロニウェスタン。いや詩情というより、“なんちゃってポエム”なところのある作品で、ちょっとモヤモヤしています(ムヤミに挿入される回想シーンとか)。フランコ・ネロ演じる主人公ケオマ、長髪にボサボサのヒゲ、見るからにヒッピー。正直、キタナイ。マカロニにありがちな、主人公へ問いかけるような(あるいは主人公にツッコミを入れるような)ナレーション代わりの主題歌が頻繁に挿入されるけど、これまた、歌ってるのが「中島みゆき」としか思えない瞬間が多々ある。そうなりゃもう、“なんちゃってポエム”というより、“なんちゃってニューシネマ”とも呼びたくなります。という本作。伝染病の蔓延により隔離された、とある町。主人公ケオマが、とある女性を助けたことから、町を支配する連中との戦いが始まる。始まると言っても、ポエム入ってて、なかなか盛り上がらない。なんだこの凡作は、と観ててちょっとイライラしてきた頃、本作は突如、本領を発揮します。ランボーよろしく、銃弾のベルトを両肩にかけたケオマが仁王立ち(ランボーというより、『赤ちゃん泥棒』のあのボロボロ男みたいですが)。わずかな味方とともに、大勢の敵を相手に一大銃撃戦を展開。いや~なかなかやりますね。でこれがクライマックスと思いきや、さにあらず。その後ああなってこうなるのですが、皆さんの目でお確かめ下さい……。しっかし、ボサボサのケオマが車輪にハリツケにされている場面をみると、「ああ、イエス・キリストをモチーフにした設定だったのか」と。だもんで、あの「兄」たちも、「3人」でなければいけなかったのか、と。いや、そんな納得の仕方ではまったく納得のいかない作品なので(笑)、あまりこだわらないことにいたしましょう。ラストの強引すぎるセリフも、納得はいきませんが(笑)、名言です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-08-18 15:56:29)

36.  源氏九郎颯爽記 白狐二刀流 幕末の世に現れた白装束のヒーロー、源氏九郎。義経の子孫だそうですが、本当は宇宙人か何かなんでしょう、この浮世離れ具合は半端じゃありません。時代劇なのにフラメンコが演じられたり、西部劇の無法者たちのように空に向ってピストルが乱射されたり(なぜか戦う時には撃たない?)、脇役が勝手にコントを始めたり、何でもありあり、展開も異常に速く、まさにゴッタ煮状態。SFですね、これは。しかし、展開が異常に速くとも、ただ漫然と速いのではなく、キメるシーンはしっかりキメてくれる。そして、細かいやり取りを織り込むことで、得てして脇役悪役の方がイイ顔をしていたりするのです。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-11 10:54:55)

37.  拳精 《ネタバレ》 あまりにも残酷あるが故、少林寺に封印されていた武術書が、謎の忍者に盗まれる。で、その武術をマスターして武術界の盟主の座を狙う男に対して、例によって修行をサボってばかりいるジャッキーが、(例によって妙な)武術をマスターして立ち向かう訳ですが。ジャッキーにその武術を伝授するのが、何ともアホらしい白塗り白タイツ姿武術の精霊(宇宙人かもしれない)。ちょっと、8時だョ全員集合に時々出てきた“すわしんじ”を思い出させますね。この辺りのやりとりが、実に実にクダラナイのですが、こんなクダラナイ映画なのに後半のアクションのすごいこと、よくこれだけ一生懸命できますね。十八羅漢との死闘、ジャッキーの悲壮なまでの表情が印象的です。そして最後の少林寺での闘い。そのままひたすらアクション全開で行くのかと思いきや、ここでまたギャグに戻ってしまう。またこれがクダラナイんだけど不本意ながらもつい笑ってしまいます。しっかし。最後に明かされる意外な真相、なんですけれども、えー、アンタが真犯人なんだったら、別に武術書盗み出す必要もないやんか。ってか、今の地位にいる時点ですでに目的を果たし終わってると思うんですが、どうでしょうか。面白いからいいけど。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-12-25 05:06:54)(良:1票)

38.  迎春閣之風波 元の時代も末期。乱世の中、立ち上がる抵抗勢力に対し、これを抑えようとするリー閣下。繰り広げられる戦の裏ではスパイ活動も盛んに行われている。折りしも、抵抗勢力からの機密文書横流しの情報を受けたリー閣下、彼の一行は、文書の受け取りに向かうが、そこにあるのは、“迎春閣”なる一見の安宿。と、ここまでが冒頭のナレーションによる前置き。この迎春閣が、実は抵抗勢力側のアジトであり、女将、美人(?)女給たちも、まあ一種の秘密エージェントみたいなもんですな。というわけで、以降、映画のほとんどは、迎春閣が舞台となり、ここにアヤシイ人々が次々に現れるのですが、まあ、あんまし物語に関係ない人も多く(笑)、そのゴチャゴチャぶりが結構面白い。いかにも安宿らしい、不味そうな料理、酒、そして博打。その庶民的カオスの中、繰り広げられる小競り合いと諜報活動、しかし、リー閣下の到着により事態は一変、そして・・・。クライマックスのカンフー活劇は、なかなか見応えありですが、それにしてもリー閣下、強すぎ、悪役のくせに一人で大活躍。彼を取り囲み、よってたかって襲い掛かる主人公たちの方がなんだか卑怯者に見えてきて、どちらが善玉でどちらが悪玉やら。という盛り上がりを見せ、映画は大団円をむかえるのでありました。[地上波(字幕)] 7点(2008-01-20 08:29:57)(良:1票)

39.  ゲド戦記 『ゲド戦記』と言いながら存在感の薄いゲドに、つい、「ゲドは何にもせん気?」などととつぶやきつつ。まー要するに「“駿”氏に引導を渡した“吾朗”氏が、“ゲド鈴木プロデューサー”のバックアップを受けつつ、この世を乱すイジワルな“観客”=クモ様をやっつける」という痛快ストーリーなのかな、などとも思いつつ。いずれにせよ、野心作に憧れつつも野心作になりきれなかったような、小ぢんまりした印象は否めない作品であります。スケール感の欠如は、脚本に原因があるんじゃないのかな? 別に壮大なストーリーである必要は無いけど、人物関係の面でも時間的広がりの面でも、作品世界が伸びないのがもどかしい。例えば回想シーンを挿入するとか、例えばイジワルオバサン2人組を別の日・別の機会に何度か登場させるとか、こんなちょっとした事でも、映画の広がりを演出することって、できるんじゃないかなあ。そもそも、セリフというセリフがいかにも「状況説明」に徹している、このギクシャクぶり。こいつが一番もどかしい。“遊びのセリフ”みたいなものがもっとあればいいのになあ・・・(私ごときド素人がこれ以上生意気言うと恥の上塗りなので、そろそろやめよう)。しかし、アニメというものには、「絵が動く」という事自体に感動してしまったりするわけで、本作の緻密な動きや緻密な光の描写には、やっぱり感激を覚えてしまうのであります。背景に流れる不気味な色の雲が、印象的でしたね。それに、高名なる父と同じ道に踏み出した監督の勇気には、まず拍手を送りたい。実は、映画の中で一番感動したのは、エンドクレジットの「宮崎吾朗」の名前を目にした瞬間だったりするのです(ナゼか涙が出そうになった)。[映画館(邦画)] 7点(2006-11-04 01:45:41)(笑:1票)

40.   《ネタバレ》 思いつめ自ら命を絶った主人公、彼が必要としたのはあくまで自己完結、それのみであって、ラストシーンで剣道部員達が彼を理解し共感しようとするのは、余計な通俗化のようにも思えたのですが・・・ふと考え直して、これはこれで、映画らしい終わり方なのかもしれないなあ、などとも思ったり。映画の中で描かれる剣道部のトレーニング風景は規律正しく、非人間的でメカニックな動きのシーン。一方のラストシーンは、部員達が道場に静かに佇むシーンであり、主人公の一貫性を重視した生き方のもつ非人間性を象徴するシーンでありながら、映画全体の動的な印象とは対照的な、静的なシーンとなって、映画を締めくくる。確かに、こういうラストも、アリかもしれない。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-06-17 22:46:02)

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