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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. コンタクト 《ネタバレ》 地球外生命体との接触という題材を通して、個人と宇宙とを1つの次元で語った素晴らしい映画でした。クライマックスで「ずでー」ってコケちゃった人も多いでしょうけど。壮大な規模の宇宙描写が少女の瞳の中に集束するオープニングが、この映画の全てを語っていると思うのですが、外に向っているように見えながら、実は人の内なる宇宙を見つめる映画だと思います。愛、夢、後悔、神、信仰、そしてコンタクト=他者との繋がり。エリーは実のところ、他者とのコンタクトが下手くそな人間で、それはエリーの心の中に刻み込んでいる孤独のせい。最愛の父を亡くした事、それは自分の選択によっては防げたかもしれないという後悔。エリーが辿る事になる旅は、心の中への旅でした。そこで最大のトラウマだった、父の姿をした「意志」に諭されるワケです。「お前さんはひとりで育ったワケでもなきゃ、ひとりぼっちでもないよ」って。広大な宇宙に意志が溢れているように、内なる宇宙、心の中にも他の人の意志っていうのが溢れてるんだよ、と。つまりこの映画、宇宙的規模でひとりの女性の心を描きました、という映画だと思うんです。宇宙人話だと思えば女一人の半生記、「見事!やられた~」って感じでした。[映画館(字幕)] 9点(2003-12-04 00:39:03) 2. コン・エアー ニコラス・ケイジが寡黙過ぎて、ドラマを感じるもなにも、ちっとも何にも伝わってこないんですけど、と思いました。あと、このテの映画のパターンで、警察側があまりにマヌケ。だけど、細かいコトはどーでもいーや、って感じのアクション映画ですから、ただなーんにも考えずにあはは~、って見ていれば、ワリと楽しめます。そうそう、だんまりケイジが唯一、まだ見ぬ娘のために買ったぬいぐるみにこだわるあたりは好きです。まあ、新しい娯楽アクションの世界に出会って感動!ってな事は全然ない映画ですけど。6点(2003-12-03 23:57:26) 3. コーリャ 愛のプラハ 子供をダシに使ったベタベタ感動系映画かと思ったら、子供とおじちゃんの関係を通して近年の東欧・中欧に訪れた大きなうねりが描かれてゆく、意外にも硬派な映画でした。バブルと不景気くらいのうねりくらいしか体験してない近年の日本とは違って、劇的変化を遂げていった世界で生まれるドラマは、ちょっと切なくて、そして温かくて。人は対立する民族や国を恨んだり憎んだりしますが、でも、子供に罪はないのですからね。争いなんかする前に、まず子供の目を見ろ、という事ですね。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-03 23:02:05) 4. コピーキャット 《ネタバレ》 途中、本筋とは全然別のところで唐突に殺されてしまう相棒刑事、なんだか物語を整理するために処分処分っ!て感じがしてしまったんですけど。そんな粗雑な作りの映画だけに、全体の印象もガサツ。捜査側が、犯人に迫ってゆく過程が欠落しまくり(というかちっとも迫ってゆかず、正直なトコ無能)で、犯人の方からこんにちわ、って状態では、もはやマトモなサスペンスは望めません。主役や、主役を守る側が、ちっとも上手く動いてくれないもどかしさ、それを材料にしてサスペンスでござい、っていうのは、レベル低いなぁ、って感じました。あと、これだけ画面に密度のないシネマスコープも珍しくて、余白が空間の広がりや孤立感を高める効果を意図しているというワケでもなく(安易にアップになったりしますし)、ビスタサイズで撮れば?みたいな感じでした。[映画館(字幕)] 4点(2003-12-03 22:11:38) 5. コップランド 《ネタバレ》 「耐えて耐えて、耐えまくってクライマックスで爆発!」というスタイルの映画なのでございますが、その「耐え」のじらしと「爆発」のタイミングを完全に見誤っているとしか思えず、わたくしは、いつまでも、ぐじぐじと悩み続けるスタローンに「いい加減にせい!もういいわ!!」と映画に対してさっさと『つまらん映画認定証』をお贈りしておりました、という感じでございます。スタローンに演技力というモノがございましたならば、その忍耐のドラマに共感もさせて頂いた事でしょう。でも、物わかりの悪い、ただの愚鈍な方としかお見受けできない彼に、なんの共感がありましょう? 「お前なんぞとっとと撃たれちまえ!」というような、少々不謹慎な感情すら喚起させてしまう演技と演出と脚本のハーモニーは、デ・ニーロやカイテル、リオッタなどの個性派の出演に泥を塗って、更に十分余りあるものでございました。[映画館(字幕)] 4点(2003-12-03 21:55:48) 6. ゴジラVSモスラ 小林聡美がちっとも笑わせてくれない! なんとゆーコトでしょう。それだけでも悲劇(まあ「廃市」とゆーのもありましたが)。さて、えーと、バトラのデザインが思い出せない・・・頭の中のメガギラスがジャマをする・・・ま、いっか。映画を見ていて、安易なサラリーマン批判、企業批判はどーかと思いました。サラリーマン経験のない医大生上がりの監督(つーか、この映画では脚本)に、サラリーマンの悲哀が判ってたまるかぁぁぁ!みたいな。映画って、大量の資源を消費して作られてるんだから、エコロジーを叫ぶ映画って矛盾しちゃいますしね。「あんたらはいいんかい?」みたいな。そういうトコが、世の中の端っこで生きてる映画屋さん達の限界なのかな。映画製作作業は高尚な啓蒙作業なのだから、そもそも庶民とは違う次元での活動なのだよ、とでも思ってるのかなぁ。やーねー。[映画館(字幕)] 4点(2003-12-03 15:49:13) 7. GODZILLA ゴジラ(1998) ゴッズィラがニューヨークの窓の外をうりうり歩いてるトコまでは名作でした。メインタイトル部分は秀逸だし、その予兆、痕跡の描写はワクワクするし、「街中に突如として現れた信じられないモノ」の描写は楽しいし。なので、そのままうりうり歩いてニューヨーク観光して、海に帰る、という展開だったら10点あげた事でしょう。「ゴッズィラってばクールだぜ!」って。中盤以降は、ただの動物災害映画ですからねぇ。ゴッズィラ、そう魅力的なイグアナじゃないですし。ゴジラ? そりゃ東宝製の、中に人が入る着ぐるみの事でしょ?[映画館(字幕)] 3点(2003-12-03 15:14:27) 8. 心の旅 ハリソン・フォードって、ふっと力を抜いた時に、ただの呆けたおっさんに見える事があります。特にインタビューに答えている時なんか。なのでこの映画のハリソンって、素に近いんじゃないか、なんて思ってしまったり。本当の幸せってなんだろう?って映画なのですが、結末に至って、それで本当に幸せなの?って聞き返したくなるような物語。デートムービーの安全牌だと思って選んだ映画は、大抵において失敗するという教訓を私に残してくれた映画でもあります。[映画館(字幕)] 5点(2003-12-03 14:56:34) 9. ゴールデンボーイ(1998) 《ネタバレ》 キングの中でもジミめな印象の原作を、更にジミに映画化してみました、みたいな感じの映画ですねぇ。じわじわと来る恐さ、というのがキモな筈なんですけれど、それが伝わってきません。会話だけでもそれを伝える事は可能だと思うんですけどね。で、その上で原作と違うラストは、また随分と小さくまとめちゃったなぁ、って感じ。あそこで爆発しないで、爆発の導入くらいも見せないで、ちょこっと予感だけさせただけで終わり、じゃ原作読んでる身からするとどうしても「ありゃ~」って。あと、コケおどしな過剰サウンドをガガーンって鳴らしてるのも「あーあ」って感じでした。今時、なんでそんなに古い技法を用いるんだか。[映画館(字幕)] 5点(2003-12-03 14:43:05) 10. 交渉人(1998) 当時の評判ほどには楽しめませんでした。主役二人の駆け引き、対決は面白いんですけれど、途中の銃撃シーンなんか、ダレ防止用でしょ?なんて意地悪な事考えたりして。それに、背景に存在する陰謀が言葉だけで語られるので具体的な悪の姿がちっとも見えてこず、クライマックスは唐突な感じ。もっとも、作劇上、そこをしっかり描く、って訳にはいかないのですが、やり様はあったんじゃないかなぁ?と思います。結構長尺なワリには、一切退屈しないで見られる映画ではありますが。6点(2003-12-03 14:15:06) 11. 恋におちたシェイクスピア 《ネタバレ》 シェイクスピアをネタにしたコメディ、という印象でした。いかにして彼の作品が生み出されていったかを、結構テキトーな解釈で面白おかしく描き、一方でみんなが困難を乗り越えながら、一つの舞台を作ってゆく群像劇でもあり、よく出来たファンタジーだなぁ、って。黄門様のような、貫禄たっぷりの女王ジュディ・デンチの登場でケリが付くまで、たっぷり映画の面白さを堪能できました。新しい地をぐんぐん進んでゆくグウィネスの姿を見ながら「ああ、創作とはかくも雄弁にして豊潤なり」と満足(大ゲサ)。でも、ちょっと三谷幸喜臭を感じたのは私だけかなぁ。[映画館(邦画)] 8点(2003-12-03 13:43:35)(良:1票) 12. ゴースト&ダークネス 宣伝だとまるで未開の地に鉄道を敷く苦労物語、みたいに思えるのに、実際の中身は「ジョーズ」の流れを汲む映画でした。宣伝ミス?「ジョーズ」タイプとしては良く出来てる方、って感じで楽しめました。もう少しライオンが怪物っぽさ爆発!(全長8メートルのライオンとか、口が裂けてて牙が100本くらい並んでるとか)な方がいいんだけどな、とも思いましたが、実話の映画化ですから、そうもいかないんでしょうね。6点(2003-11-22 16:31:25) 13. ゴジラ2000 ミレニアム 最初の15分間は凄いです。「うわぁ、こりゃ『ゴジラ』の、いや、日本の怪獣映画の新しい夜明けだ!」と感激します。でも、そこまで。短距離ランナーがいきなりフルマラソンに出たかのような、グデグデの展開に唖然。物語がどんどんウソくさくなって、退屈で、目をそむけたくなるようなデジタル合成が出てきたりして、見るべきところが、ミニチュアセットはワリと良くできてるね、くらいになって。東宝はゴジラを神格化し過ぎなんじゃないでしょうか。[試写会(字幕)] 3点(2003-11-21 15:50:19)
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