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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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21.  さよなら子供たち 子供たちの友情が淡々と描かれる中で、森の中を子供とともにカメラが駆け抜けるシーンが幻想的で、印象に残ります。で、その日々は、突然、ナチスによって断ち切られちゃいます。その瞬間は直接理解できない程深い衝撃。戦争を含めた、人生における不条理さに対する怒りみたいなものが、かなり抑えられた表現ですが、よく感じられます。オールヴォアール、レザンファン、仏語知らない私でも、さすがにこれは判る。グッときます。9点(2003-08-24 12:01:05)

22.  ザ・ブルード/怒りのメタファー 「何のこっちゃ」な邦題ですが、映画を見ればこれが意外に「どストライク」な邦題であったことに気づきます。 映画の内容の方も、あくまでホラーでありファンタジーなので、こういう事が実際に起こり得るかどうかは問わないことにし、細かい部分まで納得のいく説明がなされているかも問わないことにすると―――そういう事を問うのは元々、野暮というものだけど―――「何のこっちゃ」な展開かと思いきや、最後まで見ると、邦題のコンセプトに沿ってそれなりにまとまった内容であり設定であったことがわかります。 にも拘らずこの作品には、気持ち悪さ、落ち着かさなさ、といったものが横溢しています。何とも言えぬ、割り切れなさ。 前触れなく、突然、映画に登場する襲撃者。映画の中でその正体は明かされるものの、この最初に登場した時の「いる訳のないものがいた」「見てはいけないものを見てしまった」という感覚、これがずっと尾を引いて、最後まで何とも言えぬヤな感じが続きます。確かに、「怒り」の象徴としてこの異形のものたちは存在するのだけど、そういう可視化された「怒り」の裏には、可視化しきれない人間関係のドロドロしたものが渦巻いている。もっとも近接した人間関係である家族、その家族の中にすらドロドロが渦巻いている、という落ち着かなさ。わかっちゃあいるんだけど、それをこうやって映画で突きつけられると・・・。 音楽はハワード・ショア。まだキャリア初期の仕事だと思いますが、これまたなかなかに落ち着かない音楽を響かせて、ヤな感じをしっかり増幅してくれます。[インターネット(字幕)] 8点(2023-09-02 13:17:54)《改行有》

23.  斬、 池松壮亮演じる主人公も、塚本監督演じる浪人風の男も、どちらも剣の腕前は超一流、滅法強い。後者は、普段は穏やかで冷静ながらも、いざ剣を抜くべき時には剣を抜く、実に頼もしい男。であるのに対し、前者の主人公はと言うと、人に向けては頑なに剣を抜こうとしない、過剰なまでの煮え切らなさが、何とももどかしい。 しかし、結局は、二人が剣を持ち、そして強すぎるが故に、理不尽な戦いに向かわざるを得なくなる。それは、この二人だけではなく、主人公の弟分にも当てはまるかもしれない。 という筋立てに対し、登場人物たちが現代的な台詞回しで話すのを聞いていると、これは一種の寓話なんだろう、と思えてきます。国家が武力を持つが故に、戦争が起こって悲劇を迎えざるを得ない、ということ。 それが頭に浮かんだ瞬間、若干、鼻白んでしまうのも事実なのですが、しかし。 冒頭の刀鍛冶のシーンに始まって、劇中、刀を抜く、或いは鞘に収める音を克明に捉えてみせる、剣のイメージ。肉体損壊を伴う、凄惨な殺傷の描写。といったものが、山奥の静かな村で展開される、その様は、寓話であるか否か以前に、充分に我々に迫ってくるものを感じさせます。 そして、虚構の世界であるが故に、登場人物の死は、多かれ少なかれ、その本人の存在感を彩るものとなるのだけど、逆に言えば、映画の中で死なないことほど、むごい罰は、無いのかもしれません。 80分ばかりの短い作品ですが、濃密な世界でした。[インターネット(邦画)] 8点(2021-04-14 07:21:27)《改行有》

24.  ざ・鬼太鼓座 《ネタバレ》 ドキュメンタリ映画って言うと、きっと何か主張したいコトがあるんだろうと身構えてしまったりするんですが、この作品は、特に主張したいコトは無さそうで。 ってか、ドキュメンタリってのとはちょっと違いますね。決められた動き、決められた人物配置、作り込まれたパフォーマンス。日常的なシーンもあるけど、何となく嘘くさい(笑)。 しかしこの、圧倒的なパフォーマンス。非日常の、物凄さ。一柳先生の電子音楽が非日常感をさらに煽りつつ。背景の説明も紹介もなく、没入的な世界がこれでもかと繰り広げられます。特にあの、真下から捉えられたフンドシ姿。いやこれはちょっとマニア過ぎですかね。特にあの、商店街での凄まじいばかりの演奏。人間と思えん。ははは。 最後にようやくメンバーがテロップで紹介されると、その一人は今をときめく林英哲さんだった、というオマケつき。あ、ネタバレ表示しておこうっと。[インターネット(邦画)] 8点(2021-03-04 22:03:33)《改行有》

25.  座頭市喧嘩太鼓 いつにも増して差別用語が飛び交い、いつにも増して激しい斬り合いが行われる、ような気がするシリーズ第19作。 まず冒頭、渡世の義理から、何の恨みも無い見知らぬ男を斬る羽目となる座頭市ですが、本作の狂言回し役である藤岡琢也の一味が最初に男の家に飛び込む場面では、オフの音声などを用いて断片的にその争いが描かれ、それに続いて座頭市ひとりが男と対決するシーンは、仁義を切ってから相手と斬り合うまでを長回しのワンショットで描く。これが何ともカッコいい。 本来ならそこでお役御免、というところですが、そこに男の姉である三田佳子が現れ、例によって例のごとく・・・と言ってはナンですけれども、彼女と座頭市との微妙な関係(もっと微妙でもよかったか、と思わんでもないけれど、何せ80分少々の映画なので、ある程度は割り切る必要が)、座頭市に男を斬らせたオヤブンの悪辣ぶりが描かれていきます。そんでもって、座頭市のライバル格、好敵手の剣豪が、佐藤允。う~む、このヒト、剣豪顔と言えばそうかもしれないけれど、途轍もなく「空気読めない感」みたいなのが出ていて(『転校生』なんか、特にそうですね)、ま、確かに、少なくとも、只者ではないな、と。 という、只者ではない(けどあまり強そうではない)ライバルとの死闘が、本作のクライマックスとなります。いやこのヒト、強いんです、きっと。羽根つきの羽根をいきなりスパッと斬って見せる、ああいう意味のない行動が、いかにも剣豪らしい、んです。きっと。 ってな訳で本作、最後まで見せ場が多く、三田佳子がヒロイン、というマイナス要素を差し引いても(?)、座頭市映画の魅力を堪能できる作品でありました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-11-28 01:39:01)《改行有》

26.  ザ・バンク -堕ちた巨像- 《ネタバレ》 主人公が戦う相手であるところの悪の組織が「銀行」、ってのが、なかなか不思議な設定でピンと来ない部分もあるのですが、実在した銀行をモデルにしてるもんだから(これをちょっとモジっただけの劇中の銀行名からも明らか)、仕方ないっちゃあ仕方ない。というより、そういう社会派っぽい複雑な背景を匂わせることで、複雑な事件の解明よりも、「何が起きるかわからない」という雰囲気作りに軸足が置かれており、これがサスペンスとアクションにうまく繋げられています。国際犯罪らしく、舞台が世界各地を転々とするのも見どころ。 冒頭の車内でのミラーを介したやりとりによる不穏な空気、事件の証人の突然の死。これまた突然ナオミ・ワッツに襲いかかる犯人のクルマ。中盤の暗殺シーンなど、狙撃の描写自体の緊迫感だけにとどまらず、事件を二段構えの構造で描くことで、事件の謎の深さ、悪の根深さ、みたいなものも感じさせます。 そして何と言ってもあの、美術館における壮絶極まりない銃撃戦。それまでの静かな緊張感との対比、まさに空気が一変、いや、激変。その修羅場の中でも、映像アートが淡々と流れていて、対比を際立たせます。 正直、社会派作品に対する期待をもって本作を観てしまうと、あまりしっかり整理されておらずに肩透かしの印象を持つことになるかも知れないですが、むしろ、社会派の枠組みだけを利用して、巨悪の持つ不気味さを描いている点、「上手い」と言ってよいのではないでしょうか。 エレベータ内のシーンでは、カメラが主人公たちを正面から捉えたその奥には鏡があって、背中から鏡に映った彼らの前には(そこにあるはずの)カメラではなく、「エレベータの閉まったドア」が確かに存在している。こういうのも、なかなか心憎いです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-21 17:48:52)《改行有》

27.  ザスーラ 『ジュマンジ』の続編と言ってよいのかどうか、宇宙冒険モノに置き換えただけの同工異曲、ハッキリ言ってそのまんま。いや、『ジュマンジ』の面白さが、事件がドンドン積み重なって騒動が加速度的に広がっていく点にあったことを思うと、この『ザスーラ』はその点はやや弱いんですけどね。 でも、それでも面白いのが、この映画。二番煎じの作品すらこれだけ面白くしてしまうなんて、つくづく『ジュマンジ』って、偉大だな。ドウェイン・ジョンソン主演のヘンな続編の存在を差し引いてもなお、偉大なんだなあ。 で、この『ザスーラ』ですけれども、ゲームの駒を進めるだびに古ぼけたカードが飛び出してきて、その安っぽい感じと、その後登場する、ロクでもない「何か」とのギャップが楽しくって。その「何か」はいつも、外からやって来る。何がやってくるのかというワクワク感。いきなり展開するSF的世界。ただ、実際にはそのSF世界にはどこか安っぽさが漂っていて、チープさという点では、実はあの古ぼけたカードともシンクロしているような。 で、ゲーム開始早々から、騒動全開。舞台となっている邸宅を、ひたすら破壊しまくる。いきなりこんなに壊して、家が持たないのでは、と心配になるくらいに壊しまくり、しかも破壊はどんどん加速する。このペースで破壊が進むと、映画の途中で家の外観は元の形状を全く留めないであろう、という予想とは裏腹に、どういうワケか、家は外観を保ち続け、だけど破壊もまた容赦なく進んでいき、際限のない破壊と、それを受け止め続ける、宇宙空間を漂う邸宅。ハッキリ言えば、デタラメなんですけどね、しかしそのデタラメさが実に痛快。 宇宙飛行士の正体、なんかも、ほとんど説明を放棄したような強引さで、でも納得させてしまう。このヤンチャな勢いの良さは、『ジュマンジ』に勝るとも劣らない、と言ってよいのでは。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-10-21 21:22:26)《改行有》

28.  さすらいのカウボーイ 《ネタバレ》 ロードムービー風ですが、むしろ、ロードムービーの終盤の「旅の終わり」の部分にスポットを当てたような映画。 旅する3人組、その一人が射殺され、命を落とす。何でも、他人の妻に襲い掛かろうとして、成敗されたらしい。残された二人にしてみれば、おそらくは納得いかない話なのだけれど、反論する術もない。それが放浪者の、運命なのか。 ってな訳で、残された二人のうちの一人、ピーター・フォンダが、ついに妻子の元へ帰ってくる。というオハナシ。 しかし、娘は母より、父親はすでに死んだと聞かされており、彼が父だとは思っていない。妻も、夫の不在中には使用人と寝床を共にしていたらしい。もはや父親失格、使用人と何ら変わらない立場。 だけど、そういう人間関係がドロドロしたものとしては描かれておらず、むしろ、大自然の営みの一環であるかのように大らかに描かれていて。 予想に違わず、主人公は、ウォーレン・オーツとのさすらいの生活と完全に縁を切ることはできず、またそこには、ニューシネマらしい「悲劇への誘惑」みたいなものがあって。 悲劇と言えば勿論悲劇なんだけど、それらすべてを抱擁するような、大らかさ。それが魅力ですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-09-06 20:05:18)《改行有》

29.  座頭市鉄火旅 《ネタバレ》 仕込み杖の刀に寿命がきて、もうあと一人切ったら、折れてしまう、という設定が、劇中で無闇に殺陣を演じることへ制約を与える一方で、シリーズに新たな色合いをもたらしています。刀の秘密を知るのは、座頭市と東野英治郎演じる刀匠、ただ二人。周囲は「これがあの座頭市か」と一目置いておべっかを使いまくり、しかし実際にはあの刀にはもはや頼れない、という、何とも言えない居心地の悪さ。 一方で、悪玉の親分がしゃべろうとするのを、マッサージ中の座頭市が首を振り回してマトモにしゃべれなくしてしまう、なんていう悪乗り気味のギャグをかましたりもして。 東野英治郎との関係も作品に微妙な変化を与えていて、座頭市は彼のことを信頼しているようだけど、ホントに信じていいのかどうなのか。「これは師匠の作だ」とか言って仕込み杖を借りたはいいけど、もしかしてそのままパクろうとしてるんじゃないの、とか。でもこれがしっかりと、重要な伏線になっている。 クライマックスでは、新たな剣を手に、ここまでのうっぷんを晴らすかのようにダイナミックな殺陣が繰り広げられます。本作の音楽は、伊福部昭ではありませんが、怪獣映画のような音楽をバックに、ノシノシと路地裏に踏み込んでいく座頭市の姿は、迫力ありまくりです。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-05-06 17:41:55)《改行有》

30.  ザ・ファン 《ネタバレ》 野球選手の熱狂的なファンが、選手の息子を誘拐し、ホームランを打つよう脅迫する、という、それはそれはツマラナそうな題材なんですけど、蓋を開けてみりゃ、これが妙にオモシロかったりするのです。 まず、ウェズリー・スナイプス演じる野球選手が、結構、ダメダメで、そんなゴルフの練習やってるくらいなら、ちゃんと野球の練習しろよ、と思っちゃうのですが、おかげで開幕から何だかグダグダ。でも、それに並行して、野球大好きダメ親父のロバート・デ・ニーロの、それ以上にどうしようもないダメっぷりが描かれており、ダメさ加減では数段上を行っており、もう、気持ちいいくらい。前半はこのダメダメ感だけで、お腹いっぱいになってきます。 そんでもって、便所でウェズリー・スナイプスとベニチオ・デル・トロがケンカしているのをデ・ニーロがこっそり見てる場面。普通に覗き見るような描き方ではなく、天井の歪んだ反射を介して描いているのが、いかにも病的で、アブナイ感じがよく出ています。 スナイプスの家の周りを徘徊するデ・ニーロ。溺れかけたスナイプスの息子を助けたことから、二人は知り合うことになりますが、「服が濡れたので着替えが提供される」、それがユニフォームだというだけで、どうしてここまで居心地悪さを感じるのか。小ネタながら、よく効いてます。 その後、二人が野球をする、というのもヤな感じですが、さらにはそこでの二人の会話。相手がどういう人間か知らないスナイプスは、これまた気持ちいいくらい、「この男にそんな答え方しちゃダメでしょ」というダメ回答を連発してくれる。すべて大正解、と言っていいでしょう。 ほとんど誰も予想できない、というよりはほとんど誰も期待していない、意外なラストまで、なかなかスリリングな展開でした。 スリリングといえば、やっぱりあの、客席の大観衆の存在が、映画を盛り上げていますね。スタジアムが、まるで古代の闘技場のように描かれています。野球選手は現代のグラディエーター。といったところでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-04-13 20:35:01)《改行有》

31.  座頭市兇状旅 《ネタバレ》 川べりのボロ家を刺客たちが取り囲むクライマックス、このシーンだけでも、ああ観てよかったと思わせるカッチョ良さ。 と、ロケシーンも良ければ、屋内シーンもやけにキマってて。 本作、ニセ三船敏郎みたいな浪人のライバルが登場して、剣豪らしい雰囲気をビンビン感じさせますが、いやこれがホンモノのミフネだったら、どういうキャラか想像もつきそうなもんだけど、何せニセモノだけに(と、勝手にニセモノ呼ばわりしちゃってますが)、敵なのか味方なのか、好敵手なのかそれほどでもないのか、見当がつかないのが、かえって面白かったりします。 で、虚しさあふれる結末を迎えたあと、座頭市は陽気にふるまってみせながら去っていきますが、盲目である彼の手に、もはや仕込み杖はなく、一体どこへ向かって行けばいいのか、何とも言えぬ寂しさが漂います。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-02-26 21:07:04)《改行有》

32.  三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 邦題にヘンな副題がついているので、きっとデュマの小説とは関係ないんだろう、とか思ってるとさにあらず、ダルタニアンと三銃士との出会いから律儀に描いてたりして、意外にちゃんと「三銃士してる」なあ、と。ただ、もちろん、あの迷走気味の原作よりは、だいぶスッキリしてますが。 それにしてもコレ、面白い。活劇ってのはこうやって撮るんだよ、と自信満々に撮ってて、実際これだけワクワクさせてくれるんだから、もはやなんだか腹が立ってくる(笑)。実写アクションとCGとの使い分けが、実にお見事で、ありとあらゆる場所を舞台に、奇想天外なオハナシを奇想天外に楽しませてくれます。 続編を匂わせるラストは、勇み足でしたかね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-11-25 21:20:59)《改行有》

33.  ザ・コンサルタント 「目で語る」とか「背中で語る」とかいうのはあるけれど、「アゴで語る」男、それがベン・アフレック。いや、ご本人もそんなつもりはないのかも知れませんけど、とにかくイイ感じに「ワケ有り感」が出ています。 彼がワケ有りなら、彼を調査する側の女性もワケ有り。で、その二人が別々に動いたまま、その人生が直接に絡み合う訳ではないんだけど、微妙な関係を保ち続ける。 そんな感じで、登場人物それぞれが過去に負い目のようなものを抱えながら、直接・間接にクロスしあう。というのが、「ああ、映画でこういう手もあったんだなー」と、妙に感心させられました。 アクションが乱発される訳ではないので、それなりに地味な印象もありますが、ベン・アフレックの好演もありなかなかのキレ味。ただし体格的にややモッチャリした感じもしてしまうのですが・・・[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-06-23 13:27:55)《改行有》

34.  ザ・ウォーク 《ネタバレ》 とりあえず何だかイイ人ばかり出てくるのが、いいじゃないですか。しいて一番困ったヒトを挙げるとしたら、それは主人公自身なんですけど、その彼が我々の方を向いていかにも人懐っこい表情で語りかけてくるもんで、憎めません。 そんでもって、物語の方も、主人公の起こしているのは大事件に違いないんだけど、まあ、それを除くとあまり大きな波乱もない訳で。映画の半分くらいはその決行の日の描写に割かれていて、ようするにこれ、壮大なる「バカ」ですね。大いにあきれつつ、大いにワクワクしてくる。 映画の最初の方で、主人公が路上でパフォーマンスする際にマルを地面に描いて、この中は自分の領域だ、と主張する。この「自分のエリア」ってのが本作のモチーフの一つになってて、クライマックスでは目もくらむ高さに張られたロープの上、なんていうトンデモない場所、トンデモ無さすぎる場所が、トンデモ無さすぎるが故に、他人には不可侵の場所として示される。これぞ、究極の自由、ですな。 こういったモチーフの取り扱いは、一種の伏線としての「映画の作為」なんでしょうけれども、一方で、「実話っぽさ」が持つ強みみたいなものもあって。決行前の屋上に突然、一人の男が現れ、主人公を咎めるでもなんでもなく、去っていく。一体誰なのか、何がしたかったのか、何にもわからないんだけど、「実際にそういう男が現れたんだから仕方がない」と言われりゃ確かに仕方がないわけで、こういう、何だかわからんアクシデントってのが、また面白いんだなあ。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-04-02 20:49:52)《改行有》

35.  座頭市果し状 《ネタバレ》 いつも通りの量産型大映時代劇(これは決して悪い意味ではないのです)の雰囲気ではありますが、志村喬がいて、待田京介とか、それこそ小松方正なんかもいたりするゴチャマゼ感、多彩な顔触れが楽しいところ。 座頭市が志村喬演じる医者と一緒に居てるんだなーと思ってたら、今回の敵の一味には手裏剣や銃といった飛び道具を使うヤツがいて、そんな奴らを相手にしてはさすがの座頭市も危ういのではないかと思っていたら案の定、銃で撃たれて深手を負ってしまう。ああ、だからそもそも志村喬が医者役だったんだな、と妙に納得。だけどここで、待ってましたとばかり志村喬が治療する場面になる訳ではなく、あえてその前に、座頭市が自分の刀で自ら弾丸を摘出するシーンを入れてくるのが、意表をついているというか、ちょっとした変化になっていて、上手いんですねえ。 中盤、勝新が、手元を見ずにお猪口に酒をピタリと注いでみせる、こういうでの場面のスゴミが、盲人である座頭市が飛び道具を操る一味と互角に渡り合うスゴミや得体の知れなさとも繋がり、そしてクライマックスにおいて血塗れのまま敵地に向かう座頭市の姿の凄まじさにも繋がっていく。そこで展開される殺陣もこれまた凄まじく、まさに大殺戮。東映の任侠映画みたいでもあり、こういう点でもゴチャマゼ感覚があり、いや、楽しいではないですか。[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-12-02 16:16:53)《改行有》

36.  座頭市喧嘩旅 クライマックスでのヤクザ同士のニラミ合いなんかを見ると、もしかして『用心棒』にだいぶ影響されてるのかな、と思う一方、やっぱり大きく異なる雰囲気というものもあって、本作のユニークさというものは、もちろん座頭市というキャラの特殊性にも起因するし、それ以上に本作が一種のラブストーリーになってる点が、ミソですね。 座頭市、盲目という割には、初めての場所だろうとどこだろうと(カメラが回っていないところでは)独りでスタスタ行ってしまったり、時々自分が盲目であることを忘れてるんじゃないか、とも思うのですが、それでもやっぱり、この設定と、この所作が、映画におけるアクセントになってます。普段の不器用な印象と、凄まじいばかりの殺陣のコントラストに、少し恋愛模様のようなものが加わってくる。そこにさまざまな人物の思惑も加わっての思わぬ展開にハラハラさせられつつ、一大抗争へと発展していくあたり、なかなかの盛り上がりです。[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-18 18:44:14)《改行有》

37.  座頭市血笑旅 座頭市の命を狙う5人組の男たち。思わぬ成り行きから、赤ん坊を父親のもとへ送りとどけることになった座頭市なのですが、赤ちゃんネタは鉄板ネタ、という訳で、例によって例のごとく珍道中と相成ります。そしてこれまたひょんなことから旅の伴となった、一癖ある女性。赤ん坊と女性の2人に座頭市が振り回される姿がユーモラスです。 それにしてもこの赤ん坊、名優です。コロコロ転がってるだけなんですけれども、観てる我々の頬を緩ませる。いやお見事。 イカサマ賭博を見破るシーンなんかもスゴイですね。座頭市のネチッこい喋り方に、突如、短いカットでの剣捌きが挿入され、ハッとさせられるのですが、ここでは座頭市が赤ん坊を抱いて簡単に身動きのとれないシチュエーションであるだけに、このシーンの意外性も倍増しています。 クライマックスでは、火のついた松明を持った敵に囲まれ、決死の死闘が繰り広げられます。座頭市の衣装にも燃え移り、まさかこれは怪獣映画でキグルミが延焼している場面みたいな「撮影事故」ではないのか、と思うくらいにハラハラさせられ、そんでもってあの、炎に照り返された座頭市の白目を剥いた表情、その迫力たるや。  ところで金子信雄さんは、髪が生えてると若く見えますねえ。それでもしっかり、ワルそうですが。[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-08-16 07:43:07)《改行有》

38.  最前線物語 第2次大戦下のヨーロッパを転戦していく、軍曹と4人の兵士。なぜか彼らはうまく生き残り、残ったら残ったで次の戦線へと送られてしまう。とりわけ優秀という訳でもなく、特にお互い支え合うというでもなく。リー・マーヴィン演じる軍曹、第一次大戦の生き残りである歴戦の強者で、頼りになる親分肌、と思いきや、ノルマンジー上陸などでは非情な一面も見せたり。4人の若者が生き残れたのもおよそ運が良かっただけ、代わりに大勢の補充兵が死んでいく。 しかし映画はあえてそれを皮肉だと声高に叫ぶことはしなくって、戦闘の壮絶さと、その合間のホノボノ感をそのまま提示してみせる。そこに皮肉を感じてもよし、単純に彼らへの愛着を感じてもよし。ただし、軍曹には、ラストで特大の皮肉が突きつけられます。このヒト、役名もただ「軍曹」という、名もなき男。ちょいと気の毒にもなったり。 何もかもが起こりうる、一言で言い表せない世界、それが戦場、っていうところでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-09-10 03:27:40)《改行有》

39.  猿の惑星:新世紀(ライジング) 作品冒頭に大きく提示されるシーザーの顔と、ラストに再び登場する彼の顔。その2つの表情、何がどう違うのか、一度並べて見比べてみたいくらいに(笑)、まったく違う印象を受けるんですね。え、顔に何か塗ってるか塗ってないかの違いだろって? ああなるほど。じゃなくって、冒頭の彼の顔はどう見ても類人猿の顔である一方、ラストの彼の顔は、人間の顔として描かれている印象です。理性や知性を持っただけではなく、それらが持つ裏側(例えば仲間に対する裏切り)の存在を目撃した彼は、もはや無垢な存在には帰れない。その悲しみをも感じさせます。無論これは、中盤で描かれるさまざまなドラマや戦いがあってこその印象なんでしょうけれども。次作、はたして類人猿たちは、どのような表情でこの物語の続きを語ることになるのか。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2015-08-24 12:57:53)(良:1票)

40.  サンダーボルト(1974) 若いジェフ・ブリッジスが義足を装うのはベトナム戦争「終結」(あくまでアメリカにとっての、だけど)直後という時期を反映しているのだろうし、さらには年長者たちが朝鮮戦争について言及しているところなんかからしても、この映画はその背景に、戦争という「日常からの逸脱」を抱えているんでしょう。でも別に、製作時の背景を気にせずとも、この映画自体に、退屈な日常への郷愁と、一攫千金の夢という非日常への憧れとが、満ちています。ボヤボヤっとした日常があり、そこに唐突に非日常が顔を出す面白さ。教会で説教を垂れるイーストウッドが、突然ジョージ・ケネディに襲撃され、さらにはたまたま通りかかったジェフ・ブリッジスのクルマにしがみついて逃亡する、というハチャメチャさ。労働に励むジェフ・ブリッジスが目を上げると、窓の向こうにはハダカのオネーチャン、ってのも、ちょっとした「非日常」の楽しさ。一方の黒ずくめの2人組、ジョージ・ケネディとジェフリー・ルイスは、日常においては明らかに異分子だけど、大金を手に入れるためなら、日常へも無理やり溶け込んでいく。そして彼ら4人が挑む、大金の強奪。4人の演技はどこか気ままで日常を感じさせるもの(ジョージ・ケネディが後ろに倒れこみ地面に座る場面、演技なのか本当につまずいたのか)で、そこで繰り広げられる日常と、ジェフ・ブリッジスの女装姿だとか金庫破りのための巨大な銃だとかいう荒唐無稽さとのギャップもまた楽しくって。しかし、彼らが目指した夢は簡単には手に入らず、意外なところからタナボタ式に手に入ってきた夢もまた、大きな喪失を伴うものだったりする。もはや本当の日常にも戻れないし、夢にも簡単にはたどり着けない、仮にたどり着いたとしても、そこには虚しさが漂う。という、コミカルなんだけどほろ苦い作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-08-02 09:11:47)

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