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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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1.  サンライズ 《ネタバレ》 生涯ナンバーワン映画がどんどん更新されてゆく。でももうこれ以上はないでしょう。凄すぎます、この映画! 無駄なく完璧に描写される導入部。表現主義映画の真骨頂といえる都会の女との密会シーン。そして『陽のあたる場所』をはるかに凌ぐボート上の恐怖演出。都会へと移動した後の細やかな夫婦の心理描写。その完璧なまでの光に号泣した教会のシーン。ここで終わっても10点である。しかしまだ中盤。酔っぱらった子豚騒動は『ベイブ』も真っ青。ミュージカル映画を彷彿させる華麗なダンスとそれを見る男と女の面白おかしいシーンはチャップリンの映画のよう。その後の嵐のシーンではその風の凄さを荒れ狂う遊園地の遊具で見せつけるのだが今のパニック映画も顔負け。そしてボートの転覆とココで活きて来た「藁の束」という小道具の使い方の巧さ。観客をどぎまぎさせる展開の妙。そしてそして、、あぁ、なんて美しいのだろう、この女優。特別に11点てのを作ってください、管理人様。[映画館(字幕)] 10点(2007-06-22 15:38:53)(良:2票)

2.  秋刀魚の味(1962) 「そうかね」とか「そうなの」とかその返しの「そうなんだ」とか「そうなのよ」とか無くてもいいような短いセリフが発せられ、発せられる度にその短いセリフの主をいちいち画面に映し出す。この小津独特の切り替えしが魅力と感じるのは何故だろう。小津の映画のお話はどれも似たり寄ったりで当時の日本の家族を描いているのだが、そんな単調なお話だからこそ、このリズミカルな切り替えしが心地よさを演出してくれるのだろうか。とにかくお話を思い出してもピンとこなくても実際に観ると至福のときを体現できるのが小津の映画。晩年は小津は古臭いなどとも言われたらしいがこの遺作にしたって実に新しい。べつに小津がビッグネームだからとかじゃなく、本気でそう思う。あと、ユニーク。男たちの真面目顔でつく嘘には二度とも騙されちゃってドキドキしましたよ。こうゆうのもどこにでもありそうなお話を面白くしてる。小津はやっぱりいいねえ。[DVD(邦画)] 8点(2007-11-29 15:10:46)(良:1票)

3.  サクリファイス のっけから長~いワンシーンの連続で長~いセリフが続きます。しかしこの長~いセリフの一言一言が後々の伏線となっていきます。この作品もまた「信仰」が、ベースのテーマとなっていると思われます。人間の行ってきた過ちを独白するアレキサンデル。しかし人間であるかぎり過ちは止められない。独白中に幼い息子がアレキサンデルを驚かそうと後ろから飛びつく。とっさに振り払い息子に怪我をさせてしまう。また、母との思い出を告白するところでは、母を喜ばそうとして庭の模様替えをしたが元の美しさを壊してしまったと悔いる。人間が存在するかぎり暴力と自然破壊が続いてゆくことを暗示しており、自分もその憐れな人間の一員であることを認めてゆく。そしてイコン画を美しいと眺める姿も無神論者であるアレキサンデルが奇跡を求めるに変貌してゆく伏線となる。未来のため、そして未来を生きる息子のために自らが犠牲となり奇跡を願う。家を燃やすシーンでは、この作品を作る前に決意したというタルコフスキー監督の亡命を連想し、感慨深かった。8点(2005-02-10 12:38:58)(良:2票)

4.  ざくろの色 抽象的すぎる作風が旧ソ連では許されず、当局による20年以上の迫害、投獄を繰り返し、生涯でわずか4作品(長編)しか残せなかった伝説の巨匠、セルゲイ・パラジャーノフの代表作。投獄された際に、ヴィスコンティ、フェリーニ、トリュフォー、ゴダールといったヨーロッパ中の映画人たちの抗議運動を起こさせたことからもその偉大な映画人ぶりがうかがえる。この作品は8章からなる詩を映像化したものです。大抵の映画は物語を映像で語るもの ( 昨今の娯楽作では映像で語っているとは言い難いものが多々ありますので物語を映像にのせていると言ったほうがいいかも。あとゴダールは映像表現の一手段としてしか物語が存在しないところがあるのでこの人も例外 ) なので詩の映像化というだけでかなり異質な作品ということになると思います。かといってストーリーが無いわけではないですが、この作品にとってはさして重要なものでもありません。詩の世界をいかに映像で表わすかが重要であって、見事にその前衛的思想を具現化し得た作品だと思います。当然ながら物語を映像で語る映画ではないので既存の映画文法から逸脱しているところがあります。よって狭い価値観で見るとこの作品の良さがわかりにくいかもしれません。何が良いのかは私の乏しいボキャブラリーでは説明できません。ひとつ言えることは、他には無い美しさが在るということ。そんなことしか言えない自分が疎ましい。8点(2004-12-22 12:40:57)(良:2票)

5.  サテリコン 文明の先にある退廃、それも恐ろしいまでにとめどない退廃ぶりを、時代を古代ローマにさかのぼり描く。現代に置き換えてもじゅうぶん当てはまるからこれまた恐ろしい。時代は繰り返すということか。しかしながら、現代の設定にしなかったことでやりたい放題の摩訶不思議な世界が違和感なく目に飛び込んでくる。いや、違和感なんて感じる間なんてもともと無いかもしれない。最初から最後までその世界観に圧倒されっぱなしです。フェリーニのイマジネーションも凄いが、それを映像にしてしまうのがもっと凄い。相当、制作費もかかっているんじゃないだろうか。またいつかこの作品を観るだろうけどやっぱり今度も、この世界観に浸るのではなく圧倒されっぱなしだと思う。8点(2004-06-11 16:32:48)(良:1票)

6.  さらば愛しき大地 悲劇は突然訪れる。二人の子供の死。あまりにきついこの事故が一人の男の人生を狂わせてゆく。これさえなければ田畑で覆われた土地に工業地帯が生まれたことでできた時代の波の狭間に落ちてゆくこともなかったかもしれない。辛くならないように、生きられるように、その選択がことごとく奈落の底へと向かわせる。土地に居つく兄は居つくしかなかったから居ついたのか。これまでの全ての些細な不満や欺瞞、日常の怒りや悲しみが覚せい剤によって歪み、膨らんでゆく。兄弟の確執もまた実に丁寧に描かれるのだが、そのそこかしこに堕ちゆく人生の伏線が散りばめられる。「堕ちてゆく」ことの簡単さが生々しくて怖い映画。130分はちょっと長いようにも思うが、その一つ一つのシーンが「堕ちてゆく」ことに繋がっている。[DVD(邦画)] 7点(2011-10-26 15:15:24)

7.  三匹荒野を行く 《ネタバレ》 小学生のときにテレビで見て大感動した作品。「『名犬ラッシー』を三匹でする」だけのものなんだけど、三匹というのがミソ。犬猫犬の三匹というのもミソ。三匹が互いに助け合う様が実に健気で感動を煽るのだ。物語はほとんど人間を介さないので「シートン動物記」や「野生の王国」が大好きだった当時の私にとってまさにビンゴだったわけです。猫が川に流されたりゴールデン(レトリバー)がヤマアラシの針に刺されたりけっこう細部を記憶していました。去年か一昨年あたりに再見したときはそのあまりに淡々と進行する淡白な演出に呆れてしまったのですが、今ならもっと音楽が大袈裟に感情を揺さぶり観客を驚かせる仕掛けも満載になるに決まっており実際そういう映画にならされているからこそこれを淡白だと思ったわけで、そう考えるとこの淡白な映画に自分の想像力を駆使して大感動していた私の少年時代は幸せだったのだなと実感。 ちなみに我が家にも犬と猫がいるが残念ながら互いに助け合うとは到底思えない。それ以前に二匹とも誰彼かまわずなつくので旅立つこともない。[DVD(字幕)] 7点(2011-07-21 14:06:20)(良:1票)

8.  ザ・タウン 《ネタバレ》 監督デビュー作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』同様に小さな街の物語。そして今回もまた素晴らしい脚本にやられた。ものすごく繊細。ものすごく丁寧。例えば主人公の設定。麻薬、アルコールを断っている。断ったからこそ真人間としての思考を持つことができ、強盗団のリーダーでありながらごくごく普通の感覚を持つ女性を好きになるという不自然さを解消させている。あるいはホッケー選手の件をオチに繋げるうまさ。どれもこれもが極めてさりげなく語られていることも重要。トラウマになるほどの人質の恐怖は目隠しのまま解放されるシーンの長い沈黙という一つの画のみで表現してみせる。その後のドラマチックな出会いを実に自然な展開へとしているのはここだ。女性の事故死した弟のエピソードを語るシーンの自然な展開よ。そしてそれがラストに再度使われるためにあるのだと分かったときの痛快感。書き出したらキリがないがとにかく丁寧。かといって辻褄合わせに翻弄されない。街に精通したプロらしいカーアクションや豪快な銃撃戦がまた嬉しい。ベン・アフレックはイッパイいい映画見てるなと思う。[映画館(字幕)] 7点(2011-05-31 14:41:12)(良:3票)

9.  最後の人 「字幕を使わない凄いサイレント映画」であることを知らずに見たのだが「字幕が無い」ということになんの違和感も持たずに見終えたことを覚えている。それほどに画がなにもかもを表現している映画であったわけだが、反面それほど凄い映画だとも思わなかった。要するに字幕なしを凄いと思わせないほどの凄い映画なのであった。脚本が素晴らしいのだろう。そして脚本に沿った演技と演出とカメラワークと照明と編集が素晴らしいのだろう。至って普通の映画だと思う。が何度も言うように言葉を廃してなお「普通」に見せてしまうというのはやっぱり凄いのだ。「普通」の中にあってアパートの住民たちから笑いものにされるシーンの表現主義的な演出はインパクト大。最後の追加シーンは追加であることをこれまた後日知ったのだが知らずに見てもあきらかにとってつけた感ありありでちと困惑してしまったのだが、このあまりの空気の違いというのはムルナウの抗議の印なのかもしれないと思った。[映画館(字幕)] 7点(2011-05-24 15:31:55)

10.  真田風雲録 《ネタバレ》 関が原の合戦跡を徘徊するガキ共が長い横移動で捉えられる。おお!と思ってるとそこに超能力少年佐助が現れる。おいおい。一気に胡散臭くなる。安易な発想とチープな特撮。やばいなこれ。と思ってたら時代は進み、ガキ共は若者に。ミッキー・カーチスがギターを弾きジェリー藤尾はスカーフを巻いている。なんだこれ。紅一点お霧って霧隠才蔵ですかい。なんだかとぼけた真田幸村が出てきたぞ。大阪冬の陣。佐助の妖術が笛とギターで拡散される。負けてられない敵方服部半蔵率いる忍者部隊が華麗なダンスパフォーマンスで迎撃する。なんだこれ。面白すぎる。冒頭で感じた胡散臭さを最大の武器とし、徹底したデタラメさで攻めてくる。特撮のチープさすら作品のデタラメ性向上に一役買っているではないか。天然ギャル千姫の今どき発言や歌謡ショーで十二分に和ませても、ミュージカル・コメディ特有のフワフワ感はなくひたすらデタラメ感が充満する。フワフワ感どころかどこか仁義に尽くす者の悲しき定め的な空気が漂っているのは加藤泰ゆえか。最後にやらなくたっていいけどやらなくちゃならない男の勝負、佐助VS半蔵で締めるあたりもやっぱり加藤泰。[映画館(邦画)] 7点(2010-07-27 14:50:44)(良:1票)

11.  サンダーボルト(1974) このニューシネマテイストの映画がチミノの長編デビュー作というのは意外な感じもするのだが、時代に取り残された男たちのどうしようもなさ、そんな切なさ漂う男性映画ってところで納得。顔だけで映画になっちゃうからしゃべる必要が無い苦みばしった顔をしたクリント・イーストウッドと、まるでイーストウッドの取巻きのようにまとわりつく憎めないやんちゃくれのジェフ・ブリッジス。プラスとマイナス。陰と陽。この二人のキャラクターを作り上げた時点で半分成功。演技しないイーストウッドとの名コンビ役をこなしたブリッジスの名演技で残りの半分ゲット。さらにジョージ・ケネディがいい味出してる。銀行強盗をするための資金を稼ぐのにバイトしてるのがなんとも微笑ましく、そのまま地道にバイトしてればいいのに、なんだけどできないジョージ・ケネディが面白い。たしかに見所が散漫な印象もあるんだけど、見所が満載でもあります。[映画館(字幕)] 7点(2010-07-23 15:56:11)(良:1票)

12.  サムシング・ワイルド 一般的中流家庭の型にはまった男と型破りなファムファタルの出会いから強引な二人旅が始まり、男の食い逃げとはレベルも年季も違う旅すがらの犯罪行為と大人の火遊びが矢継ぎ早に展開される。あまりの急ピッチに男は成すがまま。もうほとんどコメディと言っていいほどの男の巻き込まれっぷりが実に楽しい。先の見えないロードムービーが一息つく、夫役として女の実家に、そして同窓会へと赴くはめになるころにはロマンスコメディ色を出してきて、徐々に大真面目なラブストーリーの様相まで見せてくる。と思ったらそこから急展開でスリラーへと移行する。さすがB級映画の帝王と呼ばれたロジャー・コーマンの弟子。なんでもござれだ。しかもちゃんと繋がってる。冒頭の女のビッチぶりは社会に組み込まれた男を脱出させるための必然だし、女の出所したての元旦那の登場は真に人間性を取り戻すための通過儀礼だし、女の出生地でのあれこれは、女もまたこの村社会的な閉塞感にあえいでいたことを提示してもいるのだ。いやはや、お見事。音楽もまた多種多様なのだが、ラストのがとびきりいい。「ワイルド・シング」のレゲエバージョンなんだけど、その楽曲の軽快さとシスター・キャロルのラップ調の歌い方が最高。本人がウェイトレスで登場して歌い出すってのもしゃれてる。[DVD(字幕)] 7点(2010-04-14 16:43:13)(笑:1票) (良:1票)

13.  サロゲート 《ネタバレ》 公開時期が重なったために『アバター』との相似が指摘されているが、『サロゲート』の世界観はどう見たって邦画『HINOKIOヒノキオ』の進化系だ。ここまで進化しちゃってる近未来像も落ち着いて考えたらかなりムリがあるんだけど、この、ほとんどの人間が引きこもってサロゲートを使用しているという極端な大前提を少なくとも映画を見ている間は受け入れさせているんだから侮れない。この「受け入れさせている」力は謎を含んだ大きなストーリーにあるのではなく、主人公が抱える悩みが小出しに炙り出される小さなストーリーにある。そしてその小さなストーリーこそが実はメインストーリーであって、この極端な近未来ワールドはそのメインストーリーのために用意された背景でしかないのだ。モストゥ監督は『ブレーキ・ダウン』(ネタバレしちゃってます)でも同じことをしている。夫婦が離されて、最後には抱き合って終わるというストーリー。夫婦を引き離すためだけに用意された極端な事件。どちらもその事件や背景に大きな穴があるかもしれない。しかし映画にとってそこは全く重要ではない。シンプルな話しをまわりくどく描く。そのまわりくどい部分の中でささやかな、それでいて気の利いたサスペンス、アクションを楽しめればいい。そういう映画なのだ。[映画館(字幕)] 7点(2010-03-24 18:10:42)

14.  ザ・バンク -堕ちた巨像- 冒頭の雨のベルリンがいい。何かによって成された何がしかが実にシリアス且つ分りやすく描かれる。何かが巨悪であることもこの冒頭シーンだけでじゅうぶん伝わる。全てを監視していたはずの主人公には見えていなかったという所がスリリングでまたその後の展開に活きてくる。もうけして何も見落とさぬとでも言いたげなクライヴ・オーウェンのぎらついた瞳はターゲットをひたすら凝視する。ニューヨークでの尾行シーンに特に顕著なのだが最後のイスタンブールの尾行もまたいい。中身は大真面目に社会派なのだが映し出されるのはアクション。ここは好みの分かれるところだろうけど、個人的にはアクションの部分がきっちりと撮られていたことに大満足。美術館シーンはサービスアクションとでもいいましょうか。お祭りっす。でも単に派手なだけでなく、やっぱりきっちり撮っている。この銃撃戦の目玉である建物構造をきちんとおさえながらアップショットとの繋ぎをアクションを停滞させずに見せきっている。良かったです。面白かったです。[映画館(字幕)] 7点(2009-11-10 16:10:58)

15.  座頭市と用心棒 シリーズの中の一本ではあるが、独立した一本の映画として見なければいけないし、じゅうぶんにそれができる作品である。初めて「座頭市」を撮る岡本喜八だからこそ出来たのかもしれない。岡本監督の時代劇は西部劇の洗礼を受けている。というか着物と刀の西部劇だ。だから勝と三船の二大スターが共存できるのだ。二人のキャラクターが立つほどに映画が面白くなる。市の達観しているようで恐ろしく俗気があるキャラを、用心棒の豪傑でありながら茶目っ気のある泣き上戸というキャラをコメディタッチで見せながらもストーリーはシリアスというギャップがいい。もちろんアクションもしっかり見せてくれるし何よりも二人をちゃんと対決させている。見事なまでのエンターテイメントだ。[映画館(邦画)] 7点(2009-09-03 13:58:51)

16.  サブウェイ・パニック 列車と管制室を切り返しながら見せてゆくシンプルな構成。犯人のバックボーンや地下鉄幹部と警察のエゴをくどくどと語らないシンプルなシナリオ。シンプル・イズ・ベスト。(今年公開予定のリメイク作も楽しみだ。)緊張感が足りない!というのはたしかにそうで、リアルさを求めるときついかもしれない。しかし例えばコロンボや古畑の現実味の無いキャラを楽しめるならこれだって楽しめるはず。最後のマッソーの表情はまさにこの世界観を象徴しています。下手(シタテ)に出ながら堂々と去って行った国鉄職員たちはこの翌年に新幹線ひかり109号に爆弾を仕掛けられることをまだ知らない(『新幹線大爆破』は1975年公開)。[DVD(字幕)] 7点(2009-04-02 14:32:34)(良:2票)

17.  サッド ヴァケイション つらつらとレビューを眺めると「セリフの音量が小さすぎて聞き取れない」という意見が多いようですが、映画館では全くそんなことはなかったのでDVD化の過程で起こった問題なのでしょう。こんなことで評価を下げられるのはなんとももったいない。さて作品ですが、監督のデビュー作『Helpless/ヘルプレス』の続編というだけでワクワクする。正直なところ「ヘルプレス」にあった底冷えするような空恐ろしい感覚を多少なりとも期待して見た私はこの作品全体を覆う和やかな雰囲気に最初は戸惑いました。見ているうちに続編であることを忘れていきました。その意味では「ヘルプレス」を見ていなくてもいいかもしれないし、見ていないほうが変な期待をせずに見られるかもしれません。暴力が描かれた『Helpless/ヘルプレス』、暴力後が描かれた『EUREKA ユリイカ』に対し、この作品は暴力の根源が描かれているように思った。根源は環境にある。家族にある。母にある。暴力はこの世界に常にある。そのことをその根源とともに受け入れたとき、ようやく悲劇を、世界を、そして自分自身をも受け入れられる。先に書いたように前作を見ずともいいとは思う。しかし、浅野忠信の唐突な暴力シーンは「ヘルプレス」を見た者だけが「ヘルプレス」の空恐ろしさを思い出すシーンである。宮崎あおいがオダギリジョーの頭を優しく撫でるシーンは「ユリイカ」を見た者だけが「ユリイカ」での発見を思い出し感慨にふけることが出来るのだ。やっぱり通しで見ましょう。[映画館(邦画)] 7点(2009-03-11 13:08:36)(良:1票)

18.  サラバンド 《ネタバレ》 ベルイマンはこの『サラバンド』より20年も前に『ファニーとアレクサンデル』という遺作を送り出している。映画で出来ることは全てやったと映画界から引退し、テレビと演劇をその後の活躍の場に選ぶ。それよりももっと前からベルイマンは映画よりもテレビに興味を持っていた。芸術をより多くの人たちのものとしたいと考える彼にとって映画が大衆性を損ないつつある中で、より大衆性の強いテレビというメディアに可能性を求めたのかもしれない。 しかし彼は映画に帰ってきた。年齢からしてもおそらく本当の遺作となるだろうことを覚悟したうえで、彼は最後の最後に映画を選んだのだ(そして本当に遺作となった)。しかもスウェーデン国内で社会現象まで起こした“テレビ”ドラマ『ある結婚の風景』の続編を“映画”で。さらに最新のデジタルハイビジョンで。 何故、映画に戻ってきたのかは知らない。メディアとしての可能性が映画にあると考えたのか、ただ映画が好きだったのか。とにかく映画に帰ってきたことに素直に感謝し喜びたい。 この作品が描くのはベルイマンが描き続けてきた「家族」であり「愛」である。親と子の関係が映画の中に3つあります。物語のメインとなる親子は、親の子に対する独りよがりな愛でもって子を不幸にする。この親の父、つまり『ある結婚の風景』の主人公でもあった親とその子(つまり先の親子の親)は本心から憎みあっている。そのはずなのにあることが起こって父は夜も眠れずに震えて泣きじゃくる。体が反応する。子を愛していると。それらを見たリブ・ウルマンが病気の子供を訪ねる。親は子を、子は親を本能的に愛している。夫婦の間にあるものとは全く異質にして絶対的なもの。どちらの愛も時には喜びをもたらし時には辛さをもたらす。ベルイマンの哲学でありこの世の心理。 『ファニーとアレクサンデル』はたしかにベルイマンの集大成であったと今尚思う。 一方で『サラバンド』はベルイマンの思想的・哲学的集大成なんだと思う。[DVD(字幕)] 7点(2008-03-04 15:19:25)(良:1票) 《改行有》

19.   傑作『アカルイミライ』以降、黒沢清はホラー以外のジャンルを撮るだろうと思ったし期待してたのですが、またホラーかよ!と思いつつもそもそも黒沢清の映画は「ホラー」だとか「ミステリー」だとかというより「クロサワキヨシ」というジャンルの映画と言っても過言ではなく、この『叫』もまたとびっきりの「クロサワキヨシ」だったので結局のところ予想どおりたいへん満足できました。「アカルイミライ」のために埋め立てられ、途中で放置された場所を舞台に、まるで『CURE』の殺人のように人は何かに誘導されて殺人を犯す。殺人現場に残る自分の痕跡(偶然にも同時期に公開中のトニー・スコット『デジャヴ』と酷似!)に『ドッペルゲンガー』を彷彿させ、多くの黒沢映画に登場する「幽霊」と「終末」が描かれる。『ニンゲン合格』や『大いなる幻影』がこの世界に存在することの意味を問いただしたように幽霊は人間であったときの存在を無にしようとする人々を許さない。どこを切っても「クロサワキヨシ」でありながら常に進化し続けるクロサワ映画。同じようで同じじゃない。切り口を変えるだけで全く新しい映画にしてしまう。「見なかったことに」がもたらす恐怖。この映画、けして「見なかったことに」なんてできません。[映画館(邦画)] 7点(2007-03-30 12:14:27)

20.  サイン 《ネタバレ》 まず、観ている時はかなり楽しめたということを先に言っときます。ミステリーサークルが宇宙船の降り立つ目印?いやいや、宇宙船なんか無いんじゃないだろうか。あるのはテレビの中だけじゃん。「何も手を加えていません」と協調するアナウンサー。怪しいなぁ、どっちにしてもいつもは手を加えているってこと?人間を食う?誰もそんなところ見てないじゃん。水に弱い?汚染に敏感なだけでは?これって不安が間違った情報に踊らされることを助長してパニクってるだけ?そんな風に見ていたので楽しめたわけです。でも宇宙人が登場。撃退法はずっと以前に死の間際で発した妻の言葉にあった。偶然ではなく神の起こした奇跡。シャマランの映画にいつのまにか着地。これも楽しめた。でも公開直後からの酷評の嵐に促されたかのように、私の解釈だと話が繋がらないことに気がつく。ま、いいではないか。そのとき楽しめたのならと思っていたが、今思い出しながらレビューを書いていて、いや、これってちゃんと繋がってるぞと。幽霊やヒーローがいたように「宇宙人がいた」。なぜ来たのかは知らん。そして助かった。それは様々な偶然の重なりではなく「奇跡が起きた」から。それ以外は不正確なメディアの嘘。噂。疑心暗鬼。ちょっと強引か?[映画館(字幕)] 7点(2006-10-26 13:57:31)

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