みんなのシネマレビュー |
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21. スリーパーズ 【法廷もの】が一つのジャンルとしてカテゴライズされているようにアメリカは訴訟大国。感情的な日本と合理的なアメリカではあまりに価値観が違いすぎるから、評価が分かれるのは当然だろう。たとえ犯罪による自業自得だとしても、それはそれ、これはこれ。どちらが人権的に先進国なのか後進国かなんて不毛で、『スタンド・バイ・ミー』みたいな悪ガキ達の友情ものとして見た方が正解な気がする。にしては豪華キャストの割にみんな影薄く感じるくらい地味で暗いお話でありました。[ビデオ(字幕)] 5点(2016-12-19 22:26:27) 22. スポットライト 世紀のスクープ 《ネタバレ》 流石オスカー好みの内容。でも、作品賞受賞は消去法的。堅実な演出に、的確なキャスティング、多くの情報量を2時間強でまとめた脚本。優れた映画には違いないが、非キリスト教圏の日本では馴染みの浅い実話であり、知っていることを前提に作っているわけだから、ショッキングな題材の割に台詞と情報だけで交わされる展開についていくのがやっと。直接的な性的虐待を描写しなかったのは良いとしても、あまりの淡白さにすぐ忘れてしまうだろう。記者及び被害者が報われるカタルシスに欠けているというか、かと言って盛りすぎても不自然なので難しいところ。地道に取材を重ねるジャーナリストの執念に、ロールシャッハ(ウォッチメン)の「真実こそが正義」が頭に浮かんだ。[映画館(字幕)] 5点(2016-04-17 23:04:44)(良:2票) 23. 素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 公開当時、過剰にセンチメンタルで楽観的な演出に"キャプラコーン"と揶揄されて監督は干されてしまった。しかし、25年後のベトナム戦争で疲弊した兵士によって再評価された名作である。確かに溜めに溜めたクライマックスの爆発力は凄いが、時代が変われば評価も変わる。社会に出れば、どう足掻いても変わらない理不尽な現実に捻くれて、素直に感動することが出来ない人も少なくないのではないか。自己肯定感が低く、不幸を嘆くジョージはハンサムで家庭があるだけまだマシだ。ただ、今は貧困格差固定で結婚も子育てもできる余裕もなく少子高齢化、自殺や孤独死が顕著になった無縁社会で、現実逃避するようにネットでクリエイターぶって他者から承認欲求を満たそうとしても飽和して見向きもされない、もはや"代わりはいくらでもいる"時代である。努力しても報われるとは限らないことを誰もが理解しているし、食い繋ぐための非正規雇用で心身消耗して死を待つだけの下流中高年が見ても、当たり前のことが出来なかった自分にむしろ絶望してしまいそう。そういう意味では、感動的な大団円には歯痒さを感じてしまうのである。既存の価値観が崩壊していく現在、21世紀の『素早らしき哉、人生!』を撮れる監督はもう現れないかもしれない。[DVD(字幕)] 5点(2015-09-11 19:03:11) 24. スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団 原作が日本のサブカルチャーに精通したコミックであり、そのためか漫画的表現をそのまま実写に用いたり、敵を倒せばコインが散らばるシーンも現実として描く。サブカルチャーと共に育った人以外には着いていけない作り。また、主人公及びヒロインに感情移入できないのも大きいかと。無責任であっさり振っちゃうあたりは、日本と欧米の恋愛観の違いか。振られた中国系の少女は主人公にストーカーするわ、痛いキャラではあるがまだ好感が持てる。彼女の成長物語として描いた方が本編より面白そうな気がする。それを抜きにしても、この実験精神あふれるセンスはエドガー・ライトらしいと言えばらしいし、一応のクオリティはある。[DVD(字幕)] 5点(2015-01-07 23:27:09)(良:1票) 25. スズメバチ シチュエーションには惹かれる。 戦争映画さながらの絶望的な籠城戦で面白くないわけがない。 でも、やはりストーリーが弱すぎて、アッサリ終わってしまった。 雑なのは仕方ないにしても、それを吹き飛ばすくらい、もっと派手に撃ちまくってほしかった。[DVD(字幕)] 4点(2022-06-01 20:26:51)《改行有》 26. スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 《ネタバレ》 何の感慨深くもないまま完結。もっとも前作の迷走から何とか軌道修正した感はあるけれど、視覚効果に馴れた以上、最終決戦は結局同じことの繰り返しで全く新しさがない。ダースベイダーに匹敵する悪のカリスマも不在で、空気が引き締まることなく、あっさり決着した感じ。ep7以降、話や人物相関図をあまりにも後付けで広げすぎたし、ディズニーのことだから、これからもスピンオフ作品が量産されることを考えるとそっとして欲しい。[地上波(字幕)] 4点(2021-03-05 09:16:45) 27. スター・ウォーズ/最後のジェダイ 《ネタバレ》 「視覚効果が凄い」と驚かれる時代でもなく、多様性という新しい風を取り入れた新3部作だが、2作目にして裏目に出てしまった。一見端役のアジア系女性整備士にスポットライトを当てたところにその意図が伺えるが、カジノのコード破りの男を見つけて、敵の艦隊に潜入するくだりはカットしても成立するし、脈絡もなく登場した臨時艦長といった新キャラの存在意義が見出せない。ハン・ソロに続いてルークも退場することになるが、あんな顛末を見せられても何の感慨もない。結果論でしかないが、「アンタら何してたの?」というくらい、三者三様グダグダしたまま無駄に死人が増えただけだった。ルーカスから主導権を奪い、新しさを履き違えた本シリーズそのものとも言える。[地上波(吹替)] 4点(2019-12-24 21:26:24) 28. ズーランダー 『トロピック・サンダー』の予習として見たのだが・・・どこで笑えば良いのか分からない。正直、記憶も遠い彼方に飛ばされるほど印象に残らない(桃色トリップ映像くらい)。これ以降、アメリカンコメディと距離を置くようになった。突き抜けたバカ映画には違いないが、笑いの価値観が違うのだから仕方ない。[DVD(字幕)] 3点(2017-11-27 19:13:44) 29. ステルス 《ネタバレ》 悪い意味でアメリカンで脳筋なストーリー。 CGばかりに頼っている場面が多く(別に悪いわけではないが悪目立ちしすぎ)、 ジェイミー・フォックスが男女二人の引き立て役で死ぬような扱いで憐れ。 ストーリーがあまりに薄すぎて、レビューするにも記憶がほとんど残っておらず調べてみると、 北朝鮮なら単純に潰せば良いという、リアルなら国際問題になりかねない凄まじい展開。 公開当時、本国アメリカでも不評だったようだが、単純に映画としてつまらないだけだろうね。[DVD(字幕)] 2点(2023-02-11 01:29:20)《改行有》 30. ストリートファイター(1994) 《ネタバレ》 「何でガイルが主役?」 「何でサガット以外の四天王の名前がシャッフル?」 原作ゲーム経験者の自分には違和感が湧いたが、 前者はアメリカではガイルが大人気であり、戦友の仇討ちというバックストーリーがあるから。 後者は登場キャラクターにマイク・バイソンというボクサーが存在し、 肖像権侵害でマイク・タイソンからの訴訟を避けたいという大人の事情があるから。 なお、サガットは初代の原作ゲームに登場し、既に商標登録済み。 そういう部分を抜きにしても、「スタッフは本当にゲームをしたことがないんだな」と言わんばかりの原作破壊と キレのない再現度低しのアクションばかりで『ストリートファイター』と名乗って欲しくない。 ヴァンダミングアクションとして見れば、2点スレスレだろう。 これがラウル・ジュリアの遺作で続編を匂わせるラストカットが皮肉すぎる。[地上波(吹替)] 2点(2016-04-15 22:20:18)《改行有》 31. STAND BY ME ドラえもん 《ネタバレ》 何が「ドラ泣き」だ。 監督に山崎貴がクレジットされている地点で御察し。 『のび太の結婚前夜』『帰ってきたドラえもん』を始めとした名編を捻りもなく貼り付けただけで、 わざわざCGアニメで表現する意味があったのだろうか? 中途半端な生々しさと質感がかえって感情移入を遠ざけている。 上記2つのエピソードを無理矢理捻じ込んだために、各キャラの掘り下げが浅く、一貫性がない。 特にドラえもんの心境変化が唐突過ぎるのが致命的。 ここが泣き所だと言わんばかりにだ。 それにのび太には最後までイライラさせられた。 ドラえもんとの別れという通過儀礼で成長していくならまだしも、 それを否定する結末を感動(のゴリ押し)と履き違えている制作陣には辟易するしかない。 他作品でも言えることだが、「これで感動するだろう」と上から目線で安い涙を絞らせる監督の姿勢が大嫌いだ。[地上波(邦画)] 2点(2015-11-16 19:50:04)(良:1票) 《改行有》
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