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プロフィール
コメント数 304
性別 男性
自己紹介 つたない文章力で自分なりのレビューを心がけます。映画館で観た作品は自然と評価が高くなりがちです。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1
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1.  ヴィジット 《ネタバレ》 非日常で起こった恐怖の中で、兄弟の成長、そして他者、自分に対する赦しを描いた作品。 過去に起こった両親の離婚、母の15年前の家出という二つの大きな出来事を通して、親子三人がそれぞれ癒せない傷を背負っている事が次第に明かされていく。 姉は鏡に映る自分を見る事か出来ない。自分の存在を認める事が出来なくなってしまった。 弟は8歳の時のアメフトの試合で自分が犯したミスによって父親が出て行ってしまったと信じている。 母は両親との決別を悔いている。 物語は進み、入院中には本物の祖父母に相談をしていたのであろう、老人二人との対決を迎える。 姉は鏡の中の自分と向き合う事で老婆を倒す。 弟は前は立ち向かえなかった、敵に向かっていく事で老爺を倒す。 二人が昔の自分を超え成長を遂げた瞬間。 皮肉にもそれは間接的に祖父母の手によって、為されたのだろう。 迎えたクライマックスであの頃の家族が映る。娘は父を赦した。 父を赦した娘、偽物の祖母の独白を撮影する娘によって母は赦された。 そして弟がラップを披露する後ろで姉が髪をとかし物語は終わる。 POV形式を取る事で、この映画自体が娘の意思を表している。その言葉で語らない意思表示、メタ構造も素晴らしい。 子供からみた老人の恐怖も、ホラーとコメディが表裏一体である事も、緊張感の中でうまく表現されていた。[DVD(字幕)] 6点(2017-01-08 19:20:33)《改行有》

2.  海よりもまだ深く 《ネタバレ》 家族の変化、とりわけ父親像の変化。昔なら成り立っていた家族の形が現代では成り立たなくなっている。(それは不満はありながらも、死別するまで夫に添い遂げた樹木希林と阿部寛との別れを選んだ真木よう子の対比に象徴される) そして昔よりも、家庭を持たない個人を許容する事になった社会。 それらを、肯定も否定もすることなく、ただ今ある現実として描き続ける。 是枝監督の映画において「歩く」という行為は大きな意味を持つ。一人で歩くか、誰かと一緒に歩くか、またその時の相手との距離感、歩き方など。 それはそのまま人物の心情、状況、他者との関係性を表す。 今作においても、冒頭一人で歩いていた道を終盤息子と歩く阿部寛。それぞれのシーンのカットは同じアングルから捉えられる。遊具を見るショットも反復して映される。しかし、阿部寛の思いや視点は最初のそれとは全く変わっている。それは、子供の視点から親の視点への変化ともとれる。 食事のシーンにおいては、家族全員が椅子に座り、食卓を囲むシーンはない。ここにも家族の形の変化が見て取れる。そしてうどんを食べるシーンでは、阿部寛は真木よう子の方を向いているが、その反対はない。それは元夫婦の心の距離感、心の向きを表しているように見える。 そして自分なりの夢の形(宝くじ)を、息子に託す父親。 台風という不可逆的で否応なく巻き込まれ、いつの間にか過ぎ去っていくものを人生と置き換えるなら、嵐が過ぎ去った後は晴れるという考え方は、あまりにも都合がよすぎるのだろうか。[映画館(邦画)] 7点(2016-05-27 01:12:36)(良:3票) 《改行有》

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