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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1.  沈黙のテロリスト 《ネタバレ》 セガールの出演作が片っ端から「沈黙の~」という邦題がつけられるのは、単にレンタルビデオ屋のアイウエオ順配置で固めて並べてもらえるからだろう、くらいに思ってたのですが、一方でこの作品のように、「セガール主演作でなくてもそう見せかけることができる」という二次的な効果もあるんですね。そう見せかけることのメリットは、よくわかりませんけれども。 という訳で、主演はトム・サイズモアであって、セガールは準主役といったところの爆弾処理のオジサン。持ち前の苦み走った顔だちは、プロフェッショナルな雰囲気を漂わせつつ、それでも劇中でこれだけ何度も爆破シーンが登場するのは、やっぱり彼の腕前が大した事ないお陰、なんじゃないかと。 さて、こんな映画に高得点をつけたりすると、「オマエは本気でこの映画が素晴らしいと思ってるのか!」と言われそうですが、いや、そんなワケないじゃないですか。なにせ、こんな邦題つけられちゃう作品ですよ。 とは言え、あくまでコレ、90分ほどにスッキリまとめた、低予算娯楽作品。こういうジャンルなんです。これをダメと言ったら、あの素敵な70年代東映のおバカ作品群が、全滅してしまう・・・。B級のノリ、B級の手腕。この手際の良さ、テンポの良さ。そりゃヘンなところもありますよ、例えば冒頭のセガールが爆弾処理する場面、画面が寄った時と引いた時でタイマー表示がまちまちで、あと何秒で爆発するのかよくわからん。けど、ま、いいじゃないですか。 爆弾魔の役がデニス・ホッパー、というのがいささか心許なく、『スピード』の時のダメダメっぷりが再現されるんじゃないか、と心配になりますが、前述のように、今回は本領を発揮して爆破シーンの連続。規模はともかくそれなりに盛大に吹き上がる炎、爆発に巻き込まれて吹っ飛ばされる人間、このあたりの演出は、最低限の予算で最大限の効果を上げている、と言ってもいいのではないでしょうか。職人芸。 爆弾処理オジサンとして比較的おとなしくしていたセガールも、このまま退場しては沈黙シリーズの名が廃るとばかり(?)、終盤にはセガールアクションを炸裂させます。ちと控えめな印象もありますが、一応はセガールアクション、有難く堪能しましょう。戦いの中、敵の一人がガラスに叩きつけられたあと、遠ざかる悲鳴だけを残して画面から消える。要は高いところから落ちて絶命したんでしょうなあ、という場面を、落下シーンをわざわざ撮ることなく表現してる訳で、一種の手抜きが、演出上のスパイスになっている。この演出を職人芸と言わずして、何と云おうか(・・・だから、手抜きだって)。 セガールが活躍すれど、乗り越えなければならない過去を抱えているのは、トム・サイズモア。だからやっぱり彼こそが、主人公。なのでした。[インターネット(字幕)] 7点(2024-04-27 14:28:38)《改行有》

2.  地球最後の男 オメガマン 《ネタバレ》 「地球最後の男」ってのは日本で勝手につけたタイトルなんだろうから、別にいいっちゃあいいんだけど、著しく「地球最後」感がありません。冒頭、チャールトン・ヘストン演じる主人公が、人っ子一人いない無人の街にクルマを走らせてるんですが、アチコチの信号機が光ってるもんで。何とかならなかったのでしょうか。 それはいいとしても、彼に襲いかかってくる連中も、光に弱いとかいう弱点はあれど、一応、普通にニンゲンでして。それを片っ端から無差別乱射で殺しまくる主人公。ははは。いいのかよ。 さらに他にもまだまだ、生き残ってる人類がいたりして。まさか「地球最後の男」というタイトルの映画に女性のヌードが出てくるとは。 というワケで、オメガマン、なんだそうです。どういう意味なんですかね(笑)。最後の男、最後の切り札、最後の希望、、、 戦争によりこんな荒れ果てた世界になっちまったワケですが、にもかかわらず、人類はまだ争いを繰り返し、殺し合いを繰り広げている、という皮肉。 血清を作り出して人類を救おうとする主人公に、救世主の姿が重ねられ、磔にされたような格好の彼が流す血によって、世界が浄化される、ということなんでしょうが、それをチャールトン・ヘストンが演じると、どうにも自業自得にしか見えないのは、困ったもんです。 いずれにしても、宗教色を絡めるのなら絡めるなりに、もう少しそのアプローチに見合った見せ方がありそうなもんですが、まあ、あくまで男臭いアクション映画、ということで。[インターネット(字幕)] 6点(2022-05-15 22:01:16)《改行有》

3.  地球防衛未亡人 ダンが壇にダン隊員と呼びかける、ほぼ出オチみたいな企画の作品。 開き直って、お粗末さをかえって武器にしたような作品でもありますが、特撮部分はちゃんとウルトラマンっぽく仕上げていて、意外にわるくない、かも。 一方、毒のある風刺が散りばめられていて、それも、こんなコトをおふざけでやっていいんだろうか、と、ちょっと気が咎める部分もあったりするのですが、もっとも、そんなコト気にするくらいなら、そもそもこんな作品見ようとは思わない訳で、気にしないことにする。。。 とは言え。おふざけが過ぎると風刺も弱まり、どつちつかずの中途半端になってしまった印象は否定できません。しかしこれも、そんなコト気にするくらいならこんな作品見ない訳で、やっぱり気にしないことに。。。 とは言え。 壇蜜が怪獣相手にハダカ踊りしているのを見ると(煮え切らないセミヌードなのは、これも「そんな映画」だからではあるけれど)、何となく石井輝男のヘンタイ系作品を思いだしたりして。路線が違うんだから比べるべきではない、と言われるかも知れないけれど、でも連想しちゃうんだから仕方がない。そして、どうしても、所詮アタマで考えた「ヘンなコト」と、体の奥底から湧き上がってくるような「ヘンなコト」とは、やっぱり ヘンタイのレベルが違うよなあ、と思わざるを得ない訳で。 それでも、いいのかも知れないけれど。この作品、「単なる思いつき」の美学、というヤツかも知れませぬ。[インターネット(邦画)] 4点(2022-03-22 22:56:58)《改行有》

4.  チャイルド・プレイ(2019) うわー、チャッキーずいぶん老けたなあ。 という時点で、他にどういう感想を持てばいいのか、この作品が面白いのか面白くないのか、何が何やらよく判らなくなってしまいました。 ええと、ちょっとアタマを整理すると。 このチャイルドプレイという作品はもともと、「人形という動く筈のない物が、襲ってくる」という点が売りだったような気がするのだけど。 それが今回は、ハイテク仕込みの人形なもんで、最初からナンボでも動きまくる。だもんでどこからコワがっていいのか、境目がよく判らない。そういう、正常と異常の境界の曖昧さが、今回の売りなんだろうか? 邪心が無いにも関わらず、惨劇が繰り返される、という無気味さ。ってか? その割には、行動原理がはっきりし過ぎていて、いささか理屈っぽい。「悪」としての人工知能は、もっと「何考えてるんだか判らない」存在でいいんじゃなかろうか。[インターネット(字幕)] 5点(2021-10-27 22:50:57)《改行有》

5.  地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン 何と言っても中野昭慶氏のこれでもかという爆破シーンの数々。いや、これしか見所無いんですけど、ゴジラ映画低迷期をしっかり支えて、お釣りが来ます。 今回は3対2の変則タッグマッチ、片やギドラ&ガイガン(新人)&ゴジラタワー、これに対するは、アンギラスなんて殆ど戦力外なのでゴジラのローンバトル。危うしゴジラ。 もっとも、爆破につぐ爆破の演出の中、一番大変そうなのは、四つん這いで炎に一番さらされている、「アンギラスの中で演じてる人」ではありますが。 ガイガンの造形は、未来的宇宙的かつヒールを感じさせ、悪くないはず、なんですが、如何せん、ギドラがメインでその添え物的な扱いになってしまってます。まるで営業が新入社員を連れてお得意様に挨拶廻りしてるみたいな。 なにやら文明批判を匂わせるような匂わせないような中途半端な展開のまま、結局、怪獣界の「G」ことゴジラに闘いを挑んでいた宇宙人の正体も「G」だった、というオチ。 なぜか子供の頃、ゴジラ映画の中ではこの作品ばかりがやたらテレビ放送されてたなあ、という印象があり、よりによって・・・という気持ちが無かった、と言えばウソになるのですが、怪獣バトルとしてはそれなりに充実してたかな、と。 恐らくは相当に予算が限られている中で、ゴジラタワーの描写はセットとミニチュアを活用して、なかなかうまく描いてます。[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-21 10:56:37)(良:1票) 《改行有》

6.  チャイルド・プレイ3 人形の体から出たい出たいと言い続けて、早くも第3作。相変わらず失敗ばかりで、実は結構、チャッキーのままでいることが気に入っちゃってるんじゃなかろうか。 もちろんアンディ君の方も、だんだんチャッキーに襲われて満更でもなさそうな。 という、惰性の産物、第3作です。しかし、チャッキーがただ襲うんじゃなくって、背後でこっそり(意味も無く)ゴルフのパターを動かしてみせたりする小技が、なかなか効いてます。 ホラー映画とは言え残酷なシーンは多くなく、どっちかというと一番残酷な目にあってるのはチャッキー本人。人形だから多少残酷なシーンがあっても目を背けるほどじゃないよね、という安心設計。今回も顔面切断という、普通ならとても正視できないような凄惨なシーンを、実にサラリとサワヤカに演じてくれています。 そう言う意味では、反則を散々繰り出しつつも流血は自らが率先してやってみせる悪役レスラーみたいなもんですかね。 陸軍学校が舞台ということで、もうちょっと派手なドンパチがあるかと期待しちゃったのですが、代わりに、舞台を唐突に遊園地に変えてみせ、一粒で二度おいしい構成。 それにしても、ホラー映画に出て来る殺人鬼ってのは、チェーンソーだのナタだのギロチンバサミだの、何かトレードマークになる凶器を持っているものなのに、チャッキーは存在自体がギミックになってるせいか、定番の武器を持たせてもらえず、結局この第3作を見ても、最後は「弱い!」としか思えないのが、悲しいところではあります。[インターネット(字幕)] 7点(2021-08-17 23:10:56)《改行有》

7.  チャイルド・プレイ2 別に何か心理描写みたいな事をしっかりやってくれ、などと言うつもりはさらさらなくって、ただ、人形が動いてるんだから、もうちょっと驚けよ、と登場人物たちに言いたくなるんですけどね。1作目と大差ない内容だから映画見てる人は今さら誰も驚かないし、だったら登場人物も驚かなくっていいや、ってことなんだろうか。 しかしこの、それぞれが抱えているはずの背景もわからず、今起きてる事への反応も薄い、この映画の登場人物たちに対し、我々は一体どうやって関心を持てばいいんだろうか。 いや実際には、やたらとアンディ少年に冷たい「何だかヤな人」ってのが登場すると、これはなにがしかの関心が持てるのだけど、そういうヒトたちは決まって早々にアッサリ殺されてしまう。ヤな人をとっととブッ殺すのは我々へのサービスのつもりかもしれないけど、大きなお世話。お陰で、後には(アンディ君を含め)、ツマラナイ人しか残らない。 終盤の人形工場のシーンは、それなりに面白いっちゃあ面白いんだけど、如何せん予算不足なのか、ホンモノの工場には全く見えないのが、これまた悲しいところ。[インターネット(字幕)] 4点(2021-07-13 22:46:48)《改行有》

8.  ちいさな独裁者 《ネタバレ》 第二次大戦末期、逃亡兵の青年が盗んだ軍服で大尉に成りすまし、プチ横暴を働く、というオハナシ。肩書ひとつで周囲が逆らえずに彼のペースに呑まれて行ってしまう、というこの設定自体は、必ずしも「ニセモノ」でなくても成立するとは思うのですが、どうやら実際に起きた事件に取材した設定らしく、そして実際、偽物であることが肩書というものの虚飾性を際立たせるとともにラストの顛末にも効いている部分となっています。 ただこの作品。映像の多くにおいて、やたらと背景のボヤかして人物のみにフォーカスを合わせ、ここまでくるとちょっと不自然さすら感じます。収容所での虐殺シーンなどではもはや、人物がどこに立っていてどこを見ているのかが曖昧でわかりづらいレベルです(前後のシーンからわかるとは言え)。あまりのボケ加減に、ちょっとイライラ。 そこまでして人物の表情にフォーカスを当てる割には、主人公の狂気みたいなものもイマイチ伝わってこず。 曖昧さは、映画を見る人に「考える余地」を提供するものかも知れないけれど、作品の弱さにもなっているように感じます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-27 10:11:44)《改行有》

9.  懲役太郎 まむしの兄弟 《ネタバレ》 菅原文太と川地民夫の「まむしの兄弟」、ちょっと、「悪名」における勝新と田宮二郎の絶妙コンビを思い出したりもするけれど、コチラの方が遥かにメチャクチャ。 まるで、人間はどこまで短絡思考が可能か、の限界に挑戦しているかのような。 自分は大抵、考えが浅いと思っている人でも、この作品を見れば、ああ、世の中にはこんな思考回路のショートカットがあり得たのか、と驚くことでありましょう。 というくらい、つまりバカ過ぎて意表をつかれるくらい、おバカな二人組。彼らを取り巻く様々な人々が、脈絡なく次々に登場してきたと思いきや、彼らの間には思わぬ繋がりがあったりして、これまた意表を突かれます。 クライマックスでは銃にドス、ダイナマイトまでも使用しての激しいアクションが展開されます。雨の中の二人の後ろ姿、その背中を流れ落ちる刺青が、愛嬌を感じさせるとともに、仄かな哀愁も漂わせるラストとなっています。[インターネット(邦画)] 8点(2021-06-03 23:06:38)《改行有》

10.  血の魔術師(1972) これは、モツ系、とでもいうんですかね。ひたすら汚い血糊と、汚い内臓のオンパレード。人間の体内って、あんなに乱雑なもんなんだろうか?内臓のつもりらしい訳の判らない物体がやたらと湧き出てきて、解剖学は100%無視。 やってることはスプラッター映画ですが、印象としてはスカトロに近いです。 手品師が舞台でホントに人間を血祭りにあげる、というだけなら、まだ江戸川乱歩レベルですが、この作品のユニークかつ意味不明なところは、血祭りにあげられたはずの被害者が、その場は何事も無かったように劇場を後にし、時間差を置いて思い出したかのように絶命する、というところ。 これ自体はスバラシい発想力、と言えなくもないけれど、舞台上の殺戮シーンが、血塗れだったかと思えば次のカットでは一滴も血が出てなかったり、このあたり、意図的な演出なのか、それとも単に編集がデタラメなのか、サッパリわかりません。という時点で、編集がデタラメなんだと思う。 結局、この手品師(一応、少しだけ手品もやってます)の狙いが何なのかもよくわからず、いや、わからなくってもコワければいいんだけどちっともコワくもなくって。 ハラハラドキドキ感は皆無、演者もやや持て余し気味の内臓ドロドロ解体ショーだけを純粋に楽しむ(楽しめたとして)、そんな映画です。 と言いながらも、剣吞みのシーン、あれはどうやって撮影したんですかね。と、ちょっと気になった・・・。[インターネット(字幕)] 1点(2021-05-29 12:37:22)(良:1票) 《改行有》

11.  血の祝祭日 ハーシェル・ゴードン・ルイスの映画は価値観が転倒しているので、点数の方もこれに合わせて「点数が低いほど、よい点数」となります。 従って、2点、という高得点とさせていただきました。 オッサンがいきなり人を殺すシーンから始まるもんで、犯人は誰か、などという高尚な楽しみもなく、またさらには、そろそろオッサンが登場してこの人を殺すんだろう、と思うタイミングでオッサンが登場するもんで、いつどこからどうやって襲ってくるんだろう、などという高尚な楽しみも無く。 大量の赤インクと、キモチ悪い何かの塊だけ準備しておけば、何とかなる、ということに、この時代に気付いたというのは、確かにこれは画期的、と言えるのかもしれない。けど、赤インクで何とかなるようなシーンしか出てこないのもまた、確か。 出演者のレベルにもイタイものが多々ありますが、ではもし本作が名優揃い踏みで撮影されてたら、もう少しはピリッとした雰囲気になってたんだろうか、と考えれば、問題がソコには無いことは明らか。いや、ソコも問題だけど。 そしてこの、投げやりな、あまりに投げやり過ぎる音楽。これはちょっと、スゴイと思いました。1000年くらい未来の映画音楽を先取りしてるような気がいたします。[インターネット(字幕)] 2点(2021-05-25 22:59:18)《改行有》

12.  血みどろの入江 このタイトルから何を想像すればよいのか、「血みどろ」はいいとしても、何で「入江」なのか? 要するに、遺産相続に絡んだ殺人劇で、その遺された不動産資産というのが、入江だった、というそれだけの話。 しかし、それだけと言うには、あまりに人が死に過ぎ、死体が登場し過ぎるのが、本作の特徴です。冒頭、ロマンチックな音楽が流れる中で、唐突に行われる殺人劇。念の入ったカメラが、いかにも「これは只者じゃないな」と思わるのですが、中盤以降、ひたすら繰り返される殺人と死体の描写は、かなーり残酷趣味の方に主眼が置かれてます。突き刺さり感というか、めり込み感というか、まあ、特殊効果はあくまで当時のもの、とは言え、やってることはなかなかエゲツないです。死体に纏いつくタコ。 という、殺し合いのデスゲームが展開され、もはや誰が勝利を収めようとどうでもよくなってくるのですが、この陰惨な雰囲気が、ラストで一変して、これって実はブラックユーモアなんだよ、と言わんばかり。 いまさら、そんなこと、言われてもねえ。あはは。 という、ちょびっと上級者コース(?)、みたいな作品でした。[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-17 14:24:54)《改行有》

13.  血ぬられた墓標 200年前に魔女裁判みたいなのがあって、裏面にトゲトゲがついたマスクを顔面に打ちつけられる、というショック描写で作品の幕が開きます。 で、それから長い年月が経ったある日。彼女の墓を訪れた者が、彼女を蘇らせてしまう。 昔話じみた陰鬱な屋内セットでの撮影で、怪談テイストばりばり、といった印象ですが、物語は意外に入り組んだ感もあって、ちょっとミステリっぽい雰囲気もあります。もちろん、あくまで怪談なので、合理的な解決があるわけでもなんでもないんですが、なんとなく、何かが隠されているような、パズルのピースが欠けているような、モヤモヤとしたものがあって。 ストレートな恐怖を求める向きには、ちょっとモタつくように感じられるかもしれないけれど、得体のしれないヤな雰囲気が、作品全体を覆いつくしています。 冒頭だけじゃなく、生きたまま人間が焼け焦げていく描写など、残酷趣味は映画の古さを感じさせません。[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-08 22:47:54)《改行有》

14.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 遠藤周作の小説の映画化ですから、やっぱり竹中直人に出演して欲しかったなあ、と。何の役かというと勿論、「カメオ出演する原作者」の役で(そんな役、無いけど)。 「イエスの生涯」で遠藤周作はイエスを、ただひたすら愛を説いて十字架上に死んでいった無力な青年、人々の苦しみを分かち合う「永年の同伴者」として描いており、そしてこの「沈黙」における「あの人」もまた、弾圧される信者たちや主人公を直接的に救うことはなく、しかし彼らの苦しみに寄り添う存在として描かれています。 しかしその一方で、この「沈黙」には、異端の者として挫折していく主人公の哀しみ、みたいなものが同時に描かれていて、遠藤作品では「留学」などが同様の視点を感じさせますけれども、これにはもしかしたら、極東の地に生まれてキリスト教の世界では傍流を歩まざるを得ない作者自身が、投影されているのかも知れません。 という点から見ると、やはりこれは、あくまで欧米人の視点で描いた映画なんだな、という気がしてきます。あくまで主人公と神との関係(あるいは、信者と神との板挟み、とでもいうか)に主眼が置かれていて、そして信仰心そのものに主眼が描かれていて、異端の哀しみみたいなものは、あまり感じられない。これはこれで、なるほど、と思わせるものは、あります。 舞台となっている長崎、五島列島の風景は、どことも得体の知れぬ、何やら地の果てのような雰囲気であって、我々日本人の目にすらも「見知らぬ異国」として映る、謎めいた世界のように描かれています(日本でロケしてないから、と言っちゃあ、それまでだけど)。原作同様のセリフが登場しても、どこか雰囲気が異なっているのは、そこに、自国としての日本、という感覚が一切含まれていないからでしょうか。作者が日本人であり続けねばならなかったように、主人公も日本人として後半生を送らねばならかった、そのことへの諦念よりも、「形はどうあれ、やっぱり信仰心、だよね」というノリで押し切ってしまうのが、やはり欧米の視点、なんですかね。 と言う訳で、次は是非「おバカさん」の映画化をヨロシク![CS・衛星(字幕)] 8点(2020-12-07 21:34:29)(良:1票) 《改行有》

15.  チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜 最初の方で、天海祐希がダンスの基本形をやって見せるシーンがあって、その一つがラインダンス! これは貴重。泣く子も黙る元男役トップさんの彼女も、初舞台ではラインダンスをやってた(やらされてた)ハズで、もしかしてコレ、初舞台以来だったりして。 それはともかく(本当にどうでもいい)。 もともとサブタイトルで「全米制覇」を謳っちゃってるもんで、結末を先に明かしている、というのもある一方、若い女優たちがそれに見合うパフォーマンスを見せられるのか、というのもあって。だもんで、練習シーンの本気モードを見ていると、役の中の彼女たちを応援しているのか、役を演じる彼女たちを応援しているのか、両者入り混じったような気分になってきます。途中の大会のシーンではあえてダンスを省略し、クライマックスの全米大会で一気にパフォーマンスを見せ切るのが、心憎いです。 正直、最近の芸能界におけるナントカ48とかナントカ46だとかいうグループを見ても、オジサンには誰が誰やら区別がつかないのですが、本作はそういうオジサンにも配慮してくれたのか(?)、登場人物たちそれぞれに印象に残るエピソードを挟み込み、うまく描き分けています。 随所に挿入されるギャグも、間の取り方でなかなか笑わせてくれるし。 彼女たちの成長物語と思わせて、実は先生の成長物語でもあった、というのが、ダメ押しのサービス。 まさかこのタイトルの映画で、こんなに感動させられるとは、思わなかったよ。[地上波(邦画)] 8点(2020-08-14 17:09:04)《改行有》

16.  血染の代紋 《ネタバレ》 バラック小屋が立ち並ぶ臨海地帯に目をつけ、住民たちを立ち退かせようと狙う経済ヤクザ。その地上げというヤな仕事を任されてしまうのが、菅原文太演じる弱小組の組長で、板挟みとなる彼の苦悩が描かれる訳ですが。 彼の右腕とも言うべき待田京介(親がバラック街に住んでおり、さらに板挟みに)、あくどいライバル組組長に渡辺文雄、と、これだけでも充分に役者がそろっているようにも思うのですが、さらに文太の幼馴染みの梅宮辰夫、文太の兄貴分の鶴田浩二、バラック街にふらりとやってきたプロレタリアートの仙人みたいな長門勇、と、何本かの映画に分けられそうなネタが贅沢に押し込まれていて、これはもう欲張り過ぎでしょう。 そこまで欲張って、多数登場させたキャラたちを、物語は、これでもかと抹殺していきます。本当に容赦がない。実録路線映画を彷彿とさせる暴力的な演出が光ります。 結局、最後にすべてを飲み込み、最後に勝つのは、「経済」という怪物、なのでした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-08-09 14:47:31)《改行有》

17.  チョコレート・ファイター 内的な障がいを持つらしい主人公の少女の、あどけない表情と(演じている女優さんの実年齢より遥かに幼く見えます)、その彼女が繰り出すキレ味鋭いアクションとのギャップが、独特の「危うさ」を醸し出していて、これが作品の大きな魅力になっています。 それにしてもこの切れ味の良さ。小気味の良さ。闘っている彼女の動きは格闘というより、まるで舞踏のようです。きっと、普通の人とは体幹が全然違うんでしょう。とかテキトーなことを言ってみたくなったりするのですが。そういやマトリックスのキアヌリーブスの動きも一種、常人とはかけ離れた「体幹」を感じさせるものでしたけどね。アレは一体、何だったんでしょうね。 で、その舞踏のような格闘アクションを支えているのは、やはり何と言っても、倒される側の男たちのヤラレっぷり。その危険極まりないスタントの数々に感心していたら、映画の本編の後で撮影風景の映像が登場、これはもはやコンプライアンス違反ではないのかと心配になっちゃうくらい、本当に危険な撮影をやっていたのでした。感心しててよかったのやらどうなのやら。 映画のクライマックスでは日本刀での戦いが繰り広げられ、これで終わってはちょっとキル・ビルの影響受けすぎてませんか、と気になっちゃうのですが、いえいえ心配ご無用。さらにそこから戦いの舞台はビルの壁面へと移り、新しい次元へと進化したアクションを見せてくれます。 撮影中に誰も死んでないことを祈りつつ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-25 21:18:14)《改行有》

18.  地上最大のショウ 某シネコンで「映画、だけじゃない」とか言ってるように、昨今では映画館でコンサートのライブ中継とか、プロレス中継とか、いろいろやってますけれど、本作の発想もきっと同じようなもんなんでしょう。ナマのサーカスをなかなか見る機会のない人たちは、この映画で楽しんでね、と。 ということで、一応、四角関係的なストーリーはあるものの、作品の見どころは、際限なく続くサーカスの演目シーン。ここまでやると、さすが見応えがあります。さらには、俳優たち自身が(チャールトン・ヘストンを除く)体を張っているのも見どころ。圧巻のサーカスシーンをボケーっと観てると、やっぱり客席でボケーっと観てる観客の姿が映し出されて、ふと我に返る、という寸法。 終盤は、「地上最大のショウ」というだけあって、なかなかショウ撃的な事件が勃発しますが(なんのこっちゃ)、これをきっかけにオハナシを一気にかつ強引に纏めきり、「ロクにストーリーらしいものなどなかった」というのをすっかり忘れさせてくれるのは、なかなかの手腕と言えましょう。 映画の中には、サーカスの団員たちが「帰宅する」シーンなどというものはなくって、まさにサーカスが我が家、興行から興行へと、巡業列車に乗って旅を続ける日々。で、人生ツラいことが多いけど、サーカスで夢のひと時を、と、サーカス愛を謳い上げる。セシル・B・デミル調の派手な作品ではあるんですが、一方でこの素朴過ぎるほどの素朴さが、本作の魅力になってます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-12-29 11:52:40)《改行有》

19.  沈黙の戦艦 露骨に『ダイ・ハード』の二番煎じなんですが、早くも出涸らしの印象。この上もなく薄味です。 高層ビルならぬ戦艦ミズーリが武装集団に乗っ取られて大勢が人質に取られ、主人公が孤軍奮闘、敵に立ち向かう。爆発からは飛び降りて逃げる、なんてところまでしっかり『ダイ・ハード』を踏襲している訳ですが。でも『ダイ・ハード』が開始早々から登場人物たちの人間関係を緊迫感を持って描き、上々の滑り出しだったのに比べると(タカギ社長にまで見せ場を準備する周到さ)、本作の冒頭のヌルさはちょっとヒドいんでは。ダラダラとしたヌルい展開から唐突に事件が発生する、という意外性を狙ったのかも知れないけれど、主人公を含め登場人物の一人として我々の関心を引くことがないまま事件に突入し、艦長なんてもう、存在感ゼロ以下と言っていいくらい。 中盤は戦艦の中の攻防戦、だけど、通常我々がその中を知ることができない戦艦を舞台にした以上は、その舞台設定の面白さをもっと出して欲しいところですが(『ダイ・ハード』ではエレベーターシャフト、ダクト、工事中の階、いろいろありましたね)、本作には印象的な場面なんかロクすっぽ出てこなくって、適当なセットで撮影したようなシーンばかり。 セガールの格闘技系アクションがもうひとつの見どころで、これはまあ、まだ痩せてる当時のセガールだし、それなりにしっかり動いてますけれど、相手が武装集団ですから、素手で戦うシチュエーションにも限界が。後半はあまりセガールが活躍し切れていないような。 同僚たちが大勢、人質になっているのを後目に、さっき知り合ったばかりのプレイメイトの身だけを必死に守ろうとするセガール。同僚の何人かが敵に殺害されたのに、最後はうれしそうにプレイメイトとチューするセガール。こういうケーハクさだけは、『ダイ・ハード』には無かった本作の良いところかな、という気もいたします。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-08-10 14:54:14)《改行有》

20.  チェーン・リアクション(1996) 逃走劇、なんですけれども・・・主人公が逃げ回ることについての切実さが、妙に希薄なんですね。出頭を命令されたから、指名手配されたから、だから一応逃げておきましょう、ってんじゃあ、ねえ。 捕まったら明らかにヤバいから、だから逃げる、ってんじゃないと、スリルも生まれません。 実際、主人公もあまり一生懸命逃げ隠れしてないし。 そもそも、事件の発端であんなとてつもない大爆発やらかしたら、主人公を追い詰めるべき「動かぬ証拠」も何もあったもんじゃない。 それに、あれ何ですかね、核融合か何かなの?いずれにせよ、やけにチープな実験設備に、発生する反応もやけにチープで、もうちょっと夢のある演出はできないものかと。爆発だけは威勢がいいですが。 まあ、キアヌ・リーブスがこういう貧乏くさい研究者の役にドンピシャはまってる点は、よろしかったかと。[地上波(吹替)] 3点(2019-05-04 13:31:51)《改行有》

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