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プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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21.  トランスポーター 《ネタバレ》 これまたどうしようもない馬鹿映画だが、嫌いではない。 どんな品でも命懸けで運ぶ運び屋フランク・マーティン。 自分に課した3つのルールで動くフランクだが、一度ルールを破れば何でも破る。 依頼主のドアをブチ破るのも朝飯前だ。 出会ったばかりの女がいきなり服を脱いで主人公と一緒にベッドへダイブ! 主人公も精力爆発! 馬鹿なのか。 ド迫力のカーアクションは見ごたえ満載。 「TAXI」シリーズのリュック・ベッソンも製作に関わる腕の冴えだ。 「依頼人」と「請負人」。 二つの立場の駆け引きは中々楽しめる。 愛車が吹き飛ぼうが水没しようがフランクは気にしない。 タフな野郎だ。 そこがいい。 美味しそうなオランジーナに免じて8点の佳作を献上。こういうのは嫌いになれない。[DVD(字幕)] 8点(2014-12-04 23:34:59)《改行有》

22.  東京行進曲 《ネタバレ》 溝口健二の初期のサイレント映画。 当時の東京の様子を上空から拝めるのは大変貴重だが、このフィルムも四分の一にまとめられたダイジェスト。 残りのフィルムは何処へやら。 溝口らしいといえばらしいが、普通の普通の作品。 たった25分だけでもそれが解る。 印象的だったのが、後ろの兜の影と男の影が重なり鬼のようになる場面。 そこに思いをよせる女の表情を重ねる。 これぐらいかな。 後はなんだかんだ言ってハッピーエンド。 船に乗り込み旅立つ・・・・てやっぱり船が出てくるのか。 溝口だな~。[DVD(字幕)] 8点(2014-12-03 23:33:08)《改行有》

23.  トゥルー・ロマンス 《ネタバレ》 トニー・スコットとタランティーノが組んだ最狂のロードムービー「トゥルー・ロマンス」。 トニスコにとっても「クリムゾン・タイド」や「マイ・ボディーガード」に並ぶ最高傑作。 「地獄の逃避行」はモチロン「拳銃魔」だの「ボニー&クライド」だの「暗黒街の弾痕」だの色々なトチ「狂い咲きサンダーロード」(褒め言葉)がこの映画の源流だ。 今までの逃避行ロマンスは、みんな派手にくたばる道を爆走する事が魅力だった。 だが、この映画は違う道を走る事を選ぶ。 冒頭はただのバカップ(ry・・・が紡ぐ恋愛映画、しかし女の素性が判明するにつれて男の運命は狂いはじめる。 いや、男はそれと解ってあえて狂った道を突き進むのだ。何故ならその女に心底惚れてしまったから。 「ヒズ・ガール・フライデー」も顔負けなマシンガントークを、トニー・スコットが機関砲の如く飛ばしまくる。 売春ディスコ?での殺し合い、真っ白い“爆弾”を選び取る男、ビッチの痛快な逆襲、電話中にBOXセックスを聞かされる上に犯罪に巻き込まれる友人カワイソス、電話帳「F●ck you!」、傷口に油はキツい、クライマックスのファ●キングストーム! 警察、マフィア、クラレンスたちの三重奏。 それがセリフによって緊張感を異常なまでに上げる。 タランティーノのシナリオ、トニスコの手堅い演出。 しかしつくづく強運なバカップルだ。いや、最後まで諦めず粘った・・・その結果道を拓いたんだろうね。 売春宿における電灯で顔を照らしたりプラプラやるシーンが地味に好きだ。まるで警察が犯罪者を尋問するみたいに。 その警察が犯罪スレスレの捜査をやってのけるんだから怖いもんだ。 デニス・ホッパーのカッコ良さは異常。 「地獄の黙示録」や「スピード」の狂ったホッパーも好きだが、真面目な役を貫くのもカッコイイ。 ブラッド・ピットが後の「イングロリアス・バスターズ」で活躍するとはこの時誰もそう思わなかっただろうね。 サミュエル・L・ジャクソンが相変わらず良い仕事しかしません。 [DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 02:16:19)《改行有》

24.  トイ・ストーリー3 《ネタバレ》 この作品が「トイストーリー」の最高だという事に文句は無い。俺としても3D・ピクサーを含めての最高傑作の1つだと思う。 だってよお・・・どのシーンを見ても泣きそうになるってのに、最後のアンディのセリフでいっつも泣いてしまうんだ。 西部劇を髣髴とさせるファースト・シーン、御馴染みの面々が縦横無尽に画面を駆け巡る疾走感!奥の奥、画面を破壊し空間の底から飛び出してくるようなダイナミックさ。フルCGという次元の壁が無い世界を無限に突き進むような興奮。 ウッディたちに襲い掛かるおもちゃは「12モンキーズ」のマーク? ビデオを通して語られるアンディの、今までの「トイストーリー」。 おもちゃたちの間では生物のように動き回る彼ら、人間の前では動いてはならないという暗黙のルール、宿命・・・彼等はその宿命から逃れるか、宿命に身をゆだねるのか。成長して“卒業”を迎えるアンディの姿。モリーの成長、犬のバスターもすっかり歳を取った。 モリーがおもちゃの動く姿を目撃した場面があった。「3」では彼女がキーパーソンになって人とおもちゃが話し合う時が来る・・・そんな事を思っていた時期もあった。結局一線を越える事が出来なかった・・・いやしない事を彼らが選んだ結果でもあるんだろうねえ。そうなっていたら、きっとアンディは卒業できなかったんじゃないだろうか。だから、おもちゃたちも最後まで己の宿命に生きる事を選んだのだと思う。 もうあの頃と同じ子供じゃいられない。彼らおもちゃにとっても卒業するかしないかの分かれ道。他の仲間達は既に多く旅立っていた。数の減った軍曹たちの姿が寂しい。ボー・ピープや羊、バギーたちの姿も見たかったなあ・・・。でも陶器のボーが幼稚園児たちに蹂躙される様を見ずに済んだのはせめてもの救い。きっと元気にやっているよな・・・きっと。 おもちゃたちが傷つかないようにクッションを引いたり、こっそり屋根裏に持って行こうとするなど最後までアンディはおもちゃたちの事を気にかけていた。そんなアンディと幼稚園の子供達の扱いの差は天国と地獄、ウッディは最初の「トイストーリー」で似たような地獄を目の当たりにしている。ウッディはその時の恐怖も覚えているから余計に怖い。 別れ行く仲間、最後の試練といわんばかりに襲い掛かる冒険・地獄の連続、レディポテトの眼が起こす“奇跡”、憎めないロッツォたちの過去、トトロやまめしば?もゲスト出演、スリリングな脱出と帰還、トイレの鏡の汚れGJ、仲間のために命懸けで何度でも戻って来る者の姿はなんでこんなにもカッコ良いのだろうか。 バズもブッ壊れたりスペイン語で踊り狂おうが最後の最後でキメてくれるナイスガイだ。バズにとっては宇宙の戦士として生きる方がもしかしたら幸せだったのかも知れない。ただ、呪われた宿命(設定)ではけして得られない掛け替えの無い仲間を多く手に入れたと思う。 溶鉱炉の絶望的な状況、死を覚悟してみんなが手を繋ぐ瞬間!解っていても、解っていてもハラハラしてしまう。その時のウッディたちの顔が凄い悲しくてさあ・・・。 リトル・グリーン・メン、おまえらこそ本当の“神様”だぜ。ロッツォの末路は救いがある方。 ラストでアンディがボニーに大切な宝物であり友人でもあるウッディたちを譲るシーンなんてもう・・・「僕のおもちゃだよ。レックス、バズ、ウッディ。 レックスは強いんだ。コイツがいれば安心だよ。 バズは立派だよ。強い意志を持った宇宙の英雄さ。うわああアンディイイイィィィッ[DVD(字幕)] 9点(2014-10-09 18:42:23)(良:1票) 《改行有》

25.  賭博師ボブ 《ネタバレ》 メルヴィル作品が苦手という人にオススメな作品。メルヴィルファンにとっては佳作という人もいると思うが、逆にメルヴィルが苦手な人はこの初期のハードボイルドで彩らないウェットな作風が気に入るのかも知れない。 「海の沈黙」に続くジャン=ピエール・メルヴィル最初の傑作であり、後のフィルム・ノワールの傑作群に先駆けた作品。 初期の頃だからか、後のハードボイルド風の作風は抑え目。しかし、老いて尚も眼光鋭い賭博師の生き様が刻まれている。 解りやすく言えば、「仁義」で人生を“賭けた”強盗を襲撃する筈の男が、息抜きに寄ったカジノにハマッてしまい計画そっちのけになってしまうという話。 あれよあれよとツキが回り、止められない止まらない。 そんなボブの元に警察が。「まさかバレた!?」と思ったら参考人として逆に警察に保護されたようなもの。刑務所から出たら大金をポンだぜ? 「強盗なんて博打よりも、カジノでやる博打の方が面白いぜ!」と言わんばかりだ。メルヴィルのこだわりが感じられる美術も良いが、小悪魔イザベル・コーレイを初めとする女性陣や署長たちとの友情が心に染みる逸品。[地上波(邦画)] 9点(2014-06-14 21:32:50)《改行有》

26.  扉の影の秘密 フロイトの精神分析の影響を感じさせるサイコ・スリラー。 既にドイツ時代に「M」で猟奇的な殺人鬼を描いているが、アメリカ時代のラングに重々しい空気と恐怖感は余りない。 その反面、娯楽として素直に楽しめる気軽さが増した事は確かだ。 この作品は1948年の作品だが、1940年に公開されたヒッチコックの「レベッカ」を思い出させる。 私も完成度で言えばヒッチコックに軍配を挙げるが、本作は本作でラングの実力を充分堪能できる作品だ。 ヒッチコックも「汚名」や「海外特派員」で扉を効果的に使っているが、ラングの場合は扉(とにかく脱出口)をこじ開けないと絶体絶命というシーンが多い。 「メトロポリス」や「怪人マブゼ博士」は、迫り来る水から逃れるべく登場人物が出口を確保しようと必死に足掻く。 一方で「死刑執行人もまた死す」のように“思わぬ援軍”の登場を予感させる場面でも効果的に使われている。 ヒッチコックが徹底的に扉に“謎”や“危険”を隠したならば、ラングは扉を“脱出口”や“希望”として徹底的に描いた作家と言えるかも知れない。 「扉の影の秘密」は、ヒロインにとって危険でもあり希望でもある「扉」を描く作品なのだ。 だが残念な事に、「扉」にはヒッチコックの「レベッカ」と同じようにヒロインの生死を左右する“危険”で満ち溢れいていた・・・それは見てのお楽しみ。 ラングのアメリカ時代の到達点が「暗黒街の弾痕」または「条理ある疑いの彼方に」だとすると、この「扉の影の秘密」は40年代の到達点と言って良い。 [DVD(字幕)] 9点(2014-04-09 20:14:34)《改行有》

27.  毒薬と老嬢 こんな恐ろしいババア共がいてたまるか。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-21 14:47:47)

28.  ドクトル・マブゼ フリッツ・ラングの犯罪映画は問答無用の傑作が多い。 アメリカ時代は言わずもがなだが、ドイツ時代も泣く子も黙る傑作・大傑作を幾つか残している。 それがこの「ドクトル・マブゼ」だ。 俺は続編の「怪人マブゼ博士(1932年)」の方が好きだが、この作品も素晴らしい。 前・後半合わせた実に4時間を超える作品だが、スピーディーな展開と持続する緊張の連続は我々を飽きさせない。 ストーリーは一見すると単純な探偵vs悪党の活劇物にも見えるが、物語は第一次大戦で生じたインフレーションによって混乱する人々の様子も巧みに織り込まれているのだ。 今は私腹を肥やすマブゼも、インフレによるどん底から這い上がってきた人間にすぎない。こういったドラマと関係無さそうな部分の掘り下げ。 この丁寧な掘り下げがストーリーをさらに盛り上げてくれる。「カリガリ博士」の制作にも参加したラングだ。「カリガリ博士」で培われたノウハウがこの「ドクトル・マブゼ」に活かされている。 変装と催眠術に長けた天才的な犯罪者マブゼ。重要な株に目を付け莫大な利益を上げるだけでなく、ドイツの経済すらどん底に突き落としてしまう。 更には暴落した株すら買い占めてしまうその恐ろしさ。印刷工場にカジノ。何処までも用意周到な男だ。 アクションそのものは余り派手では無いが、フォン・ヴェンクとドクトルマブゼの心理戦、逃走劇の連続が面白い。 ただ、マブゼの欠点は余りに貪欲すぎた事だ。 その貪欲さが逆に警察たちに糸口をつかませてしまったのではないか。 生きるために金を求め、求めすぎた金によって発狂してしまうマブゼの顛末。 ラング特有の幻想的な雰囲気、突き詰められたサスペンス。犯罪映画の古典と呼ぶに相応しい作品。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-20 01:12:52)《改行有》

29.  遠い太鼓 《ネタバレ》 西部劇としては異色のアリゾナの密林を突き進む冒険活劇。 案外「インディ・ジョーンズ」の元ネタってコレだったりして。 一見すると単なる娯楽映画にも見えるが、ストーリーで描かれるテーマにはインディアンと白人の対立と和解など無視できない要素が転がっている。 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」もインディアンに向き合った作品だったが、「ビッグ・トレイル」や「遠い喇叭」「死の谷」でインディアンを絡めたストーリーは先見性のある内容だ。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:30:57)《改行有》

30.  逃亡地帯(1966) 《ネタバレ》 アーサー・ペンによるサスペンス映画。 一つの街で保安官が事件と向き合う様子は西部劇を彷彿とさせる。 毎晩乱痴気騒ぎで腐敗した街、自分だけ正義を貫こうとする保安官。 街から追放された厄介者が再び街に来るのはよくあるパターンだが、今回は厄介者と知り合いの女が街にいる。 「狙いはおまえだろ、俺たちを巻き込むな」てな具合は「真昼の決闘」を思い出す。 ただ「真昼の決闘」と違うのは、街の住民が狂乱的になるという事。 ババーに殺されるのではないかという恐怖と同時に、厄介者と知り合いの女性への異様な好奇心が住民を駆り立てる。そこに描かれる狂気の生々しさが印象的だった。[DVD(字幕)] 8点(2014-03-17 08:00:03)《改行有》

31.  となりのトトロ 《ネタバレ》 田舎の原風景がアニメの中に生きる「トトロ」。 宮崎駿の数ある傑作の中で、「トトロ」はもっとものびのびと、もっとも自然豊かな映画ではないだろうか。 説教臭い部分もほとんど無いし、とにかく広い大地を走り、飛び回るような解放感がある。 そこに日本家屋の居心地の良さ、夏のほどよい暑さ、水の冷たさ・・・そういう無機質なCGでは味わえないぬくもりが映像の中に溢れているんだよなあ。劇中に流れるノスタルジックな音楽と共に。 「さんぽ」の音楽と共にメイたちの行進が始まるオープニング。 劇中のメイたちはオープニングから歩いて走って叫んで飛びまくる。 メイと小さなトトロたちの追いかけっこ、惚れた女に傘を黙って渡し去っていく男気、夜空に傘で舞う巨躯、母のために泣き叫びそれに応えるトトロと猫バスの爆走振り。 のどかな田舎に引っ越してきたサツキたち、サツキたちを案内する清太との出会い。清太はこの時、既にサツキに恋に似た感情を抱いていたのだろうか。 普通ボロ家だと苦い顔をする人もいるだろうけど、サツキたちは「これから自分達の家にするんだー」とワクワクした表情で家の探検にでる。大声は威嚇、恐怖を薄れさせるための自分への鼓舞。 ボロボロの柱も、二人にとっては自分達を迎えてくれる遊び相手になってしまう。 まっくろくろすけは群れをなしてサツキたちに住処を“譲って”行く。 だって「出ないと目玉をほじくるぞー♪」なんて言われたら逃げたくもなるわww 手足の“すすわたり”は子供にも大人にも「夢だけど、夢じゃない」。 雨の中バスを待つシーンはちょっとホラー。 眠りそうになるメイをおぶり、サツキは独りきりで父を待つ。そんな時にいきなり巨大な爪を持った怪物が横に現れるのだ。その怪物が数分の傘のお礼に雨を「どしんっ」と止めてくれたりサツキを助けてくれるのだから素敵じゃないですか。傘を開く瞬間にビクッとなるトトロが可愛い。 “めい”目掛けて電線や田園を風のように駆け抜ける猫バスの疾走感!愛情のこもった「ばか」の一言、直接母親に会う“楽しみ”を待つ事にするサツキとメイの成長もちょっぴり描かれる・・・夏にもう一度“不思議な出会い”をしたくなる映画です。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 10:56:31)(良:1票) 《改行有》

32.  時計じかけのオレンジ 《ネタバレ》 人間好きなものは、嫌いなものは一生好きになれないのが性というものらしい。 もちろんキューブリックは好きな監督だよ。キューブリックの戦争映画にハズレはないって思っているし、犯罪映画でも初期の「現金に体を張れ」や後年の「シャイニング」は大好きだ。 でも「時計じかけ」だけはマジで勘弁して下さい。もう一度あの狂気に満ちた世界を見ろだなんて俺にとっては拷問といってもいい。ダメなものはダメなんです。途中出てくるルドヴィコ治療法の映像だって俺には怖すぎる。 同じSFで人間の狂気を描く作品なら、俺は「博士の異常な愛情」を選ぶだろう。 でもこの映画がすごいという事は認める。認めざる負えないよ。 近未来的で不思議な世界観、そこを闊歩する若者たちの狂気、狂気、狂気!女が服を破られおっぱい丸出しでレイプされる寸前、変態どもが乱入して縄張り争い。老人をなぶり、車を猛スピードで飛ばして次から次へと悪事を重ねていく。仲間ですら腹に杖を撃ち付け川に叩き落し「上下関係」をハッキリさせ、支配しようとする。強盗、強姦、虐待、何だってやる。ルイス・ブニュエルの「忘れられた人々」を思い出す強烈さ。 だが彼らに罪悪感なんて欠片もない。何故なら「楽しい」から。自分たちが同じ目に遭うなんて考える気もない。今しか奴らは見えていない。 いつの時代も若者は時代を逆走する。「世界を変えられるのは俺たちだけだ!」それが巧を奏せば“英雄”にされる。だが大抵は“愚か者”となって自分の愚かさを思い知らされていく。 主人公なんか正にそう。怖いものなんて何も無い。いや怖いものを「まったく知らない」から。止める人間がいなければ何処までも奴は突っ走る。ソイツに共感する奴もいると思う。 俺?俺の場合は共感どころか「クソ野郎がブッ殺してやりたい」と素直に思ったね。この映画の後に「雨に唄えば」を見たからこそ言っておきたい。誰かアレックスをジャック・ニコルソンの斧でブッ殺せるゲーム作ってくれマジで(嘘ですゴメンナサイ殺さないで下さい)。 偽善者?そう思いたい奴はそう思え。ただ主人公を見てムカツかない奴も俺はどうかと思うぞ。 なんせアイツが好きな音楽も聞けない、悪事も出来ずに仲間にも裏切られていく様子は不覚にも同情しちまいそうになった。犯した女が筋肉モリモリマッチョマンの眼鏡になっているわ、美味そうなスパゲッティ喰いながら失神するわ、部屋に監禁されて好きな音楽に“殺され”そうになるわ。 「こんな奴に同情するなんて・・・」でもこれが人間だと思う。 でこのまま死ぬのが普通の映画だろ?ところがどっこい、重傷負って死ぬどころかピンピンしてら。オマケに開き直って女とヤリまくり、いつも通りの主人公だ。見事に「免疫」が出来ちまった。 ただただ「(゜д゜) 」だったよ。 殺意も同情も呆れ果てて失せた。 馬鹿は死んでも治らない奴っていんだな・・・。[DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 10:27:33)(良:2票) 《改行有》

33.  泥棒成金 ヒッチコックファンには不評な本作ですが、「ヒッチコックの作品」として見なければ普通に面白い作品だと思うのですけど。「シャレード」が好きな私にはヒッチコックのコメディタッチや「めまい」を思い出す凄いカーチェイス等かなり楽しめました。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-25 12:57:46)

34.  戸田家の兄妹 《ネタバレ》 サイレント時代は漲る若さで撮った「大人の繪本 生まれてはみたけれど」、 そしてトーキーにおける小津の最高傑作は、個人的に「戸田家の兄妹」あたりだと思う。 小津の作品と言うと説明的で説教臭い話が多く、俺のような人間にはまず肌が合わないタイプ。 そんな俺でもこの「戸田家の兄妹」は良い作品だと思ったよ。メッチャ良い! 「東京物語」ほどかったるくないし、何より家族が崩壊していく様子をストレートに描写していくところに惹かれる。 突然の死や老いた家族のたらい回しなんか「東京物語」より残酷さを感じた。 戦前の映画で家制度の崩壊をここまで辛辣に描けたのは、家族を何十回と描いていく小津だからこそ出せた答えだ。 葬式の後に遅れてやって来た昌二郎は、正に家族への怒りをストレートにぶつける代弁者。江戸っ子人情を噴出させる小津のな。 「食うや食わずの人間だって、親と子の関係はもっと暖かいもの。どれもこれも一つの腹から生まれながらこの有様はなんだ!」 こ の 有 様 は な ん だ ! ! 「人が何と言おうとそんなこと構いやしないよ、対面だとか体裁だとか、世間体とか、そんなことじゃ何にも出来やしないよ。」 何故だろう・・・説教臭い匂いが無い。だって誰もが思う怒りがここに集約されているもの。 良い意味で小津の「家族」描写が完成された作品。唐突なラストもまた意味深だったりするのかも。 斎藤達雄はこれと「宗方姉妹」を最後に小津作品に出なくなってしまった。もう少し見たかったよ・・・。[DVD(邦画)] 9点(2014-01-08 10:16:38)《改行有》

35.  東京物語 《ネタバレ》 再見。 個人的に「大人の見る繪本 生まれてはみたけれど」や「淑女は何を忘れたか」「その夜の妻」と傑作の多い小津だが、戦後の小津は「浮草」以外あまり好きになれないでいる。 とはいっても、見返してみると以前とは違う発見があるものだ。 船の汽笛や列車の走行音が響く港町。意気揚々と何かの荷造りをする老夫婦、それに笑顔で応え嬉しそうに出かけていく娘。彼女は通学路を行く子供たちに混ざるように道の向うへ。いくつになっても誰かの「子供」ということに変わりはない…と本作の展開を予告する。 晴れ渡った空に煙突から吹き上がる煙が吸い込まれるように消えていき、その空の下に洗濯物が風でたなびき、子供たちは野球道具を持って遊びに行き、駅では女同士が語り合う。穏やかな音楽とともに。 これは…きっと楽しい映画なんだろうな~と最初見た時は期待に胸を膨らませたものだ。 ところが、物語は想像以上に重くのしかかる。オマケに笠智衆のゆったりとした喋りで恐ろしい睡魔に襲われたものだ。 落ち着き払う静かな老夫婦、それを迎え入れる「子供」たちは忙しそうに家中を駆ける。成長し続ける子供たちの世話をしなければならない余裕の無さ、がんじがらめの日常。解放されすべてを終えつつある老人とは違って。 聖母のようにいつもニコニコ顔で振る舞う原節子も、俺には何処が影があり不気味な幽霊のように見えた。たまにボケをかましてクスッとさせてくれたけど(電話のやり取りとか)。 同じ小津でも「晩春」の嫉妬の表情、「麦秋」のユーモアと色気、「成瀬巳喜男の「驟雨」といった彼女の方が人間味があって可愛いし好きだ。 本音を押し殺して家族を迎え入れる親たち、挨拶を強制される子供たちは嫌がっているのかすぐに別の場所へ走り去ってしまう。 ずっと一緒で馴染みの関係ならともかく、遠く離れて暮らす存在だしなあ。子供たちにとっては、自分たちの場所を奪う得体の知れない他人にしか思えないのだろう。 自分の机を勝手に廊下に移されるんだから。子供は正直だ。だって本当に英語の勉強してたし。 子供たちの本音がさらけ出されるとともに始まる「たらい回し」。「戸田家の兄妹」のそれよりも遥かに悪化している。 追い出される形で家を出て旅を続け、酒を飲み交わし愚痴を聞いてもらい、旅先の旅館でさえ音が五月蠅くて満足に寝られない。 歩き続けた先でたどり着く海原。そこに夫婦水入らずで団扇をあおぎながら、久々に静かな刻を過ごす。 立ち上がった瞬間の「よろめき」が予告するもの、優しさに満足して「旅立つ」死、幼い子供に向けられていた愛情が、溢れ出る涙によってようやく親にも向けられる。後悔しても、行ってしまった者は戻って来ない。 親を愛するが故に不満を言う香川京子。子供に勉強を教え面倒を見る教師だからこそ、余計に思いやる気持ちが強いのだろう。 それに対し、すべてを許しなだめる原節子。未亡人として夫の死を乗り越え耐えて来た強さ。黒のスカート、灰色(紺色?)のスカートの対比。 老人は、そんな尽くしてくれる者に「幸せになれ」と言って送り出そうとする。死を乗り越えた者どうしだからこそ、自分を大事にして欲しいという想い。揺れ動き溢れ出そうになる本音、それを見て立ち上がり、餞別として渡す「形見」。それは新しい人生を刻んで欲しいという願いも込められているのかも知れない。 冒頭と違い、轟音をあげながら突っ走る列車の疾走。それに乗り込み、時計を見つめるその瞳。「再出発するぞ」と決意をかためた意志の強さを感じる。 そこには、さっきまで「本音」を隠すように顔を覆って嗚咽していた者の姿はない。「父ありき」の列車の場面といい、こういう小津の演出はほんとに憎いくらい素晴らしい。 老人は、団扇をあおぎながら静かに窓の外を見つめ続ける。汽笛を吹かす船の行く末さえ、暖かく見守るように。[DVD(邦画)] 8点(2014-01-07 17:11:39)(良:2票) 《改行有》

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