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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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1.  南極料理人 《ネタバレ》 「食べ物を粗末にするんじゃ無い」  爺さんは僕にいった。なんて事をするんだお前は、と、大好物の鶏を猫に与える孫をにらみつけた。人間様の食べ物は人間様が食べるのであって、猫様には猫様にふさわしい食べ物がある。彼の言いたいことはしまいには大義名分になって、僕の棒々鶏は取り上げられてしまった。脇の甘いところを見せた孫に一発良いのを入れられたことで、なにやら上機嫌でもある。  いやだって猫も時々は美味しいものを食べたいんじゃないでしょうかと言い返すも、テレビに見入ってしまった彼は全く聞いておらず、そうだねーうん、などと一モルも理解していない生返事をよこした。  南極で辛苦を共にする八人の隊員は、自分の仕事を大切にし、誠実に向かい合いつつも観測所での食事を楽しみにしていた。食事に見せる変な、他の言葉に何となく置き換えたくない、変な執着が耐えがたい極寒をイベント程度の日常に変えてしまっているかのようで見ているこちらは楽しくもあったのである。  事件らしい事件が起きない随筆の様なこの映画で、八人が起こした最大の凶行に僕の目は釘付けになってしまった。伊勢エビ。豪華食材である伊勢エビを、身では無く殻に風味が詰まった高級魚介をよりによってフライにしてしまった彼らは、やりきれない食卓の上で転がらない会話を無理にでも放り投げていた。  あのさ爺さん、「棒々鶏だけどさ、ほんの少し僕の分をニャン吉にあげて僕はその分は食べたつもりになって満足で、ニャン吉も満足なのでは?」どうよ、と次の日にもう一度訊ねる。 「そうなの?」まるで覚えていないが、あああのことね程度に孫の相手をする。 「いや、そうではないんだ。戦争中は敵地で食べ物というもののありがたみがあった。戦争が終わったら今度はありがたい食べ物そのものが無いんだ。物理的に手に入らない。戦争中の方がましなくらいだ」なにやらまじめに答える祖父に、意外性すら感じた。  だから、満足がではないんだと言う。お膳に上がったものだけじゃ無くて、お膳に上がる前の食べ物にだって礼儀を払いなさい、と。  伊勢エビを見て、ただ大きいからやりたいと言うだけでフライにしたがる大の大人たちはこの言葉を思い出させた。  が、そう言えば祖父は海軍学校でタダ飯を喰い、終戦直前に軍服を着て写真を撮ったら戦争が終わっていたなどと舌長であった。油断ならない男である。[地上波(邦画)] 8点(2013-05-09 20:08:01)(良:1票) 《改行有》

2.  長靴をはいた猫 80日間世界一周 《ネタバレ》  長靴を履いた猫がとうとう世界一周までしてしまうんだから観ないわけにはいかない。見事なチョイスをやってのける僕らのMXさんに感謝しつつ、レコーダーを起動した。  ぐるぐると駆け回る猫と豚。豚と狼と悪い猫。ぐるぐる回る。考証だとか、プロットなんかどうでもよくて、とにかく追いかけっこが楽しい。作者がわざと残したつっこみどころにしたり顔になるのも楽しくてやめられないが、この映画はそういう話ではない。  童心に帰ってしつこく追いかけてくるわるいヤツから一緒になって逃げたらいい、再生ボタンを押してスリル満点の時計塔にもう一度上るのだ。[地上波(邦画)] 7点(2013-01-21 22:09:17)《改行有》

3.  長ぐつをはいたネコ(2011) 《ネタバレ》 なかなか面白かった。どうしようもなくネコなプスが可愛くて仕方がない。 シュレックの大好きなキャラだが、こうも素直にスピンオフされるとうれしい。ペローのお話とは全く関係がないので読んだことがある人でも安心して楽しめるはずだ。 今回もDREAMWORKSは非常に良い仕事をしている。既にリアルさではなく、いかにリアルさを削ぐことが効果的なのかと言う実証段階に入りつつあると感じさせる絵作りにはスゲーと思わされる。屋根伝いの追いかけっこや、空からの落下シーンなどでは素直に「アヒャヒャそんな訳ねー」と笑い飛ばせる。 話もオーソドックスで、どこかで見たようなものが組み合わさってやさしさが伝わってくる。残酷にならないように、ひどいヤツはひどく見せる。この辺のさじ加減が絶妙だ。エンディングも決していい加減ではなく、きちんと主張が込められてて小さい子供には是非見せてあげたいと感じさせられた。良い映画だった。 IMAXで観たのだが、3Dの立体感は弱めでバランス重視。CGのキャラ造形がくっきりと見えて楽しかった。CG好きにはIMAX版推奨。2012年現在日本のIMAXデジタルシアターは2kでは有るが、4kリマスタリングの映画は殆どないので今観られる映画で観たいものがIMAXで上映されているなら逃すべきではない。2200円の特別興行料金に損はない。 今後は映画自体が徐々に4kの路線になっていくかもしれない。そのうち4kになって、4kキャンペーンかなんかでリマスタされた同じ映画を同じ劇場で観たときに「201x年くらいはIMAXは2kでさ、こんな風にも違うんだよね」的な能書きを楽しめるのだろうか。[映画館(吹替)] 7点(2012-03-25 06:49:39)《改行有》

4.  9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~ 《ネタバレ》 可もなく不可もなく。 でも、面白い物を期待していたので失望感は大きかったりした。 世界観は凄く良かったけど、人と機械の戦争とか、生き残った機械との人形のサバイバルとか。ゲームシナリオそのまんま。 やけに具体的な戦闘や設定は、描写はされても全く本編で機能しておらずまさにゲームのムービーシーン。ご褒美のように何か一つイベントをこなすとご褒美ムービーとして過去の話やマシーンの背景がムービーで流れる。それを繰り返していただけだった。 エンディングは全くの無意味だと思う。これいったい何なんだ。 天に帰った?意味分からん。世界を救うんじゃなかったのか・・・。最後に頭数が減ってどおする。 ゲームのエンディングのようなヘーアッソ感が味わいと言えば味わいかも知れないが、映画の高品位な脚本を見たかったのに、ゲームの筋書きを延々と一時間見させられて最後はフーンだ。 結構腹が立った。[DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2011-08-16 02:03:01)《改行有》

5.  ナインハーフ 《ネタバレ》 正直、こういう映画って芸術性を追求して作るんだと思うけど意図がよくわからないんですよ。 有名作家が書くエロティックな要素がある作品、っていうのは時々味があったりするんですが映画でそれをやられるとどうもなぁ。 やっぱりアメリカってポルノ映画ってものすごいあからさまで目的がはっきりしていたりするから、綺麗さとか芸術性なんていうものが一切ないわけで、そういうことだけではないんだということだけはわかるわけです。 で、美しさとエロさと、物語性のようなものがそろっているときっと面白い映画だったなぁっとなると思うんですよ、確かに。 でもこの映画がそういう映画だったのかな、というとそうではないような気がする。 この映画と全然脈絡はないし、引き合いに出すのがふさわしいかどうかはわからないんですが、そういう風に作られているであろう映画としてはラマンの方が面白かったかなぁ・・・。[地上波(吹替)] 5点(2009-06-06 23:51:30)《改行有》

6.  ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 原作ものの悪いところを最大限に引き出してしまっている。 読んでいないが、あまりにも雰囲気が継ぎ接ぎで単なる映像化の一例になってしまった感じだ。 一巻でファンが悶えるポイントを、らしい映像化でつなげていったという感じではないかと思う。 おそらく中終盤が持つだろう原作の中核的な色ではなく、80年代風ファンタジー映画という個性でまとめられているのは疑問だった。 もしこの雰囲気が原作の雰囲気であればそれは原作が原作ものを売りにしているファンタジー映画に劣る可能性があるがそうではないと思う。 原作ものは、原作があるからベースの話はしっかりしているはず。という誤解を上手に使わなくちゃいけないと思う。 指輪物語でさえ序盤のフワフワ感から中盤以降後半に進むに従って急速に固まっていく感じ。 指輪物語が映画化されるとき、最終盤の味わいを基準に序盤の雰囲気を入れ替えて、開始からラストまで一貫した物語がどっしりと据わるというところに文字通り「重さ」があった。 正直、通常のシリーズものでは作ごとに同一のスタッフでも雰囲気や話作りが異なるのが普通。 だけど、ファンタジーものはそうはいかない。締まった雰囲気と筋の通り具合が一番重要だから。 指輪物語は原作ものがすでにして完成品であるという誤解をこの上なく上手に利用して、原作愛読者でさえ完全に映画化されたと一瞬でもそう思ってしまう筋を作って見せた。 原作で一番深く没入する、終盤の下りのあの雰囲気で全編をリフォームし、序盤からラストまでぶれずに紛れもなく指輪物語であるという認識を与えていた。 こういう良い作り方がすでに存在するにもかかわらず、素直にパクらずビジュアルに振った作りをやってしまったのが残念。そのビジュアルも、明らかに金がかかってないシーンが混ざっているせいでただの暇つぶしにもってこいのそこそこ面白い映画になってしまった。ファンタジーものの金字塔のはずなのに・・・。 とはいえ、ただの映画であれば、そうつまらないものではないからこれはこれで良いのかなと思う。 かわいそうなのはやはり、原作を擦りきれるまで読んでいる愛読者だ。 愛読書がこれじゃなくて良かった。[DVD(吹替)] 6点(2009-04-26 19:50:11)《改行有》

7.  ナチョ・リブレ/覆面の神様 《ネタバレ》 割と面白かったと思う。 何も持たない人が、自分の中に僅かに残る憧れというか力というか、そう言うモノに何となく強く突き進んでしまうプロットは悪くないと思った。 登場人物らに疑念が無く、見ているこっちもあんなに綺麗なシスターがくっつくわけ無いじゃんと言う邪念を払ってみさせるバランスはなかなかにウマいんじゃなかろうか。 毎日がスッと過ぎていく人間には、この画面の中にすぎていく時間のゆっくりさにはなんというか憧れのような感覚が沸くのではないかと思う。そういう見せ方も何となくいいなぁって思った。 最後の決戦なんかも、素直に応援できた。何でだろう。 純粋な気持ちで見た方がどうやら面白いようだ。ジャックブラックが好きなので余計面白く観ることが出来た。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-04-25 19:33:20)(良:1票) 《改行有》

8.  茄子 アンダルシアの夏 《ネタバレ》 駆け引きよし、意地よし、仲間よし、風景よしってかんじでした。 スピード感のある表現がグイグイ引っ張っていってくれるので、 1秒も飽きずにみることが出来ました。 40分くらいの短編て言う、短編映画の使い方を心得た作りが潔くて○ 自転車の知識が無くてもみれるのが良いし、兄弟のつばぜり合いの先の話 っていうのが良いですね~。決着がついてしまったその後の話。 何となくゴールにたどり着いた兄と、これからがスタートの弟という対比が また良いじゃないですか。 満足しました。 声優は、今回そんなに悪くないですね。なんでだろ。 台詞が少ないからでしょうかね。 主役は棒読みでもないし、他のキャラも普通のオジサンがリアルにつぶやいている感じがしたような 気がしないでもない。 偶然だとは思うんだけれどすべてが上手くいってできあがったような感じか。[DVD(邦画)] 7点(2009-01-03 15:49:45)(良:1票) 《改行有》

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