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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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21.  ニュー・ジャック・シティ マリオ・ヴァン・ピーブルズと言えば、『ジョーズ’87/復讐篇』で初めて観て、人懐っこい表情が印象的だったんですが。その後『エクスタミネーター2』を観てみたら(ええと、たぶん木曜洋画劇場です)、これまたマンガのようなスゴイ悪役ぶりで、大ウケしてしまいました。まさかこんなヒトが監督業に乗り出すとは夢にも思わなかったんですけどね。その彼の監督作品、いやがコレなかなかの意欲作。内容的に欲張り過ぎな面は確かにあって、黒人ギャングとマフィアの抗争があるかと思えば、警察側にも、人種間の摩擦や友情があり、ギャングへの個人的な憎しみがあり。虚飾に満ちた栄光、転落、そして不合理。という盛り沢山の内容で、これらを料理しきれずいささか散漫な印象は残ります。でも、いいじゃないですか。これだけ骨太な作品もなかなか貴重。丁寧な演出にも好感が持てます。監督本人も重要な脇役で登場し、端正な顔だちを見せてくれています。入魂の一作。[DVD(字幕)] 8点(2010-12-16 23:54:36)

22.  担え銃 短い映画とは言え、密度の濃さと展開の速さにぐいぐい引き込まれ、まさにあっと言う間、えっもうオシマイなの?と思っちゃいます。冒頭の訓練ではどう見てもダメ兵士だったチャップリンが、後半は、ハチャメチャ大活躍を展開。説教臭く戦争に異を唱えるよりも、映画という自由な世界で自由に飛び回り、現実の戦争を超越して見せることで、キッパリと戦争に背を向けて見せた、そんな映画。なもんで、この活躍ぶりたるや、明らかに非現実的なんですけれども、ちゃんとまとまりをもった活劇になっているのがミソで、笑いだけではないオモシロさ。またその一方、中盤における塹壕のシーンが、映画において結構大きなウェイトが置かれているのも見逃せません。この場面での笑いって、悲惨さと隣り合わせの笑い、なんですよね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-03-15 00:00:06)

23.  28日後... コレはまあ、何に似ているかというと、やっぱし『バイオ・インフェルノ』ですね。病気に感染したらゾンビーみたいになっちゃうっつーあたり。本作は、ゾンビーそのものでは無いとは言え、ゾンビー指数はかなり高く、ゾンビー好きには格好の贈り物、ゾンビーポイント加算で高得点間違いなし。一方、映画の流れとしては、近未来を舞台としたロードムービー風。ちょいと『ラスト・カーチェイス』なども思い起こさせます(変な映画ばかり例に挙げてスミマセン)。無人と化したロンドンの街、この終末感溢れる幻想的な映像はまさに圧倒的で、強烈なインパクトを持ち、強固な映画の軸となっています。そしてそこに絡みつく、意表をついたストーリー展開。例えば---感染者に追いかけられて階段を駆け上がると、そこに待ち受ける機動隊員風の謎の人物---うぉー何だ何だこの先どうなるんだあ、と思わずにはいられない、意表のつき方。後ろからは俊足のゾンビーが追いかけてくるし、前には得体の知れぬ展開が待ち構えているしで、映画の推進力には事欠きません。しかしですね、この映画。音楽の使い方ばかりはどうも納得いきませぬ。グノー「アヴェ・マリア」やフォーレ「レクイエム」の「In Paradisum」の挿入の何ともハンパなミスマッチぶりが、どうにもこうにもジンマシン。映画のオドロオドロしさとは敢えて対照的な選曲をぶつけてきたのでしょうが、あまりにもベタベタで感傷的、意表を突くには程遠く、むしろ気恥ずかしくなっちゃう(しかし、炎上するマンチェスターを前にして流れるのがIn Paradisum(楽園にて)というのも、スゴイと言えば言えなくもないナ)。ところで、あのオヤジさんの最期、あれがいわゆる「二階から目薬」というやつでしょうか?(←違います)。8点(2004-10-31 00:43:08)

24.  日蓮と蒙古大襲来 歴史、宗教、スペクタクル、とくると、大作映画の王道3点セット、という感じがいたしますが、それにしても1958年製作のこの映画。例えばウィリアム・ワイラー版の『ベン・ハー』が翌59年の映画であることを思うと、なかなか攻めてるなあ、と。 いかにも、海外映画がイエス・キリストだったら、日本映画は日蓮で勝負、といった感じで、弾圧に屈することなく法華経の教えを説く日蓮上人の姿が描かれます。大地震のシーンでは地割れが起こり家屋が倒壊し、日本映画だって負けてませんよ、という意気込みが伝わってきます。 タイトルにあるように、目玉は蒙古大襲来、と言いたいところですが、待てど暮らせど元は襲来してこない。映画がかなり終わりに近づいたところでようやく元寇となるも、時間の関係で、文永の役と弘安の役がまとめられた感じ。戦いの流れなどはあまり描かれず、もっと日本側の苦戦を描きこんだ方が盛り上がるんじゃないの、と個人的には思っちゃいますが(防塁などもすでに築かれている模様)、到来する大船団、巻き起こる混乱、大規模な合戦シーンを矢継ぎ早に叩き込み、そして暴風雨のクライマックスへ。ミニチュアを駆使した迫力の映像が、圧巻です。 なお実際は、文永の役の頃は台風の到来シーズンには当たっておらず、弘安の役の時は台風が到来したのであろうけれど、壊滅的な被害という訳でもなさそう(その後も戦闘は続いた)ですが・・・。 それはともかく本当は、前半をもっと削っていいから(宗教者の親子の情を描くというのも、ちょっとどうかと思うけど、日本的と言えば日本的か)、元寇をたっぷり描いて欲しかった、とは言え、こんなスペクタクル映画向きの題材がその後もあまり描かれてこなかったことを思うと、貴重、であり、感謝。 あ、元寇以外がつまらないと言ってるんじゃないですよ。そこまでの約2時間も、日蓮の苦難また苦難の連続で、物語を引っ張っていきます。だんだん、なんでこの人こんなにイヤがられてるんだろう、と思えてくるのですが、空気読めない感たっぷりの表情で日蓮を熱演する長谷川一夫。空気が読めないんじゃないです、信念なんです。 時宗を演じるは、市川雷蔵。何となく、ピッタリな気がします。この空気読めない感(笑)。 いざ元寇となると、日蓮の存在感が薄くなり、そのまま唐突に映画が終わってしまう印象で、企画的にはやっぱり多少、無理があったような気もしますが、日本映画のパワーを感じ取ることのできる作品、だと思います。[インターネット(邦画)] 7点(2023-09-17 11:22:03)《改行有》

25.  日本侠客伝 斬り込み 《ネタバレ》 一介のしがないやくざ者が、テキ屋を束ねて一家を構えるまで、みたいなオハナシなので、なかなか壮大と言えば壮大ですが、概ねいつも通り、でしょうかね。 ただ、健さんが子連れの男やもめ、ってのが、ちょっとした意外性。で、持ち前の生一本な性分から、最初は結構、無茶ばかり言ってるところがあるのですが、会うヒトにも恵まれて、運命の歯車が回り出す。 金子信雄までがイイ人だなんで、ちょっとショック(笑)で、これで渡辺文雄までイイ人だったらどうしよう、というところですが、一応ワルい人だったので安心しました。 長門裕之は、なんとも「らしい」役どころ、関西出身ということもあって、関西弁のセリフ回しも完璧ですが、早口なのでちょっと聴き取りづらいかも。 「斬り込み」というサブタイトル。冒頭にも殴り込みシーンがあるけれど、もちろんクライマックスにも。 とは言え、この映画の主題は、家族愛。ファミリー映画ですねー。[インターネット(邦画)] 7点(2022-06-11 10:26:37)《改行有》

26.  にっぽん泥棒物語 松川事件を基にした、半分社会派、半分喜劇、といった感じの作品。 主眼は、泥棒(というか、元泥棒)である主人公が裁判で証言する場面、ということになるのでしょうが、あくまでその描写は終盤に絞り、主人公の半生のあれやこれやが描かれてます。 なので、このオハナシは一体何処に向かうんだ?という感、無きにしもあらずですが、そこまでで描かれてきた主人公の人柄、あるいは人となりが、最後の裁判シーンで絶妙に活きてきます。裁判を取り上げた映画はいくつもあるでしょうけど、こんな楽しい裁判は、貴重です。 方言を駆使したセリフ回し、正直、ここまで訛がキツいと聴き取れない部分もあるのですが、それでもやはり、方言の強さ、というものを感じます。[インターネット(邦画)] 7点(2021-12-19 13:29:01)《改行有》

27.  日本女侠伝 真赤な度胸花 日本女侠伝シリーズ2作目は、降旗康男監督作品。芸者色は一掃され、一応は跡目継ぎがどうのというオハナシは出てくるものの任侠色も殆ど無く、北海道の雄大な自然を舞台にするとどうしてもこうなってしまうのか、何となく西部劇テイストを感じさせます。口琴の音色を聞くとますますそんな気分に。 大体、みんな当たり前のように拳銃を持ってたりして、これはマチガイ無く西部劇だと思う。 ヒロインを支えるのが健さんで、後の降旗作品の寡黙さは無く、若干、軽いノリ。で、こちらも銃を振り回し、クライマックスの銃撃戦へ。 いいなあ。自由で。[インターネット(邦画)] 7点(2021-10-17 13:35:34)《改行有》

28.  日本女侠伝 侠客芸者 《ネタバレ》 藤純子演じる芸者さん、威勢よく啖呵を切って見せたりもするけれど、さすがに「侠客」ってなことはなくって、それはどちらかというと健さんの役どころ。侠客&芸者、です。 無論、芸者さんなので、男性客をもてなしてナンボ、のところはあるのですが、一方で理不尽にははっきりノーと言い、それも常人離れした格闘能力がある訳でもなく、皆で力を合わせて相手の横暴に立ち向かう。かつてのウーマンリブ運動を見るようでもあります。 その一方、健さんはというと、こちらは弱小企業が悪徳大企業に押しつぶされようとするのに必死で立ち向かう、その先頭に立っていて。 いやがらせの数々を何とか耐え忍ぶも、ついに一線を越えて犠牲者が出たことから、健さんの怒りが爆発。このテの映画の定番、殴り込みとなる訳ですが、ここでもやっぱり、死地に赴くのは男であって、女の姿はそこには無い。男は気前よく死んでみせ、女はただ、芸者の身のままで悲しみに耐えるしかない、という、今見りゃ、ちょっと古風過ぎるオハナシで、フェミニストの皆さんからはブーブー言われそうな内容なんですけれども、でもラストで、悲しみに耐えつつも強く生きていこうとする、いや強く生きていかねばならないからこそ悲しい、そんな表情を湛えた藤純子が、イイんですねえ。鮮烈な印象を残します。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-25 21:46:53)《改行有》

29.  ニノチカ 日本ではラグビーW杯以来、「笑わない男」ってのが流行って(?)ましたが、こちらは、笑わない女。 ソ連ジョーク満載で、共産主義をからかったネタが次々に出てきますが(駅に迎えに行くシーンで、ソ連の役人かと思ったらナチス党員だった、というのは、今にして思うと、ちょっと毒が効き過ぎなくらいの鋭いネタですが)、筋金入りの共産主義者と思われた無表情のニノチカが、つい笑ってしまうくだりで物語は大きく転調します。このシーンも、「いくらレオンがジョークを言っても笑わなかった彼女が、レオンの失敗を見て笑う」という展開になっていて、やはり物語の転機としてはアクシデントほど効果的なものは無い訳で。 だもんで彼女の「笑い」は映画の中でなかなか印象深い事件となっているのですが、正直、タイミングとしては少し早すぎですかね? もうちょっと険悪な雰囲気で粘ってくれてもよかったかも知れず、二人がネンゴロになってからがちょっと長いような気もいたします。 基本的に共産主義をからかって、ソ連人が自由社会の楽しさにかまけていく姿、しかしそれこそが人間らしい姿、を描いているようにも思える反面、レオンと使用人との関係などには彼の「いい加減さ」も容赦なく描かれていて。 冒頭から映画にコミカルな味付けをしている3人組が、ラストでは共産主義と自由主義をうまくブレンドしてみせて、気の利いたオチを提供しています。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-13 21:44:11)《改行有》

30.  日本の首領 完結篇 前作では、関東進出を図るも関東同盟にその野望を阻まれた中島組。いやホント、前作は野望篇といいながら、ゴチャゴチャしているばかりでちっとも野望が伸びない印象だったのですが、この第3作はもうちょっと見通しよく盛り上がります。それは、いよいよ関西の佐分利信と関東の三船敏郎とが正面から激突するから・・・ではなくって、やっぱり佐分利信の出番は少なくあまり激突もしないのですが、その両者の対立を背景にして多彩な登場人物が、複数の印象的な物語を織りなしているからですね。映画の描き方としては、ひとつひとつのシーンが短く、次から次へとシーンが切り替わっていくため、どの登場人物が主となることもなく、観ている我々にも特定の人物に思い入れを持たせないようにしているかのようですが、それでもなお、あの一癖もふた癖もある寺田農は忘れ難いし、一作目でフンギリつけたと思ってたらまだ思い切りの足りない高橋悦史も見せ場を作ってくれます。しかし誰よりも印象的なのは、運命を狂わせられ他人に利用されつつもその道を突っ走り極めようとする大谷直子の存在、でしょう。それぞれが、自分なりの「上」を目指しつつ、しかしそのさらに上には、政財界を巻き込んだ佐倉と大石との対立があって、その争いの中ですべては犠牲となっていかざるを得ない。いや、佐倉と大石すらもすべてを犠牲にし、いったい後には何が残るのか。ってな訳で、中盤に変なカーチェイスと銃撃戦があった割には(笑)、最後はしんみりと感慨深い気持ちになる、3部作のラストなのでした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-06-06 17:55:38)

31.  人間の証明 ニューヨークから、鄙びた秘境のような温泉地まで、一本の映画にどれだけの光景を盛り込みうるか。さらには時代も過去と現在を行き来したりして、このハチャメチャな構成こそ、角川映画らしさ。え、物語の中にあまりに偶然が多いって? いいんです、そうでもしなきゃ、こんな物語、まとまる訳ないじゃないですか。さらには、まがりなりにもニューヨークでカーチェイスらしきものを撮ってしまう、この心意気。いやぁまさに、角川映画、ですねえ(時代は、「ニューヨークへ行きたいか~」のアメリカ横断ウルトラクイズが始まった頃ですから…)。もっとも、全般的に、アメリカのシーンはあまりうまく撮れていないといいますか、なーんか変なのですけれども。そしてこんなエキセントリックな映画は、やっぱり松田優作でないと、つとまりません(普通の演技では、最後まで持ちません)。ところで、麦わら帽子が飛ぶシーン、あまりに見事に飛びまくってるもんで、これはもしや帽子ではなくアダムスキー型のUFOではないか、と……。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-08-04 22:55:14)

32.  日本海大海戦 日露戦争の開戦から、旅順港封鎖作戦、黄海開戦、旅順攻略を経て、東郷大将率いる連合艦隊とロシア第二・第三太平洋艦隊(いわゆるバルチック艦隊)とが激突した日本海海戦までを、まあ言って見れば再現ドラマを交えたドキュメンタリー番組みたいに語っていきます。日本海海戦を描いた記録文学としては吉村昭「海の史劇」などが圧倒的な描写でその戦況を描き切ってますけれども、この小説が書かれたのよりも、本作の製作の方が先。精巧なミニチュア撮影を駆使しての迫力ある映像に、矢島正明さんの説得力ありまくりのナレーション、そりゃ盛り上がろうってもんです。表向きは、明るく勇ましくいささか素朴な音楽にも見られるように「我らが日本海軍!」というイケイケムードですが、一方で、未曾有の大航海を成し遂げた末に敗れ去ったロジェストベンスキー中将の悲劇なども描いていたり。とまあ、ドキュメンタリー番組を観る気持ちで見たら、確かに面白いのですけれども、経緯を語る、ということに力点を置いている分、焦点が定まらないというか、淡々と先へ進め過ぎるというか。例えば「船が沈んでいくこと」そのものの持つドラマを、もうちょっと描けなかったものか、とも思います。あと、海戦はミニチュアを交えてダイナミックに描く半面、陸戦はどうも迫力が出しにくい。ある程度エキストラを集めて撮影してるんですけれども、広大な荒野を舞台にしては、どうしても、こじんまりした印象になってしまいますが、極力、遠方にも人を配置して撮影しているのは、限られた人数でスケール感を出す工夫なのでしょう。でももう少し頭数が欲しい…。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-07-17 23:02:54)

33.  忍者武芸帖 百地三太夫 とにもかくにも、「若いって、エエのう」と、半ば呆れつつも半ば感心する、うれし恥ずかしな作品。何がって? 真田サンが若いんです。もう魅力全開。伊賀忍者の親玉ともいうべき百地三太夫の名をタイトルに持つ本作、映画開始からまもなく、肝心の百地三太夫は死亡(笑)。そこにふらりと現れるのが、真田サン演じる鷹丸なのですが、これがもう、ムキムキにしてサワヤカ、そして男前。まあ要するにコレ、アイドル映画です。しかしJAC風味のアイドル映画、ですから、アイドルにもそれなりの事はやってもらわないといけない。体脂肪率ゼロ%かというような肉体美を披露しつつ、見事な武術アクションを展開。彼が登場したとたん、忍者映画ではなくカンフー映画と化してしまい、これぞ和製ジャッキー・チェンです。時には(なぜか)ダンスも披露するし、また時には危険なスタントにも挑戦。真田サン、お城の天守閣からホントに飛び降りちゃってます。すべてにおいて、ここまでやるか、という、まさにJACならではのアイドル映画。志穂美悦ちゃんも負けじと、うれし恥ずかしなアイドルぶりとアクションを見せつけてくれます。脇を固めるのが、丹波哲郎とか千葉真一とか、要するに妖怪系の面々(笑)で、ノリノリかつワケのわからん言動が映画を大いに盛り上げます。と言う訳で、どうにもこうにも浮世離れの甚だしい作品ではありますが、何かイイモン観たな、という気にさせてくれる映画です。あと、真田サンって、スゴイな、と。ほんと、若いってイイです(笑)。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-03-17 23:12:25)

34.  ニッポン無責任時代 一言で言えば、「元気な映画」ですよね。「現金な」でも結構ですが(笑)。歌って踊る植木等の活きの良さ、調子良さには観ててつい頬が緩むし、大胆でちょっと雑なカット割りなども、むしろ楽しかったりします。元気で、動きに満ちた映画。この主人公、やってることは“周囲と比較すると”メチャクチャだけど、自分ではうまくいくと信じて、最後まで投げ出すこともなくすべてをやり切ってしまうんだから、別に主人公自身が「無責任」って訳じゃなく、むしろ、こんなヒトが大成功しちゃうこの映画のノリこそが、確信犯的「無責任」という訳なんでしょう。堅苦しい世の中において、「無責任」の楽しさよ。ところがところが、裁量労働・成果主義の現在から見れば、むしろこの主人公ほど優秀な人材はいない、ってなことになりかねない。世の中全員がこんなヒトばかりでは、困るんですが。ホントは、閉塞状況の中にあえぐ現在の我々が、この映画を観て感じ取るべきなのは、「多様性」ということの価値、なのかも知れません……。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-23 09:05:07)

35.  20世紀少年 -第2章- 最後の希望 《ネタバレ》 と言う訳で、やっぱり、このカントクさん、苦手だなあ・・・と、思いきや! アレ、この第2作目、面白かったよ(笑)。内容的には、先を読ませぬ意外な展開、と言えば聞こえはいいけど、正直、「行き当たりばったり」な感じもする訳で、でもコレが結構楽しく、少なくとも悪い感じはしません。またこの第2作では、カンナちゃんの走る姿、ってのがひとつのモチーフになっていて、ハイ、ワタシはこういう姿に弱いです(もうオッサンですね)。大量のエキストラを動員し、群衆の中で展開されるクライマックス、そして“ともだち”の葬儀において、彼の復活を目の当たりにした群衆の「オー」という驚きの叫びによる、不協和音の大合唱。これはなかなか盛り上がりました。と言う訳で、意外に面白かったです。この調子なら第3作目も・・・と思いきや![地上波(邦画)] 7点(2010-11-29 23:08:13)

36.  2012(2009) 膨大なデジタルデータ群が織りなす、壮大なるマスゲーム。とかく大味な印象を受けがちなCGスペクタクルシーン、本作ではむしろ「よくこんな細かいところまでCGに盛り込んだものだ」と感心してしまうのですが・・・ですが、何となく物足りない。多分、「音」が、弱いから。そりゃま、豪快で景気のいい効果音がかぶられてはおりますけど(だから、あまり「音」が弱い、なんて言うと、「そりゃお前んちのオーディオシステムがヘボいんだろ、と言われそうですが)。しかし、やっぱり、映像にばかり力点がおかれて、効果音が一本調子なのは、事実だと思います。例えば『激突!』におけるあのカタストロフの、まるで叫びのような軋みの効果音。あれが有るか無いかで、『激突!』という作品の印象は、大きく変わっていたハズ。あるいは『ダイ・ハード』のすさまじい爆発音。あのような印象的な「音」が無い、この『2012』とい作品、いくら派手に破壊や大災害が描かれようと、いやむしろ映像が派手に、かつ精緻に描かれれば描かれる程、そこに妙な“静寂”を感じてしまう。そこが物足りない、と同時に、本作のスペクタクルシーンがもつ、独特のカラーと言えるのかも知れません。なお、作品自体は、あの退屈な『デイ・アフター・トゥモロー』とは違って、「主人公の行く先行く先、大災害がテンポよく都合よく、時間差攻撃してくる」という非常に行き届いたサービスが盛り込まれていますので、長い映画ですが楽しめます、ハイ。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-06-28 22:33:00)

37.  肉体の悪魔(1947) レイモン・ラディゲ16~18歳の時の作品『肉体の悪魔』。彼はその後『ドルジェル伯の舞踏会』なる驚くべき作品に到達し、人生を猛スピードで駆け抜けた挙句に豆腐の角に頭をぶつけて死亡。まさに夭折の天才。一方、若き日の三島由紀夫は「オレも相応の作品を作らねばならぬ」という強迫観念に駆り立てられ、やはり16歳で『花ざかりの森』なるワケワカラン作品(失礼)を生み、さらにラディゲに真っ向挑戦した『盗賊』なる偉大な失敗作を世に問うた後、独自の世界へと飛翔、さらに肉体改造によって、肉体の悪魔ならぬ悪魔の肉体となり、ターミネーター、コマンドーで一躍スターとなってカリフォルニア州知事へ。と、それはともかく。そもそも、ラディゲなり、スタンダールなり、こういう、解剖学的な心理小説とも言うべきものを、なにゆえ、「映画」というやつは、あえて“映画化”してしまうのか。文学だからこそ到達できた世界に、なぜ映画が、映像というむしろこの世界とは相容れぬ武器を手に、関わろうとするのか。こういったところから、私の「そもそも、映画って、何?」という疑問、ジレンマが、始まるわけで。しかしまた同時に、この作品にはすでにその解答、とまでは言わぬまでも、そのヒントが顕れているようにも思われます。なぜなら現に、この作品を、原作を離れて、映画として、楽しんだのだから。映画はあくまで心理への切り込みよりも映像による“劇”として展開、その分、やや軽いノリという印象もあるのですが、恋愛サスペンスとして観ても十分楽しめるオモシロさも。結局のところ、小説と映画の関係を、「材料は同じでもカレーと肉じゃがは全然違う」という立場で捉えるか、「カレーも肉じゃがも、材料をたどれば同じもの」という立場で捉えるか、という問題なんでしょうね(と、意味不明の納得の仕方で唐突に終わる)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-02 16:13:49)

38.  ニューヨーク東8番街の奇跡 空飛ぶ円盤型生命体(?)と人間の交流を描いた映画、と言えば、何だかアホらしいようだけど、丁寧な作りに好感が持てるファンタジー。UFO登場のシーンこそ何だかあっけなく、「もう少しもったいぶった演出があってもよいのでは」と思えるけど、このUFO、特殊効果の丁寧さもあって、違和感を感じさせず、物語に溶け込めます。“地上げ”といういかにも世知辛さの典型みたいなわかりやすい背景。周囲が取り壊されて一軒残ったアパート、という舞台設定も、なかなかリアルなセットによる表現で、惹きつけるものがあります。そこに住む住人が本作の主人公たち。カフェを経営する老夫婦には、実生活でも夫婦のヒューム・クローニンとジェシカ・タンディ、この二人を見るだけでも価値アリ。また、寡黙な元ボクサー(フランク・マクレイ)もユニークで、「そんなヤツおるか!?」と言いたくなるキャラだけど、UFOを治療(?)するために大好きなテレビを“黙って”壊しちゃうあたりなど実にウマい。“見せる”面白さにこだわって、よく計算された丁寧な映画、という感じがします(カフェの看板が落ちるところなんかも、芸が細かい)。……ただし。個人的な好みの問題かもしれませんけど、この映画の、「壊れたモノをUFOが何でも直してくれる」という設定、この“可逆性”が、何だかツマラナイ。一般に映画を観てて面白い(コワい、ツラい、何でもいいけど)と感じるのは、むしろ、不可逆的な変化、取り返しのつかなさ、そういったものなのだけど……・[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-30 15:46:59)

39.  21グラム よく、叙述トリックのミステリを評して「小説でしか表現できない」「映像化不可能」なーんてコト言われますけれども、「いやいや、映画だってそのくらいのことできまっせ」ってな感じなのが、この映画。通常の意味でのミステリではないけれど、最初は読み取れない、物語の進行・シーンの因果関係が徐々に明らかになっていく過程は、まさに叙述ミステリを思わせます。断片的なシーンが、時間の順序を無視して重ねられていき、どのシーンとどのシーンがどういう順序で繋がるのか、そもそも一体何が起こっているのか、が徐々に解き明かされていきますが、その過程ではまた一種のミスディレクションも交えて意外さを加えつつ、最後には「なぜショーン・ペンが血まみれになっていたのか」が明かされることで、この映画の手法ならではの感動を味わうことができます。実際、なかなかにスリリングで面白かったです。でも、その一方で、映画ってもともとこういうもんなんだよな---もともと時間進行を無視した“断片”が撮影されて、それを「編集して」作り上げられるのが、映画、なんだよな---という点で、何だかダマされてるような、実は大した手法ではないんじゃないかといような、そんな気もしちゃうのです。映画に新しい表現方法を持ち込んだわけでも何でもなく、映画がもともと持つ要素を逆手にとっただけの「やったもん勝ち」のような。発展性のない一発アイデア、のような。まあしかし、このような映画がまた他の映画に影響を与え、いずれ大きな花を咲かせちゃったりすることもあるのでしょうし、ここはあまり目くじら立てずに・・・[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-10 15:22:20)

40.  人魚伝説 コレ何だかすごいんですわ。いや、高校の頃深夜放送でやってたのを、宿題サボって、たまったま観ただけなんですけどね、ほとんどトラウマ。どんな映画か全然知らず、海女さんの姿を追ったドキュメンタリかな、くらいに思って見始めたら、とんでもない見当違いで、いきなり殺人事件が発生するサスペンスフルな展開。夫を殺され、逃亡と転落の道を歩む主人公の海女さん。もードロドロしすぎ。で、クライマックス! 怒りの大殺戮! うぁーこりゃまた凄惨だね。無茶苦茶。こりゃもう、キルビルですよ、アンタ。心の準備が出来てなかったので頭の中真っ白になってしまいました。7点(2003-11-15 01:25:10)

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