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コメント数 3874
性別 男性
年齢 53歳

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41.  男はつらいよ 寅次郎紙風船 設定の上手さで勝負アリの一本。いや、上手いのやら上手くないのやら、ようわからんが、何だかオモロイ。まず、(1)ナゼか寅さんと相部屋になってしまう岸本加世子 → 彼女も、寅さん&さくらのような、離れ離れの兄妹。だけど、兄貴は遠洋漁業で真面目に働いており、妹の方がぶっ飛んでいる(妹の方がやや寅さん型、かな)。寅さん兄妹と、オーバーラップしているような、正反対のような。 (2)寅さんの同窓会。寅さんツマハジキで可哀想でもあるけど、しょうがない面もある。寅さん以外は皆、大人になり、社会人になり、大きなモノを背負っているのだ。 (3)テキヤ仲間の寅さんへの頼み。オレが死んだら妻と結婚してくれ → 結婚という言わば「社会」そのものが、今度は自ら、寅さんへ接近してくる!しかも例によって美人だ(という設定)。こりゃ一大事 → で、寅さんの就職活動騒動へ・・・・・・ こうしてみると、なかなか盛りだくさん。そしてマトマリがあるような無いような。しかしその各エピソードの噛みあい、あるいは食い違い、これが妙にオモロイ映画でありました。ラストも予想通りの展開でありながら、予想を越える感動・余韻があり、心憎いばかり。 それにしても、今回の寅さん、渋いと言えば渋いが、ちょっと元気無いかなぁ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-05 21:28:13)(良:1票)

42.  男はつらいよ 寅次郎恋歌 《ネタバレ》 作品の基底に連なる「母」のモチーフ。さくらの歌う「かあさんの歌」、博の母の死、そして寅さんが惚れる今回のマドンナも子持ちの「母」。そこから浮かび上がるテーマは、「人生の重み」であり「幸せとは何か」、ということ(ここで寅さん自身の母親について触れられないのは、さすがにそこまでやるとあまりに見え透いているのと、蝶々さんのイメージではちょっとテーマに対し違和感があるから?)。母の人生は不幸だったと言う博。臨終を看取った兄は、母は満足して世を去ったと言うが、博は、そんな人生に満足すること自体が可哀想だと訴える。確かに、昔からよく世に言う、「幸福とは自分の不幸に気付いていない状態である」と。ではその人は実際は幸福だったのか不幸だったのか?ナントモ言えない問題であり、博の訴えは一理あるのも確かだし、自己矛盾しているのも確か。結局、幸せとは、絶対的にそこに「ある」ものではなく、人それぞれが「見つける」もの、あるいは「受け止める」もの、なのでしょう。ふと、モーパッサン「女の一生」の最後のあの有名なセリフ、あれを思い出し、あれこそが人生の幸不幸を的確に表現したセリフだったんじゃないか、とも思えてくる・・・。今回の寅さんは、明確な失恋を味わうわけではないけれども、より厳しい「人生の重み」を目の前に突きつけられ、嵐の夜、静かに柴又を去っていく。その後姿が哀しい。人生って、必ず、いいこともあれば、わるいこともあるのだよ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-03-26 23:11:26)(良:1票)

43.  狼たちの午後 銀行強盗による篭城事件を描いているものの、緊迫のサスペンスと呼ぶには程遠い、奇妙な展開。緊迫感どころか、むしろ、登場人物の誰もが、なんとなく状況に流されてます。誰もこんな展開望んでないのに、誰にもどうにもできない迷走ぶり。いわば、この映画の主人公は、「この奇妙な状況そのもの」とでも言うべきか。「銀行強盗中」という異常な状況、本来「非日常」であるその状況が、ナントモ淡々と現実的に続いていくその一方で、「日常」であるハズの犯人の身の上がむしろどこか奇妙。アル・パチーノ演じる主人公が、チョット普通でない家族や愛人と長々と電話するシーン、これは彼にとっての「日常」なのだが、電話を終えてふと回りに目をやると、人質の診断をする医者の顔。まさにそこは「非日常」であるはずの「犯行現場」なのだけれども、まるで「日常」のごとく一見穏やかに、しかし問答無用に人々を押し流していく。「状況」に流されていく人々の無力さと、それを映画としてハタから眺める残酷さ・・・。それにしても、このふたり、やっぱり兄弟には見えないなあ(←それは映画が違います)[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-03-06 21:48:28)

44.  男はつらいよ 純情篇 《ネタバレ》 オープニングのタイトルバックが、ヘリからの空撮による葛飾柴又の風景、というわけで、「故郷」というのがひとつのキーワードである本作。冒頭も夜汽車での「故郷」に関する寅さんの独白から始まりますが、この語りからして何だか寅さん、ダンディだね。缶ビールをあおってみたり(これは様にならず笑いを呼ぶ)。そして、九州で知り合った宮本信子とのやりとり、これまたダンディ。なかなかハードボイルドしてて、シビレます。もっとも、この後、柴又に飛んで帰っちゃってからはテンでダメの、いつもの寅さん。博の退職騒動での驚異の無責任ぶり、トンでもないドタバタに発展し、今度は苦笑まじりの笑いを誘う。それにしても、故郷を離れたらダンディだった寅さんも、故郷の柴又では実にノビノビしており、子供のよう。若尾文子の着替えに大興奮しつつも必死で自分を抑えようとする姿など、思春期の中学生みたいで、見てるこちらも一緒に赤面しちゃうけど、こういう感覚は誰しもの十代の頃の記憶に何となく繋がり、懐かしい感じもします。寅さんの惚れ易さが時に迷惑になることについても「頭じゃわかってるけど、心はそうはいかない」などとカワユイことを。←これはロバート・K・レスラーによる凶悪猟奇殺人犯の分類では「無秩序型」に当てはまるそうです(何でやねん)。それはともかく^結局は失恋して柴又を去る寅さん、発車直前の電車からさくらに「故郷ってのはよ・・・」と話かけるが、そこでドアが閉まり、その後はさくらにも我々にも聞こえない。こんな辛い別れのシーンも珍しい。一方、ラストでは冒頭エピソードの後日談が描かれ、静かに涙する森繁久弥が映画を締めくくる。寅さんシリーズって、映画の性質上、わかりやすく作られているので、ちょっとセリフが説明過剰に思われる場合があり、仕方ないんだけど、そんな中で、森繁久弥の役はセリフがかなり控えめで、逆にインパクトを残します。このラストはじーんと来ました。ちなみにこの映画、初代おいちゃんと2代目おいちゃんが登場する楽しさも。こりゃまるで007にショーン・コネリーとジョージ・レーゼンビーが登場するような豪華さ(←じゃあ大した事ない?)。 (ところで若尾文子にやんわり断られるシーンで寅さんは大勘違いをするが・・・実は寅さんは「わかっててわざと」勘違いして見せたのではないか?などと空想するのもまた楽し)[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-08 21:53:00)(良:1票)

45.  男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく 一作目でさくらは、寅さんを見ても最初誰だか解らなかったのに、本作では、さくらの同級生・紅奈々子は、とらやの店員に扮装(?)した寅さんを見た瞬間、一発で「おにいちゃん!」と気付いちゃう。倍賞千恵子しっかりしろっ! それはさておき、浅草のレビューの場面がたくさん盛り込まれた本作、木の実ナナのドハデな顔立ちとも相まって、なかなか賑やかな作品になっておりますが、華麗な舞台の一方、舞台裏では、年齢的な限界や結婚問題に悩む奈々子の姿があり、クライマックスの彼女の歌(これがまたイイんだな)へと、ドラマチックな盛り上がりのある作品になってます。寅さんの方はというと、後継者問題に悩むおいちゃんの病気をよそに、九州に飛び出して青年に説教したと思えば、心機一転、自分も身を落ち着けようととらやに「就職」してみたり、はたまた仕事そっちのけで木の実ナナにのめりこんだりと、まさに「わが道をゆく」。でもそんな寅さんも、踊りをとるか結婚をとるかという彼女の悩みに対しては珍しく深刻な表情を見せる。自分が彼氏なら、そんな彼女に決してそんな思いはさせないのに・・・。静かに去っていく寅さんの姿にホレボレしちゃうのでありました。一方、武田鉄矢が、寅さんの恋愛指南でも処置ナシという狂言回し役、これが出しゃばり過ぎることのない適度な盛り上げ役で、なかなかの好演でありました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-04 18:57:30)(良:1票)

46.  男はつらいよ 柴又慕情 《ネタバレ》 帝釈天の門にあるツバメの巣は、今年も空っぽのまま。「片付けようか」と言う御前様に対し、さくらは「もし来年ツバメが帰ってきて巣が無かったら可哀想」。このやりとりが直後の展開を暗示。とらやには「貸間あり」の掛札、絶妙のバッドタイミングで帰って来ちゃった寅さんがこれを目にして一騒動。こういう流れが、たまらなく可笑しいところでもあり、またホロリとくるところです。2代目おいちゃん・松村達雄も、ちょっと高めの声でまくし立て、喧嘩っ早くて涙脆そうな下町人情オヤジでなかなかの好演。そういえばとらやにナゼか突然ペプシの自販機が登場・・・これはペプシの売り込み戦略か(これは目立ちすぎてやや不自然かも)。さて、またフラリと旅に出た寅さん、旅先で女性3人組と出会うが、そのうちのひとりが吉永小百合ってんだからタマラナイ。しかも、こういう3人組って、一番の美人が、一番婚期が遅かったりするのよね。で、寅さん、御前様の持ちネタ「バタ~」なども駆使しながら彼女たちと打ち解けるうち、水が高きより低きに流れるごとく、吉永小百合演じる歌子さんにメロメロになっていっちゃう。こりゃもうしょうがないよね。でも、この後失恋するとなると、この落差はでかいぞ~。というわけで、なかなかに残酷なシチュエーションの本作ですが、ラスト、結婚後の歌子さんが近況を語る場面で、一瞬写る歌子さんの旦那が、これが実にブ男(←失礼)。ああ、これだったら、タイミングさえよければ寅さんにもチャンスはあったのだなあ、とホッとするやら、ねたましいやら。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-13 17:45:20)(良:1票)

47.  お茶漬の味 クライマックスが「お茶漬け」という、おそらく空前にして絶後の映画。この映画、まず冒頭の女性たちの異様にハイピッチな会話(ほとんど機械のよう)に始まり、やけに冷淡すぎる妻とやけに物静かすぎる夫のやりとり、そしてラストの明らかに過剰な妻のセリフまで、不自然さを隠そうともしないこの奇妙な感覚。そういえば、ラーメンをすするシーンや鉄橋を列車が渡るシーンのしつこさ、ほとんどパラノイアと言いたくなるほど。しかし、その故意の不自然さゆえなのか、あの極端にまったりした「お茶漬けシーン」が、これまた素直に受け入れられちゃったりする。実際、かなりじ~んときたよ。あくまでウソ臭く、あくまで他人事、まあ無責任な感動なのかもしれませんが、それでもいいモン見たなあ、と。その前の佐分利信が飛行機で発つシーンで、彼の姿を写さず、後のセリフで「寂しそうだった」と描写するのも効いている気がします。普段からいつも寂しそうな彼がとりわけ寂しそうに見えたんだから、余程寂しかったんじゃないか、と、ものすごーく気になっちゃう! ところで、おばちゃん(?)4人組が修善寺ではしゃいでるシーン、彼女らの浴衣の模様がまるでホルスタイン、やけに似合ってたなあ。あはは。あと、笠智衆に久しぶりに会った佐分利信の「今晩君に会えるとは思わなかったよ」というセリフ、めちゃめちゃ同感してしまった(こんな役柄でお会いするとは・・・)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-26 23:28:35)

48.  愚か者の船 《ネタバレ》 ↓クリムゾン・キング様御指摘の点、まさに同感であります。冒頭で「あなたもこの船に乗ってるかも?」などと言われると、一瞬、蛇足に感じ、「どうせ、この船は社会の縮図です、だってんだろ、そんなの見る前から想像つくんだよ!」な~んてことを思っちゃう訳ですが、ラストのセリフを聞いて、ああこりゃ一本取られたナ、と。普通はこの逆ですよね、最初は我々と映画との関係に距離を置き、最後に「うむ我々と無関係ではないわな」と考えさせるお決まりの公式。これを逆にする見事な効果に、一本とられました。しかも、セリフの多い本作において、このラスト前にはしばらく音楽だけが流れるんですよね。憎いぜ。さてこの映画、いわゆる群像劇というやつでしょうが、まるで、緻密に書き込まれた管弦楽曲を演奏するオーケストラを思わせます。オーケストラの各演奏家たちが、ある時は表情豊かにメロディを演奏し、またある時は内声部において楽曲に深みを与えて、万華鏡のごとく色彩を変えながら楽曲は進行していく。そこにおいては、各声部を演奏する演奏家たちの間に調和と矛盾が常に混在しており、そのバランスを指揮者がとることで、推進力が生み出されていく・・・実際には、劇中で奏される音楽以外には、音楽は多用されていない作品ですが、それでも、何か音楽的な印象を受ける映画でありました。ところで、↓へちょちょ様御指摘の、スタジオ撮影の件、これは正直、私もいささか不満に感じております。海の映るシーンでは船の左舷が多く、大抵、背景の海が右から左へと流れていく映像になってます。これもまあ、もしかしたら、時間の流れを表現しようとした意識的な演出なのやも知れませんが、この単調さが、船の空間的拡がり(あるいは空間的狭さ)の感覚を損なってしまっているように思えます。しかも、背景の海と空の映像、一部使い回してるもんだから、違う日なのに同じ形の雲が出てたりするんだもんなあ。気をつけて欲しいゾ(笑)。ま、しかし、そのくらい、敢えて船上の人間模様にこだわった作品と言う事で(船外での本来の人生についても色々語られはするが、抑え気味でやや抽象的)、貴重な映画ではないかと。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-04-09 23:16:13)(良:2票)

49.  雄呂血 後の雷蔵版も捨てがたいが、この原典版もスゴイ。バンツマは絶対、古今東西最高のアクション俳優だと思います。クライマックスの息もつかせぬチャンバラは、人間の能力を超えてます。目が点になりました。8点(2003-10-12 10:14:22)(良:1票)

50.  俺たちは天使じゃない(1989) これはボギーの同名映画とどういう関係にあるんですかねえ。設定が一部似てる以外は全然違う映画ですな。どうもデ・ニーロの悪ノリ演技が気になって、ちょっとうんざりしながら観てたんですけどね、マリア像のエピソードがもうたまらなく好きで。手をとるシーンは涙出ましたよ。ボロっちい像の造形が秀逸。8点(2003-08-31 13:33:24)

51.  オズの魔法使 これは特撮というよりは手品の楽しさですね。いったいどうやって撮影したのか、なんてことは、何でもできちゃう今の映画には感じなくても、こういう映画では強く感じて、それがまた楽しいんですね。ドロシーのお供の皆さんはどう見たって普通の人がかぶりものしてるだけ、の筈なんですけど、映画の中では不思議なことに違和感がない!8点(2003-08-24 14:21:46)(笑:1票) (良:1票)

52.  乙女の祈り モーフィングがうまいこと出来てますねえ。これがショボかったら興醒めしてたかも知れないけど、セーフ! 風呂につかってるケイト・ウィンスレットが無気味すぎます。こういう題材で、こんな映画作っちゃうのかー、と、目からウロコの一本。8点(2003-08-14 20:12:11)

53.  オー・ブラザー! のどかな映画のようですが、何となくアナーキーな毒が見隠れしてます。某秘密結社の描写にしてもそうだし、大体、牛を撃ったり車でハネるシーンなんて普通は撮らんわな。中途半端なデタラメさが、かえって妙に可笑しい、変な映画。8点(2003-07-27 00:35:34)(良:1票)

54.  黄金の七人 背景なんかあまり説明しないので、逆に何だか自分も一味に加わっているような楽しい気分になる映画です。思わず口ずさみたくなるトロヴァヨーリの音楽が、テンポのよさをさらに引き立たせます。「七人」と言っても、教授以外の6人は、6人で1つのキャラクターといった感じで、何ともトボけた味があります。後半思わぬ展開に、楽しさ倍増。8点(2003-06-21 23:00:30)(良:1票)

55.  襲う巨大怪鳥/空の大怪獣Q B級映画界のカリスマ、ラリー・コーエンが贈る、サイコホラーモンスタームービー(と言っておきましょう)。「空の大怪獣Q」と紹介されてる場合もあるようですね。ラリー・コーエンらしく例によって話はハチャメチャですが面白いのでOK。街のど真ん中に巨大怪鳥(?)が現れて人を襲うが、誰も怪鳥の姿を見たものはない、なぜなら、怪鳥は太陽を背に襲いかかるので眩しくて見えないのだ! 皆さん納得? ワタシは納得(ウソ)。細かいことはともかくとして、支離滅裂さが何やら独特の雰囲気を醸し出していて(誉めてるのです)、忘れがたい映画に仕上がっております。8点(2003-05-10 01:01:04)

56.  折れた槍 一人の若者が3年の刑期を終えて刑務所から出てくる冒頭。ちょっと任侠映画みたいですな。で、家に戻った彼は肖像画を見上げ、さらに兄弟たちとのやりとりの中に不穏な空気が流れる。 過去に何があったのか? がそこから描かれて、終盤にまた現在、そして肖像画へと物語が帰ってくる、という魅力的な構成になっています。ツカミの上手さ、回帰する物語。 頑固過ぎる親父役にスペンサー・トレイシー。困ったヒトではあるのですが、どこかユーモラスです。父と徐々に対立を深める長男が、リチャード・ウィドマーク。まさにこの親にしてこの子あり、こちらも充分過ぎるほど頑固そうな。 スペンサー・トレイシー演じるこの頑固オヤジ、何かと周囲に突っかかり、座っている最中に機嫌が悪くなると、やたらと席を立とうとするそぶりを見せる。なんか他の切り口の演出もあってよさそうな気もしますが。 冒頭の「現在」へと帰るラストでの、対決。岩場での取っ組み合いで、頭を岩にぶつけないか、見ててヒヤヒヤします。 先住民への差別なども織り交ぜつつ、家族の愛憎劇を描いた西部劇で、意外性もあり楽しめました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-08-19 11:33:30)《改行有》

57.  オクラホマ・キッド 映画の見どころの一つが、例の土地獲得大レース。『遥かなる大地へ』とかに出てくるアレですね。このシーンがなかなかの迫力。1939年の作品、と言うと、同年に『駅馬車』がありますが、あのド迫力の襲撃シーンなんかにも引けを取りません。 主役のオクラホマ・キッドを演じるのがジェームズ・キャグニー。ワルそう、というか、やんちゃそうな顔が、役に似合ってます。そういう鼻つまみ者のキッドに対し、さらに極悪な連中が登場、そのリーダー格が、ルー大柴。に似てますが勿論そうではなくって、ハンフリー・ボガートです。アクの強さで、いい勝負。 開拓により町ができると、そこには法や秩序が必要、だけど無法は常にその先回りをする。開拓民たちはこんなオソロシイところで日々を送り、その先に今のアメリカがあるのだとすると、やっぱりこの国はちょっと別世界、なのかも。 それはさておき、避けられないのは二人の対決。終盤に繰り広げられる格闘シーンは、短いカットをこれでもかと畳みかけて、これも見どころ。 もう少し主人公の人間像に魅力があれば、という気がしなくもないけれど、割と楽しめたかな、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-01-29 12:23:39)(良:1票) 《改行有》

58.  大いなる旅路 《ネタバレ》 三國連太郎演じる鉄道員の半生記。喜びも悲しみも何とやら、といった感じの作品です。息子役に若き日の高倉健が出てます。要するに「ぽっぽや」の父さんも「ぽっぽや」だった、ということですね。親子役をやるほど歳は離れてないと思うんですけど。でも違和感ないです。 機関車、そして駅が、映画に何度も登場します。この二つが出てくる映画は、まずハズレが無い。とまで言うと、言い過ぎですが、機関車も、駅も、映画では魅力的なアイテム。そして蒸気機関車には雪がよく似合う。 しかもなんとこの作品、機関車の脱線・横転シーンまである。気合い入ってます。この事故で、主人公は九死に一生を得るけれど、先輩は命を失ってしまう。この事故の前は機関車のカマ焚きしかやらせてもらえず腐り気味だった主人公、事故の後のシーンでは、これから心を入れ替えて一生懸命やるぞ、と笑いながら宣言する。先輩が死んでしまったのに、こんな笑ってていいのか?と、気になってしまうシーンですが、その引っかかりがあるからこそ、印象的なシーンにもなってます。現実生活であれば、落ち込む場面かもしれない。映画だからこそ、彼の笑顔が、彼の転機を如実に物語ります。 中盤、主人公は鉄道員というより、単なる頑固オヤジになってしまいますが、ホームドラマでもあるのだから、仕方がない。鉄道以外に印象に残るのが、主人公の家。時の流れとともに世の中は移り変わるけれど、自分の家はいつでも自分の家。 そういや、映画は戦前から始まり、やがて戦時中となって世の中殺伐としてくる。戦後、平和になるのかと思いきや、やっぱりゼネストだとか言って行進してたりして、世の中移り変わると言っても、結局、同じようなことやってるんだなあ、とも思ったり。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-01-28 17:47:30)《改行有》

59.  王立宇宙軍 オネアミスの翼 《ネタバレ》 ライトスタッフに不器用なロマンスを絡めたようなお話、地味と言えばこの上なく地味なんですが、えてしてそういう映画は映像がスゴかったりする訳で、アニメーションのこの見事さには驚き、呆れ、圧倒されます。 この、立体感。一部のシーンではCGを援用したらしきメカニックな動きも見られますが、手描きでこそ感じられる、立体感の危うさ、みたいなものも多分にあったりして。 緻密さと誇張との、せめぎ合い。 で、まあ、最後は宇宙に行って、人間なんてちっぽけだよねえ、と。 そうなんです。我々も日常生活にクサクサしたら、つい宇宙のことを考え、つくづく、自分たちがちっぽけな存在であることを意識するんです。 さらに、そんなこと考えても何の解決にもなってないことも意識するんだけど。。。 何にせよ、この作品も、ついに宇宙に到達して、達観したように幕を閉じる。なんとも感慨深いものが確かにあるんだけど、そりゃ、「宇宙」と言われりゃ自然に感慨深くなるもんであって、この感慨が、この作品の映像から来ているのかというと、よくわからない。打ち上げの素晴らしい映像、その後でそれを上回る「宇宙を感じさせる映像」を見せてくれたらもう納得せざるを得ないんだけど、正直、あれ、こんなもんか、と思っちゃいました。 とかいうのは、贅沢ですかねえ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-01-23 22:05:18)(良:1票) 《改行有》

60.  おしどり駕篭 《ネタバレ》 錦之助演じる左官屋の源さんは、美空ひばり演じる町娘と互いに憎からず思う関係なのに、強情っぱりなのもお互い様なもんだから、なかなかうまくいかない。ところで源さんの正体は実は若殿様で(んなアホな)、プチお家騒動が起こって・・・という、何とも他愛ないオハナシ。それを、美空ひばりが起用されてるだけあって、ミュージカル仕立てで描きます。なんなら、もっと歌や踊りが盛り込まれていてもよかったかな、と言うくらい。 しかしコレ、それ以前にまず、マキノ映画。なんでもないようなオハナシなので、一見なんでもないようなシーンも多いのですが、そこにこれでもかと「アクションつなぎ」の演出が投入されてます。動きのないところに、動きを作り出すこの、ご苦労サマな演出の妙。 勿論見どころはそれだけではなくって、クライマックスでは大勢の敵に囲まれた錦之助が、流れるような刀さばきで敵を打ち倒していく。殺陣が上手い、というのとは少し違うかもしれないけれど、まさに流麗、と言ってよいでしょう。そして、全ての敵を薙ぎ倒し、まさに死屍累々たる惨状のド真ん中で、錦之助とひばりがラブラブ~~~というこの光景は、ちょっとした見ものだと思います。[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-23 12:57:42)《改行有》

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