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プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》  紛うことなきポン・ジュノ監督作品で、そのあまりのポン・ジュノっぷりに嬉しくなっちゃったりもしたのだけど、さて、アタシは果たしてこれまでポン・ジュノ作品をちゃんとブレずにレビューしてきてたのかいな?って過去作のレビューをチェックしたら、『パラサイト』についてはそのまま過去作品のレビュー読んでもらえばOK、くらいには一貫してたのでひと安心。  とは言え、それだけじゃ不親切なのでちょこちょこっと。  底辺の人々のお話という点で貫かれたポン・ジュノ作品、今回もまたその通りで、上流階級の人々との対比という点では『スノーピアサー』くらいに判りやすい構図を作っているわ。ごちゃごちゃと物で溢れて情報量が多くて、歪み、汚れ、やかましい下の人々の生活と、情報量の少ない、直線と水平で形作られた上の人々の生活。上で情緒を持って降る雨は下に暴力となって流れ込んでゆく。その底辺のやるせなさを、だけどポン・ジュノ監督はいつもの通り、決して美化することなく、コミカルに、そして醜く無様な存在として描くのね。  権力に支配されたシステムの内側での決して勝利のない闘争の滑稽な虚しさ、半地下から地下へと堕ちる父親の到達点、叶うことのない希望。シニカルに描かれた現代社会の縮図。毎回、韓国の今を皮肉るポン・ジュノ監督だけど、日本にも(あの避難所の風景は昨年も何度も見ることになった日本のそれとそっくり)世界にも通じるものなのね。  『グエムル 漢江の怪物』のような家族の姿、『母なる証明』と通じる流れ落ちる水、『殺人の追憶』と共通するラストカット、あちこちにポン・ジュノ印が刻まれている中で、今回は「匂い」がキーになっていて、「匂い」がまるで体内を流れる血を示すようで、その扱い方が上手いと思ったわ。  ちなみに、でもアタシは一家には同情とかしなくて、いちばんキモチを寄せていたのはお金持ちの奥さんね。彼女に訪れた悲劇はあの一家がもたらしたものだけれど、それも結局はシステムの内側に存在していたがゆえ、彼女の魅力的な無邪気さがそれを招いた原因のひとつだとしたら、それは哀しいお話だわ。[映画館(字幕)] 9点(2020-01-23 20:01:56)(良:3票) 《改行有》

2.  バースデー・ワンダーランド 《ネタバレ》  原恵一監督作品ということで期待しちゃったけれど、フツーのよくあるファンタジーね。『ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~』や『ポッピンQ』『ひるね姫~知らないワタシの物語~』なんかと明らかに違った突き抜けた個性みたいなのは無かったかな、って。  こんな世界なんですよ、ってばーって見せるような圧倒感とか高揚感とかって無くて、たとえばハエになっちゃったヒポクラテスが城に向かうシーンなんかはCGで1カットで飛び回って世界を見せてくれたりするといいんだけどって思ったけど、数カットの背景のみ、ってジミさ加減で。でもあくまでCG使わない、ってワケでもないしねぇ。美術設定はちゃんとしてても、それをこれ見よがしに披露する気はないみたい。でも、ファンタジーってそこで魅せてこそ、って気もするのだけどねぇ。  あと、ベテランで実写映画までこなしている原監督なワリにカットの繋がりがおかしかったりぎこちなかったりする箇所があったりして。崖の道で石が落ちてくるカット、クルマはそのカットでは停止する表現がないけれど、次のカットでは既に停止してるわよね? アタシの見間違え?  それでもキャラは魅力的だったわ。主人公のアカネが小学生には見えなくて、冒頭すぐのランドセル背負ってるシーンはかなり前の回想?とか思っちゃったけど、でも、全く性格の異なる叔母のチィとのコンビ、そのかけあいが楽しくて(既に声優として数こなしてきてる安定の松岡茉優と、チィの雑な性格に合ってる杏と)、そこだけで最後まで見られるモノになってたカンジ。逆に言うとソコがダメだとシンドくて仕方なかったでしょうね、って状態ではあるのだけど。  世界の危機と言いながら、実は極端にスケールが小さいというか、ごくごくパーソナルな理由で危機が起きてる、悪の組織かなんかが存在してるのかと思ったら、それだけかい、っていうのは肩透かし感ハンパないのだけど、コレって『不思議な国のアリス』から綿々と継がれた系譜、少女の通過儀礼なオハナシ、アカネの辿る成長の道はあったか~く見ていられたわ。ちょっと能動的に動き出すのが遅すぎな気はしたけど。城に着くまではチィの方が主役っぽかったものねぇ。  色々と惜しいカンジの映画、ラストなんかも読めまくっちゃうのだけど、でも、そこをクドクドと説明しない、コッテリと押しつけない美徳、それが原恵一監督なのかもしれないわねぇ。[映画館(邦画)] 6点(2019-04-28 20:21:03)《改行有》

3.  春待つ僕ら 《ネタバレ》  冒頭から数分のうちにこのテの映画のお約束が大量に登場して(明朝体縦書きのタイトル、地域関係なく新学期に絶対桜咲いてる、登場人物の名前をバーンと文字で説明、ヘンな色とデザインの制服・・・)、ああ、コレはまたまた定型フォーマット映画が誕生しました、ってヤツね、って苦笑。  引っ込み思案なヒロインと、明るい男子たち。幾度となく見てきたパターンね。ヒロインが様々な経験をして一歩を踏み出して成長します、ってアレ。それも要は見せ方なのでしょうけど、この映画は独自の個性を見せようという気概はあまり見られないわね。あくまでフツーでいようとしてる感じ。  バスケが主題になっているのだけれど、その肝心のバスケをちゃんと描くような事はないのね。あくまで雰囲気だけ。試合シーンでいちいち試合経過の字幕入れるのだけれど、アレを入れなければならないほどにはバスケが重要な映画ではないわ。  ヒロインの作文が辛うじてアクセントになってるかなぁ?  このテの映画のポイントなロケーションの魅力が殆ど無いのは大きなマイナス。  で、キャストがみ~んな高校生に見えないの。さすがに無理があるの。高校一年とか、もうさすがにないわ~、って。もうひと世代下のコ達に演じさせるべきだと思うのだけれども、そもそもが始めに俳優ありきで企画が立ち上がってるんでしょうから、最初から無理を承知って状態なのよね。  映像とか音楽とか主題歌とか演技とか、何かがハミ出してゆくことは決してない、お約束で組み立てられた映画。安定路線なのでしょうけど、そうしてるうちに、邦画のこのジャンル全体が徐々にチカラを失ってゆく気がしないでもなく。いえ、実際に魅力的にも興行的にも今や以前のようなチカラは無いわ。  このジャンルが好きなので、もうちょっと冒険して欲しいなぁ。[映画館(邦画)] 5点(2018-12-20 19:47:11)《改行有》

4.  バーバラと心の巨人 《ネタバレ》  見ていて色々な映画を連想して。  『怪物はささやく』みたいな映画?  『ウエルカム・ドールハウス』とか?  『乙女の祈り』だったり?  『スウィート17モンスター』とか?  『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』的な?  って。どれがどうでした、なんて言わないけど。  バーバラはかなりおかしなことになっちゃってて(見たカンジほとんど統合失調症ね)、周りの人達もバーバラに振り回されて、困ってしまっていて。  そんなバーバラの世界は、舞台になる海辺の街の、美しくも寒々しい風景に彩られて、彼女の心を表してゆくの。  なぜバーバラの世界はそんななの? 理由が明らかになると、その切なさに胸が痛くなるわ。  そこをハッキリさせ過ぎ、説明し過ぎなカンジはあるの。もっと曖昧な方がバーバラという少女の奥行きを感じさせたんじゃないかな、って思うわ。でも、自分にもあった体験だけに、そんなバーバラの心象風景がよくわかって。  バーバラ個人の心だけでなくて、バーバラの家族それぞれの心もそこに反映されていて、それはとてもつらいのだけれども、そこにある優しさを信じられる、信じたいって思ったわ。  バーバラとソフィアのコンビが本当に可愛らしくて、いい感じだったので、そこはもう少し見ていたかったな。  それにしても邦題を付けた人は何考えてるのかしらねぇ? バカなの? 映画はそこをずーっとぼやかして描いてるでしょ? なんでタイトルで断定しちゃってるの?[映画館(字幕)] 7点(2018-10-22 19:24:23)《改行有》

5.  ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》  毎度そこそこなロン・ハワード監督作品とはいえ、『スター・ウォーズ』の看板ぶら下げて、この程度でいいのぉ?って思っちゃった。でも大きな問題はロン・ハワード演出ではなくて脚本ね。  西部劇ベースっていうのは判るとして(大列車強盗だしね)、物語を構成してゆく要素1つ1つが面白くも楽しくも感動的でもなくて。途中で眠くなった『スター・ウォーズ』って初めて。  まず、幾らピンチに陥ったところでソロもチューバッカもランドも死なないってのは判っているので、それ以外の工夫っていうのが、当然あっていいと思うんだけど、特にそういう配慮はなくて。  この映画の独自キャラにドラマを負わせるってほどでもなく、ヒロインは色々と意味ありげだけれども、「意味ありげです」だけで何のドラマも結実させないままに終わっちゃうし、ソロもチューバッカもランドもイメージ壊さないように地雷踏まないようにしてるせいか、キャラとして面白くないし、クライマックス地味だし。大列車強盗の方をクライマックスに持ってった方が良かったんじゃない?  そんな中で魅力的だったのはロボ子と盗賊の親分だけど、どちらももう少し描いて欲しかったわ、くらいにちょっとしたアクセント程度の扱いで残念もいいとこ。  ソロ、チューバッカ、ランドの登場シーンはもっと印象的に盛り上げて欲しかった、って、そういうところは監督の問題かな。  アガるのはジョン・ウィリアムズのお馴染みの曲がメドレー状態でかかる戦闘シーンくらい。  例のあのキャラ登場は映画だけ見てきてる人には「なんでよ?」って状態だしねぇ。アニメシリーズの『反乱者たち』見てないと判んないわ、つーか、アレ見ててもちゃんと繋がってるってワケでもないし。ただ生きてたってトコだけが繋がってるだけのハナシで。  ちなみに、ケッセルが出てくるけれど、ギャオスベイダーは出てこないわ(ファミコン世代じゃないと判らないネタ)。  もうちょっと引っ張って続編とか作っちゃう?って作りだったけれど、アテが外れたみたいね。他の企画まで潰えちゃった。ファンが何を求めてるのか、もう少しリサーチが必要だったんじゃないかしら?[映画館(字幕)] 5点(2018-07-01 21:34:10)(良:1票) 《改行有》

6.  パシフィック・リム:アップライジング 《ネタバレ》  『トランスフォーマー/最後の騎士王』と『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』という2大アホ映画の焼き直しというしょーもない状態である事以前に、前作がオタクが作った映画なのに対して、コレ、オタク趣味の普通の人が作った映画です。その間には、深い深い溝があるのです・・・。っていうか、リスペクトしてるのが『エヴァンゲリオン』(『ヱヴァンゲリヲン』に非ず)と、ゴジラの中でも『VSデストロイア』ってあたりが、もうね、あー・・・って感じで。  別に富士山が活火山で東京から富士山までせいぜい20~30km程度でも全然構わないんですけどね、ロボット同士のどつきあいはもうさんざん見飽きてる訳ですし、怪獣だって「デカきゃいいってモンじゃないわよ!」と。色々と引用するのはいいんですが、新しいモンを見せて貰いたいワケですよ。  見始めて早々に「嫌な予感がする」って状態ではありました。前作の要素がいっぱい登場するのですが、どうにも上滑りしている感じで、上手く応用できてない、新しいものに発展させられてない、むしろ壊しちゃってる、って印象。ペントコストの息子がああいう人間で、マコがああなっちゃって、ニュートがあんな事になっちゃう、それでもいいけど、ならばそれをちゃんとドラマとして盛り上げて頂きたいんですよね。どうにもこうにも上っ面ばかり描いてるだけなので映画に入り込めやしません。新キャラなんか、ただ居るだけで全然人物像を創造しちゃいませんから、危機に陥ったり犠牲になったところで思い入れも何もあったもんじゃないです。  そしてロボットにしろ怪獣にしろアクションの要素と割り切られていて、そこにフェティッシュな愛は感じられません。もっと舐めるように撫でまわすように撮ろうよ、もっとディティールを無駄なくらいに見せようよ、って。拘り全然無し。発進シーンなんか、あれ、もう全然ダメ。映画が始まる前のいつものIMAXのカウントダウンの方がよっぽど拘りを感じますわ。  で、唯一の見どころポイントがご贔屓ジン・ティエン姐さんなんですけどね、前半のミスリード悪役っぷりの造形がダメだし(あのメイクはなんなん?)、後半になっての活躍っぷりでやっとキタ!って思ったけど見せ場あんまり無いしで、やっぱり残念。もう彼女主役で作ってくれた方がよっぽど良かったのに(それは無い)。[映画館(字幕)] 4点(2018-04-17 20:16:18)(良:1票) 《改行有》

7.  鋼の錬金術師 《ネタバレ》  公開前からかなりの悪評が渦巻いていて、なんかデビルパワーを発揮している映画?ってヘンな期待をしちゃいましたが、言われてるほど酷くもなく、さりとて良くもなく、ごくフツーな印象でした。日本人が洋モノ演じる状態はヅカで慣れてますしねぇ。もっとも、ヅカみを感じたのは辛うじて蓮佛さんだけでしたが。  この映画最大の問題は、娯楽映画のクセして見せ場が極端に少ない、ってところでしょうか。冒頭にCGを駆使したアクションシーンがあって、そのノリがずっと続くのかと思ったら、あとはクライマックスまで大々的なアクションは登場しません。その間はひたすら対話シーンとミステリー展開と。その流れがちっとも面白くないのでダレるダレる。1時間40分で語れる程度の中味を2時間13分に水増ししてるような状態で。  それから、エドとアルがメインなハズなのですが、これがちっとも活躍しなくて。画面に出ている時間が長いだけで、実質的にはディーン・フジオカの映画じゃね?って感じ。まあ、監督が「綾瀬はるかが主人公だと思ってたら大沢たかおの映画でした」な『ICHI』の人ですしね・・・  マンガゆえのぶっ飛んだ設定を受容するのも大変ですし、不可解な行動する人達もなかなか理解し難いですし(小日向さんは、何を根拠にあの一つ目を自分の支配下に置けると思い込んだのでしょう?)。  それでも、そんなマンガな話でも、エドとアルの関係性というか、背負った悲劇な部分は楽しめましたし(山田涼介の演技は喜怒哀楽の単純な使い分けしかできてないように思いましたが)、それから松雪泰子姐さんは最高でしたし。『クボ 二本の弦の秘密』の闇の姉妹の実写版みたいな存在で、仮面無しであの仮面顔は恐ろしくも美しくて、ゾクゾクしましたわ。  大泉洋とか本田翼とかの、いつものまんまのイメージの人とかはツッコミどころなんでしょうけれど。  もう少し「小さい子も見にくる娯楽映画」って視点で作って欲しかったかも。そういう縛りがあるところから生まれる娯楽性っていうの、実は今の邦画に必要なものだと思うので。[映画館(邦画)] 5点(2017-12-04 22:02:57)(良:1票) 《改行有》

8.  パワーレンジャー(2017) 《ネタバレ》  2時間ちょっとの上映時間でパワーレンジャーになるまでに1時間半かかります。それでいいんか?っていう。  いや、青春映画としての色が濃いのはいいんです。パワーレンジャーに至るまでの、若さゆえの苦悩とか真の友情とは?とか、そういう要素をメインにしました、っていうのは判ります。でも、だったらそこがちゃんと納得できるほど、満足できるほど描けていたのか?っていうと全然。キャラ立ちしてませんし、それぞれが抱えたドラマも胸に迫るような描き込みがなされてはいません。  一方、パワーレンジャーへと至る展開は『クロニクル』をコピペしたかのような状態でさして新鮮味は無く、やっとこさパワーレンジャーが成立したかと思うとわりとあっさりケリが付いてしまうので激しい物足りなさ。製作費が少ないので見せ場を集中してみせました、っていう感じなのですが、そのパワーレンジャー成立以前の部分にポイントが無いために、娯楽映画としてかなりシンドい状態になってしまっています。  青春映画と特撮ヒーローもの、どちらも中途半端。演出スタイルがよろしくないようで、各人の表情も肉体も印象に残りません。アクションものである以上、その肉体を駆使する姿がハッキリ焼き付いていいと思うのですが、カメラはそこをきちっと捉えてない、そもそもそこに興味を持っていないようで、CGがガチャガチャしてるばかり。ドラマ部分にしろアクション部分にしろ、もっとキャラの個性を際立たせるべきだったんじゃないかと。  元々はもっと子供向けな題材だと思うのですが、これ、子供が見て面白いんでしょうか? アメリカではティーンにウケたのかなぁ? パワーレンジャーの映画ならば、さっさとパワーレンジャーを見せて欲しかったのですが。挫折や苦悩はその後でも描けたんじゃないかな。  続編のために出し惜しみし過ぎてウケなくて続編作れなくなっちゃいました、とか笑えないわ。[映画館(字幕)] 4点(2017-07-16 18:30:50)(良:1票) 《改行有》

9.  パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 《ネタバレ》  毎度毎度、主役のクネクネした酔っ払いのオッサンがどうにも好きになれないので、これもまた傑作!ってワケにはいきません。どうしたらアレを魅力的に感じられるようになるのでしょう? 少しでもヤツがマトモである瞬間があればいいのですが、延々クネクネしてるだけですからねぇ。  さて、でも今回はクネ男も物語に引っ張られ続けてる状態。キャラが物語の中に埋没しちゃった!って感じですが、私にとっちゃそっちの方が好都合。  今回は『インディ・ジョーンズ』的で、『ワイルドスピード』的で、数々のディズニー作品のオマージュに溢れていて(だけど『モアナと伝説の海』とはオマージュと言うよりは大々的なネタカブリって感じですかねぇ)、そういう意味ではオリジナリティ欠如しまくりですが、お陰で退屈はしない、って感じで。海賊モノらしい海戦シーンもしっかりありますし。スケールの大きな画を大画面で見る快感に溢れているのは良いです。幽霊のビジュアルが徹底していて、人間だけでなく、鳥も鮫も船までもしっかり幽霊でござい、って体をなしているのが不気味で面白く。  物語を引っ張ってゆく若い二人の存在が目立つ分だけ、従来キャラは霞みがちではありますが(オーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイは霞むとかいうレベルじゃなくて、単なるゲスト出演みたいなレベルですが)、世代交代の物語となっていてシリーズとしての進歩が見られます。  でもディズニー作品で生首ってのはどうなんでしょうねぇ。[映画館(字幕)] 6点(2017-07-04 22:47:37)《改行有》

10.  ハクソー・リッジ 《ネタバレ》  今年2本目の「敬虔なキリスト教徒のアンドリュー・ガーフィールドが日本で過酷なメに遭って信仰心を試される映画」。  前半は奇を衒うような事もなく、端正な正攻法で描かれてゆきます。オーソドックスなドラマを見ている風情。そしてそれが血と肉に塗れた後半の苛烈な戦闘シーンを際立たせる効果を生んでいます。  彼の行動はキリスト教徒としての信仰心に基づいているようにも思えますが、あの状況下では、もはやそれ以前の、人として生まれた者の心からダイレクトに発せられるもののようで。信念あるいはプライド、あるいは意地やこだわり。前半で彼の宗教観そのものはわりと客観的である事が示されていますしね。その行動の熱さが力強くスクリーンからこちらに向かって叩きつけられてくる感じです。  ただ、沖縄が単なるバトルフィールドで、軍と軍のぶつかりあいの地としてしか描かれていないのは、やはり日本人としてどうしても不満です。あの地では非戦闘員、民間人の死者を多く出したという現実がここでは一切無視されていて、でもそこを排除して果たして宗教を語っていいのだろうか?という疑問は残ります。ゾンビの如くわらわらと湧いてくる日本兵を火炎放射器で焼き払うハリウッド産戦争娯楽映画として割り切って見るべきなのでしょうか?[映画館(字幕)] 7点(2017-06-27 21:08:39)《改行有》

11.  パトリオット・デイ 《ネタバレ》  ラストに当事者本人が登場して長々と心情を語る、のであるならば、本編そんなにドラマを描く必要ないんじゃない?  姉妹作みたいな『バーニング・オーシャン』と同一言語で作られている映画、その欠点も一緒って感じ。八方美人的で描くべき事の取捨選択に疑問あり、と。  実話の映像化ですから、必ずしもエピソードに流れがある訳ではない、その流れの無い部分に思わせぶりなドラマを抱えた登場人物をいっぱい持ち込むために様々なエピソードの不発弾を抱えまくった映画といった印象でした。それぞれの行動、努力がちゃんとした結果として現れる訳ではなくて、全然別のところから解決がもたらされるような状態なので、宙ぶらりんな感情が行き場を失ってウロウロ、みたいな。  ただ事実、状況、現象を点描してゆく事に努めてゆけば、事件の姿と、そこに生まれたドラマはちゃんと浮かび上がってくるのではないのかなぁ、と思うのですが。少なくとも、その状況をリアルに生々しく描くテクニックはあるのですから。  自国内の企業の問題だけに微妙に内省的な面を持っていた『バーニング・オーシャン』と違うのは、テロに屈しないアメリカ凄い!って賛美に溢れているって点ですか。結局は個人からの通報がきっかけ、っていうその解決への道筋はともかくとして、ね。[映画館(字幕)] 6点(2017-06-27 19:27:35)《改行有》

12.  PARKS パークス 《ネタバレ》  判りやすさとかカタルシスとか、そういうの捨てて到達した歌が結局アレで良かったんでしょうかねぇ? 私には、アレは期待したモノとは全く違ったモノにしか聴こえませんでした。っていうか、彼女が違和感を抱いたソレと変わらなかったように思えますし。  映画は冒頭から学生映画ノリで大変シンドいです。短すぎるカットと、ぎこちない長回しとの組み合わせで、そんなモンで一体何を伝えたいんだ?っていう。  それでも、真っ当な青春映画としての色を見せ始める中盤は楽しめるのですが、後半になるとセオリーを放棄して観念的世界に突入して、ああ、それは送り手側の自己完結パターンだわなぁ、と。作品世界を小説の中に閉じ込めるじゃないですか。その時点でこの映画は我々に開かれたモノではなくて、あくまで送り手の中で閉じてゆく作品なんだと。映画の舞台が井の頭公園と吉祥寺周辺だけで閉じていて外界との繋がりが見えないように。そういうのにお金払って付き合わなきゃならない身にもなってよ、と。  それでもきらきらした表情を見せる永野芽郁はとても良いですし、橋本愛も染谷将太も良いです、歌わなきゃ。  しっかと歌を聴かせてはくれない映画、でも、それでもいい、カタチを変えてでも、遠い昔の記憶が今の人達に受け継がれてゆけば、ってそこが納得できるモノになってないんですってばさ。別に卒論はどうなった?とか、彼女は何者だったの?とか、そういうのはどうでも良くて、ただちゃんと音楽映画として成立していて欲しかったなぁ、と。基本の部分で違ったモノを期待しちゃってたのかなぁ?[映画館(邦画)] 5点(2017-05-08 19:59:20)《改行有》

13.  バーニング・オーシャン 《ネタバレ》  実話ベースなゆえに八方美人的なパニック映画。あちこちバランス良く描こうとした事が、散漫でそこそこな印象の作品に繋がっちゃった、みたいな。  10歳の子供の作文や、よく振ったコーラの缶によって石油採掘施設の仕組について判りやすく説明してゆく冒頭部分は良かったと思います。  ところが、いざ事故が起こりますよ、って段になると、結局判りづらいものになってしまって。泥水と石油の関係、コンクリートテストの、そのコンクリートがどこにどう作用しているのか、圧力が設備にどうかかってゆくのか、どういう状況、過程によって最悪の事故に至ってゆくのか、そこはあまりよく判らないっていう。この映画、実は説明下手じゃね?みたいな。  差し挟まれるドラマも中途半端。主人公の奥さんや、紅一点の彼氏の存在、ラストの家族を失った人達の描写、会社の責任、それらをハッキリ描きたいのか描きたくないのか、どっちなのさ!って状態。  火災のシーンこそは圧倒的な迫力をもって描かれますが、その中でのドラマなんてのはもはやダイジェスト。何しろ状況が状況なだけに、そしてそれ以上に事実であるがゆえに、ガチャガチャとした映像の羅列状態。その上なんだか呑気に思えてしまう部分(メイン2人が事故に気付くの遅すぎじゃね?)が映画のテンションをヘンに歪めてたりして。  で、迫力ある事故シーン、なんて言ってると最後にエンドロールで実際の犠牲者の方々の生前の姿が描かれて、そういう不謹慎な事思っちゃいけませんよ、みたいに釘刺されて、一体どう見りゃいいのさ、って。  切り捨てるべきところ、もっとじっくり描くべきところ、それをもっとハッキリさせるべきだったんじゃないかと思います。  冒頭が映像の無い証言音声で、だけれどもその音声が本編の流れに対してあまり有効になっておらず、『ハドソン川の奇跡』がいかに上手い映画だったかを思い知らせてくれるような映画ではありました。[映画館(字幕)] 5点(2017-05-03 20:55:44)《改行有》

14.  ハードコア(2015) 《ネタバレ》  見ている間はとても楽しめたのですが、終わると何も残らないというか、映画の印象まで薄ぼやけてしまって、それはそれで問題だなぁ、と。  映像的には『COD:MW』シリーズやら『HALO』シリーズやら、つまりFPSゲームでお馴染みの世界ですから何か斬新な事をしているという訳ではなく、でもそれが映画というカタチになったらそれはそれで面白いという感じ。ヘンに映像を連続させ過ぎずに適当に刈り込んでいますから、テンポ良くダレ場もありません。  でも、一人称映像であるというのは結局そこに自己を投影できてナンボという事になる訳で、自分でプレイして進行させるゲームとは違い、そこには印象的な画というのが必要になってくると思うのです。でもせっかく美しいヒロインが存在していても、それがさっさと流れていっちゃう、ちゃんと印象付けるところまで行かないのが残念。ラストにああいうカタチになるとはいえ、でもあくまで最後までヒロインを輝かせておく必要とかあったんじゃないかなぁ。あんな風に絶ち切っちゃったら、なんつーかマンガっぽい。ありがち過ぎな物語ですし。  それは手を変え品を変えのアクションシークエンスにしても同様。あくまでゲーム的なそれら(前に挙げたFPSタイトルはただ銃を撃つだけの単純な絵作りから脱却してます)の映像は見ている時は楽しいけれど、でもその時だけの画でしかなくて、革新的な、脳に強烈なイメージを残してくれるようなものではなくて。  主人公の像が(ほぼ)存在しないというのはつまり主人公はカメラマンの役割であって、そのカメラに映る世界の描写こそがキモになってゆくのは当然、そこが弱い映画だったなぁ、と。終わってみればシャールト・コプリーのコスプレばっかり記憶に残る映画っていう。  ちなみにHMDで3D対応のFPSをプレイしたら一発で酔いましたが、この映画は視界いっぱいに見てナンボと最前列で見たものの、別に酔いませんでした。[映画館(字幕)] 6点(2017-04-12 23:14:36)《改行有》

15.  パッセンジャー(2016) 《ネタバレ》  主人公って殺人ストーカー男な訳じゃないですか。殺してないけど殺したも同然なわけで。それでこれをラブストーリーとして成立させる、っていうのに無理があるなぁ、と。ヒロインが真実を知って以降は殺るか殺られるかの密室サスペンスになった方がよっぽど自然な流れだったんじゃね?なんて思いながら見てました。  結局、主人公にとって都合のいい事故と都合のいい展開と都合のいい「ヒロインの友人の言葉」(理想を追い過ぎると云々って、主人公の行動を擁護するために存在するようなセリフな訳で)で、なんとなくいい話として収束してゆきますが、そこに贖罪が存在していないのがねぇ(せめて排熱口の手動ドアのところで贖罪のセリフでも吐いていればまだ少しはマシだったのですが)。  ツッコミどころは色々。危機的状況に対する対策が成されていなさ過ぎなシステムとか、移住先は少なくとも舞台となる年より180年以上前に探査に出発して、60年前には発見され移住可能である事が確定されている筈(30年地点で地球に送信、その後返信を受けるのに55年かかるという事はその通信の往復に30+30+55=115年距離で55年なので、植民星の120年地点では一方通行な通信で60年、送信されてきた現地のデータを信用してそれ以上の交信は無しというデンジャラスな状況だとして)、だけれども、そんな遠くに探査機を飛ばせる未来から更に180年、とても西暦2300年や2400年なんて未来の話には見えないとか。  でもまあ、そういう状況に陥ったら自分ならどう生きるんだろう、って考えるようなスキは腐るほど与えてくれますし、5200余人の4か月分の食糧を2人が50年程度食い漁りまくったとしたら、不足分の問題がどれだけ生じるかを暗算したりできる程度のヌルさもありますし(食べちゃうのはせいぜい6%程度なので、一日のご飯6%減で4か月過ごしても大した問題ではないですね。でも朝食マシンが故障してたんで朝ごはん抜きになっちゃったかも)。  それにSFデザイン関係は色々と面白く見られたので退屈はしませんでした。ハードなSFを期待してしまうと、思いきり肩透かしを食らう事になっちゃいますが。  主人公達のラブロマンス部分はデート目的で見にくる方々にお任せするとして、そのツッコミどころに色々と頭を使うという点では面白い映画だったのかもしれません。  それにしても肉っぽいカップルでしたなあ。[映画館(字幕)] 5点(2017-03-26 21:53:52)(笑:1票) 《改行有》

16.  ハルチカ 《ネタバレ》  原作はミステリーなようですが、映画にはミステリー要素はほぼ無く「廃部寸前の吹奏楽部をメンバー集めて立て直し、コンクール出場を目指す物語」って事で、まーよくあるタイプのモノになってます。吹奏楽を題材にした邦画だけでも『スウィングガールズ』『ブラブラバンバン』『青空エール』『響け!ユーフォニアム』とある訳ですしねぇ(オーケストラまで幅を広げると更にいっぱい)。  でも、そんなよくある物語も面白い演出で楽しめるものになっています。「期日までに部員9人集めないと廃部」という時間制限モノな前半、人数のカウントを字幕で示して、9人目の達成と共にそのカウントの意外な展開で盛り上げたり、静寂を語るシーンでは実際に無音にして観客にも静寂を求めたり(渋谷のシネコンは客席の半分ほどの入りで、ほぼ若いお嬢様で占められていましたが、場内に響くのは空調の音だけで)。  後半のヒロインが抜けてから19人で演じられる長回しのヒリヒリした感じも、ラストのファンタジーも見応えがあって。  群像劇になると共に、ヒロインの苦悩がよくあり過ぎる以上にヒロインの生気をも奪ってしまうのが残念でしたが。引きの画が多くなって情感に訴えかけますよ、って状態になるのですが、いや、もっとヒロインの顔を見せてよ、っていう。  でもまあ、何より橋本環奈なんですよね。橋本環奈って個性?逸材?を採用した時点で約束された世界があったような、この映画の世界は彼女という唯一の真理によって成立しているようなモンで。いや、他の生徒達も良かったんですけどさ、なんていうか、一人だけ違うステージに存在していて。素早い鉄拳とキックを繰り出す(本来はそういう映画じゃないのですが)彼女の姿に、何かが降臨した瞬間を見たのでした。[映画館(邦画)] 8点(2017-03-08 20:57:36)《改行有》

17.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》  2回の墜落イメージは貿易センタービルにぶつかった2機を表しているのでしょう。9.11を背負った映画である事に間違いはありません。ニューヨークの深い傷。これは新たな傷をつけないように努力した人々の物語。  余計なアクセントを差し込まない、事故のリアルで生々しい描写は、その結末が判っていても恐ろしい臨場感を持って迫ってきます。その短い間の、震え上がるような恐怖と、そこに居合わせた人々の生。それぞれがそれぞれの役割を果たす事で成し遂げられた奇跡。  クライマックスのシミュレーターこそは逆にその奇跡の後押しをする事になる、コンピューターには人的要因は理解できない、のだけれどコンピューターが人の価値を立証してみせた訳です。さんざん最新のVFXによる墜落映像を見せておきながら、肝心のクライマックスではシミュレーターのショボいCG画面が主役になるという構図が面白く。イーストウッド主演の『人生の特等席』では前時代的なコンピューターVS人間の図式を単細胞的に描いていてゲンナリしたものですが、イーストウッド本人は必ずしもソレを頭ごなしに否定せず面白く使いこなしている感じがします。  トム・ハンクスが良いです。昔からのオーバーアクト(いまだに『ビッグ』での少年が大人になってしまったパニック演技がチラついてしまうっていう)が抑えられる事で、プロとして事に冷静に対処する強さと、9.11を自らが再現してしまいかねなかった恐怖に苛まされる弱さと、英雄として持て囃される事に対する戸惑いとを1つのモノにしていて。機内に残された乗客がいない事を確認する姿は、決して英雄的ではなく、必要な仕事をこなしてゆく男の姿でした。  余分な贅肉のない、簡潔にして濃密な96分、齢86にしてイーストウッドはなお軽妙洒脱に映画を駆けてます。[映画館(字幕)] 9点(2016-09-26 22:20:44)(良:1票) 《改行有》

18.  バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生 《ネタバレ》  画面が暗くて見辛い毎度のザック・スナイダー。いや、一応明るいIMAXで見たんですけどさ。  何がいかんって、スーパーマンとバットマンって言ったら光と影、陽と陰の戦いだと思うじゃないですか。ところがこの映画ではどっちも陰気くさいの。スーパーマンが暗くっちゃ対比になりゃしない。っていうか、このスーパーマンって腹に一物ありそうな、悪巧みしてそうな顔しててイヤンな感じ。  一方でベン・アフレックのブルース・ウェインは人生に疲れたような雰囲気が醸し出されて、いい感じでした。  で、両者ウダウダしてるわけですよ、延々と。正義とは、悪とは、って。長い上映時間のかなりの部分がウダウダに費やされて華が無さ過ぎ!(スナイダーじゃ仕方ない)って状態が続いた上で、やっとキター!っていうのがワンダーウーマン登場シーンね。だけどそこまでワンダーウーマンはドラマが存在しないですし(ただその存在が仄めかされてゆくだけで)、その成り立ちと能力についての説明が一切なくいきなりババーン!って状態のドーピングキャラ。私はリンダ・カーターのワンダーウーマンが大好きだったからこそ、燃えられたのですが、ワンダーウーマン自体知らない人が突然出てくるコレ見てどう思うのやら。  そのワンダーウーマンもあまり活かされる事なく、またバットマンも大した活躍もできず、結局また『マン・オブ・スティール』同様クリプトン野郎どもの自己完結ワールドになっちまいましたとさ。っていうかレックス・ルーサーが何やりたかったのか意味不明。  今作は『マン・オブ・スティール』の欠点をそのまま引き継いだ感じで、エピソードの繋がりが悪くて音痴な状態でキャラクターの意味不明な行動も多く、誰にも感情移入できず、またご都合主義的な展開もお馴染み。エイミー・アダムスが槍捨ててまた拾いに行って溺れるのってなんなん? それがクリプトナイトで出来てるって知ってた? 一見して理解できた? クリプトナイトがスーパーマンの弱点だって知ってたっけ?  これだけメジャーな二人の映画なのにスナイダー映画のファン向けなマニアックなシロモノになっちゃっておりますね。  っていうか、いい加減、核兵器をただのでっかい爆弾として映画の中で安易に爆発させるの、やめない?[映画館(字幕)] 5点(2016-04-04 21:25:19)《改行有》

19.  バケモノの子 《ネタバレ》  つまんなかったです。  何が問題かって、全部セリフで説明しちゃうの。キャラの状況や背景はおろか、その時の心情や象徴される事柄やメッセージ、テーマまでも。物語まるごとセリフで構成されている状態で、そこに描かれたものが世界の全て、だから当然ながらそこからは情感、情緒が抜け落ち、こちらは頭や心を全く刺激されないんですよね。  一から十までこと細かに説明しなくちゃならないと思ってる、作る側が観客を一切信用してないの。  一方で構成は明らかに不自然で、九太が大きくなってからの取って付けたような唐突な展開は何か途中で色々面倒臭くなったんか?みたいに思えるような雑さ加減。楓との出会いから人間としての意識を広げてゆく部分でのやっつけ仕事っぷりは、急速に映画の温度を低下させてゆくような印象。そこで慌てて色々な伏線を登場させたようにも思えて、その前との繋がりが希薄になっています。  で、せめてじゃあビジュアルで面白がらせて欲しい、刺激して欲しいところなのですが、大して動くわけでもなく(モブはCGでゆーらゆーら動かしてる状態ですし)、目を見張るような斬新な、或いは奇想天外な世界が広がっているわけでもなく。  この監督の作品に共通している、影を付けずにその分動かすっていうの、元々『未来少年コナン』の昔に宮崎駿監督が言ってた事なわけで、時代も違うし、テレビと劇場用映画っていうフォーマットも違うし、杉野昭夫作品のように3段影付で華麗にアニメートさせてみせる世界だってあるわけだし、っていうかならばもっと動かしてみせてよ、っていう。  『サマーウォーズ』以降、アニメーション表現が定型フォーマット化してきていて、その傾向は改善されるどころか、どんどん強まっている気がします。形骸化した国産アニメの姿を見せられているようで見ていてつらいんですよね。宮崎駿監督はどんなに作品重ねたって、作品的な出来不出来は別としても刺激的な絵を作り出してきた、それに比べるとなんか小さいところでまとめちゃってるよなぁ、と。  今、日本の観客に求められているものはこのくらいの塩梅のもの、という作られ方をしているような気がして、ちょっといたたまれない気持ちになってしまうのでした。[映画館(邦画)] 3点(2015-07-24 21:27:17)(良:2票) 《改行有》

20.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》  入院して顔の包帯がマスク状態になったリーガンはまるでバードマンのようであり、また、隣りの劇場で上演していた『オペラ座の怪人』のようでもあり。  非常に演劇的な流れを非常に映画的なテクニックで描いた快作。シームレスでどんどんと展開してゆく、まるでナマを捉えたような世界は演劇のようですが、一方でそれを描くのはカメラが自在に被写体を捉えてゆく映画ならではの世界。  つまり、ここに登場する人々はことごとく舞台と映画とで線引きをしたがっているのですが、実際には舞台も映画もそんなに差のあるものではなく、一つのフィールド上に置く事だってできるのですよ、と。そう、この映画そのものがそれを立証するかのように。  そして、現実すらもまた、舞台や映画とどこがどれだけ違うのか?と。  演じる事、生きる事、生なのか、加工されたものなのか、それに優劣を付けようとする、価値の差を見出そうとする、それがそんなに大事か?って。  なので私にはこれが「バードマンで何故悪い?」という話に映ったので、大変に気持ちの良い映画でした。商業主義に対して批判的なように見えつつ、むしろ逆にアメコミ万歳!みたいに感じられて。  飛び出す数々のネタや笑いも含めて、難しい事を考えるよりも単純に楽しんでこそ吉な映画だと思いました。  それにしても相変わらずエマ・ストーン、キレイ。[映画館(字幕)] 8点(2015-04-14 23:58:15)(良:2票) 《改行有》

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