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プロフィール
コメント数 3874
性別 男性
年齢 53歳

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61.  風来坊探偵 赤い谷の惨劇 冒頭にニュー東映のマーク。ギザ付き10円玉を見つけた時のような微妙な嬉しさがありますね。 深作欣二の初監督作品、ということですが、後の実録路線などで見られるような手持ちカメラによる暴力描写はまだ見られません。まあ、サブタイトルが多少おどろおどろしいとは言え、基本はコミカル路線の作品ですしね。その代わり、俳優の細かい所作でもって、カットをどう繋ぐか、あれこれと工夫を凝らしたりして、才気はしっかり感じさせます。実際に雪山でロケしてるのも作品の雰囲気をしっかり出してるし、墜落したセスナ機を実物大で山の斜面に再現しているのには、ちょっと驚かされます。本物らしきセスナ機が登場するシーンもありますが、まさかこんな場所に着陸させて撮影したの?と、これもビックリ。 主演は千葉真一、こちらも初主演ですが、いやはや若い。もともと声にはそんなに貫録が無い人ではありますが、この頃はさらに甲高くて頼りないですね。しかし動きはさすがに機敏、殴り合いのアクションをキビキビと展開します。 一見風来坊の彼の正体は、セスナ機墜落事故の真相を追う私立探偵、だそうですが、そんな簡単に自分が探偵だと身分を明かしたり、依頼主についてしゃべっちゃったりして、よかったんでしょうか。よくは無いでしょうが、要はそういう、軽いノリ。ライバルとのやり取りのセリフも実にクサくって、まさにこれぞ、千葉真一。 これでもかと展開される銃撃戦、さらにはダイナマイトまで使用して、ド派手にブチかましてくれます。1時間ほどのいわゆる「B級」な映画ならではの、痛快かつデタラメな作品に仕上がってます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-10-23 12:28:47)(良:1票) 《改行有》

62.  ファイナル・プラン 《ネタバレ》 どうしても最初、気になってしまうのが、ちょっとセリフが多すぎるかな、と。 女性と知り合って泥棒稼業から足を洗おうと自首を決意した主人公、しかし彼の元を訪れた警官が彼の盗んだ金に目がくらみ、彼を陥れようとする。というこのオハナシ、主人公が強引に巻き込まれてナンボのところを、警官二人が悪に手を染めるかどうか、やりとりをグダグダ続けるもんで、どうも失速してしまう。 というのが、この作品にアクションやサスペンスを求めた時に湧き上がってくる感想なのですが、この作品、むしろ「ドラマ」の部分に重きを置いているようで。確かに主人公が追い詰められる物語ではあるのですが、彼を追い詰める悪徳警官もまた、背水の陣、いわば追い詰められる存在でもあるわけで。 登場人物それぞれが、それぞれの立場で、それぞれの想いを持っている。悪徳警官の上司は、誰の味方なのか立場が揺らいでいる存在だけど、「ワンちゃん連れのオジサン」という特徴によって、何だか気になる存在、たり得てます。 もしかしたら主人公が一番つまらんキャラかもね。 という、ドラマの多重性みたいなもの。この作品、物足りない部分は確かにあるけれど、これはこれで魅力的でもあります。[インターネット(字幕)] 7点(2022-08-07 22:06:05)《改行有》

63.  ファイナル・デッドブリッジ 《ネタバレ》 相も変わらず、たいして代わり映えのしないことやってるような気もするのですが、妙にオモシロかったです。いい意味で、映画が短く感じられました。 単にこのシリーズを久しぶりに見たから新鮮さが感じられた、という、自分自身の事情によるものではないことを祈りますが、、、 冒頭の橋の崩壊シーンがまず見どころ。巨大な建造物をCGで破壊するスペクタクルシーン、ってのは昨今増えに増え、少々食傷気味ですが、そういうマクロな描写の中に、脱出劇のサバイバルを織り交ぜ、もちろん恒例の残酷描写も絡めたりして、ミクロな描写と両立させているから、スリルを感じさせます。CGオンリーではなかなか表現しきれない「制御不能っぽさ」とでもいいますか。 シリーズ共通して言えることかもしれないけれど、残酷シーンのエゲツなさ、ってのも、非人道性を感じさせるものではなく、あくまで荒唐無稽、派手さのみ重視。アッケラカンとしているので、陰湿な感じはしません。眼科のシーンは多少、生々しいところもありますが、それとて抑制が効いてます。やり過ぎで興を削がないのが、このシリーズの魅力と言えましょう。 包丁が落ちてヒヤリとさせるシーンなんかも気が利いてます。血を出さずに済む場面は、出さずに済ませた方がいい、と言うことですね。 あっぶねー、という感覚。どんなスペクタクルにも負けないインパクト。[インターネット(字幕)] 7点(2022-08-06 18:05:41)《改行有》

64.  ブルーベルベット コレ、最初に見たのはたしか、木曜洋画劇場。いつもいつも「どマイナー」な映画ばかり放送してる木曜洋画劇場が、満を持して放送したメジャー映画が、よりによってコレ、ですからねー。いや、こんな時間帯にこんなの放送したらアカンでしょ、と。それでも多分、あちこちカットしてたんだとは思うけど、細かい事は覚えてません。すみません。 野原に人間の耳が落ちてて、醜悪な事件が発生して、ラストは花が咲いて鳥が囀る、というオハナシ。と書くと何のこっちゃ、てすが、でもそんなオハナシです。冒頭からそこは、のどかな田舎町であって、ラストもやはりそのまんま。別に何も変わりゃしない。人間の耳に虫がたかり、その虫は綺麗な小鳥に喰われる、という食物連鎖。田舎町の閉塞感って、そんな感じですよね。 そういう閉塞感をそのまんまヤな感じに描いたら、こうなるよ、という映画です。「奇をてらっただけ」と言ってしまうと身も蓋もなくって、そういうあまり人が映画にしなさそうなモノを映画にしてみせる、斬新さ、みたいなものは、ありました。 初めて見た際にやたら印象に残ったのが、「やたら画面を横切る、材木を積んだトレーラー」だったんですけど、改めて見ると、そういうシーン、そんなに多くはなかったんですね。これは意外でした。 あと、カイル・マクラクラン、そこはやはり、トランクスではなく、白いブリーフだろう、と思うのですが、どうでしょうか。[インターネット(字幕)] 7点(2022-06-19 21:26:56)《改行有》

65.  ブンガワンソロ 戦時中の何処やら、南の国を舞台にしたホームドラマ。といった感じで映画は始まります。現地人の役を演じてるのは日本人の役者さんなんですが、セリフは全部、現地語(だと思うけど、全くのデタラメ語だったりして)。字幕が入ります。ところどころ、背景が明るすぎて文字が読みづらくなるのが残念。とは言え、昔の映画の字幕ではこういうこと、時々ありましたよね。 で、そこに、道に迷ったという三人の日本兵が現れます。最初は何となくギクシャクしたところもあったけど、やがて日本兵の一人と、現地人の娘とが、いい雰囲気になってくる。しかしその幸せも長くは続かず、三人がその家に隠れていることが、他の日本兵にバレてしまう、というオハナシ。 戦後まだ6年という段階で、早くもこういう形で(多少なりとも夢を滲ませた形で)映画が作られてる、ということに、ハッとさせられます。現地ロケ、と言うわけにもなかなかいかないと思うんですけど、南国っぽさはとてもよく出てます。南国っぽく無いシーンも、無いわけでは無いですが・・・。 それより、クライマックスの追跡劇。何でしょう、これは。逃げる馬車、それを馬で追いながら発砲する兵士。そのスピード感。このシーンだけ見せられたら、誰だって西部劇の一部だと勘違いするのでは。なかなか気合いの入ったシーンでした。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-31 22:33:00)《改行有》

66.  プッシャー(1997) ヤクの売人である冴えないチンピラのグダグダな一週間が描かれて、およそ好感の持てる人物はまるで登場しないし、ストーリーだけを見れば何一つ納得するものなどありゃしないんですけど、それでも何となく引き込まれてしまう不思議。 二人の男が世にもオゲレツな会話を繰り広げ(と言ってもタランティーノほどエンドレスには続かないけど)、ここまでオゲレツだと一種のファンタジー。 銃で顔が吹き飛び壁中が血塗れになる、といったシーンもあり暴力的ながらもスタイリッシュ。色彩もときに鮮烈。とは言え、『ドライヴ』ほど画面をキメまくるのではなく、手持ちカメラの不安定さで、はぐらかしてしまう。それがいかにも、グダグダなオハナシの雰囲気にマッチしてます。[インターネット(字幕)] 7点(2021-12-18 14:47:21)《改行有》

67.  武士道残酷物語 《ネタバレ》 男色の殿様に弄ばれた揚げ句にチ●ポをチョン切られる話が「武士道」なのかどうなのか、よくわからんけど、何となくタイトルとしてはカッコいいので、OKでしょう。まあ要するに、封建制の不条理が子々孫々7代にわたって現代にまで繋がっている、というオハナシ。 各時代の主人公を同一人物が演じることで、手塚治虫の火の鳥方式というか、バック・トゥ・ザ・フューチャー方式というか、そういう輪廻や業のようなものを感じさせます(?)。 正直、オムニバス形式というもの自体に、つまみ食い的な弱点があると思うのですが、この作品、人間関係というものを描くのに7話構成というのはさすがに細切れの印象で、オムニバスの弱点が幾分、露呈してしまっているように思われます。消化不良気味のエピソードもあって。 もちろん、この「理不尽の連打」みたいなものに作品の狙いがあるのでしょうけど。あの手この手で苦しめられるご先祖様たち。いささかネガティブな要素ばかりを抽出し過ぎじゃないのかい、というツッコミはさて置き、封建時代ってホント理不尽だよねえ、と思ってたら、現代でも同じようなことが行われていて、負の連鎖は子孫のためにも断ち切らにゃいかんよなあ、と。 あと、妙な日記を残すと、子孫に色々と心配をかけちゃう、ということですね! とりあえず、錦之助はこの作品でいい仕事してると思いますが、それ以上に、各時代の憎まれ役を演じた皆さんが、ナイスでした。[インターネット(邦画)] 7点(2021-11-13 07:48:29)《改行有》

68.  武闘拳 猛虎激殺! 《ネタバレ》 70年代らしいコケオドシ感あふれる作品であります。必殺技の名前やら、キャラ立ちしまくった敵役の面々の名前やらが、いちいちテロップで表示されて、実にアホらしいけど、見てて何だか気分が盛り上がってくる、ような気もする。 やってることは殆ど『女必殺拳』あたりと変わらなくて(監督は同じ山口和彦)、でもコチラの主演は、我らが倉田保昭兄さん。また一足違う楽しみが。 とは言っても、主人公が崖から転落するシーンはやっぱり露骨にダミー人形。後の映画で無茶な飛び降りシーンをやって見せた真田サンの凄さがよく判ります。 だけどこの作品の倉田兄さんだってもちろん凄い。タイトルにもある通り、ホンモノの虎との激闘が。いや、本当に激闘なんかやったらひとたまりも無い訳で、どうみても虎は100%の本気モードではないけれど、と言って本気度0%と言うことも無く、20%か30%ぐらいの本気度がありそうな微妙な感じが、見てて心配になってくるところ。虎の20%30%でも普通ならひとたまりも無いですよ。 例によって例のごとく、敵の巣窟ではアヤシい格闘の達人どもがアヤシい武器を手に特訓を繰り広げ、それを横目に敵の首領が悠然と食事をしている、という、嬉しくなるほど潤いの無い世界。そこに足を踏み入れ戦いを挑む主人公。この敵の巣窟というのが実に立派な鉄筋コンクリート製の天守閣で、一体どこでロケしたんだろう、と気になって調べてみたら、熱海城なんだそうな。驚くのは、ラストで城が何と、炎上してしまう。いや、ホントに炎上しまくってるシーンは別途、セットで撮影したんだろうけど、なかなか巧みな演出なもんで、ちょっと驚いてしまいます。虎と戦った後で敵のラスボス戦ってもイマイチ盛り上がらないのですが、炎上シーンで見事に締めくくってくれました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-11-05 22:21:07)《改行有》

69.  ファンタズム(1979) 「エルム街の悪夢」の画期的な(のかもしれない)点とは、夢の中の殺人鬼、という設定により、超現実的なオカルトの「ワケのわからなさ」と、殺人鬼モノの素朴な「ワカリやすさ」とをうまくブレンドした点にあったのではないか、と。その点、この『ファンタズム』ではまだそういう融合は無く、あくまでオカルト路線そのものですが、夢で摩訶不思議を演出してみせるシーンには「エルム街」の先駆けのようなものも感じます。 何せオカルト、オハナシはちっとも要領を得ません。まあ、ホラー系の映画に出てくる「悪」なんてのは、「悪」そのものであって、そこには目的も何も無いのが普通、ではあるのでしょうが、この『ファンタズム』では、変な髪型のオッサンが出てきて、これが「悪」の存在らしいのだけど、何を狙っているのか、最後どうなればいいのか、まったく不明。凶暴な殺人鬼ならともかく、何しろただのオッサンなもんで。 といういかにもファジーな設定の中で、様々な得体の知れない事が起こり、こういうワケのわからなさ、何が起こるかワカラン感が、良いんですねえ。 あの謎の金属球。なんでこんなモノにこんな殺され方をしなければいけないのか。ワケはわからんけど、恐怖と残酷趣味とユーモアが一体になっていて。宙を飛ぶ凶器を側面から静止画で捉え、背景の映像を高速で流して見せる、なんてのは、よく見る演出ではありますが、もしかしてそのハシリなのかも。[インターネット(字幕)] 7点(2021-08-28 11:34:49)《改行有》

70.  不良番長 近年、昭和がイカしてた時代であるかのように吹聴され、それも80年代のバブルこそがイカした昭和だ、みたいな風潮があるけれど、いえいえ、本当にイカしていて本当にブッ壊れてたのは、70年代だと思います。その壊れ具合がよくわかる一例がこの、東映一のシリーズ作品数を誇る『不良番長』。製作はまだ1968年ですから、実は60年代末期からすでに、ブッ壊れ始めてたんですねえ。 不良番長こと神坂弘を演じるは、もちろん梅宮辰夫。どう見たって、不良にも番長にも見えないんですけどね。スーツ着てたりなんかすると、会社の重役みたいにすら見えてくる、妙な貫録が。 その彼がチンピラどもを引き連れて、まー、ロクなコトをしません。いきなりのアベック襲撃に始まり、やりたい放題のオンパレード、悪辣の限り。しかしカメラが回っているからこの程度なのであって、カメラの無いところではこの出演者たち、何をやってたのか想像もつかぬ・・・という、映画の存在自体が不良の極みみたいな、悪い意味で「伝説のシリーズ」となっちゃってます。 で、この不良軍団が、ヤクザの抗争に参入し、クライマックスでは単車をブッ飛ばし、トラックで突入し、しまいにゃマシンガンを乱射。一体どうしてこんなコトになってしまったのか。それはひとえに映画自体が「不良だから」。これぞアナーキズムの極致、ナンセンスの極致。こんなのホメようがない、という最上のホメ言葉を贈るしかありません。[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-10 17:47:37)《改行有》

71.  フェノミナ 作中で「虫めづる姫君」を演じているジェニファー・コネリーは撮影当時13歳でしょうか。 いやこれが確かにカワイイんですけど、彼女ばかりではなく、これだけカワイく撮ったスタッフこそ褒めてあげて欲しいところ。ブサイクさんが虫と戯れてたのでは、ゴメンね、正直、絵にならない。 ホラー作品とは言っても、あくまで連続殺人モノ。そこに、主人公の少女が虫と意思疎通めいた事をするという設定を持ち込んで、超自然的な要素を加えたのが本作の売り。虫の複眼を通した一人称映像なんて、巨大蟻の帝国以来じゃなかろうか。 だもんで、虫虫虫のオンパレード。はい、キモチ悪いです。これで終わっては単なる悪趣味映画ですが、ハエと共闘したりしちゃうあたりは、ちょっとファンタジー。犯人は一体だれなのか、そして犯人が抱えた秘密とは。 虫のキモチ悪さ以外にも、それなりに残酷描写やショック描写が盛り込まれ、突然のヘビメタはイマイチよくわからんノリながらも、不気味さはよく出ておりました。ジェニファーのちょっとトロくて不器用な感じも、作品の神秘性に繋がっていなくもなく。 ドナルド・プレザンスがムシ博士をやっていて、そこにムシ大好き少女ジェニファーがやってきて意気投合、ムシ談義を花開かせる、という展開は何だか、(無償配布の非売品化される前の)学研ひみつシリーズみたいな設定だわい、と少し思うのでした。[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-06 17:52:08)《改行有》

72.  FULL METAL 極道<OV> うじきクン演じる心優しきダメやくざが騙し討ちにあって、兄貴分と一緒に射殺されてしまうが、無敵の改造人間として蘇るオハナシ。ビデオ作品と言うことで、開き直ったようなチープさが溢れてますが、それを逆手に取ったように、残酷描写やエロ描写はかなりエスカレートしていて、苦笑交じりの笑いを呼びます。とりあえず、良い子は見ない方がいいかも。 なぜ彼が蘇らせられたのかは、殆どマトモな理由など無いも同然なのですが、蘇った以上は、自分たちをハメた連中に復讐しなければならぬ。しかも彼の体には、アニキの心臓、刺青、そして○○○が移植されていて。 その破壊的なパワーを駆使したバトルも見どころですが、彼を取り巻く人々との間に紡がれる物語が、終盤、映画をさらに加速させます。 バカバカしい作品ですが、バトルの見せ方にも工夫が凝らされていて(ドラム缶を一刀両断!)、こりゃなかなかのもんです。 でも良い子は見ないように。[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-05 18:43:05)《改行有》

73.  不連続殺人事件 高木彬光がなぜ「能面殺人事件」で探偵作家クラブ賞を受賞したかというと、前年は傑作「刺青殺人事件」が、運悪く、文豪が発表した長編ミステリとタイミングが重なっちゃったからで。そりゃ新進作家にはチャンスのあろうハズもなく。それがこの、坂口安吾の「不連続殺人事件」。 しかし、私も自分の本棚をたまに見返すと、乱読したミステリの中にはトリックも犯人も思い出せないものがあったりして、情けない思いをしたりもするのですが、そんな中で、「不連続~」は、真相がかなり鮮明に印象に残っている作品です。多分それは、フーダニットとしてよく出来ているからというよりも、探偵役である巨勢博士が終盤に犯人を指摘するくだりのユニークさ、ゆえの印象であるような気がします。 そういう意味では、推理小説の真髄はしばしば、「探偵が最後に犯人の“名前”を告げる」という点にあって、文字で書かれる小説という媒体ではそれが有効である一方、映画では視覚が中心となって、登場人物の名前というものが付随的なものに過ぎない、というのが、ミステリの映画化の難しいところの一つ、であるように思えます。 実際、真相解明の部分における印象の強さというものはどうしても、この映画化作品よりも原作小説の方に、軍配が上がってしまいます。 しかしこの「不連続~」という作品。やたらと登場人物が出てきて、誰がどういう人かを読みながら把握していくよりも、殺人事件が発生して人数が減っていくスピードの方が早くって、あれよあれよと言う間に・・・という、ちょっと風変わりな作品でもあるのですが、映画監督にしてみれば、こういう作品を作るのって、結構、大変だけど楽しいんじゃなかろうか。登場人物多いので俳優多数起用し、豪華なセットに彼らをズラリと並ばせる。カメラは常に引き気味で、なんだか常時、妙に画面内の人口密度が高い。その画面の中で、台詞のある人ない人それぞれがうごめき続ける。 もうちょっと真相につながる手掛かり、というか伏線をうまく仕込んでもよかったんじゃないか、とは思うけど(その点は原作の方が上手い)、原作のカオスな部分をひたすら強調した点が、この映画の持ち味、と言えましょうか。[インターネット(邦画)] 7点(2021-05-15 19:47:02)(良:1票) 《改行有》

74.  文学賞殺人事件 大いなる助走 俗物たちがわんさか登場し醜態を見せつける筒井康隆ワールドに、御大ご本人も登場し、日ごろの憤懣をぶちまけるその姿は、とても演技と思えませぬ。 文学界の裏側をここまで戯画化して茶化しちゃうと、んなアホな、と誰もが真に受けずに苦笑しながら受け流すところですが、でも実はこれが実態だったりして。 佐藤浩市が得意の土下座をカマすと、その場にいる全員が慌てて土下座を始める、なんてのは、実社会の欺瞞をあぶり出すような、なかなか辛辣で秀逸な画ヅラでした。 結局はどうしようもないオハナシですが、ヘンな哀愁みたいなのもあって、最後まで引っ張られます。 ところで作中、何度も、所謂「第九」が劇伴として流れるのですが、最後のクレジットを見てると、作曲者名が「ヴェートーベン」となっておりました。 誰だよ(笑)。[インターネット(邦画)] 7点(2021-04-03 12:25:48)(良:1票) 《改行有》

75.  FAKE 《ネタバレ》 ゴーストライター騒動渦中の佐村河内氏本人の懐に飛び込んでカメラを回せばとりあえず何かが出てくるだろう、と、あまり深く考えずに撮影を始めたような感じで、正直、あまりうまく撮れているような気もせず、さらには森監督自身、ある取材では音声を録り忘れるという、取材者にあるまじきミスを犯してしまったりもするのですが、これが偶然にも、難聴者の暮らす世界を我々に想起させる、という不思議。ホントにマイク入れ忘れたのか、それともfakeなのか? あまり適当に取材してると、「下山事件」では映画は完成せず、著作も言い訳を繰り返すばかりで中途半端な幕切れ、ってなことになっちゃったのですが。 でもそれが持ち味か。本作のあちこちに監督自身も顔を出したり口を出したり、お陰で天敵(?)新垣氏の朴訥としたヒトの良さまであぶり出してしまう。 監督は佐村河内氏を信じると言い、佐村河内氏も監督を信じると言う。そこで監督が最後に佐村河内氏に問いかける。あなたは私に何か隠してませんか、と。 その問いに対する佐村河内氏の長い沈黙は、彼の、彼なりの、誠実さを表したものと言えるでしょう。一言、否定するのは容易いこと。しかし誰だって、何らかの嘘、欺瞞、隠し事を抱えて生きているはず。それに、彼は、いや我々は、向き合ってきただろうか、と。 ところで、かつて騒動の前、NHKで佐村河内氏のドキュメンタリーが放送され(その中には騒動後に思い返すと、作曲中はカメラを拒否するというアヤしげな部分があったのだけど)、大きな反響を呼び、視聴者のリクエストに応える形で、件の交響曲1番もNHKが放送することになって、私も楽しみに録画したクチ、なんですけどね。ただ、いざ聴いてみると、ちょっと期待外れというか、どうも緊張感が持たない。正直、私の中に、ベートーヴェンでもスメタナでもない現代日本の難聴者が作る曲とはどのレベルのものだろう、と値踏みするような邪念があったのも確かだし、イージーリスニングなノリに対する心の準備も無かったし、テレビに映る聴衆の感激覚めやらぬ姿を見て、これはきっと私の側に問題があるのだろう、くらいに思ってたのでした。クラシック界には新しい波が訪れているのかもしれない…… それがこんなことになってしまって。というモヤモヤ感。それに対する答えがこの作品の中にある訳ではないし、何かが正しい方向に動き始めたのかどうかもよくわからない。ついでに言うと、交響曲の作曲にあたって誰がメロディを作ったかなんて、どうでもいいこと(他のジャンルならともかく)。スピルバーグがジュラシックパークの監督と言えるのかどうかには無頓着でも、佐村河内氏が作曲家と言えるのかには神経を尖らせ、「聾唖の作曲家」で生まれたビジネスが、今度は糾弾ビジネスに生まれ変わって、モトを取ろうとする。しょうがない面もあるけど、なんか、切ない。 佐村河内さん、今からでも遅くない、音楽の勉強は、した方がいいと思う。[インターネット(邦画)] 7点(2021-03-28 16:19:35)(良:1票) 《改行有》

76.  フォート・サガン 《ネタバレ》 巷ではソフィー・マルソーの初脱ぎ作品、くらいの認知度しかない作品ではあるけれど(以前の私だけか?)、実は3時間超えの超大作、そんなちょびっと見えるか見えないかのハダカよりも、雄大な砂漠の光景の方が、よほど見どころになってます。けれど大人になりきるかどうかという微妙なお年頃の彼女のチャーミングさというのも、一見の価値アリ、です。 前半は特に、ジェラール・ドパルデュー演じる士官が、部隊を率いて砂漠の行軍。出てくるのは砂漠とラクダばかり。カメラは引き気味で、雄大な光景を捉えます。 で、納得いかぬ理不尽な事態も発生するけれど、一方では民族や宗教といった垣根を超えた、理解や友情があったりもする。 しかし、やがて巻き起こる第一次大戦は、そういったもの全てを、押し潰してしまう。 たけど、そのすべてが消え去った訳ではない、というしみじみとしたラスト。イイですね。[インターネット(字幕)] 7点(2021-03-27 09:12:41)《改行有》

77.  ファイト・クラブ これ、初めて見た時は、何て気持ちの悪い映画なんだ、と思いました。この作品の、メタ性、みたいな部分が、どうも引っかかって仕方がなかったんですね。多分、当時、気持ち悪いと感じた一番の理由は、エドワード・ノートンが映写技師としてのブラッド・ピットについて語る場面、にあったように思います。ここでノートンは明らかにカメラに向かって、つまり我々に向かって語っていて、しかも映画の画面右上の「チェンジマーク」の説明まで始めてしまう。一種の自己言及であり、メタ構造を垣間見せることで、映画の中と我々との境界が曖昧になる。このシーンがあった上での、終盤にあの「真相」が示されてみると、何だか途轍もなく気持ちが悪い。 思えばポストモダンの時代とはすなわち、呪われた自己言及の時代であった、なんてテキトーな事を言うと怒られそうですが、19世紀、科学の「絶対性」はあと一歩で人類の手中に収まる、なんて思ってたら、20世紀に入ると、相対性理論やら量子力学やら不完全定理やらが「絶対性」を悉く奪い去ってしまって。代わりに相対的な視点を手に入れたはいいけど、その後には、無限に続く自己言及、自己懐疑が残されてしまった。自分を批判的に見る自分を、さらに意識する自分、いや、そんな事気にしてたらキリがないよね、とそれを割り切っている自分を、さらに意識せざるを得ない自分。 広義に見れば、映画におけるパロディというものも、映画の自己言及の一つ、と思えば、そんな事は昔からやってたんだろうけれど、ホラー映画の世界では『スクリーム』がメタ性を意識的に取り上げたりしてて、本作もそういう流れの上にあるのかも知れませんが、『スクリーム』がそれを娯楽性のためのギミックに留めていたのに対し、本作の場合は「ついに一線を越えちゃったな」みたいなところがあって。無目的な(あるいはそれ自体が目的の)殴り合いや、テロ行為といった、テーマ自体の破壊性とも相俟って、気持ち悪いとすら感じるほどの野心作となっております。 もっとも、かつて本作を観てから、その後さまざまな反則スレスレの映画を目にしてきて、今回また改めて本作を観ると、そこまでの気持ち悪さは感じない、というか、どこか「世紀末の懐かしさ」、みたいなものすらも感じてしまいます。ま、そもそも、真相を知らずに観るのと、知った上で観るのとでは、明らかに異なる世界が広がるのですが。 そうは言っても、この生々しい暴力がもたらす強烈な印象は、今もって新鮮で、むしろ、生の充足すらも記号化されつつあるデジタル社会にこそ、この作品は牙を剥く、そんな一面も確かに持ち合わせた映画だと思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-06 16:38:31)(良:1票) 《改行有》

78.  フォードvsフェラーリ タイトルは『フォードvsフェラーリ』であって、実際に題材もそうなんですけれども、でも何かちょっと違う。 高級車フェラーリに大衆車フォードが挑む、という図式だけど、では一種の「下克上」かというと、むしろ正反対。資本力ではフォードの方が圧倒的で、金に飽かせてル・マンに乗り込んでくる。 主人公のひとりであるマット・デイモンはまだしも、もうひとりの主人公であるクリスチャン・ベールはカツカツの生活を送っていて、このフォードとフェラーリとの対決の物語において、当然、中心的な存在になるのであろうとは予想されるものの、いくら物語が進めども、いつまで経っても蚊帳の外。本人が偏屈なこともあって、なかなかこの対決に絡めず、見てる我々もヤキモキする。 だから、これは、クリスチャン・ベール演じるケン・マイルズにとっての、「下克上」の物語。 いくつかのレースを経て、クライマックスである本番のル・マンが近づいてきても、「さあ、いよいよ!」などと煽るような演出も無く、むしろ淡々と開始しちゃうのですが、それは逆に言うと、迫真のレースシーンの演出に自信があってこそ、とも言えるでしょう。いざレースが始まったら、その緊迫感に、目が釘付け。 レース会場でもヘリで移動したりと、何かと派手なフォード2世。打倒フェラーリに向け、フォード側のチームとしてレースを戦う主人公ふたりだけど、本当に彼らを理解する者は、本当にレースを愛する者は、一体誰なのか。 この映画には、夕日や夕暮れのシーンが、再三登場します。もともと“黄昏”の映画なんですね。で、ラストはケン・マイルズの家の前。そういやこの芝生の前でかつて、ふたりは取っ組み合いしたんだっけ、などと思うと、観ている我々もどこか、懐かしさのようなものを感じてしまう。 夕日。[DVD(字幕)] 7点(2020-08-24 20:38:37)《改行有》

79.  フリーソロ クライマックスにおけるフリークライミングのシーンは、眩暈がするほどの迫力。もっとも、変に演出じみたカット割り(?)みたいな視点の切り替えが多用されるもんで、もしかして同じシーンを異なるアングルで何度か撮り直しとかしてるんじゃないの、という疑念も湧いてきてしまい、ちょっとモヤモヤしてきちゃうんですけれども。無論、こういう映像に仕上げるために、おそらくは撮影にも様々な配慮や工夫が凝らされたんだろうし、おそらくは大量の映像を撮影した上でその殆どを捨て、厳選しまくってこのクライマックスにまとめ上げたんだろう、と想像はするのですけどね。でもその結果、ちょっと人工的な印象を受けてしまうのは、勿体ないですね。 しかしその辺りは、彼を支え、彼を心配する立場として、撮影スタッフの姿と心境を映画の中に取り入れる、いわばメタな構成にしていることで、我々のそういう「疑い」を帳消しにしようとしている・・・としたらちょっとズルいのだけど、我々を当事者として巻き込み、一緒に心配する身に置かせる効果は、確かにあります。もちろんこれは、あり得ないような地形をあり得ないような技で登っていく、このクライマックスの圧倒的な映像があってこそ、の効果でもありますが。 それにしてもあのキグルミの人物は何者だったのか。一番気になるのはソコだったりする。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-19 21:09:42)《改行有》

80.  舞踏会の手帖 《ネタバレ》 夫を亡くしたマダムがふと見つけた手帖。そこにはかつての若き日の思い出、舞踏会で知り合った男性たちの名前が書かれている。 という訳で、マダムは思い出を探りに、これらの男性のもとを訪れる、というオムニバスっぽい構成。この過去に思いを馳せる冒頭部分は、合成映像があったり、壁に舞踏会で踊る人々の影が映し出されたり、ちょいと幻想的な演出があります。 でもまあ、自分のこういう「恋愛時代」をホジクリ返したって、大抵、ロクなことはないんですよね。だもんで、主人公が誰の元を訪れようと、ロクな話が聴ける訳もなく。一件目の訪問先からすでにして家庭崩壊状態、幸先悪いことこの上もない。二件目、三件目と訪問を重ねるにつれ、気のせいか、相手先がだんだんエキセントリックになってきて(それにつれて主人公のマダムの存在感も薄れてきて)、最後に訪れたアヤシイ医者の家に至っては、撮影するカメラまで傾いている(笑)。どうして手帖の人物はみんなこうもヘンになってしまったのやら。 と思ってたら、医者が最後ではなくって、この後もう一軒寄った先の男性は、平凡な散髪屋のオヤジになっておりました。平凡が一番よね、でも何となく寂しい。だから言わんこっちゃないのよ、そういう過去をホジクリ返しても、幻滅以外に何がある? と思ってたら、この平凡オヤジも最後ではなくって、これがホントのラスト一軒、というオマケ付き。あきらめが悪いというか何というか。映画的にはこれでオチがつくのですが、主人公は救われたのやら、もはや救いがたいのやら。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-02-08 03:47:56)(良:1票) 《改行有》

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