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121. ブロンクス物語/愛につつまれた街 《ネタバレ》 一人の少年カロジェロ(通称C)と、彼を愛する父親ロレンツォ(デニーロ)、もう一人の父親的存在ソニー(パルミンテリ)の三角関係のような人間ドラマに心温められる映画でした。 カロジェロにとってソニーは憧れであり父親のような存在です。ただその一方で、カロジェロは実の父親であるロレンツォのことも信頼しています。 ソニーとロレンツォのカロジェロに対する教えってのは、真逆のようでいて、その根底にある「カロジェロにまっとうな人間になってほしい」という願いはまったく同じ。ただお互いの生きる世界も違えば、価値観も全く異なるため、ぶつかりあっちゃうのでしょう。 例えば、ロレンツォはカロジェロの友人関係に口出しはしません。一方ソニーはCと友人達を引き離しにかかります。結果、カロジェロは命を救われるわけです。かたぎであるロレンツォには気づくことができなかったカロジェロの友人達の危険性、若者特有の危うさってのをソニーは敏感に感じ取っていたのかもしれません。 ロレンツォとソニーはカロジェロをめぐってまるで恋敵のように反発しあう一方で、お互いのことを認め合っている風でもある。それはラストではっきりするわけですが、なんといってもそのときのロレンツォからソニーへの最後の一言が感動します。何気ない一言なのですが、まるでけんかばかりしていた親友に贈る手向けの言葉のようで、なんともあたたかい気持ちにさせられる一言でした。[DVD(字幕)] 7点(2013-11-10 14:31:17)《改行有》 122. ブロンディー/女銀行強盗 《ネタバレ》 こういったサスペンスって、最初はどうしてもだらだらしちゃったり、受身ばっかりの展開にフラストレーションたまっちゃったりするんですよね。で、その分、中盤くらいから思いっきり巻き返せるかどうかが大事になると思うんですが・・・・おつりがくるくらい巻き返しましたね。本格的に銀行強盗の計画練り始めてから、俄然面白くなります。 キム・ベイシンガー演じるカレン・マッコイは、銀行強盗というよりプロの職人っていう感じ。まるで「ほこ×たて」みたい。「どんな警備システムでも侵入するプロのエンジニアVS絶対に破られない最新防衛システム」みたいな。 パソコンや図面とにらめっこしているときが最高にかっこいいわけですが、時折挿入される息子やJTとの触れ合いがまた最高に良い雰囲気なんです。そして、敵同士が手を組み、絶対不可能な防犯レベルトリプルAの大銀行に挑むのがまたアツい。 更にはそこから出し抜きまくりの反撃反撃でもう気分は爽快。そのまま飛びたっちゃっても良かったくらいなのに、最後にダメ押しとばかりにハラハラさせてくれちゃって、もうほんとにありがとうございました。とても面白かったです。 画像がちょっと良くない。特に暗いシーン。途中から慣れて気にならなくはなりましたけどね。[DVD(字幕)] 8点(2013-07-22 03:31:30)(良:1票) 《改行有》 123. フォーリング・ダウン 《ネタバレ》 人がキレちゃうのにはいろんな理由があるとは思うんですけど、それ以前に「キレやすい心理状態」ってのがあると思うんです。 例えば、マイケル・ダグラス演じる主人公が、もし夫婦円満、仕事も順調であれば、渋滞ぐらいでキレはしない。お店も破壊しないし、ナイフを持っている相手をバットでたこ殴りにもしないはずなんです。でもやっちゃった。これってきっと、キレやすい心理状態だったっていうのが大事だと思うんです。 離婚・リストラの二つが重なれば誰だって自暴自棄になります。そんな最悪の心理状態のときであれば、きっかけなんてきっとなんでも良いんでしょう。劇中では「わかるわかる。そりゃキレるよ!」と共感する部分もあれば、「ええ、そんなことでそんなにキレちゃうの?」とドン引きしちゃうシーンもある。それはきっと観ている側の心理状態が正常な証だと思います。 もしこの映画を観て、すべてのシーンに共感してしまったとしたら、その人の心理状態って結構やばいかもです・・・。 ともあれ、映画としては、なんか惜しい感じでした。なんとなく、盛り上がり損ねた感があります。フラストレーションとストレスが破壊衝動に転化されていくイメージを武器に例えている表現は凄くわかりやすくて良かったし、娯楽作品として良い演出だったと思います。家に着く頃には次第にストレスが収まっていき、それが持っている武器でわかっちゃうわけですが、最後はなんと言っても水鉄砲ですからね。まるで派手な花火を打ち上げた後、しめに線香花火をするみたいな感慨。こんな気の利いた演出ってなかなかないのに、うまいことまとめすぎたんでしょうか、観終わった後切ない気持ちと物足りなさだけが残りました。あと、なんとなく「ファーゴ」を思い出しますね。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-07-17 05:40:32)(良:1票) 《改行有》 124. フィアレス 《ネタバレ》 もしかすると、この解釈は間違っているのかもしれないですけど・・・ マックス(ジェフ・ブリッジス)は、飛行機が嫌いだったという一言エピソードからもわかるように、きっと極度の怖がりだったのです。人一倍死や恐怖というものに対して敏感だったのではないでしょうか。 飛行機が墜落する少し前に、ほかの誰よりも「死」を意識してしまったマックス。そしてその意識は「ああ、自分は死ぬんだ」という諦観の念へといきつきます。そう、きっとマックスの精神は、飛行機の中で光を見た瞬間、実存の世界から別の世界へと昇華されてしまった気がするのです。 マックスは、一足先に誰よりも死の意識に支配されてしまったために、飛行機の中で歩きながら同乗者の人たちに声をかけてまわったり、少年を気遣ったり、墜落後も人々を冷静に誘導することができたのだろうと思うわけです。 マックスは、飛行機の中で光を見た瞬間から、本人が言っているように幽霊のような存在になってしまったのかもしれないです。きっとマックスが想定していなかったことは、自分が生き残ってしまうこと。だから、彼は自分が生きていることにもはっきりと気づかないまま家族のもとに戻ってしまった。そこに現実世界とのずれが生じる。ずれはひずみとなり、時折彼の精神世界を脅かす。その都度彼は自分自身を認識するために、飛行機事故での死の直前に見た光を捜し求め、もう一度あの状況に身を置く必要があったのではないでしょうか。 それが、行き交う車の中の横断であり、屋上でのワンシーンであり、車の運転での自爆だったのだと思うのです。 そして、ラストのイチゴを食べてからの生還。あのイチゴを食べる前に、彼は家族の世界へと戻ることを決めていました。それは、一度昇華された精神世界から、現実の世界へと戻る覚悟の表れでした。でもどうしていいかわからない。だから彼にとって現実世界の代表者である妻に助けを求めたのです。イチゴを食べた瞬間、彼の脳裏に墜落直後の様子がフラッシュバックします。そして妻に助けられたとき、彼は「俺は生きているぞ」と叫びます。 このとき初めて彼は、あの事故から生還したような気がするのです。[DVD(字幕)] 6点(2013-06-23 12:01:54)《改行有》 125. 舟を編む 《ネタバレ》 辞書を作る話に2時間。・・・どんなものかと思いましたが、静かながらも熱く真剣な気持ちが伝わり続ける、力強いドラマに感動。日本の映画の良さが全部出ているのではないかと思っちゃうくらいの味わい深さでした。 馬締君も香具矢ちゃんも、出演者の皆様それぞれが地味ながらもすごく良い味をだしてくれているわけですが、なかでもとりわけオダギリジョー演じる西岡さんが最高に好きですね。 「映画ってやっぱり楽しくなきゃね!」と思っている僕にとっては、西岡さんがからむたびに映画館でおこる笑いが心地よく、それでいて彼が泣くシーンにはこちらも胸を打たれてじーんとしちゃいました。 また、「まじめっておもしろい」の映画のキャッチフレーズ通り、確かに「まじめ」もつきつめれば良い意味で面白い。正真正銘の真面目さから生み出される面白さというものをしっかり堪能させてもらいました。 いや、この映画は本当に良かったです。 この映画を観て元気づけられる人って、世の中にいっぱいいるんじゃないですかね!日本人の良さって、何と言っても「まじめであること」だと思うんです。そしてやっぱり「ものづくり」にかける誠意や熱意だと思うのです。 もともと日本人が持っている良さってものを、辞書作りとそれに携わる人達のドラマを通して再認識させていただきました。[映画館(邦画)] 8点(2013-05-31 03:08:26)(良:3票) 《改行有》 126. 不法侵入 《ネタバレ》 サイコなキャラが最も恐怖感を出すのは、本性を見せたときではなく本性を隠しているとき。今作でも、警官ピート(レイ・リオッタ)の笑顔や親切心が一番恐ろしい。 終盤、カレンが目覚めたときに、さも当たり前のように料理を準備しているピート。ここが狂気のひとつの到達点だと思います。これ以上の恐怖演出はないでしょう。 したがいまして、これはサイコ・ストーカーものとしては王道を地でいく無難な作品なのですが、その王道を完璧にこなしてくれているので緊張感と焦燥感は一級品です。 「なんか頭のおかしい奴に、心臓とまらない程度にドキドキさせてほしいわ~」と思ったら、きっとこの作品がオススメです。 「不法侵入」というタイトルにひかれて、防犯のお手本になるかと思っている人には、まったくならないのでオススメしません。犬も猫も友人も入り放題のノーボーダー状態です。[DVD(字幕)] 8点(2013-05-27 11:44:26)《改行有》 127. [Focus]/フォーカス(1996) 《ネタバレ》 いわゆる『オタク』という枠にカテゴライズされる人達っていうのは、普段スポットライトを浴びたことがないので、ふいにそういう機会に恵まれると、虚栄心や自尊心というものが本当に子供じみたかたちで現われることが多いんです。 そういった意味では、浅野さん演じる『金村』は、非常にリアルでかつ『ありがちな』オタクの、ひとつのモデルを見事に体現してくれていたとおもいます。それは手撮りの臨場感に更に拍車をかけることになり、見る人によっては一緒に車の中に乗っているような錯覚さえ覚えてしまうかもしれません。 個人的には白井さん演じるレポーターや、音声のヨーコさんもかなりリアルな演技をされていて、時折はいってくるカメラマンの声にいたってはもはや演技とは思えません。 日常から少しずつ非日常へと変化していく様子、そして一線を踏み越える瞬間まで不自然さを感じさせないストーリーも、単純ながら素晴らしいの一言。 一線を踏み越えてしまったあとからは、多少ありがちなサスペンスものなってしまいましたが、一線を越えるまでは、『いつ何が起こるかわからない』という不安感や緊張感を常に感じさせていて、見終わった後には徒労感と何とも言えない後味の悪さしか残りません。 冷静に考えれば、白井、おまえが一番悪いんだよって言いたくなる。 金村君とヨーコさんは、個人的には犠牲者にしか見えないです。[DVD(字幕)] 7点(2013-05-16 12:08:21)(良:2票) 《改行有》 128. プリティ・ウーマン 《ネタバレ》 ストーリーがシンプルなサクセスストーリーなだけに、役者さんの演技とキャラクターが随所に光り、いつの間にか物語にのめりこんでいる自分がいます。 「娼婦」という設定だけが初めは受け入れられなかったのですが、ヴィヴィアンの告白シーンで街角に立つまでの経緯を知り、初めてお客さんを取った夜は涙がとまらなかったというエピソードに触れたときには、「娼婦」という設定が逆にヴィヴィアンという女性の本質を印象づける結果になり、より一層ヴィヴィアンに共感するようになりました。 また、小さく挟み込んでくるエピソードがどれも良い感じなのもこの映画の魅力かもしれません。例えば、ロデオ・ドライブという店でヴィヴィアンがドレスを買いに行くと全く相手にされなかった一方で、ホテルの支配人は、警戒心を抱きつつも、ヴィヴィアンを一人の女性として扱い、敬意を払う対応を見せました。ヴィヴィアンが変貌を遂げるたびに、温かいまなざしを向けるその表情、こういう支配人のような一流の人間になりたいと思わせるのに十分な魅力を発揮しています。ディナーに呼ばれたヴィヴィアンが、じぶんからテーブルマナーの教授を願いでたことも素晴らしければ、それに丁寧に対応したホテル支配人もまた素晴らしい。この映画の中で一番好きなワンシーンです。 正直言うと、ヴィヴィアンがもう少しビジネスに関わってくるものとばかり思っていたので、そこがあまりリンクしなかったのは残念でしたけど、(とは言え、エドワードの考え方には大きな変化をもたらしたわけですが)人として大事なことに気付くことができる温かい映画だと思います。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-04-22 17:05:12)《改行有》 129. プロジェクトA2/史上最大の標的 《ネタバレ》 ジャッキーはもう少し強くても良いのではないかなー。序盤で、「プロジェクトAを成功に導いた男、ドラゴンです。」と熱い紹介をしたぶんハードルが上がっているのに、肝心のドラゴンが正直あまりぱっとしなかったのが残念。 複数の勢力(警察、チン署長、革命軍、革命軍をつかまえようとする国の人達、海賊など)が入り乱れている分、ストーリー自体はもう少し勧善懲悪でわかりやすくしてもらったほうが良かったです。 ほかのジャッキー映画と比べ、伏線と勢力を多くしストーリーに起伏をもたせたことで、アクションの爽快感が少し犠牲になった印象です。 チンがわかりやすいクズ野郎だったことと、海賊の立ち位置はわかりやすくて良かったと思います。あと、ホーはもっと活躍させてあげて。てっきりサモハンたちの代わりにジャッキーをサポートする役割かと思いきや、家でのドタバタコメディからはほとんど出てこなくて残念です。[DVD(字幕)] 6点(2013-03-14 12:39:41)(良:1票) 《改行有》 130. プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角 《ネタバレ》 主役のアンディを見た瞬間、「ああ、全然好みのタイプじゃない、この映画はきっと合わない。」と思ったのに、いつの間にかはまっていました。 アンディは純粋で、もろそうなのに、芯の強い部分がしっかりあって、とても魅力のあるキャラクターに仕上がっていました。それを演技力だけで表現していることがまた素晴らしいと思います。なにより、あのうっとうしいダッキーに向ける優しさ、出て行った母親を忘れられない父親に向ける優しさはたまらないです。 ストーリーは「ありがち」で「ストレート」。でもたまにはそんなのも観てみると、懐かしい気持ちに浸れて良いものだと思わせてくれる映画でした。[DVD(字幕)] 6点(2013-02-12 02:50:28)《改行有》 131. プロムナイトII 《ネタバレ》 わかりやすいホラーでとても良いです。バランスが良いです。テンポもちょうど良いです。人が襲われちゃうネタも多種多様でよかったです。 ぶっちゃけ、一番怖かったのは主役の女の子が体を乗っ取られる前まででしたね。突然、周りの景色が古いものに変わる。日本のホラー映画なんかで使われそうなこの演出が個人的に一番恐怖心をかきたてられます。あのおどろおどろしい雰囲気がたまらなく好きです。 もちろん体を乗っ取られてからも、クライマックスまで犠牲者がどんどん出てくるので飽きません。なかなか楽しめるB級映画です。[DVD(字幕)] 7点(2013-01-31 14:00:25)《改行有》 132. フレッチ/殺人方程式 《ネタバレ》 早いテンポで進む、ミステリーサスペンス。 ただ、全体通してコメディの要素が入っているので、肩の力を抜いて見られる娯楽作品に仕上がっています。 コメディはどちらかというとブラックジョークの割合が多いので、あまり笑えません。ネタとしては面白いのですが、なんかフレッチが言うと全然笑えないんですよね・・・。 謎がいっぱい出てくるので最初のうちは面白いです。ただ蓋を開けてみるとオチは正直あまり大した事ないです。 もともとミステリー好きで、早いテンポの映画が好きなので、そういった意味ではこの映画とはとても相性が良く、楽しめました。 また、フレッチの嘘がいつも適当なので、いつばれるかひやひやし通しです。良くも悪くも緊張感の持続する映画でした☆[DVD(字幕)] 6点(2012-11-21 14:56:26)《改行有》 133. ブラザー・フロム・アナザー・プラネット 《ネタバレ》 地球にたどりついた、罪人の宇宙人(ブラザー)。 話すことはできないが、相手の話を聞いて理解することはできる。 不思議な力で機械を修理したり、怪我を治癒することができる。 この面白くなりそうな素晴らしい設定が、残念ながら生かしきれていない気がします。 ブラザーと、それをとりまく人達の心の交流を、もう少し丁寧に描いてほしかった。 ブラザーを追っかけてきた2人組の宇宙人も、必要なかったと思います。[DVD(字幕)] 4点(2012-11-18 19:56:58)《改行有》 134. プロジェクトA 《ネタバレ》 カンフーアクションだけでなく、コメディの水準がものすごく高いと思います。 1つの映画に、出し惜しみなくこれだけ沢山の笑いの要素を詰め込んでくれているのがたまらないです。(アクションだけでもすごいのに・・・) アクションでスカッとし、自転車のシーンで大笑いし、合言葉のシーンで笑いがとまらなくなりました。 楽しいシーンの連続。この映画は見所ではないところを探すほうが大変です☆ (・・・しいて言うなら、「いや、銃殺だ。」のシーンはちょっと引いたかな。)[DVD(字幕)] 8点(2012-11-16 00:38:15)(良:1票) 《改行有》 135. ファンハウス/惨劇の館 《ネタバレ》 全体通して、ショッキングな描写は控えめで、どちらかというと「おどかし系」のホラー。ホラー映画初級偏といったところでしょうか。 何かが起こりそうな雰囲気をかもし出している前半はとても良かった。 急にほえる犬。ショットガンをかまえる大人。 マジックショー。奇妙な生き物の店。 変なおばあさん。 どこをいじっても楽しくなりそうなホラー要素がぎっしり。 ただ、実際に事件が起こり始めてからは割りと普通・・・ か、普通以下。 それでも十分楽しめたのですが、なんとなく物足りない感じは残りました。 弟や伏線の使い方が、もう一工夫あると良かったのかもしれません。[DVD(字幕)] 6点(2012-10-21 00:22:18)《改行有》 136. フェーム 《ネタバレ》 目立っているあの人も。才能があふれるあの人も。実はみーんな、人には見せない悩みや不安を抱えてるのです。 この映画の中で、壁にぶつからない人は出てきません。 一見、パーフェクトに見えたあの先輩でさえ、注文を取りに来たではありませんか。 そのときのドリスの視線は、親しげではありましたが、もはやアイドルに恋する目ではありませんでしたね。 個人的には、そのシーンと、ラルフが思いっきりすべっているシーンが一番いたたまれない気持ちになりした。これが現実なのだと。 ですが誰も「人生」という舞台から降りることはできないということも、痛いほどに伝わってきます。 「もし降りたかったら、そのときは死ぬ時だ。」 というメッセージが、あのシーンから伝わってきます。 個々の事実、エピソードを掘り下げることなく、結論を出すことなく、ただ切り張りしただけのような映画。 でもそこに何故か音には出ていない人の感情が見えてくるから面白い。 でもでもやっぱり、群像劇はそこまで映画に入り込めない・・・。 もう少し統一感があれば、面白かったのですが、そうすると普通の青春ドラマになっちゃうのかぁ・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2012-10-15 20:44:23)《改行有》 137. フォー・ザ・ボーイズ 《ネタバレ》 過去から現代に至るまでの、伝記のようなストーリー。 序盤は戦時中ながらも、ディクシーが一躍人気者になっていくそのプロセス、演出がなんとも言えず爽快。 ですが中盤あたりから、すっかりスターになったディクシーの、傲慢で高圧的な態度には、興ざめする人もいるかもしれません。 表面上では絵に描いたようなスター気取りのディクシーも、家族に対する愛情や、人を大切にする気持ちは失っていません。ですので最後まで、何か魅力のあるキャラクターに仕上がっています。 中盤以降は反戦メッセージが強くなります。 涙腺がゆるくなってしまうシーンも。 前線にいる夫との感動の再会シーンから一転。前線の息子のいる隊の前で話し、歌い、みんなを感動させているシーンからまた一転。 そのコントラスが効いていて、胸に響いてくるものがあります。うまい演出だなぁ。 長めの映画ではありますが、その長さを感じさせないオススメの一本です。[DVD(字幕)] 7点(2012-06-01 14:32:09)《改行有》 138. フェノミナ 《ネタバレ》 やや非現実的なホラー。 かと思いきや、中盤あたりから少しずつミステリーが入り始めます。 最後は完全にホラー。しかもわりと万人受けしそうなわかりやすいホラー演出の連続。 とにかくキャラ設定が良いです。 虫女VS殺人鬼親子。 パスタのように電話機のコードを巻くシーンで、刑事の叫び声だけが2度聞こえるシーンが個人的に最も恐怖感煽られました。 あとはやはり水中ですかね。 きそうなのはわかっていたんですが・・・ くるな、くるなよぉ~。 とは思っていたんですが、やっぱりきちゃいましたね。 フィニッシュがまさかのあいつっていうのも、素晴らしかった。 最後の最後まで手を抜いていない上質のホラーでした。 ちなみに蛆虫や蝿くんたちをこんなに応援する気持ちになれたのは生まれて初めてです。[DVD(字幕)] 7点(2012-05-29 12:45:51)(良:1票) 《改行有》 139. フラッシュバック(1990) 《ネタバレ》 ヒッピー。・・・ヒッピー?そもそもヒッピーとはなんぞや? 調べてみました。 どうやら、『文明や既成の価値観に縛られない人達』 『自然や愛や平和や自由を愛する人達』 『1960年代のアメリカで、反戦運動の中心になった人達』 といった人達の総称のようですね。 ヒッピーの犯罪者(と言っても冤罪でしたが)と、頭かっちかちの若手FBI捜査官の逃亡ロードムービー。なるほど!正反対の二人!これは面白い! きっと、その情報を知ってから見たほうが面白いかもです。 ただ、僕は知らないまま見ましたが、娯楽作品として笑いあり、緊張感ありで十分楽しめました。まさに万人向けのエンターテイメントです。[DVD(字幕)] 7点(2012-05-27 12:23:12)《改行有》 140. フライトプラン 《ネタバレ》 母親っていうのは、子供のためであればおかしなくらい理不尽になれるものかもしれません。そういった意味では、ジョディ・フォスターは見事なまでにリアルな母親を演じていたと思います。 そのリアルな母親だったからこそ、一緒に騙されました。 ぼくはもう途中で完全にパニック。 だって、あの母親だったらありえるじゃないですか。すべてが妄想だったってオチ。 「え?娘は死んでいる?まさかすべて母親の妄想だったのか?」 ってな感じで・・・お恥ずかしい・・・ ですので、もう娘が出てきたときの衝撃といったらそりゃあもう。 僕は単純なので、一緒に騙されて、一緒に「よっしゃあ」って思って、最後爽快で、アラブ人にはちょっとだけごめんね、って思いました。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-25 12:39:05)(良:1票) 《改行有》
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