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コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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1.  モダン・タイムス もう文句無し、大好きな映画です。とりあえずこれだけ言わせて下さい。先日、4歳の甥にビデオで見せてみたんですがね。まあ4歳児にはわかりにくい部分もあるので、私が活動弁士の役をつとめたわけですが。何と、画面を正視できないくらい腹抱えて笑い転げてるんですよ。時空を超えた笑いといいますかね、世紀を越え、国境を超え、世代を超えても、チャップリンの笑いは伝わってるんだなあ、と、何とも感動した次第です。10点(2003-07-20 09:49:56)(良:4票)

2.  モロッコ 《ネタバレ》 トーキー作品ですが、サイレント映画の香りがありますね。ときにセリフが抑えられ、そういうシーンでは「仕草」が生きてくる。仕草が生きるから、敢えてそれを断ちきる「カット割り」が生きてくる。移動を表現するカット割り。カット割りが生きてくれば、敢えてそれを断ちきらない「移動カメラ」も生きてくる。さてこの映画、「ロマンス」の映画、なんですかねえ。ワタシにはどうしても、「瘦せガマン」の映画、に見えて仕方がない。あのヘンな指のポーズ、お寒いと言えばお寒いですが(笑)、あのキザさも、瘦せガマンの裏返しに思えてしまう。男と女の瘦せガマン。2人の間には常に意地の張り合いみたいなものがあって、何となくすれ違ってしまう。「ラストシーンの素晴らしい映画と言えば、戦前では『モロッコ』、戦後では『第三の男』」などと紹介されているのを目にしたことがありますが、そのラストシーン。二人がいよいよ結ばれました、という終わり方じゃない。男の後を、女がトボトボと追う。砂漠を、無謀な軽装で、本当に追い続けることができるのかも判らないまま。これぞまさに、“瘦せガマン中の瘦せガマン”というべきラストシーンじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-03-24 01:51:18)(良:1票)

3.  モスキート・コースト 初めて“独りで”観に行った思い出の作品。ですが実は「当時、あんまり話題にならなくて、誰も誘えなかった(私一人、観たい観たいと盛り上がってた)」という事の裏返しなんですけどね~。ピーター・ウィアー監督は、前作『刑事ジョン・ブック/目撃者』で、現代文明を拒絶する人々、アーミッシュを取り上げてましたが、今作では逆に、科学技術を信奉する変人発明家が主人公。前作ではまだ若干ヒーロー色の残っていたハリソン・フォードがユニークな役作りでこの変人役に挑戦しております。この主人公もまた、現代社会から距離を置いた特異な存在、映画において現代社会を相対化し批判的に眺める存在である点は、前作のアーミッシュと同じとも言えます。彼は雇われの身でありがら、雇い主の要求に応えず自分の発明に没頭。資本主義に対して批判的、米国社会を憂いているが、購入しようとしたテープが日本製と知ると「国産品を出せ」と怒るあたりを見ると、愛国者には違いない。父なる国を愛する余り、その現状に耐えられない彼は、自分の理想実現のため、全てを投げ出しジャングルへ移住。家族もこんな親父によくついていく。食器洗いの最中に引越しという突拍子の無さにも、妻は笑顔で帯同する。さて、いよいよジャングルに移住した一家、親父の発明品の数々に囲まれた、理想の村をここに実現していく。この辺の描写は、「本当にこんな事実現できるの?」というツッコミは抜きにして、「発明」なる香具師的イメージが生み出すファンタジー世界、ユーモラスな味わいがあります。密林の中の巨大冷蔵庫。ちょっと“フィツカラってる”映像ではありませんか。しかし、“宗教”あるいは“銃(武力)”といった外部からの侵入者の前に、理想世界は挫折していく・・・。主人公が忌み嫌った「押し付けがましいアメリカ国家」、しかし結局は彼自身が家族にとって、その「国家」と同じ存在になっていく。父権を乱用し、意志を強制し、仲間を野蛮人呼ばわりし、果ては息子を裏切りもの呼ばわりする・・・。映画のラスト、主人公の息子の独白は、父を愛し、父を受け入れ、その上で「僕の世界は広がった」と語る。つまり、我々もまた、父なる国家を、その欠点を認た上で愛せよ、そして視線は自国に偏ることなく世界へ向けよ、ってな感じのメッセージ、ですかね。まさかこの息子が父と同じ“インディ・ジョーンズ”になっちまうとは、当時想像もしませんでしたが。[映画館(字幕)] 9点(2007-10-21 09:09:57)(良:2票)

4.  燃える平原児 《ネタバレ》 エルヴィス・プレスリーが、白人を父、先住民を母に持つ主人公を演じた西部劇。これを見ても、何ゆえエルヴィス・プレスリーがあんなに大スターとしてもてはやされていたのやら、さっぱりわかりませんが、それは必ずしも悪い意味ではなく、あくまでこの大作とは言えない西部劇の出演者の一人として、複雑な境遇の青年の役を好演しています。一応はファンサービスなのか、歌声も披露しており、言われてみれば、スターらしい色気が無くも無いような気もしてきますが、おそらく気のせいでしょう。ということで。 この作品、何ともまあ、救いのないオハナシでして。主人公一家の周りでは、白人と先住民たちが、ひたすら対立しまくっていて、襲撃シーンなどもなかなか容赦のない描写。この一家はその家族構成ゆえ、できればこの対立に巻き込まれたくない。だけどそれを周りが許す訳もなく。そして周りが許さなければ、この一家を軸とした新たな対立の種が生まれてしまうことに。 最後まで何も解決することはなく、ラストシーンの別れが対立の終着点として描かれるこの悲劇、それをアクションを交えつつテンポよく描いていく手際の良さ。スターが主演だろうと何だろうと、B級西部劇の香りがいたします。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-07 07:45:13)《改行有》

5.  モスラ(1961) シン・ゴジラがユニークだったのは、ミニラがゴジラへ変身する過程をちゃんと見せたところ。いや、ミニラでは無かったですけれど、とにかく、ゴジラの形態を変化させた・・・というのはつまり、ゴジラをモスラ化させた、とでも言いますか。 モスラってのは要するに、映画の中で形態を変化させる怪獣、ですよね。幼虫と成虫、2形態で怪獣映画を楽しめる、というのもあるのですが、なんかこの過程が、神秘的、というよりは、不気味。 怪獣というものは、街を破壊するために現れる、いわば悪意の塊のような存在ですが、実際には、デカ過ぎることもあって(あるいは人間が小さすぎることもあって)、悪意があるんだかどうなんだかよくわからない。その最たるモノが、このモスラ。 小美人を誘拐してきて金儲けを企む人間どもの方が明らかにワルい訳で、モスラは小美人を救うためにやって来ただけ。しかしそれすらもよく判らなくって、モスラは淡々と破壊を続ける。その特殊効果が、お見事としか言いようがない。1954年のゴジラのモノクロ映像ならではの迫力に対し、カラーになってアラも目につくようになり、そりゃミニチュア撮影であることは丸わかりなんですけれど、それでもなお、ミニチュアでここまで表現できるのか、という驚きの連続。ほぼ、究極レベル。 ついに禁断の東京タワーまで破壊の手を伸ばすモスラ、しかしここで繭にこもりサナギと化してしまう。人間たちに対しトドメを刺すことも無く、我が道を行くその行動パターン、これ、十分に不気味です。 神、ってのは、そういうもんだと思う。 羽化してからの成虫モスラの羽ばたく姿も、これまたお見事。ホント、ここまで表現できちゃうんですねえ。 登場人物はゴジラで見たような面々が目立ちますが、その中心にフランキー堺の人懐っこい顔があって。破壊に次ぐ破壊が描かれる怪獣映画ながらも殺伐とせず、ユーモラスな雰囲気を醸しだしているのも、ゴジラやラドンとは一線を画していてユニークなところ。[インターネット(邦画)] 8点(2022-07-05 22:53:09)《改行有》

6.  最も危険な遊戯 遊戯シリーズ第1弾、なのにいきなり「最も危険」などとブチ上げると、ヒットしてシリーズ化した際に次はどのくらい危険にすればいいのか判らなくなる。という教訓が「あぶない刑事」で活かされたのかどうかはさて置き。 松田優作演じる、一見風采が上がらないものの実は凄腕の、ええと、こういうヒトを何て呼んだらいいんですかね、とにかく一種の仕事人。 そのメカニックと言ってもよい、キレのある動きは、このシリーズの象徴と言ってよいもの。とにかく凄みを感じさせます。 そして独特のカメラ長回し。動きのあるアクションは時に、カメラが写しうる範囲を超えてなお継続し、しかし映像と音は、今展開されている死闘の空気感を如実に伝え続けます。 お金なんかかけられなかったんでしょうけど、あの屋上での闘いなんて、どんな大作にも引けを取らない、名シーンじゃないでしょうか。[インターネット(邦画)] 8点(2021-07-03 18:42:57)(良:1票) 《改行有》

7.  モンスターズ/地球外生命体 なんか妙にオモシロかったんですけれども。オモシロさの理由の1つは、これはまあ、ギャレス・エドワーズ監督がこの後抜擢された『ごじら』を先に観ちゃったから、でして。ああ、本作の色んなネタが流用されてたのね、と。怪獣による破壊の跡の描写とか、光る怪獣のタマゴとか、怪獣同士のラブラブシーン♡だとか。しかし、怪獣の直接的な描写よりも、怪獣が暴れた後の廃墟が主に描かれ、主人公の行く手に(あ、この作品、一種のロードムービーです)それが次々に現れて、具体的にそこで何があったのかはワカランけどとにかくロクでもないことが起こったんだなあ、そういうロクでもない状況の中に今、いるんだなあ、ってことはとてもよく伝わってきます。そう、コレって、『地獄の黙示録』みたい。冒頭で口ずさまれるワルキューレの騎行までもが『地獄の黙示録』と関係しているとは言いませんけれども、あの何とも得体の知れぬ気持ち悪い雰囲気、よく似てます(船で移動し始めたら、特に)。 で、主人公のふたりは怪獣が跋扈するメキシコからアメリカへ無事に逃げ切れるのか、一見そういうオハナシなのですが、さにあらず、というか、「結局、逃げるところなんて無いやんか」「逃げても大していいコトなんか無いやんか」「要するに逃げなくてもいいやんか」みたいな、現代社会の生きにくさをそのまま投影したような身も蓋もない感じが、かえって妙にシックリきたりして。 あと、いかにも低予算であることを謳い文句にして紹介されがちな作品ですが(実際、低予算なんでしょうけれど)、決して安っぽさを感じさせないのは、やはり見せ方のうまさでしょう。[DVD(字幕)] 8点(2016-01-13 22:40:44)《改行有》

8.  モホークの太鼓 いっしょに観ていた幼稚園の息子が突然「この人、エイリアンみたい」と言い出し、その後もしきりにエイリアンエイリアンと言ってるもんで、アンタそりゃエイリアンじゃなくってインディアンやろ、と。まあどうでもいいことですが。 独立戦争時代の西部開拓地域。そこに若夫婦がやってくる。旦那はある程度この未開の地にも慣れた感じだけど(例によって、ヘンリー・フォンダの分別顔がちょっと憎たらしいんですが)、不慣れな奥さんの方は驚きの連続、最初は気丈に振る舞うも、やはりたまったもんじゃない。という訳で、旦那の方はどうでもいいとしても(笑)、奥さんの成長というか変化が、ひとつの見どころですね。しかしそれ以上に、このまだ開拓途上にある混沌の地において光っているのは、やはりいい味だしまくってる脇役陣ですね。どうしてこうもジジイやババアを描くのが上手いのか。いや上手い下手は別にして、こうも面白く描くのか。 基本的には白人同士の戦い、軍人か否かを問わず、誰もが命がけで戦わねばならぬこともある。んだけど、その双方に、先住民の協力者がいる、という描写も面白いですね。で、敵方についた先住民、家屋に火を放ち、凶暴なのかと思いきや、根性オバちゃんに振り回される人のよさも見せたり。 そんでもって、クライマックスの砦の攻防、盛り上がります。さらには超絶ランニング。一体何十km走ったのか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-12-06 08:25:48)《改行有》

9.  モンテ・ウォルシュ これは寂しい、寂し過ぎる西部劇。前半はカウボーイのおっさん達がガキのようにはしゃいでいる。んなコトばかりしてるから時代においてかれるんだけど、こればかりはしょうがない。で、この映画、これといって事件は起こらない。いや中盤あたりから事件は起こるんだけど、事件によって物語が展開するというよりも、まず「西部の男たちのどうにもならぬ落日」への流れがあり、そこに事件がポツンポツンと配置されていくような印象。彼らなりに精一杯生きて、時には派手に暴れつつ、結局は静かにフェイドアウトしていく。詩情あふれる映画、なんて言うとありきたりだけど、一体この寂しさは何なのか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-03-27 23:41:00)

10.  モンスターズ・ユニバーシティ モンスターズ・ユニバーシティ、それは魑魅魍魎が集まる大学。って言うと、バカボンパパの出身校バカ田大学を連想してしまったのですが(笑)。子供と一緒に大いに楽しませていただきました。続編でしかも一作目よりも時代的に前の話を描くとなると、多少なりともデッチ上げっぽい感じがしてしまうんじゃないかかと思うところを、本作は見事に自然で無理のない「モンスターたちの若き日」を描いていて、まずもって好感が持てます。内容的には、他のグループとの競争がストーリーの骨格になっていて、これ自体は普通「ネタ切れの時の苦し紛れ」な設定であって、無理が無いとは言い難いのですが、いわばこれは長い長い助走、ちゃんとその後のひと波乱ふた波乱あって、ここでそれまでのすべてが生きてくる。感心いたしました。あとこの映画、ギャグも冴えていて、あのお母ちゃんの洗濯機のシーンなど、笑いが止まりませんでした。ちなみに、ウチの下の子が一番ウケていた場面は、エンドクレジットの後のヒトコマですので、最後まで席を立たないことをオススメいたします。[映画館(吹替)] 8点(2013-07-10 22:48:18)

11.  猛吹雪の死闘 監督・脚本:石井輝男、ではありますが、これは健全な内容の山岳アクション映画です。いや、むしろ過剰な健全さが何ともアヤシゲな怪作と言えるかも。宇津井健演じる主人公が、まさに山男の中の山男、健全過ぎるというか、空気が読めないというか、要するに、「これぞヒーロー」なのですね。かつて雪崩事故により恋人を失った主人公(この人、雪山で大声ばかり出しているので、雪崩もそのせいで起きたんじゃなかろうか、と思っちゃうのだけど、それはともかく)。故なくして宝石強盗の人質となってしまい、彼らの逃亡のため、決死の雪山超えに挑む、というオハナシですが。ただ、この主人公、非常に律義。たとえ強盗たちであっても、雪山ではとにかく人命第一。彼らを見捨てるなんてことは断じてしない。吹雪に遭難しそうになったら早速ビバークし、皆を眠らせず元気を出させるためには「さぁ、歌でもうたおぅかぁ」。とても人質の発言とは思えませぬ。いや、要するに、雪山の吹雪ってのは、強盗以上の難敵なんですな。雪山ロケが厳しい雰囲気をよく伝えます。そして、雪山での容赦ない格闘シーンの撮影。映画撮影はすなわち死闘。昔の映画って、みんな本当に頑張ってますよねえ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-01-22 22:30:50)

12.  モンキー・ビジネス 檻から抜け出したチンパンジーが、実験室にあった薬品を適当に混ぜ合わせ、出来上がったのは若返りの秘薬。しかもこいつを飲料水に混入してしまい・・・というワケで、収拾不能、ひたすらハチャメチャな、この映画。出演者たちの怪演、また怪演、カメラの前で展開されるのは、もはやほとんど“修羅場”と言えますね。チンパンジーや赤ちゃんの演技など、本来なら観ててもう少し感心するところなのですが、周囲の怪演ぶりに圧倒され、影が薄くなってしまうほど。いやあ、笑った笑った。ちなみにワタシもその昔、化学の学生実験で、実験後の薬品を適当に混ぜまくってたけど、何か役立ちそうなものを合成できたためしはありません(マネしちゃダメよ)。あと、この映画のケーリー・グラントの役作りは見事だと思います(こういう化学者に何となく憧れるのです)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-14 23:12:18)

13.  盲獣 乱歩自身、“吐き気を催すほど”と言ったという『盲獣』、その盲獣のオハナシかと思いきや、何と、モンスターペアレンツのオハナシでしたとさ。そんでもって、怖いおっかさんと、怖い憧れの女性との間に板ばさみになった、ダメ男のオハナシでしたとさ。変態映画のように見せつつ、この辺り(映画の前半)は、妙に現実的で身につまされる部分もあります。目の見えない変態男が、女性を誘拐してきて、ヘンテコなオブジェで満たされた倉庫に監禁、彼女をモデルに「触覚の芸術」を作り上げようとする、という変態的なストーリーの中において、彼をサポートするおっかさんの、旧時代的かつ健康的な姿がかえってアブノーマル。変態の中においては、正常こそが変態とも言えますナア。ところで、船越演じる変態男、粘土コネコネしながら、「いままでにない彫刻ができそうなんだ~」とか、しきりに彫刻、彫刻、って言ってますけど、アナタが作っているソレは、「彫刻」じゃなくって「塑像」ではないでしょうか。ま、それはさておき、映画後半は、変態というより退廃路線を暴走していっちゃいますが、だんだんおかしくなっていく主人公の女性の姿に対し、妙に淡々とした彼女の独白が重なり、「アンタ、冷静なのか忘我状態なのか、どっちなんだよ。そもそもこのナレーションって必要なの?」と思っちゃうのだけど、しかし一方で、この異常な映像と淡々としたナレーションのミスマッチが、不気味さを醸し出しているのも事実。この淡々としたナレーション、お昼のワイドショーの「あなたの知らない世界」の再現VTRを思い出させます。ああコワ。[DVD(邦画)] 8点(2010-03-24 22:17:03)

14.  萌の朱雀 西吉野村。現在では五條市に編入されました。梅で有名な賀名生地区、一度は観梅に行きたいと思いつつも遠いのでまだ行けてません(ついに春が来たとばかり、毎年梅ばかり熱心に観に行ってたりする)。五新鉄道。五條と新宮を結ぼうという、トンデモない鉄道計画、こんなの出来てたら、世界遺産に認定されたかどうか? 工事跡が映画の中で印象的に登場。映画では鉄道の代わりに国鉄バスが走ってますが、今では我らが奈良交通がバスを走らせているらしい。なお、この路線の傍には、日本最長路線である「八木駅~新宮駅」路線が走っており、ウチの親が最近、コレで本宮まで行ったけど、意外に快適だったとか(私は本宮~新宮間しか乗ったことありませんが)。映画に出てくる光景の中では、洞川温泉が懐かしい。二度行ったことがあるけど、うち一度は新婚旅行。海外か国内かなんて聞かないでよ、県内旅行なんだから(笑)。・・・・なーんてことはすべて、この映画には実はあんまり関係なかったりするのです。もっと普遍的な、何か。いや確かに明らかにこれらの実在の場所や史実と重なる部分はあるのですが(しかも奈良県が一生懸命「奈良の映画」として持ち上げてたりするのですが)、もっと、どことも知れぬ舞台、いつとも知れぬ舞台の映画、ですね。登場する素人の出演者がこの上もなくイイ味出してて、まるで関西電気保安協会のCMみたい(みたことない人はHPで確認してください)。で、豊かな自然と、その自然の一部であるようなイイ味の地元民の皆さんの中で、プロの役者たちが、明らかに作り物である“演技”を繰り広げる。その間の溝は決して埋まることがありません。映画のストーリーとしてのドラマの外側に、「映画を作る」というドラマが、はっきり描かれる訳ではないけどはっきり感じ取ることができる、そこから生まれる不思議な感慨。ああ、そういう手があったのか、そこからこんな不思議な感覚が生まれるのか。物語が終わり、映画の製作が終わっても、この自然と、この人々の生活は、存在し続ける。しかも実は意外に近くにあるんだ、同じ県内なんだから。やっぱり、いつか、行ってみよう。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-08-07 01:10:05)(良:1票)

15.  無問題(モウマンタイ) これはすばらしい! この陰影に富んだ映像! 華やかな映画スタントの世界を一歩離れれば、パッとしない薄暗い日常、しかしそこには必ず微かな光が射している。この陰影に溢れた世界、そこには男の孤独があり、男の哀しいサガがある。まさに一大映像叙事詩と呼ぶに相応しい映画ではなかろうか。オカムラサンの明らかに不必要で過剰と思われたセリフ、これだって実は、ここでは必然性を得ているのだ。そう、このダサさこそが本作の命。モテなくったっていい、オクテだっていい、ダサくドン臭く、しぶとく生きて行こうじゃないか。ほろ苦く、切なく、そして闇の中でキラリと光芒を放つ、愛すべき作品である。え?そんなに褒めちゃっていいのかって? 無問題、無問題![地上波(字幕)] 8点(2005-08-23 23:23:16)

16.  モハメド・アリ かけがえのない日々 これは観てて大興奮してしまいました。アリ vs フォアマン戦を前にした当時の熱気というものがよく伝わってきて、観てる方としても十分温まった頃に、ついに試合開始! 試合のヒトコマヒトコマをもっともらしく解説していくのがいいですね。とにかくこういうのに弱い!つい真に受けてしまい、アドレナリン噴出しまくり。「キンシャサの奇跡」一点に絞りこんでいく構成が大正解です。そして敗れたフォアマンもちゃんとフォローしてるのがさらに好感持てます(確かこれが唯一のKO負けですね?)。後の対猪木戦は茶番扱いで完全に無視されてますが、気にしません。私はG馬場派ですからね。ふふ。8点(2003-12-13 01:51:42)

17.  モンタナの風に抱かれて ムツゴロウさん火遊びの巻!ってな感じの内容ですが(何のこっちゃ)、あまりにも雄大な大自然は、感動するなんてレベルを超えて、思わず笑ってしまうほどすごい。空撮なんかも多用して、存分に堪能できます。ムツゴロウさん役の(だから違うっての)レッドフォードも、『ナチュラル』を思い出させるクサい役づくりで、大自然に負けないイイ味出してます。ちょいと切ないけど、心和む映画です。8点(2003-06-28 01:23:08)(笑:1票)

18.  燃えよ剣(1966) 「燃えよ剣」の映画化、と言っても原作の一部だけ。土方歳三という人の規格外ぶりを描くには、やはり宮古湾の海戦までは描いて欲しいところではありますが、そこまで行ったらもう函館までもう一息、完全映画化の超大作になっちゃう。と言うわけで、この作品では池田屋騒動まで。え、それじゃまるで「坂の上の雲」を日清戦争までしか映画化しないようなもんだ、ってか? そう言うなかれ、ちゃんと、池田屋騒動の中にこの作品ならではの仕掛けを織り込んで、土方歳三にしっかり活躍の場を与えてます。 土方さんとか沖田さんとか、もっとシュッとしたイメージを持ってしまうのですが、この映画では皆さん、だいぶ暑苦しいです。ちょっとギラギラした感じがある、と言ってもよさそうなくらい。エネルギッシュです。 正直、監督さんも俳優さんの多くも、あまり馴染みが無く、松竹だし大丈夫かな、とか思っちゃうのですが、いやいや、しっかりした作品だと思いました。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-29 20:57:46)《改行有》

19.  モアナと伝説の海 CGで描かれる登場人物たちのスベスベとした質感が、どうにもソフビ人形に見えてしかたがない、今日この頃。 そのソフビ人形がたちが、歌って踊って、それはそれはもう、見事な動き。 悪趣味に光るヤドカリの化け物(?)まで、活き活きとした動きを見せて。 しかし何よりも圧倒的なのが、海の描写。水の描写。 こんなの見てると、人間、絶対に水に溺れたりなんぞしないような気がしてくる。 油断厳禁。[DVD(吹替)] 7点(2021-02-27 20:23:35)《改行有》

20.  森の石松鬼より恐い 「森の石松」の舞台演出に悩む演出家が、ある日タイムスリップして石松本人になっちゃう、というSF超大(?)作。 という訳で、演出家役の錦之助がカツラ無しで登場し、なかなかレアです。しかし錦之助、時代劇カツラをかぶっていないと、結構、フツーのおっさんで、こんなにもオーラが無いのかと。いや失礼。 それが、目が覚めると自分が森の石松本人になっていて、その事実を飲み込むまでがドタバタの連続。そのネタでここまで引っ張るかと思うくらい引っ張るのですが、この石松ワールドの配役が、冒頭の現代のシーンと被っているせいで主人公も混乱する、ってのがどうにも可笑しく、ああ、あのヒトがこの役で再登場するのか、と大いに楽しませてくれます。そんじゃあ寿司屋の大将・鶴田浩二もきっとどこかに再登場するよね、と期待していると、まあ再登場はするものの、これはちょっと肩透かしですが。 とにかくこの前半の引っ張りで、主人公が簡単にこの世界に入り込めない、ってのがあるからこそ、あれやこれやの事件に巻き込まれ、彼自身も「石松」としての自分にめり込んでいく後半が、冴えわたるんですね。ただのドタバタに終わらず、クライマックスではしっかり、森の石松譚を堪能させてくれます。 例によってというべきか、屋外ロケシーンとスタジオセットシーンで、あまりに声の響きに差があり、これ何とかならないもんですかね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-01-25 03:06:08)《改行有》

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