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プロフィール |
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893 |
性別 |
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自己紹介 |
ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。 「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。 映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。 目指せ1000本! |
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1. リコリス・ピザ
《ネタバレ》 題名の『リコリス・ピザ』とは1970年代に南カリフォルニアに実在したレコード店の名前であり、
LPレコードを意味するスラングだという。
1973年のあのときにフィーチャーした一曲一曲の世界観が、15歳少年と25歳女性の恋物語を形作っていく。
近づいたり、すれ違ったり、寄り道したり、想いをなかなか告げられずに…と初々しい。
初主演ながらアラナ・ハイムとクーパー・ホフマンが自然体で体現してみせる。
決して美人ではないのに従順ではないエネルギッシュさを宿すヒロインに少年が惚れないわけがない。
そんな口達者で度胸もあり背伸びしていて幼さを残す少年役のホフマンに名優であった亡き父親の面影を見た。
初期作『ブギーナイツ』と『マグノリア』の軽快さはそのままに肩肘を張らず気楽に見られる、
ポール・トーマス・アンダーソンの演出は円熟味を増している。
彼は二人を未来も分からぬ航海に前に向けて送り出す。
二人は手を繋ぎ、走って、走って、走り続ける。
そのショットが最高に美しく多幸感に満ちていた。[インターネット(字幕)] 7点(2023-01-28 20:09:54)《改行有》
2. 竜とそばかすの姫
《ネタバレ》 メインの歌が素晴らしいが故に危うく誤魔化されるところだった。
『サマーウォーズ』が2000年代のネット社会を総括した作品なら、
本作は2010年代のネット社会を総括した作品だけど焼き直し感は否めず。
なぜリアルで歌が歌えないのか、"U"世界の竜に惹かれるのかが説明不足で、
リアル恋愛事情、ネット自警団、ドメスティックバイオレンスといろんな要素を詰め込みすぎて、
それぞれが上手く機能していない、場面重視の細田守ならではの悪癖が際立つ結果に。
"U"に登録してすぐに注目の歌姫なんて出来すぎで、ここでストーリーが破綻しているというか。
虐待受けているのに簡単にネット環境使えるとか、すず一人で東京に行かせるのもありえない。
力技で無理矢理世界観に引き込むので余計タチが悪い。
誰も脚本について異論を挟めない状態なのかな…
奥寺佐渡子カムバックとしか言いようがない。
前作の『未来のミライ』に比べれば、スタジオ地図は本作で何とか首の皮一枚でつながった状態だ。
次回作も地上波で待つ形になるでしょう。[地上波(邦画)] 5点(2022-09-24 00:17:30)《改行有》
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