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プロフィール
コメント数 204
性別 男性
年齢 46歳
自己紹介 専門は邦画とヨーロッパ映画(特にフランス)。気に入った監督や俳優がいればひたすら観つづけるので、どうしても同じジャンル・国に集中してしまうようです。(だからあまりハリウッドを観ない。)

最近引っ越してしまい、なかなか映画を気軽に観ることができなくなりました。撮りためたビデオとDVDばかりになりますが、観たものは書き込んでいこうと思っています。

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181.  トリコロール/白の愛 3部作の中の1作目として観たので、「赤」「青」「白」がどのように表現されているのかはわかりませんでしたが、画面を彩る色彩としての「白」は堪能できました。贅沢を言えば、もう少しジュリー・デルピーの「白」と、空を舞う雪の「白」を戯れさせてくれればな、と思いました。ポーランド人俳優のカロルは、最初は観ていて嫌になるくらいダメなヤツに見えるのですが、だんだんカッコ良く見えてくる。これは、彼の演技や監督の演出が素晴らしいんだろうなと思います。ミコワイと氷上で仰向けに寝転ぶシーンなど、観ていてちょっと感動を呼ぶシーンもあり、いいものだと思います。しかしながら、何か足りない気持になるのは何故でしょう?やっぱりジュリーデルピーの魅力を十分に楽しめなかったからかな?ということで5点。5点(2003-11-18 13:57:38)

182.  恋人までの距離(ディスタンス) 女の子から「どんな映画が好き?」と聞かれたら、他に好きな数本の映画を言ったあと「けど恋人までのディスタンスもいいなー。」と付け加える事を僕は忘れないだろう。そして、その最後の一つに見事ヒットしてくれる女の子がいれば、僕はその瞬間に惚れてしまうかもしれない。そんな、なんか恋がしたいっ!と思わせるような作品がこの映画でした。この映画は、本当に観終わってとても幸せな気分になる映画ですね。この満足感って、映画の魅力の中でもとても重要なことなんじゃないかなと思います。この映画の中には、毎日の日常から少し浮ついているかもしれないけど、とびきりの幸せがたくさん詰まっていて、なんだか本当に幸せになります。役者さんの二人の一つ一つの会話の妙が素晴らしく、また表情が活き活きとしているのが印象的でした。最後の別れも、強く胸に迫ってくるところがあります。たぶん、次に新幹線に乗る時は、僕はちょっとこの映画を思い出したりするんだろうな。もちろん席は自由席で、喧嘩している夫婦は・・・最近あんまり見かけないけど、探してしまうかも(本末顛倒です)。ウォークマンも止めておこう。これで一緒に電話の会話をやってくれる人を探す事ができるでしょうか?8点(2003-11-18 13:13:03)(笑:1票)

183.  カリスマ ちょっと衝撃を受けた。ストーリーが実に難解である。全ての登場人物の発言、行動、エピソードは何かを示すメタファーであり、カリスマと呼ばれる木はシンボルとしてのみ機能している。こんな映画が日本にあるのかと驚いた。これは、非常に限定的に、真に映画を味わい、理解し、物語を読み取ることのできる映画人に対してのエンターテイメントだと思う。残念ながら僕はそれに値しないわけだが。 あまり映像から読み取ることのできない僕は、この映画を映画として観賞する気にはならない。これだけ難解なストーリーだから、観賞しながら内容を把握し、その意味を推察して理解に至ることは、僕には不可能に近い。前提条件として何か与えてもらえば可能だと思うが、少なくとも一回の観賞で理解できる程度を超えていた。このストーリーは、小説のような媒体を使うほうが自然だし、このままの形で戯曲化してもいいと思う。黒沢清監督の映像化能力は素晴らしいと思うが、絶賛するほどのものではないし、演出能力には疑問が残る。ただし、ストーリーについての脚本能力はズバ抜けていると思う。難解だと批判するのは的外れに思うが、難解なのに何度も観たいと思わせないのは映画の出来に問題があるような気がするので、6点に留めます。 6点(2003-11-18 13:01:54)(良:2票)

184.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 企画の面白さもさることながら、演出家の細かさが光った映画だと思う。俳優の熱演と、その仕草の細かさ、それに汗染みの具合まで完璧だった。映画の内容は、観る前に解説でわかっている。最初の一人の無罪が最終的に全員一致に発展していく事、有罪を支持していた人間が実は己の偏見から意見をしていたこと。そんなことを解っていたとしても、一つ一つの投票ではドキドキするし、一つ一つの謎が明らかになっていくシーンにも見応えがあった。12人全てが非常に印象的な人物として表現されていることも重要だった。時代に流されない、面白さが風化しない映画もあるんだなと、納得した作品に賛美を送りたい。9点(2003-11-18 12:47:12)

185.  Helpless ささくれだった演技をさせると浅野忠信は光りますね。といっても、基本的に浅野忠信はささくれだった顔をしているだけかもしれません。彼は映画によって破綻具合のパーセンテージが変化しているような印象です。キャストといえば青山作品常連の斉藤陽一郎・光石研はここでも重要な役割を示していますね。光石研の、どうやっても転がり落ちていくしかない人生の具合は、悲しみを湛えています。斉藤陽一郎の、どうしても適合することができない、それでいて弱くて、自分を茶化すことでしか生きられない人生も悲しいです。ストーリーは、チンピラの転落とそれに巻き込まれる人々の話ともいえるんですが、一人一人の心情がきっちりと描写されているために、鑑賞後も反芻して考えることのできる作品だと思います。ちなみに、同監督のEUREKAはHelplessの続編的な意味合いになります。秋彦が共通の登場人物なんですが、これは青山真治著「EUREKA」「Helpless」に詳しいのでそれもお勧めです。EULEKAを観る前にHelplessを観てもらうと、ロケーション(北九州→甘木)の変化が作品にどのように影響を与えているかなどがわかっていいと思います。EUREKAで茂男が終始サングラスなのは、Helplessで死んだ光石研をどうにかしてEUREKAに登場させる為の配慮だと思うのですが、どうでしょう?8点(2003-11-17 18:52:23)

186.  幻の光 《ネタバレ》 能登の漁村の映像の美しさは、原作を読んだ人なら「もう少し」と思ってしまいますが、実際に映像化するとすれば限界があるようにも思えます。それに対して、街の映像はちょっとお洒落すぎかな・・・と、どうしても原作の自分のイメージで考えてしまうので、難しいのかもしれません。「どうして郁夫が自殺してしまったか?」という所で、貧しさのジメジメとした陰鬱な部分が重要だと思うのですが、そういった暗い面があまり見えてこなかったような気がします。主役が江角マキコというセッティングには少し疑問も感じましたが、気丈な姿を凛として演じているところに好感を持ちました。内藤剛志と柄本明の演技も素晴らしかったですし、いいと思います。この映画でポイントとなってくる郁夫(浅野)の「ひんがら目」ですが、これは実際には難しいんですね。やはり期待していただけに、がっかりしました。原作は、短編としても内容が多く、それをあますことなく再現しているのですが、ちょっと理解もしずらい映画になってしまったんじゃないかと思います。 6点(2003-11-14 00:44:10)

187.  ロザリンとライオン 《ネタバレ》 ベネックスファンでこの映画を観たのですが、最初レンタルビデオのパッケージを観て期待していなかった反動か、とても良い映画だと思いました。私の基準から言えば、ヒロインのロザリンはちょっとパッとしないかな?対して相手役のティエリは「ディーバ」のジュールのような細くて頼りがいは無さそうですが、なかなか男前に見えます。ストーリーはと言えば、古いフランス映画によくある若き逃避行モノですが、それが「ライオン」というキーワードで進んでいく所が面白いと思いました。若き二人が衝突するシーンもありますが、愛の葛藤は前面に押し出さず、最後の大舞台への前フリ程度。脇役たちが良い具合にエピソードを持っていて、映画を盛り上げて行きます。最後のシーンは、観ていてこちらが緊張してしまうほど、いい芸を見せてくれます。それにしても、ライオンの前でよくあれだけの演技ができるなと感嘆しました。ヒロインも最後は美しく見えます。満足しました。7点(2003-11-12 08:19:45)

188.  RED SHADOW 赤影 中野裕之監督がニンジャを撮ったらこうなった、という映画。忍者と言うにはお粗末だからニンジャと書いてしまうような、本格的な映画としては笑ってしまう出来だと思う。しかし、彼の作品は特に女性と自然の映像が美しくて、ストーリーと関係なく、観ていてドキリとさせられるようなシーンがいくつもある。吹越満や布袋寅泰、ピエール瀧などのおなじみの俳優が、この映画にピリリとしたスパイスを効かせていて、中野ワールドを心地よく広げている。カバエワまで登場させるんだから、完全にエンターテイメントの世界だ。しかし、失敗作は失敗作。エンターテイメントを描くのなら、映画一本で一貫した方向性を築くべきだろう。5点 と、ここまで書いておいてなんなんだが、麻生久美子出演作を何本か観て、やっぱり中野監督が麻生久美子に関しては一番いい演出をしていると痛感した。「チゥチゥ」に見事にやられたみたいだ。それで1点増やして6点。 もし途中で麻生久美子を死なせていなかったら、僕は7点献上していたかもしれない・・・。6点(2003-11-10 22:26:34)

189.  テス 《ネタバレ》 キリスト教徒は自殺ができないということに、悲しみを感じた。自殺なんて肯定できることではないのだけど、消せない過去を持つに至る顛末や、その後も続いていく悲しい転落が、とても切ない映画だった。キンスキーの笑顔も素敵で、ソフトフォーカスの画と非常にマッチしている。その時のキンスキーの表情が見たかったので、テスの殺人や絞首刑をきちんと描写して欲しかったと思うのだが、79年ということでしょうがないかなとも思う。ちょっと長いが総じて満足。6点(2003-11-08 23:03:54)

190.  王妃マルゴ イザベラ・アジャーニの美しさは特筆すべきもので、それに尽きると言えるかもしれない。しかし、後半の愛に生きる姿を際立たせる為にも、前半はもっと妖艶で兄弟までも魅惑した姿を見せつけて欲しかった。アンリとシャルルの友情めいた交際が俳優の演技の良さで際だって、本筋を引き立たせていると思う。何故かわからないが、深夜のシーンが昼間みたいだった。もっと暗闇を効果的に使えばいいのにと思った。6点(2003-11-08 20:26:54)

191.  回路 《ネタバレ》 一つ一つの流れに筋が通っておらず、登場人物の言動も不自然でまったくリアリティがない。ストーリー云々以前に一つ一つのエピソードに細やかな気配りがまったく見られず、手抜きが山ほどあった。二つの独立したストーリーが魅力かもしれないが、加藤側は迫力不足で物語も演技もダメダメダメで、カットして麻生側をもっと濃密にリアルに描いて欲しかった。私が気付いた矛盾、あれ?と思った点は以下。1.会社にPCがあるのに自宅で顧客リスト作る社員、そして1週間の無断欠勤を不問の会社。2.一人暮らしなのに鉢植えに鍵を隠してある。3.無断侵入しているのに「あ、いたの」と平然としている麻生。4.警察から戻った麻生に「紅茶行こっ!」と同僚の自殺にあまりに軽い矢部の一言。5.自殺したのに整理されず鍵もそのままの家。6.精神に変調をきたす有坂を病院にも連れていかず、放置してコンビニに行く麻生。7.エンジントラブルなのにスピンしたように停車した車。8.研究室にPCがあるのに授業用のPCルームで「環境変数が・・・」と話す小雪。9.理工の研究室なのに実験してるのが学部生の小雪一人。10.図書館で宇宙と心霊の本が隣り合って置いてある。11.不自然なほど豪華な小雪の部屋。PC6台は変。12.突然小雪を呼び捨てにしはじめる加藤。13.ダンボールを蹴散らす(!)ほど取り乱す小雪を置いてゲーセンに行く加藤。14.車のエンジンを修理しちゃう加藤。15.右顎から銃で打ったのに綺麗で無血の小雪の頭。16.相当長く放置された工場のガソリン(かどうかわからないはず)を入れようとする加藤。17.黄色い船の鍵を簡単にみつける麻生。18.船の運転までする加藤。19.日本の生存者の捜索もせず南米に赴くこと。東南アジア・インドの発展途上国の方が近くて可能性が高いはず。20.壁に凭れて死ぬ加藤。ベッドに寝せればいいのに。 「世界崩壊」という非現実の前に、現実がグラついているのでは説得力がない。しかしながら、魂の世界が有限であり、それを物質的に捉えたアイデアは素晴らしい。 4点(2003-11-08 19:51:56)

192.  Stereo Future SF episode 2002 「ストーリーなんていらない!映像美だけが良いのだ!」という映画で、自分の好みに合った。といっても、この映画には入れすぎってくらいにメッセージがあって、それは過飽和に達していて逆にマイナスになっているんだけど、やっぱりこの映画にはストーリーがない。それは評価に入れるべきだけど、僕は入れていない。映画にはいろんなスタイルがあっていいし、そのうちの1つとして成り立っていると思うからこそ、意外なくらいに多くの俳優が参加して、それで盛り上がる監督さんなんだろう。中野監督は、自分の気に入った俳優をとことん使う。どうして?と思うシーンに端役で登場させたりする。それを探すのも、気付けば楽しみの1つになっていて、それもアリかなと思い始めるものだ。黒沢清監督だとか、この中野監督だとか、どっちも単純なストーリーはめちゃくちゃで、コンセプトやメッセージのみの映画になっているような気がする。しかし、そのスタイルを批判ばっかりするのもどうかと思う。受け入れてみようじゃないか。竹中直人にひいてしまってマイナス3。これは生理的に。 7点(2003-11-04 02:40:48)

193.  アメリ 緑と赤をオーバーにしている画面がとても新鮮で、見ていて飽きなかった。現実にはありえないくらい素敵な部屋、凝りに凝った調度品、一つ一つの物が、出てくるハトまで素敵に見える。どのシーンも、乙女心をくすぐる、可愛さと皮肉に満ちていて、とても、良い。僕は男だけれど、それを超えていいなと思わせる大道具小道具さんの働きと、カメラワーク・演出がありました。アメリの行動は、その動機や、突発的な動きに予測がつかないことが多い。それを、「理解できない」と拒否してしまう人も多い。しかし、だいたいにおいて自分以外の人間をそう理解・予測できないことは実生活でも実証済みである。映画の中の人だけ自分にも理解できないといけないと考えるのは傲慢でもある。さらに、行動の動機がわかるようなことでは、アメリから発散されるこの最高の”エスプリ”(自分でも何だかわからずに使ってしまうが、)は到底得られないと思う。普通に考えても、日本からだいぶ離れたフランスの、文化も気候も食べ物も違う国で、しかも若い女で、さらにかなりエキセントリックに育った変人の考え方が理解できないのは当然だし、理解する必要もないと思われる。アメリの思考回路が理解できなくても、映画を観る洞察力不足だと非難されることはない。「こんな面白い考え方する人間がいる!」という気分で映画を観りゃいいのだ。それと、ドミニク・ピノン(気持悪いハンドテープのストーカーね。)に注目してください。もうこの存在感、最高です。なかなかいないとは思うけど、彼に着目した天邪鬼さんは是非、「溝の中の月」を観てもらいたい。(「ディーバ」にも出てるけどカッコよすぎ。)彼の怪優っぷりを堪能できます。話は変わるけど、この映画はサントラがとても素晴らしい。ヤン・ティエルセン。映画を気に入った人は、是非サントラも聴いて欲しいと思う。僕のチェンジャーには普通にヘビーローテとして入ってます。9点(2003-11-04 02:37:07)

194.  變臉~この櫂に手をそえて~ こういう「泣かせる」という傾向のものは駄目だと思ったんだけど。。。参ったね、すごく良かった。クーワーの演技が素晴らしい。しかもアクション(雑技)がきちんと出来ていて好感。變臉王の朱旭は貫禄ですね。とにかく見応えのある映画でした。9点(2003-11-04 02:33:08)

195.  青い夢の女 べネックス作品に期待できる映像の美しさは、及第点と言えると思います。青いフィルターをかけたような黄色と青色の飽和した色彩は観ていてうっとりとします。オルガの表情、服、仕草も蠱惑的で美しいと思います。しかし、やはりストーリーは物足りないですね。この監督は、こんなコメディを撮る人だったかなぁ?と、ちょっと疑問符がつきます。オルガの美しさはもっと多くのシーンで活用して欲しかったと思いますし、ジャンの演じるミシェルも、もう少しカッコよく悩んで欲しかったです。ブルーな映像を楽しむためだけの作品になっちゃいましたね。6点(2003-11-04 02:22:00)

196.  IP5/愛を探す旅人たち 《ネタバレ》 べネックス映画を観ていて感じることは、どんな時も、どんなシーンでも美しい映像を提供してくれる監督だな、ということだ。人物描写でも、自然描写でも、アップでも、引いても、それは変わらない。基調となる青色が観ている僕に心地よさを与え、黄色が刺激する。湖畔のシーンなど、とても幻想的なシーンを見せてくれる。ストーリーは、少々トリッキーで、疑問の残る部分もある。たとえば、何故あの老人は湖の上を歩けたのか?ファンタジックなシーンの演出としては素晴らしいが、「何者?」と思った。湖に現れるはずの娘達も、結局のところ普通のオバサンになってしまっているわけで、それを湖に入ることで捜し求める意味がよくわからない。疑問は、最後まで解決されないまま放置されてしまい、次の話へと進んでいくわけだが、結局のところどうでもよくなってしまう。クライマックスに近づくにつれて、話が現実的に進み、そして感動へつながるわけだが、その進み方もちょっと無理矢理な感がある。それでも、9点を付けるしかないと感じてしまうのは、映像と、ジョッキー役の少年の演技と、そして何よりイヴ・モンタン、とにかくイヴ・モンタンの最後の演技だろう。監督とイヴモンタンに敬意と賛辞をこめて、9点。9点(2003-11-04 02:17:55)

197.  ディーバ 《ネタバレ》 主人公のジュールが最初の頼りない細い男性からやがて、歌姫シンシアを受け止めるだけの度量を持つ青年に成長していくまでのストーリー(と僕は観た。)歌姫の歌うオペラは大迫力で、正直に言ってこれは絶対に映画館で観なきゃ損だ!と思った。公開時3歳の僕には無理なんですけど。汗 黒人女性と白人男性の恋愛ということに対して、何か悶着があるかと思っていたが、そんなレベルじゃないんですね。この映画にはベトナム出身の少女(アルバ)も登場しているんだけど、人種問題をサラリと流すところがフランスの粋なのかと思う。その少女や、何しているか解んないけど悟ってるオヤジ(リシャール・ボーランジェ)、それに刑事、殺し屋までがスタイリッシュでそれにディーバの歌までついてるんだから、観ていてウットリすること間違いナシ。ベネックスは初回監督作品でこんな映像を撮ってしまうのだから、その才能に圧巻。9点(2003-11-04 02:14:32)

198.  ベティ・ブルー/愛と激情の日々 《ネタバレ》 「インテグラル」の方を観て、はっきりと自分の間違いに気付いた。前にここに書いていたレビューの的外れさに自分で情けなくなった。僕が確信していることは、この映画が「ゾルグとベティの愛」の対立項として「人々の善良なる愚かさ」を挙げていることだ。この物語の登場人物には悪人は一人もいない。ペンキ塗りを命じた雇い主でさえも、悪人には描かれていない。では、何故にベティは死ななければならなかったのか?それは、ベティとその愛情があまりに純粋であったからである。ベネックス監督は何度も何度も、人々の愚かさ・日常に潜む虚無を取り上げている。(妙なネクタイのエディの葬儀、銃で威嚇する若い警官、強盗での警備員、病院から帰ったゾルグが見る白皮症の男ボブと妻の喧嘩 etc.) 薬売りのサーファーに言ったゾルグの言葉「どこもかしこも血の海」は示唆的である。そして、銀行強盗のあとベティの「何のため?バカね。」でゾルグも自らもその愚かな人々の一人であったことに気付く。小説の出版が決まり、ベティの回復を確信したその時には、既にベティは取り返しのつかない状態になっていた。それも、善良でありながら愚かな人々のせいである。ゾルグはベティを愚かな世界から解放し、彼も二人の永遠の愛の世界に戻る。  と、筋道だててみたのだが、ここまで書いて「本当か?」と書いたことに自分でも自信がなくなってきた。しかし、ベティの価値観を軸に話を読み取っていくと、頑なにゾルグとの愛(またはゾルグの尊厳)を守ろうとしたベティの行動と、それに対する「愚かな人々」が鮮明になってくると思うのだがいかがだろうか?この映画の示す情報量からすれば、単に「破滅的な愛の映画」としていいものかと疑問をもったりする。8点(2003-11-04 02:08:57)

199.  ピンポン 原作を忠実に再現して欲しいとは思いませんが、竹中直人と夏木マリはないんじゃないかな、と思いました。バタフライジョーの枯れて諦めた人生の中で、最後に全てを賭けたのがスマイルであり、オババがどっしりとして、無気力で、きつい言葉を投げながら心底惚れているのがペコなのだと思います。キャストについては、Mr.オオタ、チャイナ、それにペコと、文句言いたくなる部分は多いのですが、アクマとドラゴンのが、大倉・獅童の好演によって非常にいい雰囲気を出していたので相殺してこんなものかと思います。欲を言えば、チャイナの葛藤をもう少し引き出して欲しいと思ったのですが、各役者に十分に時間を与えたために言葉の伝わりにくいサム・リーは難しかったのでしょうか?ちなみに、サム・リーは香港の役者さんで、無問題2に出ています。だから言葉は広東語です。(チャイナは上海ユース)これでマイナス1点。 5点(2003-11-04 01:55:12)《改行有》

200.  青い春 《ネタバレ》 "青春"という言葉は、漠としてつかみどころのない、あの年齢でしか認識する事が出来ない言葉だと思う。高校を卒業して数年経って「あの頃は青春してたな」と思い出す時の"青春"は、実際に10代の僕が感じた"青春"とは異なっているだろう。あの時感じていた感情を、僕はいま「自分を認めてくれない社会への不満と将来の不安」と言葉にするけど、たぶんそんなに簡単に言い表せる言葉でもない。その時は確実に感じていた、けれどもはっきりと言い表せない、それが青春だと思っている。そんな"青春"の空気を見事に映像化したのがこの映画。冒頭の度胸試しから観客を虜にし、九條と青木を中心として話が進む。このメインキャストにおける起承転結に、木村・吉村のエピソードをクロスさせ、最初は爽やかですらあったシーンは気付けば"青春"という鬱屈に塗りつぶされている。だんだん暗くなってゆく展開の中で、九條が一人妖しく光る。繊細さと凶暴さ、それが美しさのなかで龍平が一段と映える。最後のクライマックスに鳴り続けるギターは、青木の存在まで切り裂く。 観終って、僕が初めてミッシェルのCDを買った日のことを思い出した。ミッシェルを聴かなくなった時、僕の青春は終わったのかもしれない。 9点(2003-11-04 01:44:21)(良:1票) 《改行有》

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