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プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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181.  ハーフェズ ペルシャの詩 何だかよく分からず、文化を理解していないと細かい事までは理解できない作品だと思うのですが、そうでなくともこれは説明的なシーンをほとんど省略してしまっています。その代わりに度々、出てくるのが移動シーンです。似たような風景のなか移動する度に、走るのはもちろん車移動までしっかり挿入してくるのですが、不思議なのはこれがあまり〝移動〟を感じさせないことです。わざとそうやって撮っているのでしょうけど、〝愛からは逃れられない〟って事なのかどうかは不明です(主人公以外の移動もあるので)。  それはともかくとして、麻生久美子さんが登場するファーストショットの美しさなどは素晴らしいですね。民族衣装もよく似合っています。[DVD(字幕)] 7点(2009-03-06 18:11:51)《改行有》

182.  必死の逃亡者 例えば立て籠った〝家〟の見せ方であるとか、時間が経つごとに強まっていく緊張感であるとか、それぞれの人物や3丁の拳銃の使い方であるとかが素晴らしいのですが、やっぱりボガードの悪役っぷりが最高です。というのもボギーの顔というのはヒーロを演じている時でさえ悪人ではないかと疑ってしまうほど凄みがあるのです。[DVD(字幕)] 8点(2009-03-03 18:06:31)

183.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 とにもかくにも息子を強く強く想う母の姿が胸を打ちます。たとえ相手が敵意むき出しの高圧的態度で迫ってきても、この母親は温厚で保守的であり反撃に転じませんし、悲しくても辛くても嬉しくてもボロボロ涙して泣くのですが(化粧が濃いのが良い)、どんな目に会っても決して挫けずメチャメチャ強いのです。この強さの原動力がアメリカ人の好むような不正に対する正義感からくるのではなく、母の子を想う一途な愛からきているのが良いです。最後に母親と犯人が面会するシーンがあるのですが、薄暗い部屋でアンジーの顔に光が当りまるで聖母のようになります。ところが息子の話が聞けないと一転し、非暴力的な彼女が犯人に対してはじめて手を上げるのです。しかし彼女が怒るのは犯人に対する怒りからではなく息子の生存を信じ、確認したいからであり、この映画が素晴らしいのはまさにそこの所で、最後の瞬間まで一貫してどこまでも息子を想う母の愛を描ききっているから美しいのだと思います。その証拠に正義を代表し大勢を引き連れて闘う牧師ジョン・マルコヴィッチにしっかりと焦点があたるのは、闘う時ではなく母親に警察の悪徳ぶりを教授する時だけなのです。[映画館(字幕)] 9点(2009-02-24 18:23:21)(良:3票)

184.  ベンジャミン・バトン/数奇な人生 《ネタバレ》 ラストにベンジャミンの関わった人々が順番に登場しますが、早い話し〝人生ってのは誰もが数奇でしょ?〟って事なんだと思います。しかし人生を語る割りには人物描写が浅い感じがします。〝若返り〟という題材にしても、口にはするものの若さへの渇望や恐怖が希薄なのです。ケイト・ブランシェットがプールで健康体の女性を見て泣きますが、そういったシーンをもっとブラピで見せてほしかったです。結局のところ肉体的に逆行する事に関してはさして重要ではなく、極端に普通の人生ではなかった一例を見せているように思います。またそんな事は別にど~でも良かったとしても、例えば大人になって最初に二人が再会した時にブランシェットがブラピを誘惑するシーンであるとか、ブラピとティルダ・スウィントンとの夜の密会シーンであるとかが全く官能的じゃなかったりするのです。そんなこんなで、つまらなくはないのですがフィンチャー監督がいったい何を一番見せたかったのかが良く分かりません。色々と詰め込み過ぎているようで、逆回転の時計などは思わせぶりに登場したのに作中に活かされていませんし、また現在のシーンで病院を直撃する嵐もニュース画面で省略するのは些かズルイんじゃないかと。  ただ、祖父と孫のようなベンジャミンとデイジーが夜中にテーブルの下で秘密を語り合う場面は作中で最も象徴的であり怪しくも幻想に溢れ素敵なシーンだったと思います(短かったので見誤ったかもしれないが海上の戦闘シーンも良かった気がする…)。  ところで若返りネタだと少し前にフランシス・フォード・コッポラ監督が「コッポラの胡蝶の夢」なる作品を撮っていますが、こちらはアカデミー賞にノミネーもされず…。コッポラとティム・ロスのコンビじゃ旬じゃなくダメだったんでしょうけど、〝若返り〟という事に関して撮ったとするならば私はコッポラ監督作の方を支持します。[映画館(字幕)] 6点(2009-02-23 18:32:01)《改行有》

185.  裸の拍車 《ネタバレ》 冒頭、拍車のカットから始まるのですが、これがカッコイイだけでなくちゃんとラストへの伏線となっていて印象深いです。登場人物たった5人で雄大な景色の中を進んで行くのですが、それぞれの思惑を絡め緊張感を持続させています。また、程よく挿入される銃撃戦もどれも素晴らしいです(特に高みから低みの構図や個々の行動が良い)。・・・ただ、個人的には5人しか出てこないのに5人ともに若干オーバーアクト気味であったり、ラストの純真無垢なヒロインの聖女ばりのアップ(彼女のショットではこれが最も美しくて良いのですが)であったりは、過ぎているように思えてしまうのです。もちろんそれが良くもあるのですが…。[DVD(字幕)] 8点(2009-02-18 18:14:22)(良:1票)

186.  飾窓の女 エドワード・G・ロビンソンという俳優さんのイメージはどうしたってギャングな印象が強く、それはあのオーソン・ウェルズが善玉として撮った時でさえ(46年「The Stranger」)、彼にはどこか相手をささくれ立たせるような雰囲気がありました。しかし本作では、そんな雰囲気が皆無に近く360度見まわしたって紳士であり人の良いオヤジであり見事に観客を迷宮へといざなっているのです。なぜにそういう風に見えたのか分かりませんが、一つにはあの何気なく掛ける眼鏡などで素朴さを演出した事が大きいと思います。本作ではそういった道具の使い方が非常に巧みであり、他にも対象の姿が映る鏡や暗闇でのガラス、女の家にある外に出るまで三重にもなっているドアなどの装置がサスペンスを盛り上げ、質を一層高めています。最たるシーンは飾窓の女が実際に現われる場面であり、それこそまさに非日常か幻想のように窓に映るキラキラした服の美女は迷宮の入り口に相応しいのです。[DVD(字幕)] 8点(2009-02-16 18:17:05)(良:1票)

187.  キー・ラーゴ 《ネタバレ》 それぞれのキャラクターの初登場シーンからして的確。ラウンジにたむろする個々のギャングたちの配置に、バーカウンターで競馬の話しをする女、バコールはせっせと働いており、彼女の義理の父親である車椅子のホテル主人はその様子を見守り、ギャングの親玉は当然の如くエラそうに風呂につかっています。これだけでも人物の性格付けが済んでしまったようなものです。さらに密室に充満した緊張感もあります。バコールを挑発するようにエドワード・G・ロビンソンが耳元でささやくのですが、その時のバコールのアップと影のように黒ずんだロビンソンの横顔が不穏な空気感をかもし出しています。そんな中で特に私のお気に入りのキャラクターは新聞を見てヘラヘラ笑っているギャングでして、彼の銃だけがピカピカ光っているのも印象的。  ラストの銃撃戦はやや物足りない感じがしますが、ここでも活躍?するのは例によってお気に入りのギャングで、彼がポケットに手を突っ込んでズドンとやるのが良い味を出しています。ジョン・ヒューストン監督とボガードのコンビなら「マルタの鷹」よりも本作をオススメしたいです。[DVD(字幕)] 8点(2009-02-09 18:15:05)(良:1票) 《改行有》

188.  或る夜の出来事 《ネタバレ》 お嬢様は何にも知らんだろうと、クラーク・ゲーブルがさも得意げにヒッチハイクの講釈をたれるシーンが何ともおかしいです。実践してみればカーレースのようにビュンビュン通り過ぎて行く可笑しさ。柵の上で優雅に横たわり〝しょうがない私の出番ね〟となり、女がそのおみ足をチラッと見せれば車が急停車する。もう分かりきったコメディなんですけど、これこそがエロティックなのだと思います。しかも上品かつロマンティック。ジェリコの壁の使い方なんぞ、その極みですね。当時は倫理規定の問題で性描写ができなかったのかもしれませんが、そんなのは物語る上で何の障害でもないことを証明しています。壁の上に掛かる下着、揺れる壁、ラストにはその壁が崩壊に到りハッピーエンドとなるわけですが、たった毛布一枚でこういった表現ができてしまうのが凄いことです。現在では退屈と言われても仕方ないこういう演出こそが、本当の豊かさなんだと思います。[ビデオ(字幕)] 8点(2009-02-03 18:22:20)(良:3票)

189.  野獣の青春 《ネタバレ》 時折、不自然に思えるようなショットのつながりがありますが、それが必然なのだと思えてしまうくらい一つ一つの画面に力があります。またジョーと竹下が内密な話しをするのは当然のごとく雨の埠頭のような場所であって、野本が女房を殴るのは当然のごとく砂埃が激しくまう荒野のような場所になっているのが面白いところです。  さらに男と女という生き物も巧く描かれていまして、例えば野本の女房の狡猾な振る舞いもそうですが、三波の治療をするシーンで全く目をそらさずに見る竹下の奥さんが怖い。これは刑事の妻だからではなくヤクザな女だったからなわけですが、表では編物教室なんかやっていて実は怖~いという二面性が凄いです。それに対して男はとことんバカなのです。竹下もバカだったしジョーもバカだったし、極めつけは三波であって、その行動原理は短絡的で言うに及ばずですが、そこには絶対的な決まりというものもちゃんとあって、たとえ親分を撃ち殺すことになっても男なら何であろうと貸しは返さなきゃならんのです。 [DVD(邦画)] 9点(2009-01-30 18:53:27)《改行有》

190.  ドミノ(2005) スタイリッシュと言えばスタイリッシュですが、とにかく映像がスピーディ過ぎるので、例えばキーラ・ナイトレイが下着姿でラップダンスを踊るシーンであるとか、例えばラストの激しい銃撃戦であるとかは、もっとちゃんと見せてほしいと思います。…ですが、〝ではつまらないのか?〟と問われるとそうでもなくて少々乱暴な見せ方ではあるものの随所でキーラは凄く魅力的に見えましたし、その目まぐるしさはドミノの人生そのもののようでもあります。 また、ビバヒルの役者たちやウォーケンとミーナ・スヴァーリなどそれぞれのコンビだけでも一本の独立した映画が撮れてしまいそうなほど、各々のキャラクターに面白味が秘められています。 さらに鉛筆をカリカリ削るルーシー・リューとの尋問シーンや、モーテルでドミノにあしらわれブチ切れたチョコにミッキー・ロークが諭すように語るシーンもやっぱり良いと思うのです。[DVD(字幕)] 7点(2009-01-26 18:26:57)

191.  鉄腕ジム 《ネタバレ》 いくつものユーモア溢れるシーンと、ジムを演じるエロール・フリンの底抜けの爽やかさで楽しい感じの作品に仕上がっています。ジムが〝何故かボクシングが巧い〟と判明した後、自宅でジムとその兄たちが幼稚な喧嘩を始め〝表へ出ろ!〟となるわけですが、〝兄弟喧嘩が始まるぞ〟と声をあげれば大勢の野次馬が駆け込んで来ます。つまり地元ではすっかり名物になっていて、ジムのボクシングは兄弟喧嘩で鍛え上げられたものだと分かるのです。この意外性にして火事場のように集まって来る人々の面白さ(兄貴たちもプロになれば儲かるのに)。 ヴィクトリアとの痴話喧嘩にしても、兄弟喧嘩が日常のコーベット家にしてもとにかく賑やかですが清々しさがあります。  肝心のボクシングシーンはと言いますと、王者サリバンとの対決よりも水上の試合が一番の見所となっていまして、空から映されたリングの周りのキラキラ光る水面と大挙して押し寄せた興奮する観客たちのざわめきが、試合するリング内よりも明かに動きが激しく、〝内〟より〝外〟を動かすことによって臨場感をだすという工夫がなされています。  しかし、そんな賑やかな本作中で最も印象的なのは、唯一しんみりとさせてくれる王者サリバンの退場シーンだったりします。常に周りは人だかりのサリバンが正装して一人でやって来る姿が、ジムの見る鏡ごしに写ります。あれは敗れてしまった強くて孤独な王者の悲哀がよく出ていてホロリとさせられ、見逃せぬシーンとなっているのです。 [DVD(字幕)] 8点(2009-01-22 18:07:33)(良:1票) 《改行有》

192.  グッドナイト&グッドラック 報道の真の意味を問い闘うエド・マローがとことんカッコ良いです。それはたとえあのジョージ・クルーニーがダサめの眼鏡をかけていなくたって彼の方が格好良く見えたでしょう。というのはマローの鋭い眼光だけではなく、始終プカプカ吸い続けている指の間で今にも燃え尽きそうなあのタバコがキーアイテムになっているからです。クルーニーが白黒で撮ったのは当時の映像に合わせる為よりもタバコの煙の美しさを表現するためではないかと思えるくらいに、あるいはタバコ会社がスポンサーについているのではないかと思えるくらいにタバコが素晴らしいです。特にマローが登場するファーストショットがしびれます。横顔の影にタバコの白い煙が美しくまっています。この魅力的なショットから始まることによって、これから始まるマローの物語において彼がいかに立派に闘ったかという事に説得力を持たせ、英雄譚として成立させているのです。[DVD(字幕)] 8点(2009-01-19 18:13:23)

193.  地球の静止する日 《ネタバレ》 異世界からの侵入者としてのクラトゥの浮いた描写が本作のキーになっているのは間違いありません。下宿先のみんながTVを見てるところにヌッと現われ表情が影に隠れて見えないところなど、いかにもですが不気味そのものです。またクラトゥは日本人のように微笑をたたえていますが、これはまったく仮面のようであって、その真意ははかりかねるものであり人間の形でありながらも彼を不可解な存在とすることに成功しています。さらにB級ながらも力学に従うように球形でまとめられた宇宙船やロボットの造型、完全無欠の着グルミなのに惹きつけられてしまうゴートの存在感なども良いです(特にクラトゥを救いに来るシーンなどはとても素晴らしい)。  一つ残念なのは、クラトゥたち宇宙人の力を見せるのに地球中の電力を停止させるという映画的には面白くもない何ともない大技で見事に?乗り切られてしまったことですが、逆転の発想であり平和的解決法と思うとこれまた見事です。 [DVD(字幕)] 8点(2009-01-14 18:29:11)(良:2票) 《改行有》

194.  廃墟の群盗 《ネタバレ》 銀行を襲撃する前に酒場のカウンターに強盗一味がずらっと並び、端にいるグレゴリー・ペックがウイスキーグラスを滑らせ回すと、数人は手元を見ずにキャッチします。こういうのがカッコイイですし、彼らの強盗家業の長さがうかがえます。さらに騎兵隊に追われるシーンの迫力や砂漠を越えて行く過酷なシーンがしっかりと続き、始めの方は特に見せ場の連続となっています。しかし最も印象的なのはラストの3人の決闘シーンで、実際に撃ち合う映像はないものの、仕掛ける前の静けさのなかにある緊張感や、銃声、馬のいななき、ペックを心配して駆け込んで来た女が目にする見事な死体の演出などで素晴らしいシーンになっています。・・・ただ惜しむらくは、一貫して小ズルイ感じが良く出ているリチャード・ウィドマークに対して、グレゴリー・ペックは正義漢か無頼漢かよく分からないのはともかくとしても、まったく強そうに見えないのは残念です。[DVD(字幕)] 8点(2009-01-07 18:20:11)(良:1票)

195.  地球が静止する日 《ネタバレ》 SFの古典作品を再映画化する目的は何にあるのか?それは過去表現できなかったシーンをCGを駆使してリアルにすることだろうと思っていましたが…どうやらそうじゃないみたいです。宇宙人側にはあまり興味がないようで、その証拠に宇宙人のロボットであるゴートが犯罪的なまでに魅力に欠いています(巨大化すれば良いってもんじゃない)。クラトゥもキアヌ・リーブスの無感情な雰囲気が感じを出していますが、格別に謎めいた存在でもありません。どうも〝愚かながらも愛しい人類〟の側を描きたかったようで、わざわざ中国人のおじいちゃんに人類を説明させた上で、血の繋がりのない白人の母親と黒人の息子の愛をキアヌの目前で見せます。なるほどと得心したキアヌは去って行くわけですが、不思議なのはこの作品には集団というものがほとんど描かれていないことです。冒頭こそ科学者たちが集められるものの、以後はあらゆる場面でほとんど個人の判断で物事がなされます。クラトゥを治療する医師も自白をさせる男も一人、ゴートに攻撃する際や調べる時も一人の軍人や政治家?の指示で行われ、ノーベル賞の博士も厭世感を抱いていそうであり、きわめつけは国防長官で(キャシー・ベイツの超然とした様がいかにも個人主義)地球存亡の危機にほぼ独断で指揮をとり大統領との会談も一対一の電話ですませるのです。ここには地球に共存する人類に不可欠な〝話し合い〟というものがなされていません。また「宇宙戦争」など襲来ものでは度々見られる群衆のパニックも皆無に近いです。〝人間は一人だと良いが集団になると厄介だ〟と言ったのは「メン・イン・ブラック」のトミー・リー・ジョーンズで、そのとおり怖いのは個人ではなく群集なのです。中国人のおじいちゃんは70年に及ぶ観測の結果、それを知っていたからこそ人類を愛しながらも殲滅を選んだのでしょう。なのに集団を全く描いてないので人類が助かったことについては説得力に欠けているのです。  それと言わずもがなですが、〝地球が静止する日〟ではなく〝アメリカが静止する日〟と言う感じがします。まぁ、実際のところ残念ながらアメリカが静止したら地球が静止したようなもんなんですけどね;。[映画館(字幕)] 5点(2008-12-29 11:02:25)(良:2票) 《改行有》

196.  天と地と 《ネタバレ》 制作費52億円らしいですが、確かに合戦のシーンはスケールが大きいです。陣形をとっている大軍の兵士たちを遠巻きから映すのはキューブリックの「スパルタカス」を彷彿させますし、女武者隊が全滅してしまうシーンは馬の脚元を映し続け、いかにも踏みにじられている感じがよく出ています。また、霧の中から謙信の軍勢が〝オンベイシラ~(?)〟と現われる箇所も見所になっていますし、近年のアクション作品に見られるアップの連続で戦闘をごまかすような事をしていないのも好感が持てます。・・・ですが、結局のところ本作はそんなに面白く思えなかったです。それは人間ドラマが皆無に近い事や、添え物のように出てくる女たちのつまらない描写などにあると思いますが、最たる原因は本作が全編を通して躍動していないことにあると思います。例えば、謙信の成長物語であるにもかかわらず、謙信が将たる者の自身を失う、あるいは将たる者の覚悟をもつ大事なシーンにしても全くもってアッサリ処理され激情のようなものが走っていません。〝謀反を起こした配下の妻子を殺さねばならぬ〟という凄惨な場面であっても本作は迫ってこないのです。さらに、桜が散る美しい風景など風光明媚なシーンがけっこうありますが、それはそれだけでしかなく物語に生きているように思えないのです。[DVD(邦画)] 5点(2008-12-26 18:39:54)

197.  傷だらけの男たち 《ネタバレ》 こう言っては元も子もないのですが、全体的に平坦で盛り上がりに欠けます。金城武が捜査をしトニー・レオンに迫っていくのですが、近付いていく感じが全く感じられません。また金城演じる探偵は重度の酔っ払いですが、ただ酔っ払っているだけに過ぎず、そこから何にも発展しませんし、時おり挿入される、いかにも現代風なサスペンス演出はスタイリッシュというよりも安っぽさしか感じさせません。…ただ、冒頭の捕縛場面でトニー・レオンが何気なくハンカチを手にすると蝋燭立てを持って犯人を殴打する狂気はゾクゾクさせてくれますし、この男がただの善玉警官ではないと一見にして判明するシーンでなかなか面白いと思います。ですが、この狂気というものが持続していないのです。そして何よりこの映画が致命的なのはトニー・レオンと金城武というカッコイイ男たちが、あまりカッコ良くみえないことです。哀しいトニー・レオンはもっとカッコイイはずです。[DVD(字幕)] 5点(2008-12-22 18:18:35)(良:1票)

198.  ダーウィン・アワード 《ネタバレ》 人間の突拍子も無い発想から生まれるダーウィン的事故を見聞していくのですが、その〝目線〟が工夫されています。たまにわざわざドキュメンタリー男のカメラの枠を画面に表示させ、観客の目線をドキュメンタリー男のものと同化させているのです。ドキュメンタリー男の姿は画面に映りませんし、時にその存在も無かったもののように扱われますので、あたかも神の目線の如く、人間の奇妙な行動を観察するダーウィン的なファインズを観察するのです。・・・ところが、途中からこのドキュメンタリー男のカメラを構えた姿がチラチラと映し出され始めます。〝あらら、おかしいぞ、神様の姿は見えないはずだろ?〟と思っていましたら、最後の最後でドキュメンタリー男がダーウィン的行動をして画面にもろにインしてくるのです。まるで雲の上から下りて来るように屋上からファインズの位置まで落下してきます。つまりアホな連中だなと思って見ていたら自分もダーウィン的人物の仲間だったというわけです。神の目線は事件の真相を映し出していた固定カメラの方だったのです。当初はハンディカムで撮ってドキュメ風なんて安易でお粗末すぎやしないか?と思っていましたが、見事な仕掛けでした。と言う事で、素敵なダーウィン的人類に幸あれ![DVD(字幕)] 7点(2008-12-16 18:14:02)(良:2票)

199.  自由を我等に 《ネタバレ》 機械に仕事をさせ人間たちは悠々自適という素敵なラストでしたが、現実世界では機械生産は雇用問題へと発展し残念な状況になってしまいました…。がしかし、そんなことはどうあれ本作は、〝人間味〟という大事なものを謳っているのです。合理性や利潤ばかりを追い求めていたら人間おかしくなっちゃうよと。それを体現しているのが脱獄し成功者となった男の〝ウィンク〟なのです。大金持ちになった男の前に昔の刑務所仲間が訪ねてきて、追い出そうとするもケガの治療をしてやると昔を思い出し友情を取り戻すシーンで、その合図はウィンクでなされます。これは最初の刑務所のシーンで二人が度々やっていた会話のようなものですが、このウィンクの優しく美しい事と言ったらないのです。これぞ人間味であって世知辛い世の中の救いなわけです。いやぁまさか男の、しかも髭のオッサンのウィンクに感動させられるとは…やられました。  ちなみにチャップリンの「モダン・タイムス」にも影響を与えたといわれる本作はトーキーですが、おそらく台詞が無くとも概ね意味が分かるのでサイレントに近い印象を受けます。でもだからこそ、シッカリした作りになっています。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-09 18:25:47)《改行有》

200.  テキサスの四人 《ネタバレ》 ディーン・マーティンはフランク・シナトラから銃を取りあげる時、帽子の中まで確認する…用心深い男なのかと思ったら自分自身が帽子の中に拳銃を隠し持っているからでした。しかしだからこそ敵の帽子も確認するのが当然であって、そんな見逃してしまうような些細な事をわざわざやってみせる芸の細かさが本作の面白いところなのです。ギャグにしても面白いかどうかは…別にして…重ねに重ねていますし、言葉で笑わせるのではなく、とても視覚的です。さらに女優さんたちの華やかさが凄まじい。衣装の派手さに見劣りしない圧倒的な肉感とでもいいましょうか、いやはや何とも雅なのです。ネグリジェ姿のマックスの後ろから光があたり体のラインがくっきり見えるというシーンは、エロティックでありながら下品になり過ぎてはおらずその加減が巧妙なのです。こうみんなが洒落こんでいますと野暮な悪党はサッサと退場するのが至極当然なのですが、ただせっかくチャールズ・ブロンソンを配役しているのですから、その扱いのぞんざいさは残念です。[DVD(字幕)] 7点(2008-12-03 18:08:54)

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